武満徹:ノヴェンバー・ステップス (詳細)
東京都交響楽団(アーティスト), 武満徹(作曲), 若杉弘(指揮), 鶴田錦史(演奏), 横山勝也(演奏), 堀米ゆず子(演奏)
「作曲家の思いが込められた銘盤」「武満入門に最適。”弦楽のためのレクイエム”は現代の最高傑作であることを認識させる演奏!」「作曲者が認めた極上の演奏!必携!」
清水脩「山に祈る」 (詳細)
合唱(アーティスト), 二期会合唱団(アーティスト), 同志社グリークラブ(アーティスト), 栗本正(アーティスト), 河内桃子(アーティスト), 立川澄人(アーティスト), 島田恒輔(アーティスト), 中村健(アーティスト), 若杉弘(指揮), 清水脩(その他), ビクター・フィルハーモニーオーケストラ(演奏)
湯浅譲二:ヴァイオリン協奏曲 (詳細)
堀米ゆず子(アーティスト), 武満徹(作曲), 湯浅譲二(作曲), 芥川也寸志(作曲), 若杉弘(指揮), NHK交響楽団(演奏), 小林英之(演奏)
「あまり期待していなかったのだが、買ってよかった一枚」
武満徹:ジェモー (詳細)
東京都交響楽団(アーティスト), 武満徹(作曲), 若杉弘(指揮), 本間正史(演奏), リンドベルイ(クリスチャン)(演奏)
武満徹:カトレーン (詳細)
ボストン交響楽団(アーティスト), 長野羊奈子(アーティスト), 武満徹(作曲), 小澤征爾(指揮), 野口龍(演奏), 高橋悠治(演奏), タッシ(演奏), 伊部晴美(演奏), 浜田三彦(演奏), 永廻万里(演奏), 安倍圭子(演奏)
「最初の2曲が初演者による録音。」「日本の伝統楽器の再認識」
別宮貞雄作品集 (詳細)
東京都交響楽団(アーティスト), 別宮貞雄(作曲), 若杉弘(指揮)
「対照的な2作品」
別宮貞雄:ヴィオラ協奏曲 (詳細)
NHK交響楽団(アーティスト), 別宮貞雄(作曲), 石井真木(作曲), 広瀬量平(作曲), 若杉弘(指揮), 岩城宏之(指揮), 外山雄三(指揮), 今井信子(演奏), 鬼太鼓座(演奏), 山本邦山(演奏)
「佳品ヴィオラ協奏曲」
ノーヴェンバー・ステップス~日本の管弦楽名曲集 (詳細)
オムニバス(クラシック)(アーティスト), 黛敏郎(作曲), 小山清茂(作曲), 外山雄三(作曲), 岩城宏之(指揮), 尾高忠明(指揮), 東京都交響楽団(演奏), NHK交響楽団(演奏), 読売日本交響楽団(演奏), 鶴田錦史(演奏), 横山勝也(演奏)
「現代音楽が苦手な人もどうぞ」
別宮貞雄:交響曲第5番~管弦楽 (詳細)
別宮貞雄(アーティスト), 若杉弘(指揮), 東京都交響楽団(演奏), 神谷郁代(演奏)
「ひとりでも多くの方に聴いていただきたい一枚」
ウェーベルン&ベルク:作品集 (詳細)
若杉弘(アーティスト), ケルン放送合唱団(アーティスト), ウェーベルン(作曲), ベルク(作曲), ケルン放送交響楽団(演奏), ヘルシャー(ウルフ)(演奏)
・「作曲家の思いが込められた銘盤」
初期の作品である「弦楽のためのレクイエム」「ノヴェンバー・ステップス」から、今回初録音となった「ヴィジョンズ」まで、武満徹の音楽人生の歩みが収められている。このCDは武満自身が監修し、作品紹介及びエッセイもライナーノーツ載せている。武満の思いが込められた銘盤である。小澤征爾指揮のCDもあるが、若杉弘指揮東京都交響楽団の演奏は小澤盤とはちがった独特の味わいがあり、特に東響の低弦の美しさは流麗で威厳を感じる。
・「武満入門に最適。”弦楽のためのレクイエム”は現代の最高傑作であることを認識させる演奏!」
武満徹の名曲ベスト盤と言って良く、初めて聴く方に最適。あまり音量を上げずに、BGM 的に聴き始めて欲しい。どの演奏も、大変落ち着いた音で、最初から最後まで安心して聴ける。 ことに、武満徹の出世作、弦楽のためのレクイエム(1957)。これを聴いた(スコアを見た)ストラヴィンスキーに絶賛されたのは有名な話だ。 私は、岩城/N響の古い録音のCD(1960?)、恐らく髪を振り乱し、精魂込めたかのような小澤の演奏、で聞いていたが、ヴァイオリン中心で高音弦楽器の金属的な音色、和音でのざらつき、テンポがアッチェランド気味になる盛り上がりでのフォルテのうるささ、に閉口していた。なぜ、ストラヴィンスキーがそこまで褒めたのか、わからないでいた。 ところが、この新しい(と言っても1991年)録音は、最初から最後まで、整然と、自然に、フォルテの部分も全くうるさくなく録音されている。オーケストラ(都響)は、最高のレベルにあり、ヨーロッパのオーケストラ以上にうまいし、キンキンせず低音主体の音色も落ち着いている。 作曲者立会いの下、録音されたこの演奏(9分21秒)は、小澤征爾らの速いテンポ(7分30秒前後)ではなく、このゆっくりしたテンポを、肯定しているとも受け取れる。そして、私にも、その方がはるかにしっくりとくるのである。作曲者がライナーノーツに書いている、”私はこの<レクイエム>を<メディテーション(瞑想)>としてもよかったのです”を体現化した演奏と言えよう。 実は、武満自身が、どの曲も作曲時頭の中で鳴らした音楽のテンポと、実際に音にしたときのテンポの食い違いを気にされており、メトロノーム表示を(遅く)変えようと、生前口にしていたとのことである(フルート奏者、小泉浩氏による)。 こうしてみると、若杉弘こそが、武満作品の真の理解者ではないか、と思われてしまう。 小澤も、岩城も、作曲者に共感し、主観的に、あまりに無我夢中に煽り立てて演奏するため、結果的にこの曲の本質が抜け落ちて、情熱的な曲に仕立ててしまったように感じられた。 この曲は、繰り返し聴いて嫌にならない、現代音楽の最高傑作の一つといって過言ではない。すべてのクラシックファンに、この演奏で聴き直すよう、お勧めしたい。 (追伸)聞き比べの出来る現代音楽曲というのも、本当に数少ない。この曲の演奏では、やや明るめの音色ながら、さらにゆっくりと演奏した(10分58秒!)美演、クレア指揮パシフィック交響楽団があり(ソニー、カップリングの二曲も瞑想的な癒しで最高!1997年録音)、今後、さらに遅い演奏を楽しみに待ちたいと思う。
・「作曲者が認めた極上の演奏!必携!」
「ヴィジョンズ」はバレンボイム版もあるが、この若杉版の静謐な美は完璧だ。武満氏も解説でオケのサウンドを褒めている。「遠い呼び声の彼方へ!」は堀米氏のソロの曲を知り尽くした、というか作曲者も思いも寄らないような表情の豊かさによるロマンティックな表現が素晴らしい。作曲者も激賞。このソロを聴いて、サントリーホール10周年にはヴァイオリン協奏曲を書こうとした武満氏が病に倒れ果たせなかったという位の名演。 他の2曲も武満氏曰く「小澤氏のアプローチとは対極で、いかに作品が時間という発酵を経て育つものなのかを感じる」というこれまた静謐で強靭な名演。このCDは日本の宝です。
・「あまり期待していなかったのだが、買ってよかった一枚」
サントリーホールの10周年を祝うCD。武満徹のレクイエムは、可もなく不可もなく。
湯浅のヴァイオリン協奏曲は個人的には代役の戸田弥生の方が好きなのだが初演の堀米の独奏、それを支える若杉=N響もなかなか良い。
芥川の「響」は所詮過去の作品の焼き直しと言う方もあるだろうが元になっている「オスティナータ・シンフォニカ」のCD録音はなく、この曲も他の録音がないことから音源としても貴重であるし執拗なオスティナートを見事に演奏しており芥川ファンなら買うべき一枚であろう。
・「最初の2曲が初演者による録音。」
どの曲もグラモフォンに吹き込まれた録音であり、最初の2曲は、初演者によるもので、貴重です。LP初版のジャケットは白いバックに4の文字が浮き上がり、綺麗なデザインでした。できれば、そのデザインを使って欲しかった。他の曲は室内楽曲ですが、日本グラモフォンでの録音です。以前同内容のCDがDGGから発売されていましたが、ジャケット、解説を日本版に変更しての再発です。武満作品を聴くには、欠かせない作品集です。推薦。
・「日本の伝統楽器の再認識」
日本楽器を使った古曲以外には、優れた音楽は少ないと思っている。しかし、武満さんはちがう。日本楽器の冒険というのか、本来伝統楽器に隠された現代的な感覚を引き出せたというのか、新鮮だが、馴染んだメロディだ。情熱が溢れる。魅了。けれど、伝統楽器は余り強調されていないことはきになる...
・「対照的な2作品」
前衛的な手法でなければ“現代”音楽でないと言われた196,70年代にあって、別宮貞雄は調性に基づく音楽を書き続けた。彼の音楽は、だからといって同時期の保守的な作曲家にありがちなハリウッドの映画音楽の延長上にはなく、以外と噛み下しやすい作品ではない。
この2曲のうち、3番「春」は1楽章が本来祝典用の吹奏楽に用いられていることもあり、明るく伸びやかな抒情的な作品となっている。4番は「1945年夏」という副題が示すように終戦前後の抑圧(1、2楽章)とそれへの精神的な開放(3楽章)、という構成となっている。1楽章は持続的な低音のリズムが執拗に繰り返され重苦しい雰囲気となっているが、ヨーロッパの作曲家の同系統の作品とは違い、ある種の“軽る味”がある所が日本の作曲家だなという気がする。ちょうどこの3,4番の組合せは、オネゲルの3番(典礼風)と4番(パーゼルの喜び)との対比を思わせる。筆者はたまたまこの両録音の実演を聞いた(この日は他にバイオリン協奏曲が演奏された)が、録音は悪くはないのだが、もうすこし弦楽器に輝きがあった方が良かった。
・「佳品ヴィオラ協奏曲」
別宮貞雄のヴィオラ協奏曲のCDはほぼ同時期の録音である、実況としての初演の録音もかつてあって、この時の指揮者は森正ではなかったかと覚えている。
演奏は同時期ながら違っていて、実況のほうがテンポが速く、のりが良かったような気がするが、録音としてはこちらのほうがやや良い。いずれにしてもこのメロディアスな佳品の貴重な録音である。別宮貞雄のオーケストラ作品の中でももっとも抒情的な作品ではないか。この作品が尾高賞をとった時、その“保守的な姿勢”を批判されたことを覚えている。録音は作品を楽しむ分には問題ないが、やはりそれ専用ではなかったから、限界はある。あれから30年以上経った今、そろそろ最新の録音で誰かCDをださないだろうか。ただでさえヴィオラ協奏曲の作品は少なく、みんなが親しめる“保守的な”佳品なのだから。
このCDはヴィオラ協奏曲を聴くために買ったのだが、他の石井、広瀬の作品も、私のような保守的な聞き手にとっても楽しめた。
・「現代音楽が苦手な人もどうぞ」
古い録音ですが、それだけに好演奏が収録されています。無難な一枚と言ったところ。現代曲になじみの無い方は、このアルバムを最後から逆に聞いて見て下さい。きっと、現代音楽も悪くないなぁと思うはず。「管弦楽のためのラプソディ」は何も考えずにただ楽しんで下さい。「木挽歌」の作者の小山氏は民族派と言われています。ゴジラの音楽でおなじみの伊福部昭氏を真面目にした感じ。「舞楽」、「ノヴェンバー・ステップス」と続くうちに、ほら、現代曲も悪くないでしょ。気に入ったら、黛派は「曼荼羅交響曲」、武満派は「鳥は星形の庭に降りる」も聞いてみて下さい。
・「ひとりでも多くの方に聴いていただきたい一枚」
冒頭の「管弦楽のための二つの祈り」は、別宮氏34歳のときの作品(なお、氏の最初の管弦楽曲「管弦楽のための二章」とは別の曲である。別宮氏と同世代の作曲家・指揮者だった故・芥川也寸志氏は、一時期このふたつの曲を混同しておられたそうだが、私も長年誤解していた)。さらに、50代終わりの時期のピアノ協奏曲、70代の終わりの時期の交響曲第5番と、別宮氏の作曲活動のあゆみを一望させてくれる貴重なディスクである。
別宮氏の作品を聴いていると、こうした曲を書かずにはおれない、このように作曲しないではおれない、という内面的な衝迫が伝わってくる。音の一つひとつに必然性がこもっているのだ。別宮氏の作品は、だから、調性音楽の手法にもとづきながらも、決して心地よいだけの音楽ではない。自分が伝えたいことを、真正面から、真率に語っている。このため、最初はとっつきにくい印象を受ける曲もある。しかし、そんな曲も、聴き終わってしばらくすると、率直でまっすぐな心映えが懐かしくなって、もう一度聴きたくなる。私にとって別宮氏の交響曲第5番は最初、そうした作品だった。
ピアノ協奏曲は、別宮氏の作品のなかでもとりわけロマンティシズムに溢れた一曲だ。美しいメロディーとハーモニーに満ちている。だが、安っぽい感傷や癒やしに傾いたりはしない。どこまでも凛として、清冽な祈りに貫かれている。とくに第1楽章。この楽章を聴いていると私は、氷雪をまといながらもすっくと聳えて天空の彼方をあおぐ、極寒のなかの大木と向きあっているような気持ちになってしまう。
神谷郁代のピアノも、若杉弘指揮する都響の演奏も、作品への熱い共感にあふれている。聴きなおすたびに至福のときをもたらしてくれるCDとして、ひとりでも多くの方に聴いていただきたい。
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