DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set [DVD] (詳細)
金子修介(監督), 藤原竜也(俳優), 松山ケンイチ(俳優), 戸田恵梨香(俳優), 中村獅童(俳優), 鹿賀丈史(俳優), 大場つぐみ(原著), 小畑健(原著), 大石哲也(脚本)
「L最高」「凄いインパクト」「娯楽映画としてはこれでいいと思います。」「前後編で見て初めてわかる良さがある」「悪を裁くのは正義か」
太陽を盗んだ男 [DVD] (詳細)
長谷川和彦(監督), 沢田研二(俳優), 菅原文太(俳優), 池上季実子(俳優), 北村和夫(俳優)
「同時代的に共感出来たシラケ世代のピカレスク・ロマンの大傑作!」「長谷川和彦という映像作家の資質 生きる証をつかむため」「黙って観りゃあ、それでいいのさ。」「原爆製造の場面が面白い」「好きです。それが故に☆3つ。」
キサラギ スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
佐藤祐市(監督), 香川照之(俳優), ユースケ・サンタマリア(俳優), 塚地武雅(ドランクドラゴン)(俳優), 小栗旬(俳優), 小出恵介(俳優), 酒井香奈子(俳優)
「最高の脚本」「密室で、男5人が展開する波瀾万丈の物語」「見るべし!」「おもしろいですよ〜♪」「よくぞここまでよく練られた、見事な脚本です。」
クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD] (詳細)
松尾スズキ(監督), りょう(俳優), 内田有紀(俳優), 蒼井優(俳優), 宮藤官九郎(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 妻夫木聡(俳優)
「重篤な患者」「大竹しのぶ恐るべし」「内田有紀ってこんなに綺麗だったっけ?日本版「17歳のカルテ」」「松尾スズキはやっぱり天才だ!!」「あえて軽く描くというリアリティ」
マルサの女 [DVD] (詳細)
伊丹十三(監督), 宮本信子(俳優), 山崎努(俳優), 津川雅彦(俳優), 大地康雄(俳優)
「脱税の手口とその人間像の面白さ。」「見るものを圧倒する演技力」「伊丹監督の最高傑作」「伊丹を悼む」「伊丹十三監督の色」
人が人を愛することのどうしようもなさ [DVD] (詳細)
石井隆(監督), 喜多嶋舞; 津田寛治; 永島敏行; 美景; 竹中直人(俳優)
「大人の映画」「リアルな女性描写」「凄い」「“過剰露出”の意味は?」「石井隆が土屋名美を描くことのどうしようもなさ」
ゆれる [DVD] (詳細)
西川美和(監督), オダギリジョー(俳優), 香川照之(俳優), 伊武雅刀(俳優), 新井浩文(俳優), 真木よう子(俳優), 木村祐一(俳優), ピエール瀧(俳優), 田山涼成(俳優)
「若干32歳の西川監督恐るべし!!」「ゆれている心を描いた、素晴らしい作品。」「鳥肌」「2006年度最高の邦画!」「K-1並みの格闘技」
鬼畜 [DVD] (詳細)
野村芳太郎(監督), 岩下志麻(俳優), 緒形拳(俳優), 蟹江敬三(俳優), 田中邦衛(俳優), 大竹しのぶ(俳優), 小川真由美(俳優), 松本清張(原著), 井手雅人(脚本)
「緒形拳と岩下志麻の怪演がすごい。」
運命じゃない人 [DVD] (詳細)
内田けんじ(監督), 中村靖日(俳優), 霧島れいか(俳優), 山中聡(俳優), 山下規介(俳優), 板谷由夏(俳優)
「傑作です!」「傑作!! 文句なく星5つです」「東京郊外・調布。ありふれた町の一晩が、おそろしくドラマチック!」「これは実に不思議な雰囲気を持った作品!」「★段々と面白みが増してくる★」
眠らない街 新宿鮫 [DVD] (詳細)
滝田洋二郎(監督), 真田広之(俳優), 田中美奈子(俳優), 奥田瑛二(俳優), 矢崎滋(俳優), 今井雅之(俳優), 松尾貴史(俳優), 浅野忠信(俳優), 大沢在昌(原著), 荒井晴彦(脚本)
「やっと出ます」「リアルな警察モノの走り」「夜の新宿」「待ちこがれていました。」「走る! 走る!」
●DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set [DVD]
・「L最高」
松山ケンイチ演じるLが原作にそっくりでとにかく魅力的に冴える。お菓子を食いながら推理したり画面を見たり、爪を噛みながら悔しがる様は漫画のLそのものだった。Lの独特の座り方や物の摘み方、漫画から現実に飛び出してきたような松ケンの演技力に乾杯w
前後編を合わせて見てみると、前編に比べてリュークのCGがスムーズに動くようになっている。これはレムも同様で、テレビ局のシーンでレムが「聞け人間ども。私は死神界から来た死神レムだ」って飛び上がって宣言するシーンが特にCG処理が綺麗で目を見張る。
映画は原作漫画とは違った方向で話が進んだが(高田清美がノート所持者になったり)個人的には前編よりも後編の方が話のテンポがよく、「あれ、もう終わりかよ?」と思わせる程にあっという間に時間が過ぎる程にスピーディだった(逆に前編はFBI捜査官レイの地下鉄でのシーンが凄まじく退屈だったw)。
最近は邦画不作なんて言われてもいるが、漫画が原作でここまでヒットしたことだし、今後も漫画を実写化した作品が数多く世に出るだろう(代表的なものだとNANAとかのだめカンタービレか?)。実写版デスノはその最高峰として、今後も語り継がれるに違いない。
・「凄いインパクト」
正直なことを言えば、後編を見たのは友人の付き合いで、本意では無かった。金使うの嫌だな、程度の考えだったのだが、脆くも崩されましたね。衝撃に継ぐ衝撃。圧巻に重なる圧巻。まさに衝撃のオンパレード。月役、L役共にあの2人以外には無理だったなというのが理解出来ました。DVD版は前後編入ってこれなら凄く安いので、是非購入することをオススメします。
・「娯楽映画としてはこれでいいと思います。」
漫画のデスノートは一応全巻読破しています。でも熱烈なファンというわけではないので一映画としての感想です。漫画原作の実写化はかなりの確率でダメなものが多い中前、後編とも途中飽きることなくそれなりに最後まで楽しめました。原作読者が望んでいた1〜7巻プラス12巻にまとめてあるといった内容でやはり一本で無理や詰め込むよりも前後編分けて公開したことは正解だったと思います。賛否両論分かれてる藤原の月と松山のLは私としてはよかったです。そして一番心配されていたCGのリュークですが最初見たときは違和感アリアリでしたが20分も見てれば慣れます。中村獅童の声も悪くなかった。ただエキストラやFBIとか演技が寒かったのが心残りです。監督の金子修介はクセのない演出、良くも悪くも個性の薄い監督なので下手に個性の強い監督が撮って原作を改悪されるよりもこれでよかったのではないかと思います。以上が熱烈なファンでもなければアンチ実写化でもない私の感想です。あとはもう好き嫌い、好みの問題だと思います。
・「前後編で見て初めてわかる良さがある」
相次いで公開された大ヒットシリーズ。出来で言うと、前編<後編なのだが、はじめから前後編を前提に製作されたので、評価は2つを通しで見てからにして欲しい(だいぶ長丁場にはなるが、、、)。特に後編は、L、キラ、海砂の3人の駆け引きが面白く、終わりまで飽きさせない。若手俳優を多く起用していることもあって、国内外の一般映画と比較したときに、違和感や物足りなさを指摘する向きもあろうが、これは一般映画とは別のエンターテインメントとして捉えた方がいい。コミック原作物の荒唐無稽さやジュブナイル作品としての新鮮さがある。オチが原作と違っているうえ、原作を知っていることを前提としているように思われる面があるので、原作を読んでからの方が楽しめるはず。
・「悪を裁くのは正義か」
このデスノート、一部の方には「そんな、簡単に人を殺していく話なんて」とえらく評判が悪いとお聞きします。
ですがこの作品が伝えたいのは「犯罪者を裁くのは正義だ」ということではありません。悪人であろうと人の命を奪うことはどういうことなのか、それは正義という言葉で済ませて良いものか、といった深い疑問を投げかけています。そういったことを踏まえて見ていただければと思います。
映画は原作よりも見てわかりやすい構成になっています。あの頭脳戦やセリフだらけの内容を、雰囲気を壊さずよくもここまで完成度を高めてくれたと感動しきりです。さらに、何度も見ると気づく細かなこだわりなどもポイントが高いです。製作側の、デスノートという作品に対する思い入れがよく伝わってきます。
ぜひ前編後編を通して、デスノートの世界を堪能して下さい。
・「同時代的に共感出来たシラケ世代のピカレスク・ロマンの大傑作!」
日本映画が、その“反社会性”を以って、映画館の暗闇の中で、観客たちに、ピカレスクで反公序良俗的な“夢”と“浪漫”を与えてくれていた時代の痛快作にして、シラケ世代の“焦燥感”と“喪失感”と“鬱屈感”を見事に照射した、正に同時代的に共感出来た生涯忘れえぬ大傑作。久しぶりに見直してみても、公開当時荒唐無稽で破天荒、劇画チックと評されたパートも含めて、全編を醸し出すへビィな重量感とダイナミックな活劇性に心底感服してしまう。極めてエンタテインメント性が強い作品であるが、「皇居・バスジャック・天皇」、「原発のプルトニウム強奪」、「原爆の製造」、「日の丸・君が代」、「連続企業爆破犯の手配ポスター」と社会性を感じさせる記号も垣間見られ、全共闘世代のゴジらしいこだわりが感じられる。前述した城戸誠の感情は、今日でも通底するテーマだと思うが、正直、こんな映画、二度と作れないだろうな。そして、ゴジ。80年代から90年代に掛け、本当に多くの人々がその次回作を待望した。井上ひさしの「吉里吉里人」や筒井康隆の「禁煙狂時代」のシナリオを書いたとの話を随分前に聞いたが、その後どうなっているのか。今作から26年が経過した。以前ある雑誌でラブ・コールを送った者として、彼の新作が是非とも観たい!
・「長谷川和彦という映像作家の資質 生きる証をつかむため」
廉価版が出ました。私はデラックス版を隅々まで堪能した者ですが、ファンの裾野が広がるという点においてきわめて喜ばしいことです。特に若い世代に見て欲しいです。勢いに任せて作品世界すらぶち破ってしまう演出。1人孤独に原爆作りに打ち込み、しかしそれを利用しようとした時にパッとしたアイデアが出てこない。等々、今の若い世代にこそこの映画の世界がアピールすると思うのです。 当時の沢田研二はTVをつけたら必ずどこかに出演していたような大スターでしたが、何やらもろさ・危うさを感じさせて、ピカレスクな役柄も魅力的です。そして明らかに犯罪者なのにも関わらず、どういう訳か私を含め皆沢田研二演ずる主人公に共感し、爽やかさまで感じてしまうのです。それはこの映画が「生きる証をつかむために」道ならぬ道に邁進していくという、青春の彷徨ストーリーであるという点に起因していると思われます。今現在誰かがこの『太陽を盗んだ男』の骨子を使ってリメイクすると、きっと孤独なパラノイアの不気味な犯罪・テロルを描く映画になってしまうのではないかと思えます(あたかもシュレイダー兄の脚本による『タクシー・ドライバー』の如く)。更にテーマが原爆なだけに、『ゴジラ』の様に全編緊迫感に満ちた映画になった可能性もあります。しかしそうならなかったのはひとえに長谷川和彦という人の持つ資質でしょう。彼が映画を撮らなくなって20数年、もはやかつての様な映画は撮れないかもしれませんが、今現在の我々の心の根幹を揺るがすような痛快な作品を是非作って欲しいものです。〈追伸〉ある夏、札幌大通公園の納涼ビアガーデンでミニFM局が出ていたので「俺原爆持ってるんだけど何したらいいだろう?」と投稿しようかと考えました(賢明にも思いとどまる)。その代わりこの映画のテーマソングをリクエストしました。群衆の中でのひそかなたくらみ。ちょっと城戸誠的気分でした。
・「黙って観りゃあ、それでいいのさ。」
とにかくナンセンス!ぶっ飛びまくってる。たったひとりでプルトニウムを盗みだし、アパートの一室で原子爆弾を作り出し、日本国家を脅しまくる!これをナンセンスといわずして何と言おう!このサイコーのアンチヒーローをジュリー、彼を執拗に追う刑事をブンニィ(ヤクザにしかみえねぇ)、水谷豊に西田敏行、キャストもブッ飛んでラストまで失速せずに飛ばしまくる!!!今観てもめちゃめちゃ新しく、カッコいい!コレを観ないと人生ちょっとだけ損をする。
・「原爆製造の場面が面白い」
邦画では考えられないバイタリティを持った映画。迫力のカーチェイスや沢田研二の女装の国会議事堂進入(ゲリラ撮影らしく、入るとすぐに守衛に声をかけられそうになっている)、プルトニウム強奪場面のテンポもよかったが、なんといっても沢田研二が原爆を作っている工程を丁寧に見せてくれたのが面白かった。途中の原爆を取り戻す場面でターザンのようにガラスを突き破って表れる場面(ロープはどこからさがっているの?)など強引で無茶な展開も多く欠点もあるのだが、日本映画では10年に一度の傑作であろう。不死身の菅原文太も凄かった。池上季実子の役だけが意味不明ではあったが。 この後、長谷川和彦監督はメガホンを取っていない。若松孝二監督が「実録・連合赤軍」をつくってしまった今、ゴジの次回作はあるのだろうか。
・「好きです。それが故に☆3つ。」
前半はすごくワクワクしながら観れました。エンターテイメント作品としての面白さと、21世紀の今になっても共感できるテーマ性等、非常に質のいい映画だと思います。対して後半は、ややアクションに偏りすぎたかなという印象が否めません。前半部分に対するカタルシスになっているのかしら?前半は主人公を非常に惨めに描いていたのに、後半になるとそれがヒーロー的になります。「映画はハッタリ」と言いますが、前半は詐欺師的な緻密で小狡いウソ、後半は子供の吹く大法螺といった感じですね。これは好みの問題になるかもしれませんが、私としては前半の感じで最後まで持っていってほしかった。主人公の閉塞感や鬱屈感、破壊衝動をもっと深く抉って見せてほしかったです。繰り返しますが、これは好みよって見解が分かれる所でしょう。後半も楽しめる感性の方なら、全く問題ないと思います。というわけで、私個人としては☆3つ。ですが、この作品が映画として非常に優れていることも否定しません。☆5つを付けられている方が多いのも、十分に納得のいく作品です。
・「最高の脚本」
近年の邦画で小説や漫画に頼らず、ここまで脚本の力で魅せてくれる映画はなかなかない。映画作りは原作本探しからと思っている映画製作者に天誅を下す良作です。
・「密室で、男5人が展開する波瀾万丈の物語」
これは、大変面白かったです。映画の舞台は追悼会の会場となった一室のみ。そこで自殺したアイドルのファンが、その真相に迫るという、ほとんどそれだけの内容しかない話です。“オダ・ユージ”が「本当に自殺だったのか?」と言い出したときに、この中に犯人がいて、それを探し出す話なのか…と先読みしていたものの、それが見事に裏切られていく感じが心地よかったです。実は互いがハンドルネームしかしらない初対面の間柄であるとか、死んだアイドル如月ミキに対して「どのような」思いを持って見ていたかということが徐々に明らかになってくると、乱闘騒ぎになったり、大興奮になったり、大号泣になったりするわけです。一つの部屋にいる5人の会話だけで話が進んでいくのですが、それだけで、これだけのサスペンス、スリル、そして感動にまで持っていくことができたのは、やはりよく練られた脚本と5人の役者の熱演によるところが大きいでしょう。
また、アイドルの自殺の真相をつきとめようとするファンが到達した結論には、なにか「アイドル」の本質のようなものが語られていて、そこがまた面白かったです。アイドルとは言うまでもなく偶像であり、歌も下手、踊りもダメなB級アイドルに熱い思いを注ぎ、そこに心の慰めを得ようとする男たちの姿は滑稽なのですが、最後に如月ミキの姿が映し出されたとき、その滑稽さはある種の悲哀を感じさせるまでになります。彼らにとっては女神でも、客観的に見れば「これは売れんやろ」なワケですから。しかし私たちもまた、形は違えど何かしらの偶像によって、他人から見れば滑稽な方法で励ましや慰めを受けているのではと思うと、彼らのことを笑ってばかりはいられないなあと思ったり…などと、最後は身も蓋もないまとめになってしまいましたが、映画の内容を細かく語ると面白さが半減してしまうので、こんな感じで曖昧なままレビューをしめくくっておきます。
・「見るべし!」
とにかく誰が欠けても成り立たない!素晴らしいキャスト陣が大暴れです(実際は暴れてません)
ワンシチュエーションの傑作ですね。まるで舞台を見ているような臨場感があります。劇場公開を見逃してしまった方はもちろんリピーターにもオススメです。私は絶対買います☆
・「おもしろいですよ〜♪」
塚地のファンだし、プラス「旬な」男たちが出演してるので映画館に観に行きましたが…予想以上の傑作です(^^♪アイドル、ホームページのカキコミ、ハンドルネーム、オッカケ等etc..どっちかといえばオタク系のコトバとテーマなのに、まるで舞台劇を見ているような錯覚をおこさせる展開。良質な脚本、カメラワーク、そして出演者の個性あふれる演技力に脱帽!!ついついオフィシャルブックも購入しちゃいました(^^)
・「よくぞここまでよく練られた、見事な脚本です。」
派手とか大作とか、そういった類の映画ではないけれど、ここまで観る人を魅了する映画は中々ない。一見チープに思えるタイトル・あらすじとは真逆に、極めて綿密に練られた脚本に、抜群のコメディセンスと作者のそこはかとない優しさが混ざり合う。そこに出演者たちの魂のこもった熱演が加わり、絶妙のハーモニーが奏でられています。映画という表現媒体に大いなる可能性を見出せる、一流の名作です。
●クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]
・「重篤な患者」
精神科病院の保護室・隔離室を舞台にした映画。ところどころ創作もあるが、結構下調べをして製作されているように思う。
はじめはコメディタッチで笑いながら見ていることもできたが、徐々に否認されていた葛藤が明らかになっていき、様々な人の思いや悲しみが描かれてくるにつれて、映画の中にはまり込んでいってしまった。
重篤な患者は自分の行動障害や精神症状について「なんでもないこと」「たいしたことない」「すぐ治る」という風に言うことを病識の欠如というふうにまとめられてしまうが、そこには患者本人なりの理由や否認もあることを理解していくことが大切だなと思った。
・「大竹しのぶ恐るべし」
地を這うようにのたうちまわっている人たちの映画です。 そういう人たちを、変に同情したり、変に美化したりせず、ある意味シビアに、でも温かく描いています。 自分は個人的な理由もあって、泣きました。
にしても、大竹しのぶ、久しぶりに見たけど、すげえな。 あの人が出ると、他の役者がダイコンに見えるから、まずいんじゃないか。 個人的には、蒼井優とか、「リリー・シュシュ…」以来のファンで、かなり高く評価してるのですが、残念ながら格が違いました。まさに「舞台荒らし」!!
・「内田有紀ってこんなに綺麗だったっけ?日本版「17歳のカルテ」」
松尾スズキが監督でなかったら(原作者が脚本書いて撮るのは一番理にかなってるわけで)、本作はもっとダークなものになっていたはずだ。何せ舞台は女子の精神科病棟。ひとりひとりの演技は重く、やるせない。本作はかなり「17歳のカルテ」をなぞっている。役柄は違えど、ウィノナ・ライダーの役回りが内田有紀、アンジェリーナ・ジョリーが蒼井優にあたるだろう。蒼井優はこのために絶食したりと、相変わらずの役者魂で申し分ない名演だが、本作では内田有紀にびっくりした。こんなに綺麗だったっけ?役者としては明日香というより内田有紀そのものであり、いろんな役柄を演じるのは難しいかなあ、という感じだが、今回はバッチリはまっていた。また宮藤官九郎、塚本晋也、庵野秀明、しりあがり寿など、楽屋落ち的配役も楽しい。高橋真唯も「シムソンズ」とは打って変った難しい役柄を違和感なく演じきっていて、次回作を早く観たくなった。りょうや大竹しのぶ、妻夫木もサブキャラを嬉々として演じていたのが好感度大だった。好き嫌いははっきりしそうな作風だが、自分は結構好きである。ただし、最後内田有紀が病院を出てくる重要なカットで、窓越しにスタッフ写りしているのは大いに残念。CG処理で消してほしかった。
・「松尾スズキはやっぱり天才だ!!」
冒頭に大きな謎をもってきて、それを引っ張りながら、徐々に種明かしをしていく構成が面白い。さらに、彼女がクワイエットルームに担ぎこまれるまでの過程を「羅生門」的な視点で描くという、ギミックもスリリング。
それにしても、人と異なる価値観を持つと言う事は、個性的であると同時に、社会からはみ出している、うっとうしい存在だと気付づかされます。社会から隔離された人々それぞれに、自分は正常であるとする理由を持っている。また、病院から正常と判断されても、まだ社会に適合できないでいる。こっちとあっちの境界線なんて曖昧だし、社会でちょっと我慢ができなかっただけで、あっちへ行ってしまうものだなと思う。
彼女が入れられてしまった精神病院で出会う患者たち(蒼井優、大竹しのぶ、中村優子、高橋真唯、馬渕英俚可、筒井真理子などなど)のさまざまな特異性のスケッチが「今」を感じさせます。拒食症患者と過食症患者に変貌した、蒼井優と大竹しのぶという、新旧カメレオン女優対決もスゴイ。特に、松尾スズキが、蒼井優を(彼女自身もインタビューに答えている)『新境地』に連れ出したのは、一番の見どころかも。主演の内田有紀は、本人の私生活のセルフパロディ的な設定もありますが、顔面ゲロまみれもいとわない女優魂を披露。コメディエンヌとしての顔も魅せます。不敵な看護士役のりょうは、プロとして、しゃきっとした演技をしていましたね。宮藤官九郎はあいかわらず「天才的」な才能をちらちらと見せるし、妻夫木聰は、別人になったかのような演技で、遊び心を見せる。(笑)
一見、ユーモラスな群像コメディでありながら、リアルな人間ドラマでした。それも超ブラックな...。
・「あえて軽く描くというリアリティ」
深刻でディープな事件を、あえて軽く描く事でリアルさを出すという新しい作品だと思いました。ただふざけてユーモアを織り交ぜているのではなくリアルゆえに笑えてしまうような人の愚かさや哀しさや滑稽な姿。そんないまどきのちょっと病んじゃってるけどがんばって生きている人たちの共感と励みになるかもしれません。おススメです。
・「脱税の手口とその人間像の面白さ。」
「お葬式」にはじまり、いままで映画の素材にならなかったようなところに目をつけ、次々に映画化した監督・伊丹十三の才能をいまさらながら感じます。「マルサの女」は第2作と記憶していますが、私たちの生活にとって身近な税金を取り上げていますが、サラリーマンにはあまり縁のない脱税の手口を描いた本が素晴らしい。宮本信子の好演もさることながら、この映画はやはり山崎務演ずる金に異様に執着する男の人物像に惹かれました。金持ちほどケチといいますが、全てのエネルギーを注がないと金はたまらないのでしょう。この映画が面白いのはこの男をただの悪人として描いていないことです。子どもに対する愛情はこの男も普通の親と同じです。こうした一面を描くことで、この映画はただの脱税を暴く映画にとどまらずヒューマンな娯楽映画になっているのではないでしょうか。それにしても伊丹監督の自殺は残念な出来事でした。バブルはじけて世の中が性悪説社会になりつつあるいま伊丹監督だったらどんな映画をつくっただろうかと思うと早すぎた死を悼みます。
・「見るものを圧倒する演技力」
早いもので、伊丹十三監督が亡くなり今年で10年になります。最近伊丹監督作品が全てDVD化されたので、好きな作品を購入しました。
伊丹作品は、中学から高校時代にかけて良く見ました。「〜の女シリーズ」はフィクションでありながら、ノンフィクションを見ているようでした。細かいところまで調べあげて撮影に望んでいることが分かります。
この「マルサの女」は「〜の女」シリーズの中で、売上的にも大ヒットし、日本の映画賞を総ナメにした、映画史に残る名作です。やり手の税務署員板倉亮子は東京国税局に行き、男性に勝る活躍をする。そのような中 不動産・ラブホテルを経営する権藤英樹について調査を行う。この銀行などとグルになり、裏金を作っていた 権藤との戦いの物語です。板倉を演じた 宮本信子さん 権藤を演じた 山崎努さん両名ともものすごい迫力で、見るものを圧倒する。
・「伊丹監督の最高傑作」
「脱税摘発の超プロフェッショナル、国税局査察部。人呼んで彼らをマルサという」 この強烈なコピーが最高。 脱税する側と取り締まる側を徹底的に取材。そのエッセンスだけで作られたというストーリー。 切ないエンディングは必見です。
・「伊丹を悼む」
伊丹十三は ある時期 随一の脚本家だったと思う。「お葬式」「タンポポ」に続いて この「マルサの女」で 脚本家としての頂点を極めたと言えるかと今でも思う。
実際 税金が かように面白い映画になりえると考える才能があればこそ 葬式から 「お葬式」を生み出せたのだ。
しかし このマルサの女を見ていて 映画監督としての伊丹の才能には 何かが決定的に抜けている点を感じる。画面に 映画の躍動感が 何か抜けていると思うのは小生だけだろうか。この脚本で黒沢が撮ったら 黒沢にといっても大傑作になるような気がするくらいだ。
繰り返すが 実に面白い映画である。伊丹が今生きていたら きっと村上ファンドやライブドアを題材に 凄く面白い映画を造ったに違いない。それだけに 彼の自死が 今でも本当に邦画会の損失であると思わざるを得ない。
・「伊丹十三監督の色」
日本の湿気を含んだような質感。電信柱の街並や雑居ビルや日本人の肌が黄色いということ。都会の隅のでも人間がゴミゴミ住んでいることをしっかり認識させてくれるような独特の世界観は永久保存だと思う。わざと入れられたようなエッチ感とかそれをコミカルに楽しんじゃうような感覚とか好きですねー。髪型にこだわったマルサの女の寝癖とかかっこ悪いかっこ良さがイイな。人間味が楽しいんだよねー。
・「大人の映画」
私たちは映画を観たとき、物象を自らの意思で目撃したと思いがちです。けれど、ほとんどの場合“見せられた”に過ぎません。巧みな編集やCGを駆使出来る時代に女優喜多嶋舞と監督石井隆がわたしたちに“見せた”ものは何だったのか、そこを充分に考えないと『人が人を愛することのどうしようもなさ』を“見た”ことにはならないと感じています。
かれこれ二十年程前、カメオ工房に立ち寄った際に刻まれた強烈な記憶が蘇えります。それは年老いた職人の著しく変形した指です。何十年と鉄製のノミ“ブリーノ”を振るい続けた結果、男の人差し指は通常の二倍に膨れ、硬い皮に包まれていました。許しを請い触らせてもらったその指は皮膚の弾力、温かさを失い、別種の生物が貼り付いたようでした。凄いね、思わず声を上げると老職人は目を細めて笑顔をこちらに向けました。
ひとの肉体は変わっていくものです。労働にいそしむ男の腕には血管が浮き出て変形します。子供を産んだ女性は相応のふくよかな体型になります。労働と長い人生を経て、人は変化するのが自然であり美しいとわたしは思います。
喜多嶋舞さんの身体は美しかったですよ。その美しさを、その人生の重さと匂いを女優と監督は表現したかったに違いありません。
描かれたのはカミーユ・クローデルの彫刻に例えれば、「分別盛りL'Age mur」を引き裂き無残に孤立させた「嘆願する女 L’Implorante」の像です。性愛の女神として複数の男たちに次々言い寄られる名美でなく、愛が消えることのどうしようもなさに身悶えして、淋しさに狂った名美、ひとりきりのおんなの姿が描かれています。胸に迫るものがありましたが、これに気付き共振するには相応の年齢を経なければ難しいでしょう。大人の映画ですよ、これ。
・「リアルな女性描写」
初めて石井監督のマンガや映画に触れた時、等身大の女の姿がそこにあったことを新鮮に思い、感心した覚えがあります。以来、チャンスがある度に何本か作品を拝見させていただきましたが、今回の映画もサービスショット満載だったものの、本質的には女性の為の映画のような気がしました。あるがままの女性を見つめ、愛する事ができる監督だからこそ描けた作品ではないでしょうか。
喜多嶋さんが見せた女優魂に対し、同じ女であり、母である身として、素直に拍手を送りたくなりました。
・「凄い」
一言で言うなら圧巻、凄いに尽きる。映画という独特のフィルムでなければ表現できない絵の迫力、存在感。石井隆や佐々木原氏の「映画フィルム」であることへの執念を感じる。
そして名美と岡野のそれこそどうしようもない程の美しさ。無様なまでに異様な形に見える根底にあるのはどうしようもない人間の純粋さ。それが最後に人間の持つ複雑な感情全てを成し遂げて、ひとつだけポツンと残る。純粋で不器用な魂だけがポツンと残る。それがたまらなく愛おしい。そのどうしようもない愛おしさに泣いた。愛おしい映画です。
・「“過剰露出”の意味は?」
まず、ミステリアスな“B級エンターテイメント作品”としてはなかなかの出来栄えである。ネタバレになるのであまり細かいことは書けないが、2重3重の劇中劇というプロットが、巧みで、面白い。ラストに至る展開まで楽しめた。しかも、そうしたプロットを組み立てることによって、この作品そのものの出来にもエクスキューズが与えられる結果にもなっているし…、というのは少々穿った見方というものだろうか?
…で、なにかと話題の、主演女優の“裸体露出”について。この“余りに過剰な裸体露出”は確かに過激ではあるのだが、そこで製作者(主演女優も含め)が意図したのは、ただ単に観客のスキャンダラスなものに対する猥雑な好奇心を煽り、満足させるということなのか?それとも、主人公の女性の普段は抑圧されている内面的狂気をそれによりさらけ出し、より作品に芸術的深みをあたえようとしたということなのだろうか?もし前者の場合ならば、その意図は十分に成功しているだろう。いくら18禁とはいえ一般映画でここまでやるか?というポルノチックなシーンのオンパレードだし、それに対し主演女優も「何故に?」と思えるほど応え、とにかく脱ぎまくっている。が、もしそれが後者であるとするならば、製作者は描き方として明らかに努力する方向性を間違えているというのが、私の感想だ。このぐらいの面白いエンターテイメントを組み立てる力のある監督ならば、(同じ物語であっても)別な表現法でより深く“人が人を愛することのどうしようもない”世界の狂気や悲しみを描けるのではないかという気がするし、異なる見解をお持ちの方もおられると思うが、私にとって本作に見られる“過剰で過激な露出”は、“結果として観客のスキャンダリズムやセンセーショナリズムに対する興味の中に搦めとられてしまうもの”を超える、表現としての必然性も説得力も感じられるものではなかったからである。
・「石井隆が土屋名美を描くことのどうしようもなさ」
石井隆の映画に土屋名美が出ると空気が変わる。そして独特の風が「ヒューっ」と吹く。ずっと封印され続けていた“名美”とスクリーンで再会して、改めてそう感じた。
石井隆の劇画に登場した土屋名美は、ひとりの女優として石井隆のイマジネーションを具現化するために渾身の演技を繰り返した。そしてそれらが原作として映画化されると、生身の女優たちが土屋名美という女優を凌駕しようと渾身の演技を披露する…そんな入れ子現象が起きる。そこに、独特の風を産み出す作用があるのではないかと思うのだがどうだろうか。
「人が人を愛することのどうしようもなさ」という言葉は、石井隆が自作を語るたびに口にしていた作品世界の普遍的テーマだ。『天使のはらわた』も、『死んでもいい』も、『ヌードの夜』も、『夜がまた来る』も、『GONIN』も、『花と蛇』も、裏タイトルを付けるとすれば、全部「人が人を愛することのどうしようもなさ」だ。今作は自らの普遍的テーマを映画のタイトルにしてしまったのである。映画を観る前にこのタイトルを聴いた時、作家としての名美名美(?)ならない決意と覚悟を感じた。そしてその予感は、当たっていた。
封印を解かれて解放されたのは、土屋名美ではなく、実は石井隆だったのかも知れない。そして、その試みが実現したのは土屋名美という女優の魂と覚悟を一身に受け止めることのできる生身の女優、喜多嶋舞との再会、存在なくてはあり得なかったであろう。どうしてここまで演れるのか…目を疑うような演技も迷いなく突き進むその迫力は歴代名美女優の中でも突出していた。彼女もまた「土屋名美を演じることのどうしようもなさ」に憑き動かされ、その運命を受け入れていたに違いない。でなければ、あの素晴らしいミューズぶりの理由を説明することは不可能だ。
今作『人が人を愛することのどうしようもなさ』は、石井隆の世界とは何ぞや、というエッセンスを凝縮した一本だ。名美の告白という進行形式を通して吐露された言葉の数々によって、石井隆の繊細なメッセージがフィルムの中に刻まれている。どうして石井隆が土屋名美を描くのか、どうして石井隆が映画を撮り続けるのか…そうすることのどうしようもなさが名美によって代弁されている。後年、石井隆とはなんぞやと語られるとき、この作品にスポットが当てられることは間違いない!
・「若干32歳の西川監督恐るべし!!」
人間の心理の複雑さを巧みに、そして、スリリングに描いていています。
本作で描きたかったのは、兄弟でも特に弟の心理。自分のことしか考えない男だから、他人との記憶が曖昧で、結果、他人もしくは自分を欺いてきた。そんな弟が、やっと素直に自分のことを振り返れるようになるまでの話なんだろうと思います。それを描くため、ひとつの出来事の解釈が二転三転するトリッキーなサスペンスドラマ様式をとったのでしょう。これが、黒澤明監督の「羅生門」を思い起こさせ、裁判シーンの出来のよさもあって、見ごたえ十分です。はたして実際は何が起こっていたのか? 曖昧な記憶が感情を揺さぶり、その感情が引き金となった出来事でまた揺さぶられる。観客はそんな彼らの心情を読み取るうちに、自然と揺さぶられていくという構図ですね。 オダギリ・ジョーのある種ナルシスティックな演技も自然にドラマに溶け込んでいる。終盤、兄弟二人が向き合う面会室のシーンは本当に凄いです。それにも増して凄いのは香川照之。いい人を演じ続けてこなければいけなかった長男の苦悩、その仮面の下で抑圧されていた嫉妬、劣等感といったドロドロとした感情をさらけ出す生々しさ。
それにしても、「蛇イチゴ」もそうだったけど、本作もラストシーンまでの、すべてのシークエンスが長いプロローグのようでした。
・「ゆれている心を描いた、素晴らしい作品。」
ゆれながら展開する心理描写が実にスリリングでした。田舎町の旧家でしょうか。二人兄弟の運命は決まっています。兄は跡を継ぎ、弟は都会に出る。兄は旧家のしきたりに生き、弟は奔放に育つ。家を出て都会暮らしに慣れた弟は、因習に縛られた生活を見下ろし、家に残ったものたちはその視線に気づきながらも今を生きています。そこに事件が起こります。兄弟と弟と理由ありで兄と一緒に働く女性がハイキングに行き女性が死亡します。兄が自分が殺したと証言したことで状況が一変。事件は裁判に持ち込まれます。兄は積年の鬱憤を晴らすかのように変わってゆく。一つの事件を巡って兄と弟、二人を取り囲む人達のこころがゆれます。このゆれる心理こそがこの作品の主題なのでしょう。見応えのある映画でした。兄弟役のオダギリ・ジョーさん、香川照之さんは表情の動き、目の動きで微妙な感情を演じています。素晴らしい作品です。
・「鳥肌」
この映画を観ていて、いったい何度鳥肌が立っことか。すごすぎる。主演のオダギリ・ジョーも、香川さんも真木さんも。そして、脇を固める全ての俳優さんたち、みんながすごかった。検察官役のキム兄の演技も素晴らしかった。そして、西川美和監督による脚本の上手さ。前作の『蛇イチゴ』を凌駕するミステリアスでサスペンスフルな空気感。そして、随所に散りばめられた滑稽とも言える笑い、メタファーの数々が作品全体をとてつもないほど奥行きのある世界へと仕上げています。
そして、観た人それぞれの解釈が求められる衝撃のラスト。こんなにも鳥肌を誘発され、涙を流した映画は久しぶりでした。西川美和監督、次回作を心から待っています。
・「2006年度最高の邦画!」
人のつながりの中で一番強い絆で結ばれているはずの兄弟でも、きっかけひとつで180度違ったものに見えてしまう。見えていたはずのものが見えなくなってしまう。そういった人間の心や記憶の不確かさ、不安定さ、というのがよく表現されている映画だと思う。こういった「人」に焦点を当てた作品を自分の脚本で作れる監督は古今東西探してもなかなかいないんじゃないだろうか。個人的には間違いなく今年一番の邦画だといいたいが、万人に受け入れられる作品ではないと思う。しかし、この映画のテーマに興味を持った方には間違いなく魂を揺さぶられる映画になると思うので、観て損は無いと思う。
・「K-1並みの格闘技」
よくありがちな題材を扱っていながら、上級のサスペンスに仕上がったと思う。ヘタすれば「火サス」に成りかねない危険な賭けでもあったと推測する。しかし、2年近く掛けて何度も脚本を書き直しじっくりと仕上げただけあって、セリフや画面を一瞬たりとも見逃してはならない展開へと進む。西川監督の意思が役者やスタッフにも伝わっている感じがいい。皆が一丸となって「良いものを作りたい」と言う空気が伝わってくる。
・「緒形拳と岩下志麻の怪演がすごい。」
現代のバブルの頃に女を囲って子供を3人生ませた男が、バブルがはじけてお手当てが払えず自宅に子供を置き去りにされてしまう様な話です。始めは妻に遠慮しながらも面倒見ていたけど気の強い妻との板挟みでだんだんと子供が疎ましくなってくる情けない夫が緒形拳です。自分は子供を産めない鬼のような岩下志麻の子供に対するいじめが加速して行きます。夫の感情もガミガミと責められるうちに麻痺して妻の言いなりに子供を…。ラストは泣けます。ホントは子供好きだったであろう男がそこまでしてしまうのはやっぱり鬼畜のような妻と婿養子とゆう負い目のせいでしょうか。子供たちの母親役の小川真由美さんは始めに少ししか出ていませんが彼女もすごい迫力です。余談ですが志麻さんのSEXの時の声は獣の遠吠えの様でビックリしました。
・「傑作です!」
無理に想像したり構えたりせず、楽な気持ちで画面と向き合って下さい。何故なら、巧妙な脚本に依って自然な思考の流れと爽快な結末が用意されているからです。物話の構成は特徴的ですが、わざとらしさも、押し付けがましさもなく、何より解り易いのは見事という他ありません。もちろん、脚本の力だけではなく役者達の好演に因るところなのですが。登場人物の描き方は鮮やかで、主要人物だけでなく脇役のひとりひとりに至るまで性格付けされているので、観ていて無駄な場面が無いという印象です。 宮田君の同僚、ウェイター、タクシーの運転手、山ちゃん...可笑しいです。また、作品の絶妙なアクセントになっている音楽の使い方も楽しめます。何だか褒めすぎのようですが、このような作品を生み出す監督、脚本家がいるというだけで嬉しくなるのです。
・「傑作!! 文句なく星5つです」
同時多発の人間交錯ドラマは、タランティーノとか、アレハンドロ・ゴンザレスとかが得意としているけど、本作は、クライムサスペンスではなく、ゆったりした感じがいいし、ヤクザが出てきて、監禁されたり拳銃が出てきたりもするが、誰一人傷つかないコメディで、ちょっとホンワカした気持ちになれるラヴストーリーになっているのがいい。
時間をいったん各個人に分解し、再構成して見せてゆく。サラリーマンの富田君、彼の幼なじみで探偵の神田君、そしてなぜかヤクザの組長・浅井親分。3者の視線で、夜から朝までの時間と人物交差が巧みに描かれる。それぞれのシーンが、どっかで繋がっている。登場人物たちの後ろで何かやってたり、何かが横切ったりするのが、ちゃんと伏線になってたりする。観客は随所でこの出来事の裏では、こんなことが起きていたのかと驚く。ベッドの下からアングルで宮田と真紀の足元のシーンやバンザイをする宮田の横をヤクザの車が通るなんてシーンは、ホント最高。観客は『神の目』で物語の全体を見ることが出来るのに、登場人物たちは自分に係る出来事しかわかっていないというズレの妙ですね。
コンゲームというか騙し騙される物語の中で、ひとり富田君だけは、お人よしのいい人。ほかの登場人物、ヤクザの親分でさえも、なんだか憎めない愛すべき存在ではあるんですが、なんと言っても、どこまでも純粋な富田君。彼がいるから構成の妙だけが突出する映画になるところを救っている。というところも押えておきたいポイント。
・「東京郊外・調布。ありふれた町の一晩が、おそろしくドラマチック!」
3人の人物からの違った視点で、一昼夜の出来事を叙述する。人物Aが見ている真実はBとCにはけっして見えない。他も同様。観客である私たちだけが、すべてを見通している。これはものすごく魅力的でスリリングな体験だ。そして、たった一昼夜だというのに、誰もがさっきまでと同じ人間ではない。時間とともに人物までも徐々に変わっていく。なかでもダイナミックな変化を見せる人がいて、その意志の決断にはスカッとさせられる。ラスト、パズルの最後のピースがかちっと音を立ててハマるとき、ものすごい気持ちよいです。めったにないものを見せてもらいました。映画というのは「見たこともないものを見せる」ことができればそれだけで素晴らしい作品だと思っているのですが、本作はまぎれもなく素晴らしい作品です。
・「これは実に不思議な雰囲気を持った作品!」
主人公の宮田君は、絵に描いたようなお人よし。 まるでのび太クンの実写版のような人です。 結婚を直前にして彼女に振られ、高級マンションに一人暮らししています。 その宮田君がある晩友人(探偵)と夕食にでかけるあたりから物語が動き出します。新しい(家出)女性との出会いあり、ふられた彼女の話ありです。 ひょんなことから、出会ったばかりの家出女性を自分のマンションに招待することになった宮田君、緊張の一コマ(笑)。
そこで起こった一連の出来事を、今度は友人(探偵)の立場からと、ふられた女性(実は結婚詐欺師)の立場から物語を再構成していきます。 もう一人やくざの親分がからむんですが、このくだりは任侠を斜にみていてなかなかに面白い!
と、まあここまでは複数人物からの一事件の描写、よくあると言えばよくあるパターンです。
この作品のすごいところは、それぞれの立場の時間軸と(物理的な)視点軸を微妙にズラしてあることで、物語がずうっとループしているような印象を与えるところかな?と思ってます。 特徴のある登場人物が何人も登場する為か、自分の中で勝手にショートストーリーを描いてしまうように仕掛けられてます。 合鍵・札束etcの小道具の使い方もgood!計算された構成を感じさせます。
密かにこの作品の監督はすごい人なんじゃないかな?っと思っており、次回作に期待度大!です。
・「★段々と面白みが増してくる★」
彼女にふられたばかりのリーマン宮田が、探偵である友人・神田とレストランで食事中、婚約破棄で家出中?の真紀と知り合います。(元カノを忘れられない人のよすぎる宮田のために、神田がナンパした)泊まるところのない真紀を家に呼ぶ宮田ですが、そこに元カノのあゆみが来、あゆみのあまりな勝手さにあきれて真紀は家を出ます。そして宮田は・・・
初めのエピソードはありがちな恋愛バナで、だから?と思ったのですが、その後、宮田の視点と同じ時間軸での神田の視点の話へと移り、釘付けになっていきます。あれはこういうことだったのか!!と点と線です。再び視線は変わりますが、ここまで来たら笑いの連続。そしてあまりにもうまい見せ方に、うならされました。最高におもしろかった。最初は宮田(恋は5・7・5の相手校キャプテン)に「なんでこのが主役やねん」なんて思いましたが、通してみると彼がしっくりきます。皆に味、ありすぎです。最初おもんない!と思ってもしばらく我慢して見てみてください。絶対はまるはず。
・「やっと出ます」
NHK版での舘さんの鮫はやっぱりなんか違う。元が小説なので読者一人一人イメージがあると思いますが、僕にとっては鮫は真田さん以外考えられません。今は新宿鮫シリーズの小説の新刊が出て読む時も真田さんをイメージして読んでしまいます。この作品が夜の新宿の街をちゃんと描いてるのかと聞かれたら、正直わかりませんが作品としてはかなり面白いと思います。連続警官殺人の手掛かりをもとめ改造拳銃の密売屋を追う鮫島の孤軍奮闘ぶりがかっこいいです。前半ヤクザに絡まれてる浅野忠信さんの役柄や犯人のミスディレクションなんかも良くできてると思います。鮫島が改造拳銃の密売屋の木津に監禁されるシーンは良いデキです。奥田英二って好きじゃないけど、ここでの奥田英二は本当に良い。公開当時ヒットしなかったし、時間が経ち過ぎてるので続編はないでしょうから真田さんの鮫島を見れるのはこの作品だけでしょう。アクションができる真田さんの鮫で二作目の毒猿が観たかったです。
・「リアルな警察モノの走り」
最近、ドラマや小説ではリアルな警察の組織や構造(キャリアとノンキャリアとか)が描かれるのが普通だが、娯楽作品にそうした要素を持ち込んだ最初の作品では(原作の方が)?この作品を知っていたから例えば「踊る大捜査線」なんかが楽しめた気がする。あ、同じフジテレビ製作だ。公開当時は酷評の嵐でした。原作が非常に良くできている名作なので比較されるときついかな。脚本は意外にも荒井晴彦氏。その割には原作に忠実であまり氏らしさがない・・・。実は当初は鮫島の恋人・晶が昼間は普通のOLで夜はロッカー、という大胆なアレンジを施したホンだった。単純な娯楽作品を目指す製作元のお気に召さなかったのか?主演の真田広之は抜群のハマリ具合。カッコ良すぎる。(原作なんか読むと、時代的に鮫島のイメージは松田優作あたりだったのかな)奥田瑛二の木津もハマリすぎ。浅野忠信がその独特の存在感を示して頭角を現したのもこの作品。梅林茂の音楽もいいです。ただ、晶の歌う歌(眠らない街)が通俗っぽすぎてちょっとがっかりです。公開当時、舞台となった新宿のまさにド真ん中の映画館で観たのは今となってはいい思い出です。
・「夜の新宿」
その当時この映画は余りヒットせず、評判は…でした。私は好きだったんだけど…真田さんもハマり役で奥田さん、室田さんも良かったです!夜の新宿が独特で田舎育ちの私には興奮そのものでした。続編期待してたのに残念です。
・「待ちこがれていました。」
ついに、、と言うか、やっとですか。。。手持ちのVHSはもうボロボロです。原作を忠実に再現するには、2時間弱では無理があると思うので、ドラマの方があっているのかもしれませんし、この映画も賛否両論でしたけど、個人的には原作のニオイは十分に出ていると思います。NHK版の館さんも大好きなんでかっこいいんですが、かっこよすぎと言うか、、あぶ刑事世代のワタシには無敵のヒーローに見えてしまうので、、、鮫島の魅力ってその「弱さ」にあると思うので、その辺はやはり真田さんの方がハマっていたかなぁ、と。奥田さんに拉致されてるあたりなんか、館さんだとちょっとキツイかなぁと思います。あと決定的に、、、館さんはジーパンが似合わない(笑)、三段警棒も似合わない。身長的には館さんくらい高い方が原作に近いと思うんですけどねー。でも晶は、NHK版の川村かおりがハマってたと思います!今なら土屋アンナかなぁ。
・「走る! 走る!」
真田広之、走る! 走る!しかし田中美奈子は脱がない。おまけになんだ、その色気のない下着は、それでもロッカーか!今見ると出てくるケータイ電話に笑えます。
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