私は貝になりたい <1959年度作品> [DVD] (詳細)
橋本忍(監督), フランキー堺(俳優), 新珠三千代(俳優), 水野久美(俳優), 加東大介(俳優), 笠智衆(俳優)
「どれほどDVD化を待ち望んだことか..」「たくさんの喝采と涙がそそがれるのであれば嬉しいと思えます」
ぼくたちと駐在さんの700日戦争 コレクターズ・エディション〈2枚組〉 [DVD] (詳細)
塚本連平(監督), 市原隼人(俳優), 佐々木蔵之介(俳優), 麻生久美子(俳優), 石田卓也(俳優), 加治将樹(俳優), 賀来賢人(俳優), 脇知弘(俳優), FUNKY MONKEY BABYS(その他), 福田雄一(脚本)
「ホッとする青春映画」「いや〜笑った笑った」「麻生久美子がきれいすぎる」「試写会観に行きました」「笑ったし感動した」
沖縄やくざ戦争 [DVD] (詳細)
中島貞夫(監督), 松方弘樹(俳優), 渡瀬恒彦(俳優), 新藤恵美(俳優), 矢吹二朗(俳優), 尾藤イサオ(俳優), 三上寛(俳優), ひろみ麻耶(俳優)
「「○○だぁ〜い好き♪」」
二百三高地 [DVD] (詳細)
仲代達矢(俳優), 舛田利雄(俳優), あおい輝彦(俳優), 夏目雅子(俳優), 丹波哲郎(俳優), 森繁久弥(俳優), 三船敏郎(俳優), 笠原和夫(俳優), 天知茂(俳優), 愛川欽也(俳優)
「心に残る傑作」「邦画大作史上最高の作品(残念ながら)」「全ての人に見て欲しい。」「旧時代の肉弾戦」「国家のために命をかけた日本民族のドラマ」
男たちの大和 / YAMATO [DVD] (詳細)
佐藤純彌(監督), 反町隆史(俳優), 中村獅童(俳優), 鈴木京香(俳優), 渡哲也(俳優), 仲代達矢(俳優), 辺見じゅん(原著), 久石譲(その他), 長渕剛(その他)
「悩んだ上、ポジティブに」「犠牲の上に成り立つ平和」「「死に方用意」の意味、意義」「平和の尊さを感じる作品です。」「英雄ではない艦と兵士たちのドラマに感動」
日本のいちばん長い日 [DVD] (詳細)
岡本喜八(監督), 三船敏郎(俳優), 加山雄三(俳優), 黒沢年男(俳優), 小林桂樹(俳優), 橋本忍(脚本)
「原作とのギャップ」「毎年8月にはテレビ放送するべき作品」「決起工作に奔走する、青年将校たちの熱意と狂気を描く傑作!!」「終戦をめぐる人々の苦悩」「(玉音盤)終戦放送阻止に暗躍した陸軍の行動」
連合艦隊 [DVD] (詳細)
松林宗恵(監督), 小林桂樹(俳優), 永島敏行(俳優), 古手川祐子(俳優), 鶴田浩二(俳優)
「この映画はいい」「ずっと手元に置いておきたい作品」「連合艦隊」「待望のDVD化!」「戦争映画(邦画)もバカにはできないですよ!」
明日への遺言 特別版 [DVD] (詳細)
小泉堯史(監督), 藤田まこと(俳優), 富司純子(俳優), ロバート・レッサー(俳優), フレッド・マックィーン(俳優), リチャード・ニール(俳優), 西村雅彦(俳優), 蒼井優(俳優), 田中好子(俳優)
「久々に、日本映画の底力を見た気がします」「男の中の男。」「今の時代だからこそ心に響く、気高き日本軍司令官の「遺言」」「題材は良いが映像にするにはもう一工夫欲しかった作品。」「ひたむきな姿が、心を打つ」
ゆきゆきて、神軍 [DVD] (詳細)
原一男(監督), 奥崎謙三(俳優)
「ヤマザキ!天皇を撃て」「KI・SA・MAAH !!!」「これだけの人は二度と出ない」「ドキュメンタリーの真贋リトマス紙的作品」「あなたはここまでできるか!?」
母べえ 通常版 [DVD] (詳細)
山田洋次(監督), 吉永小百合(俳優), 坂東三津五郎(俳優), 浅野忠信(俳優), 檀れい(俳優), 志田未来(俳優), 佐藤未来(俳優), 笑福亭鶴瓶(俳優), 倍賞千恵子(俳優), 戸田恵子(俳優)
「山田洋次、現在の日本社会にどっしりした問題を突きつけた」「浅野忠信たち脇役が輝いている映画」「山田監督の思い…」「山田洋次、吉永小百合というビッグネームは健在」「感情を込めすぎでは・・・」
● 嗚呼!戰爭映画
● 2005年 年間 (01‾12月)興行収入ランキング 01‾25
● 評価基準 S‾F
● 戦う映画!
● お気に入り映画
● メモ帳5
● 見た映画
● 心温まる映画
・「どれほどDVD化を待ち望んだことか..」
本作は1959年の映画版です。1年前の1958年にテレビで放送され多くの支持を得たことから映画化されました。テレビは、当時前半の30分はVTRを使用し、後半は生放送されていた時期です。ですから、テレビドラマ版は完全な形で現存するものは無いそうです。
翌年に作られた映画は、テレビを見ることが出来なかった家庭も多くかなりの観客動員数を記録しています。その後にテレビで何度も再放送されましたので、後の印象としてこちらの作品がメジャーになりました。
映画のキャストはフランキー堺さん以外はテレビとは異なりますが、当時、多くの人達が再び映画館で涙を流しました。
平和な散髪屋の店主を営んでいた主人は、近所でも評判の家族を愛する優しい父親だった。しかし、戦争は彼に赤紙(召集令状)を届ける。終戦間際、彼は兵役に就き捕虜処刑を命じられる。気後れしたので、銃剣で少し傷を負わせただけなのに...。
「人間なんて厭だ。牛か馬の方が良い・・・」「・・・いや牛や馬ならまた人間にひどい目にあわされる・・・」「どうしても生まれ代わらなければならないのなら、いっそ深い海の底の貝にでも」「貝だったら、深い海の底の岩にへばりついているから、何の心配もありません。・・・・・どうしても生まれ代わらなければならないのなら、私は貝になりたい」
テレビ放映、そして本作、後に所ジョージのテレビ版、中居正広の近々公開版へと繋がる。この作品は主演する役者さんの熱演が見事で、フランキー堺さんも所ジョージさんも素晴らしかった。きっと、中居正広さん最高の演技を見られるものと思います。
その公開を記念して初DVDとして発売される本作、見事に作品に仕上がってますよ。
・「たくさんの喝采と涙がそそがれるのであれば嬉しいと思えます」
フランキー堺氏の代表作「私は貝になりたい」(この映画は、加藤哲太郎氏の「狂える戦犯死刑囚」が原作となっている)全てがノンフィクションではないようだが、この映画に近いことはあったようである。 この映画に対してたくさんの喝采と涙がそそがれるのであれば嬉しいと思います。個人的にも大変好きな映画です。
●ぼくたちと駐在さんの700日戦争 コレクターズ・エディション〈2枚組〉 [DVD]
・「ホッとする青春映画」
この映画は、私にとって2008年度上半期ベスト3に入る作品です。栃木の田舎を舞台に、駐在さんとのイタズラ合戦で笑いと共に進行しますが、後半あたりから青春映画となり感動させられます。特に夕日をバックに目的地まで3人が自転車を飛ばすシーンは胸が熱くなりました。少年達もみんないいやつですが、駐在さんも人情の厚い人なのです。映画通の人はベタな青春映画といいますが、私には必要な作品です。主題歌の旅立ち、ちっぽけな勇気、耳に残ります。
・「いや〜笑った笑った」
この映画はネットで話題になって興味をもって見に行きました。いや、すっげえ笑った笑った。このDVDも買うつもりです。原作本も買ったし、すっかりはまりました。面白いの一言につきる。ひさびさにワクワクさせる映画でした。内容にはあえて触れません。ただ、見なきゃそんでしょうね。まさにホンワカムービーです。
・「麻生久美子がきれいすぎる」
「いっちょイタズラいきますか。」 前半で大いに笑って、後半で大いに泣けました。
ストーリーは、栃木の田舎町で高校生と駐在さんがイタズラしあう 、というもの。
子どものイタズラに付き合うオトナって減ってますからね。駐在さん いい仕事してますよ(笑 どのエピソードも笑えまして、僕は、特に 駐在さんと美人妻の前で「拾った」というSM本のタイトルを読ませる 羞恥プレイが面白かったですね。あと、落とし穴かな?書ききれない ほどネタが出てきたので、是非映画館へ笑いに行きましょう。
なお、タイトルに700日とありますが、続編を期待させるラストでした。 原作のブログは今だ続いていますし、今後の動向も要チェックです。
出演者では麻生久美子がきれいすぎる。羞恥プレイのときに笑いを こらえる姿もかわいい。言うこと無い。「美人妻」という設定なので 演出でかなり優遇されていますので、ファンは是非堪能しましょう。 あまり出てこないのが難点ですが(苦笑
・「試写会観に行きました」
期待を裏切らない面白さです 自転車で法定速度を破れるか?など高校生のいたずら青春ムービーです
・「笑ったし感動した」
あんまり期待してなかったけど、すごくいい青春映画でした。一番好だったシーンは竹中直人さんの花火の代金のところです。見てて全然飽きないし、前半笑って後半泣きました。ぜひ若者から大人までの人たちに観てほしい映画です。
・「「○○だぁ〜い好き♪」」
物語の主人公は、一応、松方弘樹です。しかし!この映画は、我が国の誇るスーパースター、”世界のSONNY”こと千葉ちゃんの凶暴極まりないヤンチャぶりを愛でるためにあると言っても過言ではありません。「仁義なき戦い・広島死闘篇」の梅毒やくざ、大友勝利にシビれた人なら大満足すること請け合いです。ノッケから罪もない居酒屋をキエーッ!と素手で壊滅させちゃいますからw。その後もノンストップで気の触れた暴走を続ける千葉ちゃん、もう目も当てられませんw。このテの演技をさせるとホント迫真の恐ろしさを醸し出しますね。とにかく画面狭しと形振り構わずブッチギリで暴れまくってくれるのですが、残念なことに途中で殺られちゃいます(JACテイストな死にっぷりもまた見所です)。さて、それ以降ストーリーはクライマックスに向かって加速していきますが、千葉ちゃんの不在がアダとなり作品のテンションは急降下、結果として尻すぼみの印象が拭えません。やはり最後まで千葉ちゃんに暴れさせて欲しかったぁ〜!!!
・「心に残る傑作」
題材は100年前の日露戦争での旅順要塞攻略戦です。当時から日本では乃木の作戦指導が批判の的になっていましたが、機関銃とコンクリートで固めた要塞を半年足らずで攻略したのは列強には驚異的なことだったようです。 この戦いは特段装備が優れているわけでもない日本軍の神秘的な強さを世界に印象付けることになりました。
それはクリミア戦争で機関銃の無いロシアの要塞攻略に当時最強の陸軍国だった仏英軍が甚大な被害を出して1年近くかかったことからも判ります。また日露戦争で日本が勝利国となったことは当時、アフリカやアヂア、アメリカの黒人等々世界で列強に虐げられていた多くの人に感動をあたえ、それ
らの国では子供や商品に日本の将軍の名前をつけることが流行ったとか。こういった時代背景は今の日本人からすると完全に時代劇的な遠い昔の話に感じると思われますが、他の古典作品と同様、人の営みに変わりはないし、現代も国際関係が厳しいのも同様です。この作品の特撮は甘いのですが、感動に何も支障になりませんし、俳優陣は
特撮を補って余りある素晴らしさだと思います。こういった作品は反戦や戦争賛美といったイデオロギ的な問題がつきものですが、この作品は偏りを感じませんし、日本の指導層、攻略軍司令部、前線兵士と市井の人々まで当時の日本を情感をこめて描いており、厳しい時代を生きた当時の日本人の姿には多くの感動と示唆を与えられます。
まさに心に残る傑作です。
・「邦画大作史上最高の作品(残念ながら)」
いぶし銀の名優ずらりで仲代達矢の乃木、丹波哲郎の児玉はもちろん、森繁久彌の伊藤博文、三船さん(だったはず)の明治天皇など「気持ちが悪い」ほどイメージピッタリの配役。この当時の日本の戦争映画は(プライベートライアン以外の)ハリウッドと違い「これでもか!」といわんばかりに「味方」の一般兵卒も惨たらしくバタバタ殺されるシーンを繰り返す。いまと比べて制作費、CG技術には全然プアーなのに迫力がある。ひいきめかも知れないが一応自国が勝った戦争を描いたものでありながら他の国の戦争ものと比較して敵方の描き方の中立性、全編に貫徹される哀調も充分な名作。しかも国家指導者から一般庶民にいたる幅の広い視点から見た戦争を同時に描くという離れ業をやってのけている。他の国では絶対こうは描かない。最後に夏目雅子が「美しい国日本、美しい国ロシ、、、、」まで書きながら書ききれず崩れ落ちるシーンも秀逸。今日「男たちの大和」を見たがやはりこれには遥かに及ばない。あれから何十年たったんだ?がんばれ邦画。
・「全ての人に見て欲しい。」
私は、年齢的にも全く戦争など知らない者ですが、この作品は非常に感動しました。外国映画のように戦争の美化もしておらず、ヒーローも居らず、また反戦でもない作品なのかもしれません。戦争の中にいる、日本人、そのものがテーマのような気がしました。こういう日本があったこと。多少美化されていたとはいえこういう日本人が居たということ。人間の質が下がりっぱなしの日本人が、こういう事実を認識するべきではないかと、強く思いました。役者も演技も素晴らしく、今の日本ではもう撮れない映画なのかもしれません。
・「旧時代の肉弾戦」
現代人にとってベールに包まれた日露戦争。当作品は、その中でも激戦だった旅順攻略戦にスポットを当てた物語である。後の太平洋戦争の悲劇が凄まじいため、陰に隠れがちで語られることが少ないが、この作品を観終えた時、きっと誰もが驚くであろう。
この作品を初めて観たのは中学の頃。主題歌が好きだったことがきっかけで観に行ったのだが、映画館を出る頃にはすっかり世界観が変わっていた。決して教科書には出てくることのない真実がそこにあった。以来何度もこの作品を観たが、いつ観ても色褪せることのない傑作である。豪華キャストに加え、演出がまた素晴らしい。日常と戦場のコントラストが色鮮やかに浮かび上がり、出演者の迫真の演技が胸を打つ。
損害率46%、実に兵員の半数が死傷し、1万数千人の死者を出した無謀とも言える旅順攻略戦。司令官乃木と参謀長の伊地知の無能を指摘する声もあるが、私はそうは思わない。江戸時代から少しも変わらぬ旧時代の肉弾戦では、近代化され、当時世界最強と謳われたロシア軍に対して成す術がなかったのだ。
いずれにせよ、激動の明治において、国土を愛し、国土を守り抜くため懸命に時代を駆け抜けた日本人に心から拍手を贈りたい。また、当時の日本をリアルに再現した歴史的資料の観点からも一見の価値ある作品である。
・「国家のために命をかけた日本民族のドラマ」
激烈な戦闘場面に目を奪われがちですが、開戦に至る経緯と日本の苦悩がよく描かれていると思います。この映画では、乃木大将は軍司令官として適切でなかったかのようですが、半歳にわたる凄惨な攻城戦でなおよく軍の士気を維持し得たこと、旅順開城後のロシア要塞部隊首脳の取り扱いが感動的といえるほどで、日本の外債募集におおいに寄与したことなどを考えると、戦略的観点からの名将ではないでしょうか。当時の日本陸軍は健軍30年程度で、工兵技術も野戦築城や障害処理で手一杯で攻城戦(坑道戦)に手が回らなかったでしょうし、開戦当初の作戦計画で旅順は無視することになっていたこと、相対戦闘力を考えるとよく7万程度の損害で攻陥したものだと思います。因みに自衛隊のイラク派遣部隊は第2師団(旭川)ですが、203高地占領も第7師団(旭川)です。旭川ってすごい!
・「悩んだ上、ポジティブに」
51歳の人間には、「戦艦大和」は、プラモデルで作りたいあこがれの存在であった。何しろ世界最大の戦艦だから、プラモデルの縮尺の問題を置くにしても、決して安いものではなかった。 なぜ、昭和30〜40年代の子供たちが「戦艦大和」に「戦争反対」とか「平和」と無関係にあこがれたのか・・・やはりかっこよかったのだともう。 ただ、私は、「戦艦大和」を「宇宙戦艦ヤマト」と別に理解するには、最低限、吉田満氏の「戦艦大和の最期」とか、伊藤正徳氏の「連合艦隊の最期」をお読みいただき、更に「大和建造」とか、「レイテ湾海戦」などをお読みになった上で、紺の作品に接してほしかったと思う。そうでなければ、単なるヒロイックな人間の物語に出してしまう。
なぜ、大和が最期の最後に無謀な戦いに出かけたのか・・・?
この基礎知識がなければ、この映画の意味は分からないだろう。 日本の戦後の偏向教育のために「戦艦大和」を知らない世代が圧倒的になっている中で、この映画を上映するには時期が早すぎたのではないかと思う。それは、日本人にとって、極めて残念なことであると思っているが、敢えて言わざるをえない。
・「犠牲の上に成り立つ平和」
私の祖父は、連合艦隊の外周を守る駆逐艦に乗っていた。まだミッドウェー海戦前のことだ。補給船の護衛に付いた祖父の乗る駆逐艦は、補給船と共にアメリカの潜水艦からの雷撃で、轟沈したそうだ。そんな話を聞いているからかどうかわからないが、この映画を再生して感情移入するのに時間はかからなかった。あの戦争が侵略戦争だったとか、負けて当然とか、そんな政治的解釈はこの映画では不要だ。描かれているのは、大和に乗った水兵達を主人公とし、どんな気持ちで、どのように戦ったのかということだ。次々と占領地域を失い、本土への侵攻が目前となった時、何もせずにはおられなかった若者達、下士官の行動はしごく自然だ。また、伊藤指令が大和最後の特攻を命じられた時に、護衛戦闘機がないのに作戦が成功するはずがないと反発した。それに対し「軍令部総長に、陛下がお尋ねになったそうです。海軍には、もう軍艦はないのか。と。」と反発され、言葉をつまらせたシーンも、伊藤指令の苦悩の決断がひしひしと伝わってきた。軍艦は残っている。だから出撃しないわけにはいかない。そう決意したのだと思う。大和映画は多く存在するし、TVドラマにもなっている。しかし、今回のように兵士を最優先で追いかけた映画は、この作品が初めてだと思う。多くの戦死者を生んだ太平洋戦争。私達は、幸運にも生き残ってくれた国民の末裔である。生き残ってくれた祖先たちは、皆、一人一人が使命をもって生きてきた。国を立て直すための使命である。その祖先達が築いてくれた平和を、私達は忘れかけてはいないだろうか。有り余る平和を弄んではいないだろうか。そう考えさせられる作品だった。もう3回観ているが、何度観ても冒頭から流れ出す涙を、止めることは困難だ。
・「「死に方用意」の意味、意義」
エンドロールのときも、いつもはほとんどいなくなってしまう館内が、立つ人も少なく、最後の最後まで、皆さん映画を噛みしめていたようです。涙が乾くのを待っていたのかもしれませんね。こんなに涙した映画は今まで無かったですね。そういう年齢、立場になったのかなぁ…。
下士官や十代の若者に物語を絞ったことで、素直な人間感情を発散できる癒しの作品に浄化しました。
加害責任の後ろめたさを感じながら見る、今までの悲惨さを前面に出す日本の戦争映画とちょっと違って、世代の受け渡しを、最初と最後の話を入れることによって、「死に方用意」の意味、意義を素直に受け止めることができました。
同時に、自分たちがこの「日本で生きている」ことを突きつけられる厳しい投げ掛けでもありました。「平和」とか「生きる意味」とか「誇り」とか考えさせられます。とりあえず、「真面目に生きていこう!」と思いました。
どちらかといえば苦手な長渕剛の歌も、なんかいいなぁ、と不覚にも思ってしまいました。音楽は久石譲だと知らずに見ていました。エンドロールでびっくりです。非常に耳になじみやすい、アイルランド民謡風の、日本人の琴線に触れるいいメインテーマです。前半から涙腺緩みっぱなしのこの映画に浸るのにとてもよかったです。
俳優では松山君が良かったですね。
最後に 「先人たちの失敗から学ぶ」。 それを絶対忘れてはいけません!
・「平和の尊さを感じる作品です。」
中学生の子供と一緒に観ました。戦争の恐ろしさを感じました。 生還することのないだろう水上特攻に、出撃しなければならない兵士の心情、その兵士の生還を信じているだろう家族のことを思うと、涙がこぼれました。 平和というものは、当たり前にあると思っていましたが、先代の方々の深い悲しみの上に、今の平和があるのだと、改めて思いました。 子供は、「もし自分が、特攻に行かねばならなくなったら・・・、死ぬのは怖いし、絶対に戦争は嫌だ。」と、自分と重ね合わせて観ていたようです。
ぜひ多くの人に観てほしい作品です。
・「英雄ではない艦と兵士たちのドラマに感動」
日本人にしかつくれない映画だと思います。ロンゲストデイもUボートも戦争映画として傑作ですが、アメリカともドイツとも違う日本の視点での映画、しかも過度に英雄的に描かず、個々の人の気持ちを丹念に描いた作品だと思いました。 最も感心したのは大和が全く活躍しない点です。もちろんCGやモデルで描かれた大和は出て来ますが、ちっとも英雄的に描かれない。敵機をどんどん落とすとかそういうシーンが無い。大和が破壊されるシーン、兵士たちが死ぬシーンが連続します。兵士たちの死もピアノのソロで泣かせるセリフをはきながらなんて一切無い。これは映画監督として脚本家として自分の手を縛りながら心で絵を描くような作業ではないか、と。それは伝わりましたね。 また、この映画の特徴の一つはアメリカの視点が一切無いことですが、それが逆に家族を守るために戦った兵士たちの気持ちを表現するのに寄与していると思いました。アメリカの視点、日本の指導者の視点、それは他の作品に任せればいい。それぞれの真実があるはず。 演技陣も熱演ですし、音楽は久石譲。金払って観るだけの値打ちは充分にある映画です。お勧めです。
・「原作とのギャップ」
半藤さんの原作を読んでいるものとしては、この作品は、表面的には、太平洋戦争の終わる日の日本の首脳部の苦悩や決断を描いているように見えるが、あまりに表面的であって、残念ながら、原作を超えられない「日本映画」衰退期の象徴のような作品であると思う。 辛口でごめん。
・「毎年8月にはテレビ放送するべき作品」
内容の素晴らしさについては既に皆さんレビュー済みなのでトリビアを、
「一死以テ大罪ニ謝シ奉ル、神州不滅ヲ確信シテ」と書かれた阿南陸相の遺書は劇中にあるように割腹の際、血に染まった、遺書と自決に使われた短刀「靖憲」はその後靖国神社に奉納され、現在は境内の博物館「遊就館」に展示されています、目立つ形の展示方法ではないので行かれる方は終戦時展示室ではよく観察してください、なお陸相の書体は実に見事なものです、
天本英世演じる過激将校は戦後ずっと逃亡を続け時効後に鈴木亭に謝りにいったと伝えられています、
陸軍が主張していた本土決戦で一度は敵に損害を与えた上での講和には一理あります、すでにアメリカ国内では米兵の損害累増に厭戦気分が高まっており、もし本土決戦が行われれば万単位のアメリカ兵の戦死・戦傷は必定だったわけで(もちろんそれに倍する以上の損害を日本は受けたでしょう)、もし昭和20年秋まで戦争が長引けばポツダム宣言以上に譲歩した講和条件を連合国側が提示した可能性はとても高い、もっともその時には3発目4発目の原爆、そして北海道は完全にソ連が占領する形になったでしょうからプラス・マイナスを考慮すれば8月15日は遅すぎたとはいえ時期としては的を得ていたと考えます、
・「決起工作に奔走する、青年将校たちの熱意と狂気を描く傑作!!」
近衛師団長惨殺シーン、三船敏郎演じる阿南陸相の自決シーンは目をそむけたくなるほどの迫力がある。この作品が白黒で良かったと思う。
決起工作に奔走する青年将校たちの軍服の、脇から背中を黒く染める汗の描写。額に光る玉の汗。参謀飾緒をはねあげながら、長い坂道を自転車で駆け上がる彼らの異様なエネルギー。おそらく実戦経験がなく、目の前に広がる本土空襲の災禍も国民の窮状も理解しようとしない彼らが、なお、国家のためと終戦阻止の決起に情熱をかける。ここには「敵を知らず、己を知らず」自分の都合のままに主観的感情的な戦争指導に暴走した昭和の陸軍軍人の典型が浮かび上がる。目をむいて、激情のままに行動する畑中少佐を黒沢年男が力演。「貴様の純粋な心には感銘する」と不本意ながら決起工作に協力する井田中佐の言葉は、畑中少佐ら決起派将校の心情を解く「鍵」となっている。彼らの決起工作は「こうなるであろう」「こうあらねばならない」という主観に立って構成され、国を思う我々の工作が成功しないはずがない、という自己陶酔に支えられている。名作である。
・「終戦をめぐる人々の苦悩」
昭和20年8月14日正午の御前会議におけるポツダム宣言受諾の決定から、翌15日正午のNHKラジオにおける終戦の詔勅の放送までの24時間を描いた作品。半藤一利氏の同名作品に依拠しています。
近代戦において不敗を誇った大日本帝国が、太平洋戦争で完膚なきまでに叩きのめされて、無条件降伏を受け入れるに当たっての昭和天皇や鈴木貫太郎内閣の苦悩がよく描けています。 また、15日未明の一部将校らによる皇居占拠(いわゆる宮城事件)や横浜警備隊長佐々木大尉らによる鈴木私邸焼き討ち事件などの紆余曲折を経ながら、何とか終戦に漕ぎつける展開は、ほぼ史実通りであってその顛末を知っていてもやはりドキドキします。 非常に面白い、というか戦争の終結という作業の困難さを知る上でとても為になる作品です。
ただ、この作品を観るにあたって、少しある種の予備知識を持っていたほうが、より楽しめます。 作品上は鈴木貫太郎が文民のように描かれていますが、じつは歴とした海軍軍人であり、しかも日露戦争での旅順攻略戦において水雷艇船長として戦功をあげた後、海軍大将・連合艦隊司令長官にまで登りつめた人物です。 そしてその後侍従長として昭和天皇の側に8年仕え、その時に当時侍従武官として同じく宮城に仕えていた終戦時の陸相・阿南惟幾と親交を持っていたのです。
親子ほども年が離れている二人が、閣議で一見意見が対立しているように見えながら心の奥ではお互いを信頼しきっていたこと。終戦の詔勅が完成した後に、阿南が鈴木首相の部屋に挨拶に行くのですが、そこで阿南に自分で命を絶つ決心を見た鈴木首相の心の内。 このことを知ってこの作品を観ると、やるせない感情で、あなたの心は一杯になるはずです。
・「(玉音盤)終戦放送阻止に暗躍した陸軍の行動」
かつて、東宝が8.15シリーズとして毎年夏に公開していたシリーズの第一作目。以降のシリーズより、最も重圧でリアリティーのある展開で進展していく。昭和の日本の夏を描かせたら、天下一品の岡本喜八監督の演出は、ここでも十分生かされてます。娯楽重視の邦画全盛の公開当時は、「内容墳珍」などと言われたそうですが、ありのままの完璧なドキュメント作品として、申し分ないくらいの仕上がりだと思います。現在では到底、作れそうにない演技陣たちの緊迫した表情や鬼気迫る陸軍兵たちの動き。ここへ出てくる黒沢年男、等の演技はアカデミー男優賞なみであります。
再度、終戦放送にまつわる真実を、この作品でご覧頂きたいと思います。真相に衝撃をうけることマチガイなし。
・「この映画はいい」
この監督の戦争映画は好きですが、「人間魚雷回天」と共にすごく好きな映画です。「人間魚雷回天」の方は戦争を直接にも間接的にも経験した俳優スタッフのリアリズムがあるのですが、なぜか1980年前後のこの映画の俳優にも、かなり昔の日本を感じさせるリアリティがあると思います。どちらかというとこの映画のほうが海軍での第二次世界大戦(太平洋戦争)を俯瞰的に描いているので説明的ではありますが、その分、私みたいに戦争を知らない世代にとってはわかりやすい展開でした。もう何回見たことか。。どうしても、悔しいシーンや、感動的なシーンが私を呼ぶのです。また見なさいと。。歴史はすべて「たられば」ですがこの戦争映画を通して、もう一度この映画では描かれていない、日本は何故戦争に突き進んだのか?を自分自身に問い掛けるのは良いきっかけとなることでしょう。たぶんこれ以上の戦争映画はもう日本では作れないと思う。そういう意味で最後の戦争映画といっても過言ではないと思いますし、戦争映画海軍編の総決算的な映画です。何回見ても感動します。残されたものに新しい日本を担ってもらうために特攻していく姿、そう自分に言い聞かせる若者、この気持ちを忘れてはいけないと思います。陸軍の方になりますが、知覧の特攻記念館もぜひ行かれる事をお勧めいたします。あの笑顔、手紙の文章(まず初めに、お父様、お母様、と書く両親への思い)緻密な勉強のノート、書いてある字のきれいさ、など、、いつも自分自身を反省することしきりです。
・「ずっと手元に置いておきたい作品」
最初にTVのロードショーで見たのが、12歳の頃でした。20年以上経ち、改めてDVDの美しい画像で再会できたことが、まず嬉しかったです。当時、子供ながらに胸を打たれたラストシーン。父親の死を見届け、自らも特攻隊員として死地へ向かう息子。
彼が乗った戦闘機が、静かに雲に消えて行く場面は、思わず「行くな!戻って来い!」と叫んでしまいそうな程、切ない気持ちになります。一つ残念だったのが、特撮がどうしても模型にしか見えず、すっかりCG映像に慣れてしまった自分の目を恨みました。
堅苦しい映画のような雰囲気があり、敬遠されがちなジャンルですが、見ればただただ素直に親子の絆に、戦争により奪われた沢山の人達の未来に、必死に使命を全うしようとした姿に、心動かされるはずです。
・「連合艦隊」
ハワイ奇襲から負けるはずのないミッドウエー、そして大和の沖縄特攻というめちゃくちゃに見える敗北は後世の歴史観であり、当時の組織、実情からは、やむを得なかっただろう。当時の世界に私がいたら、彼らと同じように国のために特攻に出たと思う。だれも好んで死ぬわけではない。後世の繁栄を願うからだ。この作品に彼らの真摯な、ひたむきな姿勢を読み取る。20代の人達に見てもらいたい作品だ。戦争とは何か、何のためか、そして、どう生きるべきかを。私の亡き父は、当時、陸軍大尉で、悲惨な実態を聞く。この時代に、彼らの遺志を無駄にしたくないと自戒を込めている。
・「待望のDVD化!」
この映画を初めて見たのは、もう10年以上も前の終戦記念日でした。その時はビデオにとらずに後悔したのですが、後日友人からダビングしてもらい、何度も見ました。そのたびにDVDにならないかな、と思っていたのですが、ついに実現しました。
豪華なキャストと東宝が特撮に全力を注いだであろう迫力の戦闘シーンに注目ですが、それと同時に幼い少年パイロットが「おかあさ~ん」と叫びながら散華するシーン、沈む直前の「瑞鶴」・「大和」の艦内の惨状から戦争の悲惨さの一端を垣間見ることができようかと思います。戦争と平和を考えるうえで、ぜひ一度は見て欲しい作品です。
・「戦争映画(邦画)もバカにはできないですよ!」
史実に基づくストーリーの流れも良いのですが、出演されている方々の人間ドラマ(?)も非常に感動的です。婚約者を失った女性がその弟と結婚するというシーンがあるのですが、このようなことは当時実際に数多くあったそうで、私の父の同級生も特攻で命を落とした方の弟と結婚された女性との子供だったそうです。戦争が良いとか悪いとかいうのではなく、ただ純粋に、愛する国や家族を思って戦った人達の気持ちを思うと涙なしには見ることができません。ちょっと古い邦画ですが、ぜひ見て欲しい作品です。
・「久々に、日本映画の底力を見た気がします」
太平洋戦争の末期、日本全国が空襲を受けました。名古屋も大空襲を受けたのですが、日本も対空砲火で何機かのB29を撃墜、当時の米国パイロットがパラシュートで助かりましたが、当時の日本軍が彼らを処刑してしまったことが、「処罰」なのか「復讐」なのか「報復」なのか?無差別攻撃が立証されるのか?東海軍司令官の岡田中将のB級戦犯としての公判を中心に描かれています。
・「男の中の男。」
戦争を美化するつもりはありませんが、 こんな素晴らしい将校が日本軍にはいたのですね! 「勝ったら何でもアリ、負けたら何でもダメ」という 戦後の日本を取り巻く状況に屈することなく、 最後まで筋と信念を通したこの岡田中将は、 まさに男の中の男ですね! これはぜひ多くの人に見てもらいたい映画です!
・「今の時代だからこそ心に響く、気高き日本軍司令官の「遺言」」
無差別爆撃機から脱出した米国人を処刑し、B級戦犯として裁かれるも、連合国側の無差別爆撃の非をもって、それらアメリカ人は保護されるべき捕虜ではないと主張して「法戦」を堂々と戦い、一切の責任は司令官たる自分にあると主張して戦後日本を担う若い部下達をかばい続け、弁護人はもちろん検事、そして裁判長(何れも米国人)の心も動かしていく、岡田資中将。丁度新書「昭和の名将と愚将」を読み終え、名将と呼ばれた人でも昭和の軍人は大した人は少なかったのだな、という感想を持った時にこの映画を観て、こんなに誇り高く、責任をきちんととった将、いや日本人がいたのか、という驚きを禁じえなかった。その岡田中将役の藤田まことは畢生の名演と言ってよいだろう。品格が話題になる今の日本でこそ、岡田中将が法廷と収容所での潔い振舞いで示した「明日への遺言」を日本人はしっかり受けとめるべきだ。その裁判を傍聴し続け、隔てられた夫と心を通わせ続ける富司純子の演技も光るし、監督がオーディションで選んだ米国人俳優の演技もよい。そして狭い法廷という空間的な制約にもかかわらず、迫真の裁判劇をカメラに収めた撮影の素晴らしさ。小泉監督の映像感覚のシャープさに唸らされる。映画の冒頭でニュース・フィルムを使って非戦闘員を巻き込む無差別爆撃の簡単な世界史を説明し、時代背景を述べつつ反戦のメッセージを込める構成も巧みだ。そして、映画で2度使われる、日本人の心の琴線に触れる歌「ふるさと」。私は感動に打ち震えました。ずばり、名画です。
・「題材は良いが映像にするにはもう一工夫欲しかった作品。」
この映画は、終戦時、部下の責任をすべて被って刑場の露と消えた岡田 資中将の美談を戦争裁判を通して描いた物でしたが、全体に、抑揚に欠け、だらだらと進んだような印象があります。
その意味では、せっかく素晴らしい題材なのだから、もう少し、映像にする上での一工夫があっても良かったのかなという気もします。特に、背景が裁判所内から大きく外れない以上、見ている側からすれば同じような日が続くだけで、少々、間延び感が否めないのであれば、もう少し、雨や嵐や猛暑、厳寒、事故、ハプニング、トラブルを使うなどして、この日とこの日の違いなどを印象づける・・・とか。また、ラストの、刑場へ向かう途中で主人公が振り返って月を見上げるシーンなどは、横から撮るよりも、全体を俯瞰で撮り、長く伸びた影で月を表現する・・・などということをやっても良かったのかなとも思います。
まあ、岡田中将その人は、確かに、実物の写真などを見ると、暖かい人柄が偲ばれるような感じの人でしたが、大俳優・藤田まことがやると、どうにも、妙に偉そうにしか見えなかったのはご愛敬だったでしょうか。もっとも、藤田御大もギャラは度外視した出演だったそうですから、思いのほどは伝わってきたような気がしますが。
・「ひたむきな姿が、心を打つ」
誰だって自分の命は惜しい。もし誰かに罪をなすり付ける事で自分の命が助かるなら、悪魔に魂を売ってでも、自分だけは何とか生き延びようとするのが人の常。彼には、あわよくば助かろうなどという気は一切ない。責任はすべて自分にあるという立場を貫く。
岡田中将が捕虜の米兵を死刑執行をしたことが、はたして不当なのか否かが論争の焦点となっていくわけですが、岡田中将と弁護士は、論点を巧妙にずらしていき、無差別爆撃=不法行為をおこなっていた米軍機に搭乗していた乗組員は、犯罪者と同等であり、捕虜としては遇することをせず、あくまで大量殺戮の犯罪者として処罰したのであって、それは不当にはあたらない、という論理を展開していくわけです。まあ、詭弁という感じもしないわけではありませんが、「あれ?ひょっとしたら、無罪になっちゃうかも?」なんて思わせる映画の撮り方がされていて、なかなか楽しめました。
3台のカメラのよるマルチカム撮影は、確かに黒澤映画を彷彿とさせます。でも、ギラついた全盛期の黒澤とは違い、緊張感みなぎるものではありますが、静かに落ち着いています。偉人を描いても、その超人性ではなく、気高い精神にこそにじり寄る感じですね。
そして、この映画には米国に対する恨みがましさも、規律正しい旧日本軍人への過剰な郷愁もありません。むしろ、裁判で公正な弁護をおこなった弁護士フェザーストンや、岡田中将の助命嘆願をしたとされる検察側、裁判官らの姿を人情味ある人物として描いています。つまり、古きよき日本人の姿とともに、アメリカの良い部分をも公正に描いています。そのあたりにも感動させられます。
・「ヤマザキ!天皇を撃て」
「ヤマザキ!天皇を撃て」と叫びながら一般参賀客の中から昭和天皇に向けてパチンコ玉を打ったアナーキスト・奥崎謙三を追ったドキュメンタリー。
原一男のドキュメンタリー映像の中で、自分自身を激しく演じていく奥崎。それはどんどんエスカレートしていき、やがて画面の中で殺人未遂にまで進む。
「何故彼はそこまで突き進むのか?」「黒豚、白豚って一体何のこと?」等々、奥崎謙三に感染すると、もう誰も頭から振り払うことは出来なくなってしまう。
映画「太陽」のレビューで私は物足りなさを書いたが、日本人はこちら側から「天皇」を考えた方がいいのかも知れない。
晩年、出所した奥崎謙三は色々なサブカルチャーに「いじられた」。しかし、自らの戦争総括という信念で、映画自身をいじり倒したこの作品は、キネマ旬報1位という評価どおり、今でもバンバン我々の心を撃ち込んで来る。
・「KI・SA・MAAH !!!」
僕達が学校で受けた歴史教育によると、当時の年代の日本人には絶対的なものだと思われていた昭和天皇への、彼の激しい反発に強烈なインパクトを受け、最後まで観せられるエネルギーを放っている。
・・・余談ですが、奥崎氏の出所後に作られた方は、この映画とは別の人々によって作られたものであり、映画を作る技術面でも、内容面でも退屈なクズです。しかもそちらにはSMの女王様役の女性とのス○○ロプレーまでありますが・・・そういうマニアックな嗜好を持つ人たちが見ても怒り出すであろう酷さです。ちゃんと作ってあるエロビデオとかとは比べ物にならないです。自分はそういう趣味を持ってないし構成も何もないので見るに堪えず、飛ばしました。・・・それはさておき始終ダルダルのそんな動画(映画とは呼べません)を収録してある、そっちのDVDはただのゴミなので見かけたらクズかごに捨てましょう。
何の技術もアイデアも、情熱も持たない輩が自己顕示欲を現すとこういう「時間を返せ!」あるいは「(早送りしながら)最後まで見終えたんだからお金をくれ!」と叫びたくなるようなものが出来上がるという例になっています。
・・・脱線して申し訳ないですが、もちろんこちらの原一男監督の「ゆきゆきて、神軍」の方は制作されて随分経っていますが、今でも見応えのあるドキュメンタリーに仕上がっています。未見の方はぜひ。
・「これだけの人は二度と出ない」
このドキュメンタリで、なにが凄いかというと、奥崎氏と向き合い、それぞれの 人の内面が現れてくる(ってか、奥崎氏がそこまで追及せずにはおかない) ところ。人間の極限を経験した人たち。忘れて立ち直ろうとした人と立ち直るために掘り起こさなければ気のすまなかった奥崎氏。社会的体面より個人の贖罪を追及する(日本人にはめずらしいけど、俺には尊敬できる)奥崎氏の姿勢。
奥崎氏の厳しい追求に対して、率直に告白する人(止めようとする奥さんを厳しく制したりして、あの人が一番立派に見えた)や 堂々と嘘をつく人、最後までしらをきりとおしたり、のらりくらりとその場 逃れをしたり、救急車に乗ってまで逃げてしまう人(でも、あの人も奥崎氏と 堂々とやり合って根性あった)。
そればかりじゃない。家族もすごかった。奥崎氏の振り上げた拳を必死で(適当な言い訳言いながら)抑えようとしたり爺ちゃんのおしっこの 心配したりしてなんとか間に入って助けようとする息子の嫁さん(?)。 爺ちゃんが殴られそうになってずいと間に入って助太刀しようとした高校生 くらいの孫(?)。告白しようとするご主人を、ヒステリックに止めようと してたしなめられる奥さん。
奥崎氏はもちろん、奥崎氏の奥さんも含めて、市井のこれだけの人が傷ついているさまを見せた反戦ドキュメンタリ。戦争体験者がなくなってしまう前に、よくぞ製作してくれたと感謝したい。没収されてしまったというニューギニア篇が実に惜しまれる。
・「ドキュメンタリーの真贋リトマス紙的作品」
「衝撃のドキュメンタリー」公開当時は話題を呼んだが、作品中の奥崎は明らかにカメラの存在を意識した言動に終始していて、公開上演されることを前提とした行動はどう考えても「ヤラセ」以外の何ものでもないのではないか。しかもいかに自分を美化するかに腐心した言動がバレバレで(「軍隊で私くらい上官を殴った男はいない」自慢事のように奥崎は言っているが、「その後死ぬほど殴り返された」という事実に触れていない)、弱いものには暴力で、強いものには尻尾を巻いて逃げ出す奥崎謙三という「大根役者の演技」を臆せず曝け出した原一男の突き放したカメラワーク以外ドキュメンタリーといえる部分はない、不可思議な記録映画だとしか言い様がない作品である。これがドキュメンタリーならプロレスもよゐこの無人島生活も真実といえるのではないか、何でも素直に信じたがる人々にリトマス試験紙のように突きつけるには意味があるかもしれないが、「カメラは事実に対して中正を貫く」未だにそんなことを信じている人にだけ勧められる作品である。
・「あなたはここまでできるか!?」
ただ事実を、ありのままの事実を言う事の難しさ。そこに奥崎謙三さんは真っ直ぐにつき進む。みなが越えない線を越えて行く男。頼もしくも悲壮感すら漂わせ。あなたこんな生き方できますか?僕はできません。
・「山田洋次、現在の日本社会にどっしりした問題を突きつけた」
『日本はもうこの母を忘れている。母(かあ)べえ。』という前宣伝華やかであった。 この意味はこの作品を観ると納得する。 昭和15年から、現在まで、日本国の変遷を山田洋次監督は おだやかに、しかし 怒りを込めて 山口出身の女性にたくした。 インテリ夫婦は当時の時代のうねりの渦中で生きていきていた。お互いに「○べえ」と呼び合う自由主義的家族。夫は治安維持法にひっかかった。 夫が逮捕され、そして、その愛弟子浅野忠信が登場。三人の女性達をまもる。 夫は転向せず、獄中で死んだ。二人の娘を育てながら生き抜いた母。 「母べえ」こと、吉永小百合である。 時代はさらにすすみ、真珠湾攻撃以後、日本は「どつぼ」の中に入り 大切なる日本男子を一挙に殺害した。 浅野忠信にも赤紙がきた。戦死した。 敗戦、昭和20年。アメリカが広島と長崎に原爆を投下した。 その後は、いつのまにか奇妙な日本社会ができあがっていた。 今の日本に違和感を持つ者は 老いてゆき死んでいった。 山田洋次は踏ん張ってくれた。
現在の日本に必要な くそ真面目な 作品を 山田洋次は作った。 この作品に映り出された状況をみて 「そんな時代があったのか」と 今の若者達は想像する力があるのだろうか。 最後に、「母べえ」の死をみとる医師になった長女を倍賞千恵子が演じていることを伝えておく。 久しぶりに観る傑作。 まもなく 8月6日、広島に原爆投下した国家は厳然としてある。14万人死去。3日後に長崎で原爆投下。7万人死去。「被爆者」という名のもとに ずっと監視されている人たちも数少なくなった。 最後に、山田洋次は 淺野忠信をなぜ選んだのか。彼は黒木和雄監督の名作『父と暮せば』で宮澤リエと共演している。 戦時中の日本、さらに太平洋戦争とは何であったのかを、山田洋次は今問おうとしている。問題意識が一致している映画人と共に。 全力で今、世界中に問わんとしているように感じとる。 同感する。必見。
・「浅野忠信たち脇役が輝いている映画」
本作は吉永小百合主演の映画だが、私にとっては、準主役といってもいい浅野忠信の映画だ。彼は「父と暮せば」で脇役だったが、学生役でいい味を出していた。その時のいい持ち味をさらに膨らませ、映画にアクセントをつける。彼の存在感をまず評価すべき映画だ。その他、坂東三津五郎、檀れい、笑福亭鶴瓶、そして子供たち等の脇役が何れも素晴らしい。戦時下に思想犯として一家の柱が投獄された家族が互いを支えあう温もりを通じて、監督が伝えたかった反戦のメッセージはしっかり伝わる。その中で、主演の吉永小百合はいつもと変らぬ演技だ。耐え忍ぶ妻の役ということで、彼女に関してはまるで「北の零年」を再度見ているような印象を持った。この吉永小百合のいい意味での変らなさをどう捉えるかで作品の評価が人によって違ってくると思う。原爆詩の朗読を心をこめて行う人だから、本作の主人公として適役であるのは確かだ。
なお、偶々山本七平氏の「日本はなぜ敗れるか」を読んでいるが、その中で日本兵の南方への輸送がいかに無為無策に行われ多くの人命を失ったかが強調されている。本作の中でそのことになるほどと納得した場面が個人的には印象深い。
・「山田監督の思い…」
感情のままに撮った映画という印象を受けました。山田監督がこの映画にかける思いは凄まじく、純度が高いです。
それ故、過剰と言っても過言ではないであろう演出に正直ちょっと引いてしまいました。
前作(武士の一分ですよね)みたいな、ドシッと構えて全体を見渡すようなのを期待してたので-1
そしてご本人も気になさってましたが、吉永小百合さんの設定に無理を感じてしまったので-1です。こちらが心配したくなるくらい熱演してます。
・「山田洋次、吉永小百合というビッグネームは健在」
62歳の吉永小百合が凛とした美しさで30代とおぼしき小学生の母親「母べえ」を演じきりました。割烹着姿や裁縫をする姿も自然で、気持ちを内に秘めた戦前の女性を演じられる女優は限定されると思います。美というものは内面が伴っていないと意味がありません。
浅野忠信は、人の好いインテリ青年「山ちゃん」を好演していました。この人、何の役でも演じ分けられる巧さがあります。テーマ自体が暗い展開ですので、ほのぼのしたキャラクターは救いでした。檀れいは、得がたい女優さんです。美しさだけでは俳優はやれませんので。品がある、ということはとても重要な要素です。
巧いと言えば、「初べえ」「照べえ」を演じた子役の志田未来、佐藤未来の二人の姉妹役は抜群ですね。志田未来の巧さは定評がありますし、感情移入しながら役になりきっていました。妹役の佐藤未来も上出来です。
笑福亭鶴瓶は存在感のある役どころでした。ほとんど素のまま、素のセリフといった雰囲気が漂っており、重苦しい時代の空気を払拭するような活き活きした笑いを醸し出してくれたのは映画のアクセントとしても必要でした。大滝秀治、笹野高史、でんでん、といった名脇役もしっかりと自分の役柄を明確に描いていました。
山田洋次監督の描きたかったこの映画のメインテーマは、夫婦愛、家族愛、大きな意味での人類愛でしょうから、それが丁寧に描けて表現出来ているのはよく伝わってきました。良い映画ですし、DVDで多くの方に見てもらいたい作品です。
・「感情を込めすぎでは・・・」
山田洋次の映画は見る前から少し倦厭していたので本作を見るときも一抹の不安があったのですが、やはりその予感は的中してしまいました。あまりにも直接的な反戦平和主義の思念を入れ込みすぎていて、展開が極端にあざとくなり、日本映画特有の役者の八方美人的な演技も少し過剰でリアリティに欠けると感じました。(釣瓶はうまかったけど)個人的には、もう少し映画に込める感情を冷ました後で撮って欲しかった。演出も思い入れが強すぎて役者がガチガチに固まっているように感じます。言ってることは真っ当なのだから、ここまで感情を込めなくても、もう少しストイックに醒めた視点で描いた方がうまくいったのではないのでしょうか。吉永小百合の最後のセリフも、山田洋次の思想が入りすぎた結果、完全に人物が崩壊してしまった印象を感じてしまいました。
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