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▼政治学:人気ランキング

職業としての政治 (岩波文庫)職業としての政治 (岩波文庫) (詳細)
マックス ヴェーバー(著), Max Weber(原著), 脇 圭平(翻訳)

「読むたびに新たな発見。」「政治の形」「時代の皮肉」「第1次世界大戦敗戦後のドイツを憂うマックス・ヴェーバーの声を聞け」「マックス・ウェーバーは近代のマキャベリか?」


新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO) (詳細)
ニッコロ マキアヴェリ(著), Machiavelli(原著), 池田 廉(翻訳)

「現代にも通じる処世術」「苦味が美味しく感じられる頃」「欲望とは何か、欲望に何が出来て、また何をしてしまうのか」「うんうん」「政治学の古典的名著」


君主論 (講談社学術文庫)君主論 (講談社学術文庫) (詳細)
マキアヴェリ(著), 佐々木 毅(翻訳)

「君主論」「麦酒の苦味に似た味」「君主じゃなくても役立つ。うなずける。帝王学。」「分かりやすい」「現代でも十分に生きる政治観」


国家の品格 (新潮新書)国家の品格 (新潮新書) (詳細)
藤原 正彦(著)

「信じがたいほど低レベルの著作物。」「目眩がしました」「同じ著者の別の本を読むべき」「国家の品格の評価意見を読んで」「ひどい・・・」


社会契約論 (岩波文庫)社会契約論 (岩波文庫) (詳細)
J.J. ルソー(著), 桑原 武夫(翻訳), 前川 貞次郎(翻訳)

「素晴らしい訳と解説」「政治学を学ぶ人は」「独裁容認の書」「冷静に。」「非常に危険な書物」


マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)マキアヴェッリ語録 (新潮文庫) (詳細)
塩野 七生(著)

「ビジネス本が不毛に感じる」「エッセンス」「すばらしい!」「「良い人」だと思われること。しかし、場合によっては実力行使できるだけの力を持て。」「マキアヴェッリの真意を親しみやすく」


世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち (講談社プラスアルファ文庫)世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち (講談社プラスアルファ文庫) (詳細)
副島 隆彦(著)

「キヲツケロ キヲツケロ」「アメリカ政治言論界のイミダス。ただし怪書なので要注意。」「国際政治の辞書」「日本人が気づいていない大事なことが書いてある本」「近くて遠い国アメリカを徹底解剖した畢生の大著」


姜尚中の政治学入門 (集英社新書)姜尚中の政治学入門 (集英社新書) (詳細)
姜 尚中(著)

「政治学をマジメにやりたいなら別の本を」「物腰が柔らかければいいってもんじゃない」「政治「学」の入門書としては・・・」「中立的アカデミズムを装った中国・北朝鮮擁護の本」「「干物」と「生もの」で語る政治学入門」


政治学 (New Liberal Arts Selection)政治学 (New Liberal Arts Selection) (詳細)
久米 郁男(著), 古城 佳子(著), 真渕 勝(著), 川出 良枝(著), 田中 愛治(著)

「政治学を一冊で理解したいならこれ」「すぐれた教科書。」「今後しばらくは、政治学の教科書のスタンダードになると思う。」「政治学を学ぶなら」「大学のゼミで実際に使用して」


市民政府論 (岩波文庫)市民政府論 (岩波文庫) (詳細)
ロック(著), John Locke(原著), 鵜飼 信成(翻訳)

「訳文が…」「読みやすい古典。」「自由主義の定礎者・ロック」「市民政府論」「アメリカ独立宣言の根拠となった不朽の古典」


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▼クチコミ情報

職業としての政治 (岩波文庫)

・「読むたびに新たな発見。
古典というのは大したもので、読み返すたびに新たな発見があるものだ。以前読んだ際は、政治家の倫理について述べた後半部が印象に残ったが、今回再読して感心したのは職業政治家の諸形態について論じた中盤部の記述である。

そこを読むと、最近の日本における小泉総理の族議員に対する勝利という現象が、十九世紀末の英国における党リーダーと党官僚の名望政治家に対する勝利という現象とぴったり重なることが分かる。そこから帰結するのは、国会議員の総イエスマン化と、デマゴーグに導かれた事実上の人民投票制の到来である。

ドイツ流分類学の最も良質の部分を受け継いだヴェーバーの簡明な分析は、読んでいて小気味良い。翻訳も読みやすいので、是非手にとって見てほしい。

・「政治の形
そう、「職業としての政治」だ。これは本当にすばらしい本だ。たとえ政治へのかかわり方が、パートタイムであろうと、フルタイムであろうと、投票しかしない人であろうと集票マシーンといわれる人であろうと、この本に現代に至る政治の形がみな書いてあるように思う。ちなみに、本当に選挙を中心としる装置、マシーンという言葉がこの本の中にでてくる。なぜ自民党のような政党では、議員はたんに票を投じるだけの存在になるのか、なぜ幹事長というのがあんなにえらいのか、みなこの本の中で説明されている。本当に蒙を啓かれるとは、このことをいうのであろう。

この本は、マックス・ヴェーバーの最晩年の講義をまとめたものだという。1920年が没年であるので、死の1年前である。第1次世界大戦が終わったばかりのこの時期に、ここまで現代にいたるまでの政治の形について正確に分析し、人々のそれからの動きについて予見していたということは、筆舌に尽くしがたい価値があると思う。この本の、もう一つのすばらしさは、ヴェーバーのドイツの青年に向けてのことばである。青年達を育てようとする、ヒントを与えようとしている最後の節の言葉はほんとうに胸にしみる。

・「時代の皮肉
ウェーバーの死の1年前、1919年に行われた、次代を担うであろう学生達に向けた講演の記録。

誰もが指摘するように、古典中の古典だが、得るものは多い。政治の持つ暴力性、現代的な政治を職業とする者の分類、そして政治家に期待される倫理、さらに資質……これらのことに関して論じたところは未だに色あせない。そして、多くの人が、これらのことについては語ってしまっているので、本書の違う部分に目を向けたいと思う。

ウェーバーはこの当時、ワイマール憲法の起草委員会のメンバーだったと記憶している。高校の歴史や政治経済の教科書などにも出てくる通り、基本的人権という面において、当時としてはもっとも完成度が高かったとされる憲法だ。自分の記憶が確かなら、起草に当たって政治社会学、法社会学の泰斗として、ウェーバーの果たした役割もまた大きかったに違いない。

そして、この講演…特に政治家の倫理や資質を語る部分は、当然、この憲法に基づくドイツの政治をこれから担う若者に対して発せられた、政治を職業とする者はかくあるべしという、ウェーバー流のメッセージのはずなのだ。さらに、彼はロシア革命を「乱痴気騒ぎ(カーニヴァル)」と言って嫌悪感を隠さず、政治的な熱狂によって導かれる政治を否定しさっていた。また、当時のドイツの政治状況をちくりちくりと批判し、警鐘を鳴らし、こうも学生達に呼びかける。10年後にもう一度集まって、同じテーマで論じてみたいものだと。

彼ら学生に、危機的状況を乗り越えて、穏健な民主国家としてドイツの未来を形作っていって欲しいと期待していたことが、ありありと窺えるではないか。

彼の講演を生で聞いた学生達は10年後を、さらにその後をどのような思いで眺めていたのだろうか。10年後には、ワイマール体制は機能不全の態を表し、1933年にはヒトラーが首相に就任するに至る。ナチ政権はまさに政治的熱狂が生み出した、ワイマール体制の理想の対極に位置するものだった。その後、ナチの支配はより堅固なものとなり、誰もが知る通り、ドイツは戦争への道をひた走り、戦争の敗北によって瓦解する。ロシア革命以上の乱痴気騒ぎと言わずして何と言おう。

こうして見ると、この講演も歴史の徒花になりかかったのであり、何とも皮肉を感じてしまう。それでもなお、時代を超えて生き残り、我々にも訴えかけてくるものがあるのは、さすがに誰もが認める名古典にして名講演と言わざるを得ない。

・「第1次世界大戦敗戦後のドイツを憂うマックス・ヴェーバーの声を聞け
古典といえども今でも「政治」を考える上では色あせない1冊。 この本は、マックス・ヴェーバーが亡くなる前年に、ミュンヘンの学生団体の公開講演をまとめたものである。当時のドイツは第一次世界大戦に破れ、ロシア革命のあおりを受けて、国内は革命への機運が高まっている不安定な状態だった。そんな状態だからこそ、マックス・ヴェーバーは、ドイツの若者に対して、「政治」をきちんと捉え、国家の指導者たるにふさわしい姿勢と求めて語った。

 マックス・ヴェーバーは、政治家の必要な資質として、情熱と責任感と判断力を挙げる。特に、単なる情熱だけでなく、その情熱が責任感と結びついたものであり、冷静な判断力で、自己陶酔を抑制することを求める。それは、政治が、権力獲得のためのものではなく、将来と将来に対する責任であるからである。

 なんといっても、最後は思わず読んでいて熱くなる。この最後はぜひ、読者自身の目で見ていただきたい。熱い気持ちになるとともに戒めのようなものを感じるはずだ。最後の言葉は、政治家だけでなく、まちおこし活動をしているものにも通用するし、社会に対して変えようとアクションを起こしているリーダーにも通ずる言葉だ。

・「マックス・ウェーバーは近代のマキャベリか?
 本書は、彼が1920年に亡くなる前の年に行われた講演をまとめたもので、政治とは何か、政治家とはどうあるべきか、という彼の信条が書かれています。

 本書の冒頭で、彼はトロツキーの「すべての国家は暴力の上に基礎づけられている」という言葉を引用し、政治権力というのは暴力を後ろ盾にしたものである、ということを大前提に議論を進めていきます。 そして、「善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実である」と言っていますから、政治というものは性悪説に立たなければやってられないものなのですね。なんだか、世界史の教科書で勉強したマキャベリのようなイメージが浮かんできます。 ウェーバーにとって、「無差別の人間愛と慈悲の心に溢れた偉大な達人」というのは、宗教家であって政治家ではありません。政治家は、暴力の中に身を潜めている悪魔の力と関係を結ぶ覚悟が必要だというのです。

 本書によると、近代の政府というのは、君主や政治家という支配者と専門的に訓練された官僚層が権力を奪い合っているものだそうです。 ドイツのように官僚の力が強いと、専門官僚は閣僚の地位まで要求するようになりました。逆に、アメリカの場合は新しい大統領が就任すると、実務を行うべき官僚の入れ替えが行われます。その数は1920年当時30万から40万に達していたそうです。党のためにつくしたという功績で任命される新官僚の中には、何の実務能力を持たない人も多く、こんな無駄が許されるのは、アメリカが無限の経済的なチャンスを残した国だからです。

 こんな分析をする著者ですから、民主主義を手放しで礼賛したりしていません。もっぱら情緒的に働きかける演説が多くなっている当時の状況を、「大衆の情緒性を利用した独裁制」とまで言っています。

職業としての政治 (岩波文庫) (詳細)

新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)

・「現代にも通じる処世術
マキアヴェリの「君主論」といえば、いわゆる権謀術数主義として、目的のためには手段を選ばない非道徳的な主張がイメージされるが、それが曲解に過ぎないということは、実際に読んでみれば明らかである。

「君主は、民衆を味方につけなければならない」「君主は、けちだという評判など、少しも気にかけてはならない」

「だれからりっぱな進言を得たとしても、よい意見は君主の思慮から生まれるものでなければならない」

といったような主張について、理路整然とした場合分けに基づき、具体例とともに、明快な論拠が示されている。これは、現代の為政者や、企業のマネジメント層にも、そのまま当てはまるであろう「上に立つ者」のあるべき論なのである。

具体例は、当時のイタリアのものが多いため!、なかなかぴんと来ないが、詳細な訳注により、おおよそのことは理解できる。古典としては、きわめて馴染みやすい部類と言えよう。

約250ページの本であるが、本文は約150ページであり、残り約100ページを占める訳注と解説が充実している。また、和訳も非常に読みやすい(おそらく「君主論」の和訳としては一番読みやすい)。お薦めの一冊である。

・「苦味が美味しく感じられる頃
 中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。

 マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。小生もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。

 とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。

 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。

「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」  こんな言葉を否定することは難しい。吉田兼好が読んだら大声で笑って同意したに違い無い。

 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。そんな「苦味」が美味しいのは 小生も中年だからだろうか。 

・「欲望とは何か、欲望に何が出来て、また何をしてしまうのか
 確か「プレイボーイ」誌のインタビューか何かで、出所したばかりのマイク・タイソンが言っていた。おおざっぱな記憶によれば、ざっとこんな感じだ。

「刑務所では読み書きと数を数えることを学んだ。それまでは、自分のファイトマネーがいくらかすら、知らなかったんだ。読むことを学んで、マキャベリを読んだ。みんな、彼のことを昔のイタリアの学者かなんかだと思っているけど、彼は欲望とは何か、欲望に何が出来て、また何をしてしまうのか、について語ったんだ。だからこれは、おれたちの本だよ」

 「マキャベリズム」と呼ばれるものに由来する偏見に根ざした彼への悪評を払拭し、「真実のマキャベリ」を回復させようというのが、真面目なマキャベリ学者がずっと取り組んでいる仕事だが(そして名誉回復というのはいつも、面倒くさく時間ばかりがかかる仕事だとしても、大切な仕事ではあるのだが)、この字も読めなかったボクサーのようには、だれもこんなに正しくマキャベリを読んでこなかった。

・「うんうん
私は以前まではこの種類の考えには肌さむい感覚がありましたし

多少理解しがたい感もありましたが、多勢のリーダーを経てさと

りました。

こうならざるを得ないんです。

現実的にこれが一番ベストに運びました。

人の主観なんてよほど強い信条が慣習がないと一致しません。

なにも少数派を弾圧しろという意味ではなく、少数の多少の

犠牲と多数の最低限の満足を選ぶのに迷った時にこの本を

参考にしてほしいのです。

とっても残忍な雰囲気もありますが事実この方が平和だったりします。

お読み物としても面白い。

熱中しましたし、訳がわかりやすい。

中庸思想が悪いというより、こちらの方がより現実的で、

よりただしいと思います。

・「政治学の古典的名著
マキャベリのこの「君主論」は純粋な政治学の古典的名著である。その点では他のカスタマーの方々はまだ読みが浅い印象を受ける。

例えば君主論の記述の中に

「君主が尊敬を集めるには、なによりも大事業を行い、みずから比類のない手本を示すことである」「早いうち気づいて手当てをしないと、時がたつにつれて、病の発見はやさしくても治療がむずかしくなる」「民衆にあることを説得するのは容易だが、説得されたままの状態に民衆をいつまでも引きとめておくことはむずかしいのである」

これを地で行っているのが小泉純一郎だとはいえないか?「郵政民営化」という「大事業」を行い、「不良債権処理」という「治療」を行い、発足当初から高い「内閣支持率」を維持している。

まさに小泉純一郎は「政治学的」に見れば、高い評価を下せるのではないのだろうか?

新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO) (詳細)

君主論 (講談社学術文庫)

・「君主論
目的のためには手段を選ばない、目的は手段を正当化するといった意味の「マキャヴェリズム」、権謀術数に長けた人を指す「マキャヴェリスト」の語源となった、著者ニッコロ・マキャヴェリ(本書ではマキアヴェッリ)が、当時、彼が住んでいたフィレンツェの統治者に献呈した、上に立つ者の在り方、国の保ち方、民の治め方などを書いた、政治学の古典として名高い名著。「マキャヴェリスト」という言葉のせいか、著者にはあまり良いイメージを抱いていなかったのですが、本書を読んでそれが少し変わってきました。民を治める者は時と場合によっては悪人になるべきとか、新しい領土を得てそこを長く保つためには、前統治者の血縁を皆殺しにすればよいなど、確かに厳しいことも書いてあります。が、これらは過去の例をいくつも挙げていることからもわかるように、マキアヴェッリが初めて提唱したものではなく、大昔から何度も何度も繰り返し行われてきたことをマキアヴェッリがまとめたに過ぎないものです。美辞麗句を並べるよりも、たとえ冷酷と思われようとやらなければならないことはやるべきだという徹底した現実主義者マキアヴェッリの姿が見えてくるような気がします。あまり良くない意味でマキャヴェリストという言葉が使われだしたのは、おそらく本書に書かれているモーゼのことが気に入らなかった教会のせいではないでしょうか?(マキアヴェッリの著作は本書しか読んでいないので憶測です。他の著書にその原因があるのかもしれません)本書、講談社学術文庫版は、本文に入る前に前書きとして、『君主論』が書かれた当時のイタリアの政治情勢やフィレンツェの状況が簡単に説明されているので、マキアヴェッリが、なぜ、誰に対して、どのような思いで書き上げたのか、『君主論』を読み理解するのに多いに役立ちます。欲を言えば、もっともっと詳しい説明解説をつけてほしかったです。

・「麦酒の苦味に似た味
 中国や日本の古典は 経営者にもよく引用される。

 「孫子」「五輪書」「論語」「日暮硯」等 いくらでも例は挙げられる。西洋の古典は 余りビジネス雑誌に出てくる事も無い。その中で 本書は健闘している。

 マキャべりというと 元来悪いイメージが付きまとってきたのも日本である。性悪説に基づいた冷徹な「嘘つき」というようなイメージかと思う。僕もご多分に漏れず そんな先入観で一読した。

 とんでもない。マキャべりは「人間とはどういう動物か」を語っているに過ぎない。

 彼には「人間の善悪」というものは無い。善い悪いは抜きにして ただ 「人間とはそういうものだ」という彼なりの冷静な分析を披露しているに過ぎない。その意味では科学者が実験の結果を報告しているだけと同じだ。但し そこに分析されている人間の姿が 我々にとって 時には辛辣であることが 科学者マキャべり自身の評判を悪くしている。マキャベリにしたら迷惑な話だ。

「いかなる手段も 結果さえよければ必ず正当化される」「人は恐れている人より 愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つける」  こんな言葉は否定出来ない。吉田兼好が読んだら大声で笑って 徒然草に引用したに違い無い。

 「辛いのは中傷でなく真実である」とは 誰の言葉だったか忘れた。 マキャべりへの毀誉褒貶の原因は 彼の本に含まれている 苦い真実である。「苦味」が美味しいのは麦酒だけではない。

・「君主じゃなくても役立つ。うなずける。帝王学。
この本は名前の通りの本です。イタリアである王様が即位したとき。マキャべりという人が「このような、たいへんめでたい席で。本来ならとっておきの宝物をお贈りするべきでありますが・・・。」といった感じで王様に贈った本です。時代背景を少しで構わないので知っておきたいところです。ただ、理論は非常に的確かつ鋭いです。まさに帝王学。君主を社長と読み替えても面白いかもしれません。なかなか現代にも通じるところがあると思います。

・「分かりやすい
難解と言われている君主論がスッと頭の中に入ってきました。佐々木先生の翻訳が良いのでしょうか。字も大きいですので、お勧めの版です。

・「現代でも十分に生きる政治観
他の勢力と結託して保護されている団体は、危うい。もし団体を守りたいなら、団体それ自体に由来する力を増強するしかない。雇われて味方をしてくれている“傭兵隊”は、都合が悪くなれば雲散霧消するか、裏切って敵対勢力にさえなりかねない。団体の持つ潜在的影響力が強大であればあるほど、他の勢力はその力を恐れ、弱体化させようと企むことはあるにせよ、一時的に味方をしたからといって“恩”を感じることなどない。「自らが自らとして強くなれ」。マキアヴェッリは他人に頼ろうとする甘さ、他人に恩を売っていると勘違いする愚かさ、自らの力を不用意に誇示する危険性を鋭く指摘している。

君主論 (講談社学術文庫) (詳細)

国家の品格 (新潮新書)

・「信じがたいほど低レベルの著作物。
まず第一に筆者は、「西洋の論理主義には限界があり、倫理道徳が必要」と主張するが、批判対象の西洋思想がギリシャ時代から「真善美」(論理・倫理・審美)の異なる価値体系を持つことを理解しておらず、真(論理主義)のみであるかのように主張し、批判している。さらにそれに対して、持ち出すものが新渡戸稲造の武士道なのだが、これは当時文化的に低いとみなされていた日本にも「ある程度の文化がある」という主張を諸外国に対して展開したものである。要約すると、「武士道は騎士道に共通する部分がある。ただし武士道にはキリスト教の大きな「愛」が欠けているので、武士道とキリスト教が包摂しあえばより良い文化が日本にも生まれる可能性がある。」という内容である。今、欧米の思想で問題になっているのは、キリスト教哲学から歴史的に演繹されてきたヒエラルヒーな思考形態であり、その超克である。日本が欧米より文化的に劣位であると思われていた時代の弁明を、現代でそのまま展開することの意味がどこにあるのか全く理解できない。また、個々の引用は基本的には間違っていないが、全般に理解が極めて浅く、ゲーデルの不完全性定理に関しても、ラッセルやロッサーの反証が全く考慮されておらず神託のごとき扱いとなっている。そして、「論理の限界」の具体的な例示はこの一点しかなく、それをもって論理主義を捨てて武士道的な倫理の復権を訴えている。実際には、自然科学が完全でなくとも十分有効なように、論理学も十分に有効であり、階型論理は有効である。本書は「全ての日本人に誇りと自信を与える」というキャッチコピーの付いている書物である。しかし、いわゆるプチナショナリズム系の書物の中でも、かなり低レベルな内容であり、これを読んで自信を与えられる国民が存在する、というのは深刻な事態であるといわざるえない。

・「目眩がしました
筆者は前半部で「論理」を批判しています。全ての論理を否定しているわけではないのですが、「短い論理」「出発点のはっきりしない論理」を深みに達しない、あるいは危ういとみなしています。ですが、この書で情緒・形・武士道の必要性を主張するために展開されているのは、全てこの種の不完全な論理です。

もう一つ。筆者は「論理的」なものとしての共産主義を批判しています。ですが、共産主義のプロセスで実際に起こったのは、人々を共通の理念に縛りつけ、自由が否定されたことです。その意味で、この書自体が共産主義的な性格を持つのではないでしょうか。

1ページに1つずつぐらい突っ込みどころがある稀有な書です。藤原さんがどういうおつもりで書かれたのかわかりませんが、ネタであって欲しいです。日本人が身につけなければいけないのは情趣・形・武士道ではなく、このような本を読んで鵜呑みにしない「考える力」だと思います。

・「同じ著者の別の本を読むべき
本書は、同じ著者の今までの著作に比べて圧倒的にレベルが低い。その理由は二つある。一つは、これが講演を元に加筆して作られたという、安直な作りの本だということだ。従って内容はスカスカで、一瞬にして読める。第二は、「国家」などという厄介な政治装置を持ち出してきて、いたずらにナショナリズムを煽っている点だ。しかし、恐らくこの二点が、残念ながらこの本がよく売れている理由でもあると思う。

「国家の品格」とはまた随分嫌らしいタイトルを付けたものだ。「文化の品格」くらいなら分からないでもないが…。しかし、そうであったとしても、文化の間には差異のみがあるのであって、その間の優劣を論じることには意味がないと思う。自分の文化に誇りを持ち、それを大切にすることは大いに結構だが、それは、他の文化を否定することとは違うのだ。また、この人の世界観は著しく偏っていて、日本とアメリカとヨーロッパの3極しか見ていない。それ以外の世界は存在しないとでも言わんばかりだ。あえて「大東亜戦争」という言葉を使ってみたり、「もしも私の愛する日本が世界を征服していたら、今ごろ世界中の子供たちが泣きながら日本語を勉強していたはずです。まことに残念です」なんてことを(冗談としても)言うのは、一体どういう感覚をしているんだろうか。

私はこの人のファンだった。英語よりも日本語、論理よりも情緒、金銭至上主義から脱却せよ、小学校で株式や英語やコンピュータを教えるなんてもってのほか、いずれも大賛成だ。いくつかの主張は大いに納得できるし、私はこの人の考え方に随分と影響を受けてきた。しかし、本書が著者の思想の集大成だとは、誠に幻滅した。

この本の中身のうち読む価値のある部分は、基本的に同じ著者の別の本に書かかれているので、これを読む暇があったら別の著書を読むことを強くお薦めする。中でも、処女作『若き数学者のアメリカ』がダントツで面白い。

・「国家の品格の評価意見を読んで
私は、ある日本企業の赴任者として英国で10年。帰国後に英国人の家内が母国に帰りたいと言うので日本で退社し再び英国に永住目的で戻り12年、計22年を英国で過ごした者です。しかし、結局、家内も私も日本に戻る決意をしました。帰国理由は『日本には英国に無い品格や情緒がある』と言う点で、具体例は山程あります。細かく見れば、どんな事でも揚げ足は取れる物で、この本の批判をしている人の多くは、ご自分の知識の豊かさや論弁力を人に知らせたいのでは?と思いたくなる様な印象を持ってしまいました。22年間この国に住み、長男と次男が英国で生まれた私に取って、英国は息子と家内の故郷です。しかし、その英国を私達が去るのは何故なのか?この事自体が、この『国家の品格』の著者の言いたい事を、全く別の所で、この本の存在さえ知らなかった私が具体的行動と言う形で出した結論と私は考えています。具体例を挙げます。最近『インターネットカフェ難民』と言う現象があります。もし、あの現象が英国で起きたら、難民にになる前に、大半がナイフ、ガン、暴力を振りかざして自分たちの収入確保に走ったでしょう。しかし日本ではそこ迄落ちずにインターネットカフェ難民と言う現象が出た事自体、日本人の特質だと思います。全くの別例ですが、スティールコーポレーションのTOBなどは『金は有っても心の品格ゼロの例』だと思います。勿論、日本にも40歳前後の経営者で、金に物を言わせる品格を無くした自己中心型経営者が居る事も実ですが、概して日本人には品格が残っています。大切な事は、言葉尻では無く、著者の伝えたいメッセージを読み取る事だと思います。言葉尻を云々する事こそ、品格を疑われる行為だと思います。1970年に赴任した頃は『イギリス被れ』だった私が『日本人に生まれて良かった』と思い、日本に誇りを感じて書いた私の意見は多くの事実を自分の目で見た結論です。(FM)

・「ひどい・・・
突っ込みどころ満載。簡単に突っ込める内容が最初にかたまっているため、そのあとのもっともらしい主張が正しく思える節があるが、注意して読むべし。

資本主義、民主主義、株式会社、グローバリズム、平等、論理、ゆとり教育、国際化=英語教育、ナショナリズム、・・・

「現代の社会でこれらが偏重されているとして、 そればっかりじゃこれからの世界はダメ。」という、一昔前なら提言する価値のあったような内容に終始し、そこに筆者の主張をのせてみたって感じ。

 資本主義の限界はさんざん論ぜられている。 民主主義だってゲーム理論で万能でないことは証明されている。 株式の問題は短期投資家だってば。ネットを検索してみるだけでも載っている。会社に愛情を持った株主がどれほどいるか。ちなみに「1年は短期」なんですか?1年ホルダーが会社に何の貢献もしていないハズが無いだろうが。

問題意識を持ちながら読んでいると、新書なのに、考えながら読むな、俺の意見を聞けばいいんだとでも言っているかのような感覚になる。

国家の品格 (新潮新書) (詳細)

社会契約論 (岩波文庫)

・「素晴らしい訳と解説
 ルソーは、人権、平等という意識を向上させたという正の面と、フランス革命の恐怖政治を生み出したという負の面を併せ持ったアンビバレントな存在です。ただし、リベラル、保守と立場によって、賛成、反対と分かれることはあっても、とりあえず必読の書であることは間違いないでしょう。

 ちなみに、この本の訳はすばらしいです。口語調の極めて自然な日本語で書かれているので、翻訳を読んでいるという気がしません。ルソーが日本語で語りかけて来るみたいです。(ルソーに関する事前知識が全くない私でも、すっと入っていけました。)

 それから、巻末の解説も充実しています。『人間不平等起源論』、『エミール』などのほかのルソーの著作と本書の関係、ルソーの思想遍歴、他の社会契約論の思想家との比較、本書の各章の説明と、必要なことはすべて網羅されている感じです。

 下手なルソーの入門書を読むよりも、まずこの本の解説を読んで、それから本文を読んだ方が、ルソーを理解する早道のような気がします。

 値段も安いし、これはかなりおすすめですね。(ルソーの本なんか読んでいたら、かっこいいし。)

・「政治学を学ぶ人は
政治学やっている人は絶対必読文献です。

「人間は自由なものとして生まれた、しかもいたるところで鎖につながれている。自分が他人の主人であると思っているようなものも、実はその人々以上に奴隷なのだ。」(本書、p.15)

上記はあまりにも有名な第1章の冒頭文。大学に入って政治学がとりあえず専門だけど、政治学ってあんまり面白くないかな、

なんて思っている人こそ読んでみて下さい。難しかったり、好き嫌いが分かれたりしますが、本書は、政治学の危険な魅力にあふれた本です。

・「独裁容認の書
大学時代に読んでとても自由と民主主義、庶民の幸福を願っているとは思えなかった。それまで学校などで刷り込まれていたイメージとは全く異なると感じた。10数年たって読み直したが、其の確信は益々深まるばかりでルソーが貧困な知性の反面、雄弁であることを感じさせた。この論が実現すれば正に「隷属への道」を歩むだけ、立法者が民衆の主(あるじ)となる民主と惟う。

・「冷静に。
本書で一般意思の無謬性を説いたことをもって、ルソーこそ全体主義の源流だと評する人もいる。しかし、ルソーは一般意思は公共の利害に関ることにしか及ばないと明言しており、人間の生活領域をパブリックなものとプライベートなものに分割し、国家の介入を前者に限定するというリベラリズムの基本理念は本書でも保たれている。

また、本書で民主政は神々には適しても人間には適さないと説いたことをもって、ルソーにアンチ民主主義のレッテルを貼る人もいる。しかし、ルソーが本書で言う民主政とは直接民主制のことであって、今日で言うところの議会制民主主義は「選挙制貴族政」と分類されているのである。

全体に、叙述がロジックよりもレトリックに流れているのは否定できず、そのことが様々な誤解を生む原因にもなっているのだと思う。書かれていることを冷静に読み取るようにしたい。

なお、本書でルソーは、主権の担い手である団体としての国民を「主権者」と呼び、統治の客体となる個々の国民を「臣民」と呼んで区別したが、この区別は今日でも有用だ。自分は国民である以上主権者で、従って国家に対して無限に要求できると本気で信じている人がこの国には少なからずいるからだ。

翻訳は、中公クラシック版が比較的読みやすい。

・「非常に危険な書物
社会契約論はじめルソーの思想はフランス革命、による恐怖政治、国家という意識のなった大衆にパトリオット即ち愛国者という概念を与えナポレオン戦争を経てイデオロギーなる者を生み出す源泉ともなった。ルソーの思想はナショナリズム、困窮する大衆を抑圧する原理主義的ブルジョア自由主義、その不満から生まれた社会主義(共産主義、アナーキズムの萌芽も含まれている。両者に基本的相違はない。)アンシャンレジーム旧体制派が時代の変化でみずからの失地回復と保身を図る為にブルジョア自由主義者もしくは社会主義者と手を結んで生まれた保守主義そしてナショナリズムと社会主義の結合から生まれたファシズムの源泉ともなりそのために進歩と引き換えに多くの革命、戦争による流血が生まれその流血はルソーの理想を実現しようとしたフランス革命以前の比ではない。ルソーの貢献を認めるのにやぶさかではないがバークの「フランス革命の省察」、トックヴィルの著作も批判的に併読する事をお勧めしたい。

社会契約論 (岩波文庫) (詳細)

マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

・「ビジネス本が不毛に感じる
恥ずかしながら15年来の座右の書。 誤解を恐れずに一言で言えば「リーダーシップと群集心理」について書かれた本です。現実を冷徹な視線で直視した上で淡々と書かれています。 マキアヴェッリの名前をご存知ない方でも「目的のためには手段を選ばず」という言葉は知ってるでしょう。本当の意味は違っていて「祖国の存亡がかかっているような場合は、いかなる手段もその目的にとって有効ならば正当化される」というのが彼の言葉なのですが、権謀術数を容認したりラジカルでストレートな表現が多いからなのか、数々の誤解を受けてしまったようです。そういう事から彼の著作はキリスト教圏で禁書になった歴史もあります。マキアヴェッリの著作「君主論」や「政略論」「戦争論」は大著でどうも読むのメンドクサイ・・という方でも、日本が誇る才媛、塩野七生がそれらから普遍的なエッセンスを抜粋した平易で薄い本なのでお奨めです。16世紀のフィレンツェに生きた一外交官の言葉ですが未だに生生しい。特にリーダーシップを発揮しなくてはならない立場にいらっしゃる方などはマスト本だと思います。噂で聞いたのですが、世界一孤独な職業であるアメリカの大統領、ホワイトハウスの本棚にはマキアヴェッリの全著作があるそうです。読めばきっとその理由もわかると思います。

・「エッセンス
誰しも聞いたことのある、「君主論」を書き上げることで近代政治学の礎を築いたマキャヴェッリ。実のところ、その君主論を読むには西洋史の知識も必要でちょっと面倒くさい。しかし、塩野七生流のエッセンスを加え、西洋史の知識に乏しい日本人にもわかりやすく君主論の真髄を伝えてくれるのがこの本である。また、塩野さんに最も影響を与えた政治思想家がマキャヴェッリであり、彼女の源流がここにあるため、塩野七生さんの他の本を読むにあたっても必読と言える。

・「すばらしい!
あの「君主論」を読んで挫折したことのある方、本の名前だけ聞いたことがあるものの読むには至っていない方、塩野七生さんのファンの方は必読と言える本だと思います。当時の中世西洋やマキアヴェッリの置かれた状況など、背景をきちんと説明しながら彼の行動や発言、著作を紐解いていきます。よほど思い入れがなければ、こんな本は書けないだろうと思ってしまう。ほんの安さが申し訳なくなるほど。ちなみに、私はこの本を読んだ後に「君主論」を読み直し、何とか読了できました。またしばらくしたら読み返したい本のひとつ。

・「「良い人」だと思われること。しかし、場合によっては実力行使できるだけの力を持て。
 先哲の知恵の中から、レビューア自身の理解と解釈により再構成したものを、一つご紹介いたします。本書に出会うための一つのきっかけにしていただけたらと思います。

【「良い人」だと思われること。しかし、場合によっては実力行使できるだけの力を持て。】

 あなたは、他の人から「良い人」であると思われたいことであろう。そのためには良い性格で、思いやりに満ちており、信義を重んじて公明正大であると評価されていることが大切である。

 ただし、勘違いしないこと。実際にそうであるかどうかは別として、そう思われているという事実が必要なのだ。そして、もしこのような徳を捨てなければならない場合には、まったく反対のこともできるような能力を備えていなければならない。どうしてか。

 あなたが、どんなに良いことを行おうと、どんなに理想に燃えていようとも、現実には善い人ばかりとは限らないからだ。悪賢い人もいれば、力で強引にやろうとする人もいる。

 このような現実の中で、あなたが自分の理想を実現しようと思えば、それに対抗できるだけの実力を、あなた自身も持たなければならない。悪賢い人の罠を見抜くにはキツネでなくてはならず、オオカミを追い散らすにはライオンにもなれなければならないのだ。

 現実をありのまま見て、その本当の姿を知ること。そして、必要なら実力行使すること。

(ニッコロ・マキアヴェッリ(1469-1527))

・「マキアヴェッリの真意を親しみやすく
著者は現在刊行中の「ローマ人の物語」を初めとする緒作で有名なローマ史研究の第1人者。本書はマキアヴェッリの「君主論」、「国家論」を紹介するものだが、次の2つの特徴を持っている。(1) 後世に加えられた膨大な註を省いていること。これは、この膨大な註が読み手を遠ざけていると判断したから。(2) 全訳ではなく、要約でもなく、抜粋としたこと。これも、読みやすさを考えてと、マキアヴェッリの真意をより的確に伝えるため。勿論、どこを抜粋するかは著者の力量による。

マキアベッリというと今では"謀略の大家"というイメージが強く、"目的のためには手段を選ばない"という文脈で登場することが多い。実際、次のような文章が君主論の中にある。

「結果させよければ、手段は常に常に正当化される」

しかし、国家論の中には次のような意外な一文もあるのだ。

「国家が秩序を保ち、国民一人一人が自由を享受するには、清貧が最も有効だ」

即ち、大部の論文の中から一つの文だけを取り出して云々しても、全体像は掴めないという証左であろう。マキアヴェッリはこれらの論を、机上の論として書いた訳ではなく、当時衰退していたフィレンツェの地位向上のために、政界上層部に上奏するために書いたのだという(受け入れられなかったようだが)。

マキアヴェッリの論文は5世紀程前に書かれたものだが、政治の本質はそう変るものではない。「君主論」に次のような言葉がある。今の日本の政治に対する辛辣な批評のように聞こえる。

「人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを質す力もない者に対して、忠誠であることはできない。」

マキアヴェッリ語録 (新潮文庫) (詳細)

世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち (講談社プラスアルファ文庫)

・「キヲツケロ キヲツケロ
良書。しかし……手放しで絶賛はできません。全面的には信用することなかれ。

私は大学時代にゲーム理論(経済学)を専攻し、プログラマになりました。最初は「素晴らしい本だな、アメリカの思想家を見直した」と思って読んでいたのですが、フォン・ノイマンの記述のところに来てビックリ。ノイマンの著書「ゲームの理論と経済行動」がコンピュータに関する本のように読める!あの~、ぜんぜん関係ないんですけど。(ちなみに、続くコンピュータの説明穴だらけ。通読して--アメリカ経済学であれほど流行って実用化されているゲーム理論に関する記述がほとんどない!)

深刻な疑問がわきあがります。ここで挙げられている書籍ことごとくに副島氏は本当に目を通しているのだろうか?

要するに「ガイドブックとして使用し一次資料に必ず当たる」ことをオススメします。ただし--これは明らかに筆者の非常な怠慢ですが、リファレンスとしては活用できません。だって参考図書一覧が存在しないのですから(紙面が足りない?いいわけ無駄無駄無駄)。書名が出てきたら、こつこつチェックするしかありません。

・「アメリカ政治言論界のイミダス。ただし怪書なので要注意。
はっきりいって面白いです。この人の本は。通勤通学列車などにぴったりです。落合信彦をもっとアカデミックにした感じです。莫大な情報量を、面白く書くということにかけては、才能のある人です。誰が読んでも新しい発見があることを保証します。

しかし、どうしてこの人は陰謀史観が好きなんでしょうか。せっかく、「ほほう」とうなづいた後に「あーあ、それをいちゃあおしまいだよ。」という個所がかなりあります。(たとえば、米軍は「エアボム」であっけなくイラク軍を殲滅したとか。ケネディ暗殺陰謀史観を本気で信じてるところとか。ロズウェルの名前がでてくるのを最後まで待ってましたが、残念。出ませんでした。)Foreign AffairsとNational

・「国際政治の辞書
 国際政治は、どうやって動いているのか?いや、言い換えよう。国際政治は、誰が動かしているのか?答えは、「アメリカ合衆国」である。アメリカ。世界中でたった一国、この国だけが世界を動かしているのである。そういう意味で、アメリカは、「世界帝国」である。この冷徹な事実を肯定することから、現実の国際政治を分析する目が養われる。国際政治は、このアメリカ帝国内部のさまざまな思想、権力ゲームの結果生まれるのである。

 そうしたアメリカ帝国国内、アメリカ政治の現実を、これまで日本人は全く知らなかったのである。恥ずべきことに、情報鎖国に等しい状態であった。日本人が国際政治を理解できない理由は、まずこのアメリカ政治を理解していなないことにあったのである。しかし、この本が劇的にそれを変えてくれた。この功績は大きい。

 何か国際的に重大な事件が起こるたびに、この本を読み返して欲しい。なるほど、と思わされる鍵がざくざく見つかるはずである。その点で、この本はアメリカ政治だけでなく、国際政治の「辞書」なのである。

・「日本人が気づいていない大事なことが書いてある本
粗製濫造の気配が濃厚な副島本の中では、最もまともな内容の本であることは確かである。それは著者が教祖的になり天狗になる前に書いたからで、最初に出版されたのは1995年だったが、「現代アメリカ政治思想の大研究」と題したハードカバーの本は、実に多くの読者に強い印象を与えたという伝説がある。それはアメリカのカレッジでは教養として教えている、自然権と自然法についての説明が行っていて、アメリカがジョン・ロックの思想に基づいて建国された事実が、きちんと書いてあったからだった。日本の学生はアメリカの大学に留学しても大学院で学ぶために、基礎的な教養を身につけてくるものが少ない中で、この本にはそうした基礎的なことが書いてあり、その点でこの本は珍しい存在であった。その後になってネオコンが取り沙汰されるようになったが、それに先んじてネオコンを論じていた点では、アメリカの政治思想の底流に着眼して、鋭い指摘をしていたことは確かである。だが、それから十数年の時間の経過による風化はひどいもので、この本を乗り越える著作が残念ながら一冊も現れておらず、船井某とかいかがわしい人物を相手に、売って稼ぐような内容の本を大量に書きまくったり、キワモノ的な本が圧倒的なのは残念だ。そこで、もう一度十数年前の原点に立ち戻って、読みがいのある本を送り出して欲しいものだし、そろそろ続編を出していい時期が来ていて、読者はそれを待っているのである。

・「近くて遠い国アメリカを徹底解剖した畢生の大著
とても身近に感じる国・アメリカ。しかし、私たちは本当にアメリカを理解しているのか。この本は政治学者の副島隆彦氏がアメリカの政治家・知識人400人を詳細に腑分けすることでその政治思想を明らかにし、また俯瞰視点から全体像を捉えた他に類を見ない画期的な書です。

この本によれば、グローバリストvsアンチ・グローバリストと言う大きな枠組みの中に、ネオ・コンやリバータリアン、アイソレーショニストなど様々な政治思想各派が存在するのです。聞いたことのない話ばかりです。噛む力が弱いと飲み込めませんよ。

その他、自然法vs人定法の保守思想最大の対立や、マルコムXで有名な黒人イスラム勢力、数こそ少ないが強大な力を持つユダヤ系知識人と財界人の政治力について等、読めば読むほど面白くなってきます。いや正確には知的欲求が満たされて脳が喜びます。帯にはこう書いてあります。『誰も書けなかった、日本を牛耳る危険な思想と政策!!』

副島先生だからこそ書けた驚愕の真実を是非共有してください。

世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち (講談社プラスアルファ文庫) (詳細)

姜尚中の政治学入門 (集英社新書)

・「政治学をマジメにやりたいなら別の本を
新書で政治の重要事項(政治思想史だが)を読めるのはいいと思いましたが専門用語をひけらかしのように使っている点でまったく「入門」じゃありません。内容的には第5章まではそれなりに評価できますが,歴史認識と東北アジアのセクションはあまりに偏りすぎていて入門者には絶対薦められません。政治学入門に関してはこの本でなくても良いと思いますし、有斐閣の「現代政治学」をオススメします。

・「物腰が柔らかければいいってもんじゃない
著者が選んだ各テーマへの入門となる本の紹介とコラムが並立されている。しかし、どうもその主観が公平性に欠けるのでは。アメリカに正義が無いのは良く分かったが、だからといって北朝鮮や中国が日本のために付き合うべき国だと美化される理由にはならないだろう。なんでアメリカと同じ視点でそれらの国の問題点を指摘しないのか、そしてなぜその原因を日本に持ってこようとするのか。言葉はシンプルで穏やかなのですが、読めば読むほど、著者の恣意的とも思える主張の偏向と論拠を経ない論理の飛躍に疑念が湧きました。政治を学ぶ最初の時点で、こういう偏向した人の意見を参考にするのには、正直あまり賛成できません。あと、これはどちらかというと政治哲学入門ですね。と言っても、書いてあることの大半は「いかに中国朝鮮半島及び在日の人間の柵封体制に対する自負やプライドを維持し、日本が昔持っていたそれらの国に対する媚びの感情を蘇らせることによって、アジアの秩序の復興を目指すか」といういつものお決まりの内容しか無いわけですが。

・「政治「学」の入門書としては・・・
この本は「現代(日本)の政治の諸問題を政治史の視点から考える」本ではないでしょうか。決して、アカデミックな「政治学」の入り口になる種類の本ではないです。あくまでも著者の姜尚中自身の政治思想が根底に貫かれており、彼の政治思想への入門書であるとも言えます。

具体的には、章構成を見ていただくと最も分かりやすいのではないでしょうか。「アメリカ」「憲法」「戦後民主主義」「歴史認識」「東北アジア」。これだけを見ても明らかに政治学というよりも思想寄りだということが見て取れます。

そして、彼の他の著書と比べ、若干やっつけ仕事感を感じるのは私だけでしょうか・・・

・「中立的アカデミズムを装った中国・北朝鮮擁護の本
 読みやすい本である。だから、最初、読み始めた時は、結構、いい本ではないか?とすら思ってしまった。しかし、読む内に、中国の反日的な「愛国運動」を擁護する様な記述(125ページ参照)や、「東京裁判の際に植民地主義を俎上に載せることができなかったこと」(137ページ)と言った文言が出て来て、辟易させられた。−−中立的なアカデミズムを装ひながら、結局、中国や北朝鮮を擁護する本である。−−「NHK、岩波、朝日、東大、が日本を駄目にした」と言った人が居たそうだが、けだし名言である。

(西岡昌紀・内科医/通州事件から69年目の夏に)

・「「干物」と「生もの」で語る政治学入門
日々メディアを通じて届けられる「生もの」情報にだけ接していては政治はわからない。筆者が「干物」と呼ぶ古典の知は、一見役立たずで、まごまごしていて、迂遠に見える学問ではあるが、どんなジャーナリスティックな解説よりも、より本質をつかみ出す第六感的な心の働きを刺激すると述べる。七つのキーワード毎に、一冊の本が推薦されている。ここにホッブス、ウェーバーや日本の丸山眞男も紹介されている。また本文中や人物・用語解説にもロック・ルソーを始めとした「干物」の著書がずらりと並び壮観である。

アレクシス・ド・トクヴィルが19世紀に既に気づいていた「アメリカ問題」、暴力と理性を巡るカントやフーコーなどの著書、主権概念を打ち立てたのは米国独立革命であるというネグりとハートの『帝国』、昭和天皇の1946年元旦の年頭詔書と現行憲法、日本が見たくない現実としてきた沖縄や韓国のような「後背地」と戦後民主主義、歴史認識に関する第一級の学問的な地位を占めると著者が評価するテッサ・モーリス・スズキの『過去は死なない』、20世紀の100年間禁治産者または準禁治産者扱いを受けてきた朝鮮半島と中国との東アジア共同体構想。社会科学系の学生なら、興味や疑問を持った箇所を手掛かりに、「干物」を読み進めることができる。ただ西洋思想家の「干物」ばかりでなく、東北アジア人の血や肉を形作ってきた東洋思想家の「干物」の紹介があると尚有難いと感じた。

姜尚中の政治学入門 (集英社新書) (詳細)

政治学 (New Liberal Arts Selection)

・「政治学を一冊で理解したいならこれ
有斐閣の「アルマ」シリーズから、政治学の個別テーマについて、平易な叙述で最新の議論をコンパクトに纏めた良書が幾つか出版されている。本書は、その「アルマ」シリーズの著者らを執筆陣の中心に据えた、政治学のほぼ全領域をカバーする、最新の本格的教科書である。本書も「アルマ」の良さを踏襲し、最新のハイレベルな議論を平易な叙述で纏めている。恐らく、本書を超える教科書はしばらく出ないだろう。

本書の帯に「大学四年間、手元に置いてくりかえしお読み下さい」とのコピーがあるが、確かに、本書の内容をきちんと消化できるレベルに達したら「政治学科卒」を名乗れると思う。これまでの政治学には、全領域をカバーする独学可能なスタンダードテキストが存在しなかった(佐々木毅『政治学講義』は学部レベルの独学にはキビシイ)。が、今後は本書がその役割を担うと思う。公務員試験など各種試験対策にも重宝するだろう。政治に興味が有る一般市民の独学用としても使える。結構なページ数だが、噛み砕いた文章だし一気に読めると思う。あやふやな知識で適当なことを書き散らす、「政治評論家」とか「論壇人」とか言う肩書の人たちの本を読むより、何倍もためになるだろう。

要するに、用途は問わず「これ一冊で政治学の全体像を把握したい」というなら、本書を選択するのがベストだ。

・「すぐれた教科書。
ほかのレビュアーの方々もおっしゃっていますが、政治「学」の全体像を「一冊で」理解しようと思えば、この一冊が(少なくとも消去法的に)ベストだと思います。第一線の研究者たちが分担執筆する、という長所がよく出ています。

また、各章末には、関連の基本文献が紹介されています(実証政治学に関してきちんと勉強したい人は、アルマなどの各論教科書のほか、東大出版会の「現代政治学叢書」「社会科学の理論とモデル」シリーズにも目を通してください)。

政治学教科書を名乗るもののなかには、「わかりやすい教養書」という名のもとに無内容な弁舌をふるうものや、実績作りのアリバイとして出されるものもありますが、本書はそれらとは全く異なっており、安心して人に勧めることができます。

ひとつ難点をいえば、本書は全体を「本人・代理人」の観点からまとめたとのことですが、そのようには見えません。個々の章の独立性が高く、どこから読み進めてもわかりやすく面白い、という長所に伴う代償かもしれませんが。

また、80年代以降の政治学復興における最大の意義が「さまざまなアプローチ・理論の並存と、それらの間の公開的競争」の肯定にあると考えれば、「本人・代理人」にとどまらずいくつかの視点を設定してもよかったのではないかと思います。

なお、本書は、日本政治・世界政治についてただ単にファクトを知りたいのだという人には不向きです。むしろ本書は、様々なファクトをどう整理・理解するかに重点を置いています。

・「今後しばらくは、政治学の教科書のスタンダードになると思う。
個人的には、政治学にスタンダードを求めてはいけないと思うが、そうした立場を離れて、「大学で教わる政治学」の使いやすい教科書として見てみれば、非常によく仕上がっていると思う。トピックについても、古典的なものから、最新のものまで、かなり広範にカバーしており、作り手の意欲も伝わってくる。ただ、ある程度、政治学の知識がある読者なら問題ないが、初学者は、この一冊を読んだだけで、これが全てだと勘違いしてしまわないように気をつけて欲しい。

・「政治学を学ぶなら
政治学全般を網羅した教科書としては、おそらく最高のものであろう。政治学を学び始める人から熟練の研究者まで、繰り返し読むことによって得られるものは莫大であると思う。各章末の参考文献表もありがたい。政治学関係で研究を進める人には必須のテキストである。

・「大学のゼミで実際に使用して
 大学の政治学入門ゼミでこの教科書を使用しました。初学者としては、満足度は高いですね。 この教科書が、政治学という世界の諸理論をどの程度網羅できているのか僕には判断できませんが、少なくとも今まで興味を持てなかった分野にも面白さがあることを発見し、視野を広げてくれたとは思います。それに学者や学説の名前がたくさん紹介されていて、政治学における(理論面の)基本的な教養になるような気がしました。

 内容にいくつかの問題や不満があることも事実。ミスプリが多かったり、もう少し解説してくれないと理解できないところがあったり、「本人-代理人」の構図にこだわり過ぎのきらいがあったり、あるいは「確認してみよう」という章末問題をもっと充実させて欲しいとかね(笑)

 つまりすばらしい入門書なのですが、初学者の素朴な感想として、まだまだ洗練させる余地はあるということです。読者の声を反映させるなどして、どんどん改訂を繰り返していってほしいと思います。

政治学 (New Liberal Arts Selection) (詳細)

市民政府論 (岩波文庫)

・「訳文が…
 古典中の古典であり、ジェファーソンの独立宣言のもとにもなったロックの思想であるからこそ安心して、この本の批評ができるのですが、ロックの思想以前に、訳文がものすごく読みにくいです。英語を逐語訳したような文章です。その他の翻訳者の本を読んだことがないので、比較はできないものの、翻訳のまずさから、少なくともこの本は薦められません。

・「読みやすい古典。
自然状態、自然権、社会契約、立法府の最高機関性、抵抗権といった概念が本来どういう意味であったのかを理解するためには、原典である本書を読むのが一番だと思う。所有権の絶対性や正当防衛、親族関係について論じた部分は、現代アメリカ保守層の倫理観を理解する上でも有益である。17世紀の本なので敷居が高く感じられるかもしれないが、読んでみれば分かるとおり、何も難しいことが書いてある訳ではない。速読すれば1日で読了できる程度のものである。時間対効果は極めて高いと言えよう。

なお、他のレビュアーも指摘するとおり、「しかも」を逆説の意味で使い、関係代名詞をすべて「〜するところの」と訳す等、岩波文庫版の訳文にはやや不自然な所がある。それでも全体の理解には差し支えない。

また、ロックは同じことを繰り返し長々と説明しているので、一文一文を丹念に精読していると途中でウンザリしてしまうかもしれない。少なくとも最初に読む際は、パラグラフごとの要旨を拾い読みするつもりで速読した方がよいと思う。

・「自由主義の定礎者・ロック
本書は革命期のイギリスにおいて書かれた政治学における不朽の古典である。J.ロックは、フィルマーによる族父論を否定し、自由で平等な人間像のと、権利の保護のための社会というパラダイムを本書において確立させることに成功した。 彼はホッブズやルソーと並ぶ近代社会契約論を代表する思想家であり、自由と平等の尊重を自明視する現代において、その思想の根元を探るという意味で本書を読む意義は大きい。読後、社会契約理論が前提とする「自然状態」や「社会契約」ということについて批判的に検討すれば、現代における自由主義の功罪について自ずと理解が深まるであろう。

・「市民政府論
 これほどの古典に評価は下せません。くだすなら当然星5つになります。本書は一六八八年名誉革命の旗印として書かれた。という説はどうやら実際とは違うみたいです。所有権について。などやや身近なところから入り、最後はさまざまな角度から国家について語られています。 なかでも特に「自然状態について」はホッブズ著「リヴァイアサン」と読み比べたいところです。一六四二年清教徒革命(かなりの内乱)を見たホッブズと名誉革命(無血革命)を見たロックの考える「自然状態」は似て非なるところがあります。 ただ、読むときはどっしりと腰を落ち着けて読みたいところです。そうでないとなかなかどうして。内容が頭に入らないかもしれません。

・「アメリカ独立宣言の根拠となった不朽の古典
 著者は先ず、人が生来持っている権利の存在を肯定(前提)する。それは、人は生まれながらにして平等であり、生存する権利を持ち、労働により獲得した財産の所有権を持っていると言うものである。 次に、政府とはかくあるべしという理念の存在を導く。政府というものは、その構成員(市民)の福祉を目的にしたもので、構成員(市民)が承認した「法」に基づいて運営され、個人の所有権を市民間及び外部から守る役割を担うべきものであり、それを市民政府と呼ぶ。従って、市民は自身が承諾した法の下に自分の権利を政府に委託するが、政府が市民の福祉や所有権を守ることができなければ政府を変える権限ももつ。ここで言う「所有権」は財産だけではなく生命も含まれる。 「自然法」、「権利」、「権原」、「政府」、「所有権」、「戦争状態」、「父権」と「君権」の関係、法を守る「義務」とその根拠、生まれながらの「平等」、「奴隷」状態と政府設立の「自由」等々、民主主義国家の基本になる概念が提示されている。アメリカ独立宣言の根拠(ただし、所有権の代わりに幸福を追求する権利が採用されているそうだが)となった不朽の古典。

市民政府論 (岩波文庫) (詳細)
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