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悩む力 (集英社新書 444C)悩む力 (集英社新書 444C) (詳細)
姜尚中(著)

「数時間で読めるし、その数時間を費やす価値のある読んでも良い本。」「初めて読む人にはいいかも」「 K100Ds さんのレビューに賛成」「漱石を読み直すのによいきっかけかもしれません。」「私にとっては結局、タイトルが1番衝撃的だった」


学問のすすめ (岩波文庫)学問のすすめ (岩波文庫) (詳細)
福沢 諭吉(著)

「天下の名著・世紀の大ベストセラー」「学問はやっぱり必要!!」「あまりにも有名な福沢諭吉の本」「日本のあり方を考える人に」「まずはここから」


人類を救う哲学人類を救う哲学 (詳細)
稲盛 和夫(著), 梅原 猛(著)


武士道 (岩波文庫)武士道 (岩波文庫) (詳細)
新渡戸 稲造(著), 矢内原 忠雄(翻訳)

「クリスチャンによる武士道」「武士道はいまだ死せず」「サムライと美」「今さら?いやいや、今だからこそ!!」「良い本には違いないが、誤読が多い不幸な本」


学問のすすめ (まんがで読破)学問のすすめ (まんがで読破) (詳細)
福沢 諭吉(著)

「なるほどおもしろい」「壱万円札から登場した諭吉。とにかく、一読。その後は、読者しだい。」「タイトルに偽りあり」「この本の題名は「福沢諭吉物語」がふさわしい。」「福沢諭吉の半生を振り返る」


日本の思想 (岩波新書)日本の思想 (岩波新書) (詳細)
丸山 真男(著), 丸山 眞男(著)

「丸山真男は全然「古くない」、そしてそれは「不幸」なことである。」「やっぱり、丸山真男」「「丸山真男」の理解のために。」「思想と行動様式、価値観の源泉探求」「『日本の思想』の発行部数は2005年5月現在、累計102万部(Wikipedia)。」


武士道 (PHP文庫)武士道 (PHP文庫) (詳細)
新渡戸 稲造(著), 岬 龍一郎(翻訳)

「日本人にも誇れる文化と精神性があったことの再確認」「胸に刻み腹に収めておきたいこと」「今忘れている日本の、日本的企業経営の参考書」「日本人として読んでおくべき。」「日本の精神的主柱」


新訂 福翁自伝 (岩波文庫)新訂 福翁自伝 (岩波文庫) (詳細)
福沢 諭吉(著)

「構えず、気軽に手に取ってみるべき一冊」「世界で最も面白い自伝」「自らの理を貫くことの大切さ」「あなたも最後まで読めます」「明治の革命児」


猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア) (詳細)
水木 しげる

「熊楠がよみがえる」「怪人(南方)×怪人(水木)=本書」「マンガ表現と史実が融合した、すばらしい伝記」「水木さんの幸福論?」「傑作!」


古事記 (学研M文庫)古事記 (学研M文庫) (詳細)
梅原 猛(著)

「劇的に、しかし格調高く。」「古典の成績が悪くても」「入門書としては最適」「おかげさまで、やっと古事記が読めました」「現代文としてとにかく読み易いのでオススメ!」


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▼クチコミ情報

悩む力 (集英社新書 444C)

・「数時間で読めるし、その数時間を費やす価値のある読んでも良い本。
 悩みぬくこと、死をも引き受けること‥、たしかにそうした事は人生のある段階において、ある種の成長を促すことにつながるとは思う。しかし、漱石のいう「神経衰弱」やウェーバーの「精神病院治療」が、実際はどういう精神の在り様に対する如何なる治療などであったのかをよく考えてみる必要はある。漱石もウェーバーも、特にウェーバーは社会学者として世界に影響を与えた人である。こうした人々の思惟や精神を、一般的大多数の人々のそれらとパラレルにおいた本書の議論は、少し無理があるような気がする。 世の中には、悩みぬくには未熟で力不足な精神の持ち主もまた多い。また著者がいうように、複雑で変化が激しく情報の溢れた時代だからこそ、「囚人のジレンマ」のような、短期的な目先の利益にすがるしかない人々も多いのである。 全体として、本書は大学教員としての著者が、直接間接の教え子たちに自分の経験を語ることで、よりよい人生を送る糧になれば‥との思いで書かれているような気がする。それはそれで良いし、実際に内容の良い本なのではあるが、早熟高校生〜社会人数年目までの人の要求にフィットする内容だと思う。

・「初めて読む人にはいいかも
『オリエンタリズムの彼方へ』や『ナショナリズム』を読んだ後、姜さんがブレイクしてしまい、遠ざかっていた。姜さんの本を読むのは何年ぶりだろう。漱石とウェーバーを引き合いに出しながら、世紀の変わり目の変動を、悩みぬいて、自分をつかめというメッセージ。たまたま漱石を続けて再読していることもあって(未完の『明暗』と水村美苗さんが書き継いだ『続明暗』とか、『野分』とかいいですよ)、期待していたのだが、その読みの突っ込みは比較的あっさりしている。悪くはないんですけどね。『蟹工船』が売れるキツイ時代、若い人とか、姜さんの本を初めて読む人にはいいかも。

・「 K100Ds さんのレビューに賛成
私も今悩むことが多くて、そんな中この本に何らかのヒントを頂こうと思っていたが、本当に裏切られた。何が言いたいのか全くわからない。というのも、各章において結論がない。漱石とウェーバーを引き合いにだしてはいるが、だしているだけで、そこから得られる結論的なものが何もないし、伝わってこない。なぜにこんなにこの本の評価が高いのか理解に苦しむ。

・「漱石を読み直すのによいきっかけかもしれません。
夏目漱石は、ぼっちゃんや、我が輩は猫であるという有名なものは分かりやすかく好きでした。それ以外の小説は、分かりにくい面もあり、特に記憶に残っていませんでした。悩む力という視点で、漱石を読み直せば、もっと深い理解ができるかもしれないと思いました。悩むことも、力であるという視点は共感できました。悩んだだけで終わるのではなく、それを記録するか、解決するか、一旦は逃避するか。人によって対応が違うかもしれません。負けなければ、きっと力になるんだと感じました。

・「私にとっては結局、タイトルが1番衝撃的だった
「悩む力」というタイトルに惹かれ気になっていた本。

悩む力 (集英社新書 444C) (詳細)

学問のすすめ (岩波文庫)

・「天下の名著・世紀の大ベストセラー
率直な感想としては、とにかくめちゃくちゃ面白かったです。学ぶべきところや気づかされるところがたくさんあります。福沢諭吉が目の前で講義をしてくれているような、そんな臨場感にも溢れた本です。

言葉を尽くして大絶賛したいぐらい、とにかく素晴らしい本でした。

学問の意義、国家と法、西洋思想、独立自尊、国際社会における日本、などなど盛りだくさんの内容になっています。明治時代に書かれた本ですが、今読んでも新鮮な発想や説教が心にしみいります。またもともと一般向けに書かれた本なので、文語文とはいえ平易な文章で語られており読みやすいのもありがたいです。

いまさらですが、本書はやはり日本人の一般教養として国民みんなが読むべき「原点」としての本だと思いました。安倍首相の「美しい国へ」なんか読むよりも、130年前に出版された本書を読む方がはるかに国民全体の底上げになり、本当の「美しい国」作りへ向けてのインフラ整備ができると思います。

政府にとって扱いやすいバカな国民にならないためにも、みなさんぜひ時間を作って「学問のすゝめ」を読まれることを強くお勧めいたします。

・「学問はやっぱり必要!!
タイトルと著者名、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』で始まる事は日本人のほとんどが知っているはずです。しかし、内容はあまり知られていないのが残念です。私も読んで初めて知ったのですが、「人は皆平等だが、その人に差をつけるものは学問である」と福沢諭吉さんは伝えたいのです。学問はした方が良いと痛感させられます。

文語体ですがわかりやすい文章で書かれていて読みやすいです。一生に一度は読むべき本だと思います。

・「あまりにも有名な福沢諭吉の本
今月、1000、5000円札紙幣の肖像は変更したが、10000円の福沢諭吉像だけは変わっていないように、通貨は国家主権を象徴するものであるという点からは、福沢諭吉は日本の歴史上の人物として最も重要な人物の一人であると言えるだろう。

この本には非常に読みやすい字体で、福沢諭吉の学問に対する、穏やかではあるが奥底に熱い情熱が潜んでいるような姿勢が書かれている。

個人的には、今ではゆとり教育に代表されるよう、自ら勉学に制限をかけるような制度が進んでおり、これをもし福沢諭吉が知ったら何というだろうか非常に興味深い。

福沢諭吉に少しでも興味を持たれた方にはぜひお勧めしたい一冊。

・「日本のあり方を考える人に
日本が世界の中でいかに行動すべきか、日本国民はどのようにあるべきか、という問題は現代の国際化社会に住む私たちにとっても、明治の近代社会草創期においても同じです。

私たちは現在不況の真っ只中にあり、世界の国際化・情報化の時代に生きていますが、福沢諭吉のこの本は私たち日本人が今後どのように行動すべきか教えてくれていると思います。開国してまだまだ弱小国だった明治日本を支えた一人、福沢諭吉の考え方を今一度学んでみてはいかがでしょうか。

・「まずはここから
独立自尊の精神を国民に説く。今一度読まれるべき時が来ている気がする。結局今に至るまで、国全体として体現できていないのだから。

学問のすすめ (岩波文庫) (詳細)

武士道 (岩波文庫)

・「クリスチャンによる武士道
この本を読むときに、よろしければ気にとめて頂きたい点があります。それは、著者、翻訳者ともにキリスト教徒であると言うことです。(本の内容については、他の方々が既に充分な書評をかかれております。)

新渡戸稲造はクエーカー派と呼ばれるキリスト教徒です。クエーカーは「内なる光」という直感的な「良心」を重視し、

「沈黙の礼拝」を行います。日本の座禅ににている礼拝で、儀式もなく、聖書に元ずく平和主義で知られているグループです。アメリカ・イギリス両クエーカーの団体は1947年にノーベル平和賞を受賞した経験があります。

一方、翻訳者の矢内原忠雄は内村鑑三の流れを汲む「無教会」という

キリスト教の伝道者で、戦後2代目の東京大学総長に選ばれており、激務にありながら、毎週日曜日は集会で「聖書講義」を行った方です。第二次大戦中は、非戦論者として知られました。そのために、東大教授職を追われた方です。

私たちは、この「武士道」を読むに当たり、なぜこの純日本的とも言われる武士道精神が、

俗に言う「西洋の宗教」であるキリスト教の信者によって書かれたのか、静かに考えてみることは、意味があることではないでしょうか。なぜこの本が、非キリスト教徒によって書かれることがなかったのか、考えることは大事であると思います。

・「武士道はいまだ死せず
武士道は、日本を表徴する桜の花と同じように、わが国土に固有の花である。

『武士道』第1章はこうした象徴的な一文から始まる。

桜の花が日本の武士道を象徴するとすれば、西欧の騎士道ないし哲学を象徴するものは薔薇である。

薔薇は強い芳香を持ち、優雅に咲く花である。しかし、その美しさの裏側には棘があり、枯れてもなお散らずに残りつづけようとする生への執着がある。

一方、我々は潔く散りゆく桜の花びらに美を見い出し、その淡い芳香に飽きることがない。

このように、西洋のものが「生の哲学」であるなら、

日本のそれは「死の哲学」であると言っていいであろう。ただしこの「死の哲学」は、「死」を奨励するという種類のものではなくて、むしろ人生をいかに生きるべきかという求道的倫!理的な問題を、万人にとって絶対的な存在である死を出発点として扱おうとする問題意識のことなのである。死というものを身近に感じ、これを受け入れ、日々これに対面することによって死から解放され、むしろ「生きる覚悟」というものが確固としたものとなり得るのである。

これに対して、我々が多く学んできた西洋の「生の哲学」がもたらしたものは利殖と保身と享楽の追及でしかなかった。

このような認識のもとに立つことが出来れば、我々は今一度、「武士道」という精神に学ぶことが大きいであろう。

『武士道』はつまり、

いかに死ぬべきかを問うたものではなく、いかに生きるべきかという問いに対して闊達自在な日々の心構えを説いたものだからである。

・「サムライと美
「ザ・ラスト・サムライ」を見た。ひさびさに「武士道」を読みたくなった。ハリウッド映画に日本の美がなんであったか、日本の武士道がなにであったかを、こんなにヴィジュアルにみせつけられるとは思っていなかった。この主演俳優であるトム・クルーズが撮影中にぼろぼろになるまで読んだというのが本書の英語でかかれた原著であるという。

国際連盟で活躍した新渡戸稲造は、本書によって広く世界に知られたという。ブリティッシュコロンビア大学の新渡戸記念公園とライブラリーを訪問したときのことが思い出される。現在にいたるまで新渡戸稲造の記念碑的な施設が十分に維持管理されていることに新渡戸稲造の遺徳の大きさを見た。

そして、今「武士道」がトム・クルーズや渡辺謙の姿を通じて世界の新たな世代にプレゼンテーションされたことに感動を覚える。世界の人々も「ザ・ラスト・サムライ」を見て本書を読みたくなってくれることを祈りたい。

しかし、新渡戸稲造が描いた独特のストイシズムに基づく日本人の美しさはどこへいってしまったのだろう。節制と恥じを基調とし、なにごとも完璧を求めた人の生き方としての美しさ、世代を超えた稲作による山河の美しさ、伝統的な着物や建物の美しさ。もし「ザ・ラスト・サムライ」と本書だけで日本を知った人が現在の日本を見たら、どのような感想をいだくのだろうか。

・「今さら?いやいや、今だからこそ!!
ä¸-界ï¼"0カ国以上で翻訳された、æ-¥æœ¬ã®ç"Ÿã¿å‡ºã-たä¸-界的名è'-がã"の『武士é"』である。ã-かã-現在のæ-¥æœ¬äººã»ã©æœ¬æ›¸ã‹ã‚‰é›¢ã‚Œã¦ã-まったæ°'æ-ã‚‚ないだろう。

欧米の人ã€...は神という概念の助ã'ã‚'借りて人はいかにç"Ÿãã‚‹ã¹ãã‹ã€é"徳とはなにかというã"とã‚'考えた。ã-かã-æ-¥æœ¬äººã¯è‡ªåˆ†ã®ä¸­ã«ã‚‚う一人の自分ã‚'対置させ、神に頼るã"となã-に「礼」「恥」「義」といった徳目ã‚'確立ã-たå"¯ä¸€ã«è¿'いæ°'æ-ã§ã‚る。そのæ-¥æœ¬äººã®é"徳の完成度の高さはかつてä¸-界のどã"においても賞賛されていた。貧ã-いが高è²'な国、それがæ-¥æœ¬ã§ã‚ると。

ã-かã-経済的な豊かさと引き換えに今やæ-¥æœ¬äººã¯é"徳的な豊かさã‚'失い、それにä¼'いæ"¿æ²»ã‚‚経済も低迷ã-始めた。「国æ°'å...¨ä½"の質がその国の質ã‚'決める」とはé"å¾³å"²å­¦è€...スマイルズの言è'‰ã ã!Œã€æ"¿åºœã‚„国家にæ"¹é©ã‚'求める前にまずわれわれの自身の質ã‚'æ"¹ã‚ãªã'ればならないのは言うまでもない。そのための手引きとã-て、本書以上の本はおそらくないのではないだろうか?

・「良い本には違いないが、誤読が多い不幸な本
岩波版のみならず、新渡戸の『武士道』に関する感想を読むと、彼の武士道があたかも「日本人古来の美徳」であるかのように読まれている方が多いのに気付かされる。いっておくが、これは途方もない勘違いであることに注意してもらいたい。

実は新渡戸の武士道は、キリスト教の器を利用した近代思想なのである。近代の「国民」を形成するため諸階級に遍く行き渡るような思想を新渡戸は考えた。その産物が、この『武士道』である。したがって、戦国期の武士に見られるような自分達が生き延びんがための徹底したリアリズムとしての武士道、階級思想としての武士道は、おのずからと排除される仕掛けになっている。

せっかく本書を読むのであれば、新渡戸の武士道がキリスト教を器にしていながら、なぜ戦前期の日本で否定されなかったを考えると良い。そうすれば、巷間いわれるような新渡戸『武士道』に対する評価が間違っていることに気付くだろう。

彼の武士道は、後に彼の意図を超える形で利用されるという不幸が生じた。あまりにも「忠君愛国」とか「聖業翼賛」とか「挙国一致」というイデオロギーとの親和性が高かった。その挙句に、他人が死ぬなら自分も死ぬという種の、およそ古来の武士道とは縁のない不健全な思考にまでたどり着いてしまったのである。

「昔の日本人はかくも立派だった」というような、まるで程度の低いお国自慢みたいな間抜けでみっともない、いかにも頭の悪そうな独善的な読み方はやめて、日本の近代思想の一つとして冷静に読んでもらいたい。新渡戸を肯定するにせよ否定するにせよ、そこを一つの道程として踏まえた上で、我らはいかにあるべきかという建設的な思考をしなければならない筈である。

武士道 (岩波文庫) (詳細)

学問のすすめ (まんがで読破)

・「なるほどおもしろい
原書の「学問のススメ」を読んでたもので、絵付き(漫画版)のこっちはどんなもんかと思い購入。独立自尊という項目にしぼってわかりやすく書いてありました。ついでに諭吉の略歴も知れてお得でした。「学問のススメ」を書いたスゴい人(後、一万円の人)だとは知っていましたが、具体的に何をしてきた人かは全然知りませんでしたので。「学問のススメ」にいたる諭吉の生きていく知恵や反骨精神を知れた一冊でした。生きることは学びつづけること。日々向上心を持って生きなきゃなと思いました。それにしても幕末の動乱の中、諭吉は随分とPOPに一生懸命生きていたんだなぁと感心しました。

・「壱万円札から登場した諭吉。とにかく、一読。その後は、読者しだい。
 この文庫本を本屋で見、買わなかったら? 福沢諭吉という人物、そして彼が書いたベストセラー『学問のすすめ』を 知らないでいたかもしれない。 今の時代において 見失っているなにものかを短時間に知ることができる。 まんがの威力はすごい。壱万円札から登場する福沢諭吉。面白い。 明治維新、その後の時代を 引っ張っていった男、福沢諭吉のお話しが とにかくわかる。 神は時代に生きる人を選ぶ。選民としての福沢諭吉。 彼の 主張も入門編として納得すれば よくぞわかりやすく伝えてくれたと感謝。 ここから、福沢諭吉とその時代、その後の時代をかんがえるチャンスを与えられたのだ。 出版元 イースト・プレスの試みは成功するのだろうか。これも楽しみ。

・「タイトルに偽りあり
「学問のすすめ」というので買ったのですが読んでみてビックリ。福沢諭吉の伝記であって「学問のすすめ」ではありません。巻末に申し訳程度に「学問のすすめ」の内容が書いてあるだけです。

この手の本にありがちな下手なマンガではなく好感が持てる上手い絵だっただけに残念ですね。

・「この本の題名は「福沢諭吉物語」がふさわしい。
148ページ〜186ページ までは「学問のすすめ」のことが書かれています。約40ページです。147ページまでは、生い立ちから始まり、蘭学を始めたことや江戸になぜ出てきたのかが書かれています。正直に言うと、学問のすすめのページはいわゆる自己啓発系の内容で「勉強しましょう」「体を鍛えましょう」といった内容です。おじいちゃんの話を聞いている感じがしました。それよりも147ページまでの方が、断然おもしろく、愉快に読め、理解もしやすかったです。お札になっている人のことがよく分かりました。

・「福沢諭吉の半生を振り返る
と言った方が正しい気がする。学問のススメの概略が福沢諭吉の本人の解説という形で作品の最後に記されている。

むしろ、この本のメインは、一下級市民の息子諭吉少年の成長物語である。日本を近代化へと導いていく教育家、思想家が生み出される過程を分かりやすく、シンプルな絵で描かれているので誰にでも読める漫画でしょう。

昔、学校の図書館で読んだ偉人漫画を簡潔にしたイメージです。ページ数も多くないので普段本を読まない子供にも勧められるのが◎

学問のすすめ (まんがで読破) (詳細)

日本の思想 (岩波新書)

・「丸山真男は全然「古くない」、そしてそれは「不幸」なことである。
 困ったことに、丸山真男はいま読んでもぜんぜん「古くない」。これは丸山真男のもちろん「エライ」あるいは「正しい」ところだが、「不幸」あるいは「無益」なところでもある。 

 丸山真男は「日本(の知識)人はバカだ。そのバカのパターンはこれとこれとこれだ」というのを、実にわかりやすく書いたのだが(もちろん彼はそういうバカはもうやめにしようとして書いたのだ)、いろんな人が、つまり日本の知識人たちは、「バカとはなんだ、バカとは」と、この丸山真男をいろいろと批判した。もちろん、「当たってる」ことを「わかりやすく」書いたので、随分と賛同者やファンやエピゴーネンも現れた。 

 「不幸」あるいは「無益」というのは、丸山真男がそう言ったのはずっと昔のことなのに(この新書は1961年に出てる。しかも丸山真男が直接扱ってるのは日本の戦前の思想家たちである)、あいかわらず日本(の知識)人はバカだからである。しかも、その「バカのパターン」は、あいかわらず丸山真男が『日本の思想』に書いたもので出尽くしてる。だからこの本は、「日本の思想」と名乗る権利が(今でも)あるのである。  丸山真男が書いたのは未だに「当たっている」。けれど逆に言えばそれは、せっかく(人に恨まれるくらい本当のことを)書いたのに、何の役にも立たなかったということでもある。 

 丸山真男に向けられたたくさんの反論も、のこらずその「バカのパターン」を繰り返していた。それどころか、丸山真男に向けられたたくさんの賛同も、のこらずその「バカのパターン」を繰り返していたのである。

・「やっぱり、丸山真男
本書は4つの文章から成り立っているがこの本は最初から読むべき本ではない書名にもなっている1章の「日本の思想」から読むより、講演スタイルの4章「『である』ことと『する』こと」をよんでから順々に最初に戻っていったほうが、挫折しないですむ「タコツボ」などのさまざまな概念が、学問のみならず日常生活を考える上で非常に参考になる

・「「丸山真男」の理解のために。
言うまでもなく「丸山真男」は「ブランド」だ。丸山真男を読むための解説本が多数出版されていることからもわかる。

しかるに。数々の解説本を読んで「丸山真男」の理解をした「つもり」になるよりも、本書を読む方がはるかに有益だし、また内容も分かりやすい。「岩波新書」がまだ「ブランド」であった頃の輝きを持つ良書だ。無為に平易さばかりを追うのでもなく、きちんと「知識人」としての仕事を本にまとめている。本書の出版は1961年なのだが、現代の数多くの表層的文化論が丸山の新書レベルすら超えていないことは寂しい限り。新しい流行タームは次々に生まれてくるが、理論としての進歩はほとんど見られない。「知識人の役割」を考えるのにも適した一冊だ。

・「思想と行動様式、価値観の源泉探求
この薄いパンフレットは、日本人の意識の内面の起源、恣意的行動、価値観、世界観の様式を語る際、必ずと云って良いほど引用される資料の一つである。丸山真男は、「日本政治思想史研究」で江戸時代の政治的支配の道具としての、儒教から朱子学への変遷とアンチテーゼとしての国学の勃興を、有る程度説得ある文章にまとめている。これは、日本人の思想の本質と起源、つまり日本文化の深層について、語ろうとした一歩と考えたい。ここで取り上げられているテーマは、書かれている言葉の平易さ程には易しくはない。

民族の源意識の起源は、果たして普遍なるものか?仮に普遍であるとすれば、その原型を保つ環境は、いったい何なのであろう。日々の生活の中における「神の存在観」であるのか?もしそうで在るのなら、神社や氏神は、日本人の日本人足らしめる「鍵」であろう。

丸山以前、この原型を探求した津田左右吉は、平安から鎌倉・室町という中世の中で生まれ受け継がれてきた物語、宇治拾遺・今昔・御伽草子を丹念に分析し「文学に現れたる我が国民思想の研究」を書いている。これは、文学と云う「民族の揺りかご」を基に、その「赤ん坊の心の本質」を探る意欲的な研究であった。

人は、その歳が50歳も過ぎれば、自らが生きて来た日々、その行動と価値観、或いはもっと根元にある信仰を振り返って見ようとするものだ、外国人の研究をはじめ、多くの日本人論が、表層の眼に見えるものだけを追い、陳腐な上滑りに也勝ちだが、根源的な精神や価値観は、実の所、眼に見えないものであり、むしろ、最も眼に見えないものなのである。このパンフレットは、その眼に見えない扉を開けるものであり、その「闇」を、自らの内面を省察しつつ解明するのは、この本を読む読者の責務であろう、この小冊子は、丸山から渡されたバトンと思いたい。

・「『日本の思想』の発行部数は2005年5月現在、累計102万部(Wikipedia)。
「大学生必読の書」らしいです。しかし大学生数十人に聞き込みしたところ、既読者はおろか丸山真男の名を知っている人を捜すのに苦労するという結果に終わりました。

日本の思想 (岩波新書) (詳細)

武士道 (PHP文庫)

・「日本人にも誇れる文化と精神性があったことの再確認
かつてエコノミック・アニマルと諸外国から揶揄され、バブル崩壊でそれさえも失った日本。

しかし、日本にも古来から培われてきた文化・思想・哲学があった――その一つが「武士道」ではないかと思いました。

もちろん、現代においては古めかしいところもあるかもしれません。ですが「哲学不在」とも言われる時代において、日本人の血に流れる(そして今もまだ続いていると思われる)思想・文化を見直すには、本書はちょうど良いのではないかと思いました。

PHP文庫版では、現代語に近い形で翻訳し直しており、分量的にも少ないので、読み始めるには最適かと思います。

・「胸に刻み腹に収めておきたいこと
武士道廃れつつある日本の誇るべき精神

もちろんこの武士道を唯一無二の精神というつもりはないし、著者もその点を非常に上手くまとめており、今更ながら改めて古典的名著、間違いなく良書であると思わされた

王陽明が提唱した”知行合一”言い換えれば”言行一致”というところだが、武士道の骨子となる重要な概念である武士は自らが発した言葉に常に責任を持って行動し、もしも責任が保てない事態に至ったとすれば時に死をもって償うという一種の狂気とも侠気ともとれる高潔な精神がそこにはあった

言論が強すぎる現代言行不一致でもなんとなく許されてしまう時代にあって、本書の価値はむしろ高まっているのではないだろうか

いつの時代にも普遍であり、不変であり続けるものがある本書はそれが何かを教えてくれる日本を真に理解したいと欲する人の必読書である

”腹中に書あり”是非とも胸に刻み腹に収めていただきたい!

・「今忘れている日本の、日本的企業経営の参考書
何故、武士道が永い間に渡って読み継がれているのか。日本人の考え方を欧米人に解説しているだけではなく、日本人が持っている気質を伝えようとしたに他ならない。これは経営にも通じ欧米型の経営論が導入され、愛社精神や、年功を敬うという考えが薄れてしまっている現在において再び日本人が持っている精神を見直そうという観点からである。欧米では逆に、日本的な経営が見直され現在欧米でも、ベストセラーとなっている。特に「義」「勇」「仁」「礼」「忠義」は今の日本には特に欠けている点。自己研鑽書とそれに類するビジネス書は数多くあるが、新渡戸稲造の考えが原点だと思う。経営者を目指す人、管理者となる人には実践で応用できる座右の書である。

・「日本人として読んでおくべき。
現在の世の中では成果主義が声高々に言われているが、果たしてそれで良いのだろうか? 仕事が出来るから偉い、大金持ちが偉いのか?

年長者には、年長者だからこそ自らが経験してきた知識や知恵、指導者としての能力を持っている。全てとは言わないが。。。

全てを成果主義にしてしまえば、きっと日本人は単なるロボットと化してしまう。年功序列が正しいとは言わない、しかし、成果主義とてそれは同じ。

仁・義・礼・智・信を持たずして、日本人としての誇りがあるのか。 祖先たちが育んできた人としての道を大切に守って生きたいと思う。そんな中で、現代の日本人が、日本人らしくこの現代に適合する「武士道」を確立すべきだと思う。

・「日本の精神的主柱
新渡戸稲造が欧米諸国に日本の精神的主柱となっている武士道を紹介した本である。武士道は、聖書やコーランのように原典があるわけでもなく、体系的に思想が整っているわけでもない。

武士道 (PHP文庫) (詳細)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

・「構えず、気軽に手に取ってみるべき一冊
昔通っていた大学で民法の先生が一読を薦めていた。「そりゃあ福沢諭吉翁のようなお偉い方の書いたものは学生たるもの読んでおくべきでしょうけれど。」何となく説教くさく、とっつきにくい本のような気がして、実際に読んだのは働き初めて5年程経ってから。

その読後感・・・

自分の読書人生にとってこの本はなくてはならない一冊となった。

この本は自伝文学の最高傑作ではないか?「ワシントン自伝」も面白かったが、それにひけを取らぬ面白さ。今の日本人にとってはこちらの方がより切実で面白い。

また福沢諭吉という人についても、このような人物を自分の国の先駆者として持てたことの幸福を改めて感じるとともに、父祖の世代に対するに対する感謝の念と自分がその恩義にどれだけ応えられているのかという自責の念を改めて強くした。

と、肩肘はらなくても、気軽に楽しめるストーリーが随所に展開されています。

人それぞれでしょうが、まず一読を薦めます。

・「世界で最も面白い自伝
福沢諭吉翁が波乱に満ちた生涯を語った自伝中の白眉。 こんなに面白い自伝はない。諭吉の闊達な性格は小気味よい。特に緒方洪庵の適塾の塾生たちの猛勉と奔放な生活は現代の窮屈さをあざ笑うがごとくである。一身二生と自ら述べた幕末と明治の激動の日本を、明るく知的に生き抜いた諭吉の元気を大いにもらおう。

・「自らの理を貫くことの大切さ
斉藤孝著の「座右の諭吉」を読んで、原書を読んでみるべし、と手に取ったのがきっかけ。福沢諭吉は江戸時代末期から明治にかけての激動の時代に、周囲の風潮に流されることなく、自らの理を曲げず、波を乗りこなしたような印象を受ける。必ずしも精錬潔癖でもなく、慶応義塾の土地を手に入れた件などはドサクサにまぎれてうまくやったなというようなところもあるが、一貫しているのは自分は自分、人は人。無理に相手を論破するではなく、同意できなければ近寄らなければいいというようなさっぱりとしたところは感服する。それを暗殺が日常化した時代にやってのけたところがまたすごい。個人が自分の主張を持ち、相手の主張のうち受け入れられるところだけ同意し、違う主張もあるんだと認め合うことができなければ、個人主義は成り立たないと指摘しているが、現代にも通じる考えである。まさに日本人が国際社会でやっていくために必要なことで、これができないために外交で振り回され続けている。まずは自身の主義主張を持ち、それに矛盾しない態度を常に取ること。それが周囲の変化に惑わされず、かえって信頼や成功を勝ち得ることにつながっていくのだろう。福沢諭吉の人生がそれを物語っているようだ。

・「あなたも最後まで読めます
苔むしたような岩波文庫の一冊であるが、この自伝、福沢諭吉の口述をまとめたもので、実は全編口語体で、しかも軽妙な語り口で書かれているため、まったく古さを感じさせずに、気軽に最後まで読めるはずだ。

「福翁自伝」の書名はかなりの人が知っているはずだが、それが口語体で書かれているというのは、どれだけの人が知っているのだろうか(知らなかったのは私だけ???)。

というわけで、激動の明治維新期の目撃者が語る日本の歴史(しかも口語体)、食わず嫌いせず、ぜひご一読を。

・「明治の革命児
 明治時代の本ですが口述したものなので、福沢のもう一つの代表作「学問のすすめ」よりよほど読みやすいです。彼の前向きで、自由で、好奇心旺盛な姿勢は多くの人にとって大変参考になるでしょう。読み物としても楽しめ、歴史書として学ぶことも、偉人伝として読むこともできる非常にお買い得な一冊です。

新訂 福翁自伝 (岩波文庫) (詳細)

猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)

・「熊楠がよみがえる
水木しげるの力作である。いちおう熊楠の飼い猫が主人公で、金華猫やねずみ猫など変なキャラクターが登場するものの、南方熊楠の生涯を基本的に忠実に描いている。漫画であるため、文字では表せない熊楠の破天荒で卑猥な生き方が、下手な本よりリアルに伝わってくる。

・「怪人(南方)×怪人(水木)=本書
本書は中編「怪傑くまくす」に続く、南方熊楠についての筆者による本格的な伝記マンガです。物語は遊学先からの帰国から、亡くなるまでの主人公の活躍を、ほぼ史実にそって描いています。

もっとも、猫楠という飼い猫を狂言回し(水木版「吾輩は猫である」)にするなど、筆者はかなり脚色をくわえているので、独自の作品に仕上がっています。とはいえ南方が死ぬまで自分を飾らない純粋な人だったことが本書からもよく伝わってきます(ただし筆者の脚色も入っていますので、南方の生涯について知りたい方は、伝記にあたることをおすすめします)。

本書には猫楠をはじめ、たくさんの猫が登場します。筆者のえがく猫はいつ見ても愛らしいです。猫好きにはたまらない一冊だと思います。

第1話 「大怪人」との出会い第2話 那智山中の幽霊村第3話 わが思いの貴婦人第4話 山高帽で訪問第5話 田辺の親分第6話 神狩り戦争第7話 人魚の裁判第8話 蟻の研究第9話 日高川踊り第10話 柳田国男第11話 猫安の招待第12話 高野山第13話 権蔵との戦い第14話 南方研究所第15話 大いなる哀しみ第16話 天皇陛下第17話 転生

・「マンガ表現と史実が融合した、すばらしい伝記
熊楠が「猫楠」という化け猫(?)を飼っていた、という設定にして、その猫を狂言回しに熊楠が外国の放浪から帰国して後の半生を描いたマンガの伝記。熊楠が熊野の山中で妖怪と話をしたり、死んだ両親が幽霊になって忠告に現れるなど、熊楠の妖怪的な側面を強調しているが、基本的には彼の生涯を忠実に描いているらしい。鶴見和子さんの著書『南方熊楠』でも、彼の異能について触れている。自然を感応する力が強く、それを理性の言葉で表現できた希有な人物だったというのだ。それをマンガ的に表現すると『猫楠』になるのだと思うと納得する。そして、超常的能力を誇張して表現したために、忠実な伝記でありながら、マンガとして十分読める傑作になったのだと思う。明治政府が推し進めた神社の合併・統廃合に対して、熊楠が渾身の力を込めて抵抗した足跡や理論は、エコロジー思想や持続可能性の問題とも直結する極めて現代的なテーマでもある。熊楠をネタにして、マンガによって表現された現代思想と読むこともできよう。

・「水木さんの幸福論?
幸福とは何か、と大真面目で考えたなら、しかめっ面になりそうな問題を、しかつめらしくない仕方(つまり、漫画)で答えようとした、水木しげるの幸福論として、私は読みました。

水木さんの南方熊楠に対する思い入れはたいへん大きいようです。「猫楠」の前に、たしか「怪傑熊楠」というのを描いていたと思います。また、ちくま文庫版「くまぐす外伝」(平野威馬雄著)では「解説」も記しています。

読んだ印象ですか?

画家志望だった水木さんですから当然と言えば当然ではありますが、ところどころ出てくる細密画の上手いことに先ず驚きました。内容についていえば、取り上げられている熊楠のエピソード等の出典は主に「くまぐす外伝」ではないかと思いました。

(もっとも「くまぐす外伝」には記述の無い熊野の謎めいた場所のことなど、水木さんのその道の該博な知識が「猫楠」には披瀝されています)

それにしても、つくづく凡人で良かったと思います。そういえば、読後ふと思い出した言葉がありました。テレビでお話していた、小沢昭一さんのことばです。「幸せは ささやかなるが 最上」

・「傑作!
 水木しげるさんの描く伝記は本当におもしろい。時々唐突な展開や人物同士のやり取りに妙な論理の飛躍があるが、それがまたなんともいえない雰囲気を醸し出していていい。そして何より人物が実に生き生きと描かれている。 

 本書でもそれらは遺憾なく発揮され、大天才、そして大奇人であった南方熊楠の一生が非常に生き生きと描写されている。特に熊楠のハチャメチャぶりや、人間味あふれる行動などの描写がすばらしい。数々のエピソードには思わず吹き出しそうになるし、息子の熊弥が精神を病んでしまい悲しみに沈む場面にはこちらもホロリとさせられる。人間・南方熊楠を描いた伝記として非常にすばらしい。

猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア) (詳細)

古事記 (学研M文庫)

・「劇的に、しかし格調高く。
様々な現代語訳を読んできましたが、ここが到達点かもしれないと思えます。国語学系のものは原典の用語用法に忠実であるあまり(語注にこだわりすぎ)、理解を助けるに不親切で、結局は別の解釈本が必要となります。国文学系のものは、物語性や文学性(和歌など)に重点を置くために、状況のディテールなどに緻密さが欠け、あらためて原典にあたらなければなりません。歴史学系は、訳者の思想性が強すぎて、意訳に近くなっています(とくに左翼系)。文学系は(小説家や詩人)、まあほとんど創作ですね。──ということで、本書はこれまでの欠陥を補っているとともに、解釈の集大成ともなっています。他の訳書に寄り道せずに(時間の無駄ですから)、最初から本書を手に取ることをお薦めします。

・「古典の成績が悪くても
古事記や日本書紀。本好きなら読んでみたいなぁ、と思える書だと思う。ただ、本好きだからといって古典が読めるってわけじゃないのが問題なんだろう。

だいたい古代の書物だけではなく、ほんの100年前の書物でも現在流通しているのは現代語訳で当たり前という時代なのだ。古典の教養がない本好きがいたっていいのではないだろうか。

で、何冊か古事記本を読んだのがしっくりこない。良書とされている本は、基本的な古典の知識が必要だし、平易な現代語訳してある本は内容も省略されてあるのか、読んでみてもおもしろくない。やはり、古事記を読むには古典を勉強し直さないといけないのかなぁ、と思っていたところ本書に出会った。あまり期待していなかったのだが、非常におもしろかった。

まず、完全に現代語訳してあるので古典の成績が悪かった人でも読める。で、下手な子ども向け絵本みたいな省略もしていない。なまこの口が裂けている理由とか宇陀の水取たちの先祖が弟宇迦斯とかがちゃんと載っている。神話を元に創作された二次作品を通してしか知らなかった神話の世界に、自分の古典の成績を振り返らずとも浸ることができる、軟弱本好きには嬉しい一冊になっている。

学問的に正しい訳かどうかは素養がないので当方には判断つきかねるのだが、古典教養がないけど記紀神話の世界に触れたいという方におすすめの本。

・「入門書としては最適
もちろん日本最古の日本史ですが、梅原猛著となっているのは、梅原氏が現代文に訳しているからです。

そして、50ページに渡る「古事記に学ぶ」という解説が載っています。数枚カラーで掲載されている絵も美しいです。(できれば推定制作年代・作者なども載せてほしかったですが)

たくさん出てくる和歌の部分こそ原文(もちろん対訳も載っています)ですが、それ以外は『古事記』初心者の私でもかなり読みやすいものでしたし、解説と併せれば、大筋の背景なども分かります。

解説はアイヌ語と古代日本語との関係など、実に興味深い内容でした。本書から原文、様々な研究書へと進むことができる最良の入門書といえるでしょう。

・「おかげさまで、やっと古事記が読めました
子供の頃、絵本で「天の岩戸」、「ヤマタノオロチ」、「因幡の白兎」などを読んで以来、何度も岩波文庫の古事記を読もうと挑戦し、そのたびに日本人でありながら日本語が理解できないというトラウマとジレンマに陥り、そのたびに疲れて断念しておりました。今回、梅原猛先生の訳でやっと読むことができました。これを契機に、他の訳や日本書紀なども読んでみたいと思います。文庫ででているのが、尚、嬉しかったです。

・「現代文としてとにかく読み易いのでオススメ!
読み易いおかげで最後まで読み通せる、文意が分かり易いので投げ出さずに済む。断片的に聞きかじっていた話がそうだったのかと分かる。はじめて古事記を読み通せた。日本古代のパワーを感じるのに重要と思われる性表現が省略されていない点もいい。文章表現の格調高いものを望まれる方は別をあたられた方がいいだろう。

古事記 (学研M文庫) (詳細)
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