キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢 (詳細)
町山智浩(著)
「現代アメリカの病巣。」「不思議大国アメリカの現在。」「ちょっと残念です」「フォレスト・ガンプをなぜか大統領にしてしまった国の末路」
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks) (詳細)
町山 智浩(著)
「爆笑しながら、恐るべき実態を思い知らされる。」「日本のことばかり思い浮かんだ」「インターネット映像を見るがごとく」「あえて疑問点を」「とにかく笑って、そして心に響く本!」
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) (詳細)
堤 未果(著)
「医療、教育のあり方を問う衝撃作」「アングロサクソンの価値観ー投資利回り最大化」「興味深い本ではあるが」「アマゾンはずるいぞ!」「奴隷化と戦争による巨大利権システム」
超・格差社会アメリカの真実 (詳細)
小林 由美(著)
「明確な視点」「アメリカ社会についての最良の解説書」「アメリカは広いだけで深くはない。これを知っておかないと深みにはまる。」「告発物ではなく、優れたれた経済史本である。」「これは随分な拾い物、でした」
ニューヨークのとけない魔法 (文春文庫) (詳細)
岡田 光世(著)
「心を開いて」「ニューヨークのとけない魔法」「あたたかさに触れたい日に読みたい一冊!」「とても魅力的な街、そして同様の筆者に心ときめく想いがする…。」「面白くもあり、違和感も覚えた」
小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由 (詳細)
吉田 沙由里(著), アレイダ・ゲバラ(著)
「吉田さんの見た・感じた"CUBA"」「まさかここまで行ったとは」「メディアリテラシー」「資本主義、金権主義の次のモデル?」「キューバの魅力満載☆」
ドット・コム・ラヴァーズ―ネットで出会うアメリカの女と男 (中公新書) (詳細)
吉原 真里(著)
「ある意味で画期的な書」「恋愛に対する著者の姿勢が魅力の本です」「ドラマ化希望」「インテリ女性版成田アキラ」「知的女性のプライベート」
悩めるアメリカ (日経プレミアシリーズ) (詳細)
実 哲也(著)
「米国の論点」「深みのある「グローバル・アメリカ」のルポ」
街場のアメリカ論 NTT出版ライブラリーレゾナント017 (詳細)
内田 樹(著)
「内田樹の正体見たり」「面白い、が、これでアメリカについて知ろうというのは…」「「誰でも言いそうなこと」は書いてない」「良質なアメリカ論」「アメリカに欲望する」
ルート66、66のストーリー (詳細)
大塚 浩司(著)
「ルート66本のベストです!」「自分だけのルート66を見つけるために」「等身大で語る著者の魅力」「おもしろいの一言では片付けられない」「「R66」のバイブルというべき本」
● ボストン読書記1
● 格差を考える1
● 格差を考える2
● なんとなく読書
● 中小企業論
● 迷いを断ち切る
・「現代アメリカの病巣。」
どちらかというとアメリカの週刊誌のゴシップ記事の引用のようなものが多く、読むに堪えない内容もありますね。ですが、現代アメリカの病巣(日本も?)のようなものが良くわかります。それに普段アメリカのポップカルチャーみたいなものにあまり接していない私には興味深い部分もあります。
・「不思議大国アメリカの現在。」
やはり、おもしろい町山本。カニバケツを読んだ時も思ったんですが、アメリカってフントに楽しい!こんなこと日本じゃ、ありえないよ!の連続です。年末年始暇な方、「アメリカ人の半分は〜」と2冊買って、アメリカを楽しんでください。(2冊買っても2千円ちょっと!)
・「ちょっと残念です」
アメリカの不思議なところをユーモアいっぱいに伝えており、知らなかったこともあって「へえ〜」となるコラムが多かった。でも、真面目に私には笑えない深刻な内容を、おちゃらけすぎに扱っているものもあり、残念に思うものもありました。(例えば「今、アメリカでは童×が熱い」とか………。…………。。………。。。)人によっては、面白いと思うかもしれませんが。「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」の方が質と品は良かったです。
・「フォレスト・ガンプをなぜか大統領にしてしまった国の末路」
キャプテン・アメリカはレッド・ネックに殺された。このレッド・ネックの親戚筋に当たるのがフォレスト・ガンプである。みうらじゅんよりも無節操な連中がガンプにオスカーを与えた時、私は「必ずやアメリカに災いがもたらされることになるだろう、この罰当たりの簒奪者どもめが!」と呪った。果たして、「ほど」というものを全然知らぬアメリカ人はフォレスト・ガンプの政治家版ともいうべき大馬場を、こともあろうに大統領の地位に据えてしまった。この瞬間、対抗「対抗文化」のアダ花ども、即ち新保守主義とレーガン主義者とモラル・マジョリティーとネオコンとキリスト教連合と宗教右派の類いは絶頂を極め、そして当然のように大大大崩壊を始めた。「アメリカン・マインド」など、とっくの昔にくたばり化石化していたので、これはあったり前の話であった。再起不能であろう。天罰覿面だ。
●アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
・「爆笑しながら、恐るべき実態を思い知らされる。」
面白い。いつもながらの町山節炸裂だ。ここで俎上に挙げられているのは、宗教、戦争、バブルと格差、政治、メディアにまつわる今日のアメリカの病根と恥部。1節辺り数ページでエッセイを読むような感覚だが、中身はスゴイぞ(笑)。ちょっと思い出してみても、キリスト教原理主義者たちのトンデモ教義、米国福音派協会の過激で奇天烈な活動、ブッシュの絶対禁欲教育から来る“純潔の誓い者たち”の本末転倒な性の欲求、イラク人虐殺と人格障害兵士の急増、CIAの“特殊容疑者移送”、会社経営者と一般労働者の年収格差は400倍、保守派政治評論家の能天気な言動、「シンプソンズ」顛末記、、、。正直、ここまで狂信的で病的、クレージーとは思わなかった。タブロイド紙を読むような感覚で、ページをめくりつつ爆笑しながらも、もはや洒落にならない恐るべき実態を思い知らされる事になる。イラク戦争、新自由主義、ITバブル崩壊、サムプライムローン問題の果てに顕在化してきた金融不安、アメリカン・ドリーム終焉の根源が何なのかが、町山流斬り口で喝破されていく。米在住で、アメリカの社会、風俗、文化、人種について永年ウオッチングしてきた鋭敏な五感と反骨精神が実に歯切れ良い。それにしても、まもなく新大統領が誕生するが、山積した甚大な問題連を対処する以前に、こんな超大国の舵取りをしていくのは本当に大変だ、、、。
・「日本のことばかり思い浮かんだ」
アメリカについて書かれている本だけど、どういうわけか、日本のことばかりが思い浮かんだ。つい、日本に置き換えて考えてしまった。何となく当てはまるような気がしたんだよね。
アメリカに滞在する予定がある人には、旅行や英会話のガイドブックと一緒に、この本も持って行って欲しいなあと思う。きっと、見える景色も、より鮮やかになるんじゃないだろうか。
この本によって、ただ批判的な立場に立つのは、寂しいと思う。著者自身、鵜呑みにする事は好きじゃないと思うから。この本をヒントに、アメリカを自分自身で考えたら、きっと楽しい。アメリカで暮らす人達との、触れ合いに活かせたら、一番だと思う。
別の捉え方をした人も、もちろん大勢いると思います。まずは、読んでみて下さい。そして、考えてみましょう。さらに活かせたら、最高!
百科事典1セット分の価値を感じる内容で、読みやすくて、面白くて、至れり尽くせりです。それを、1000円で読ませてくれるなんて、なんだか申し訳ないよね。
・「インターネット映像を見るがごとく」
ユーモラスな口調でアメリカを語りますが、アメリカの内憂外患の状況を反映してか、
特に暗い部分が心の中で響きます。
宗教問題のように、日本人は知らないし、アメリカ人にも見えにくいアメリカ。
イラク戦争のように、日本人も知っていて、アメリカ人こそが深く悩んでいるアメリカ。
等々が、あたかも、インターネット映像のように画像と音声を主体にして描かれています。
かって憧れだったアメリカの、キリキリ舞いしている姿がよく捉えられていると思います。
非常に面白く、笑える本ですが、答えは何も書いてありません。
ご自身で考えて下さい。というのが作者からのメッセージなのでしょうか。
・「あえて疑問点を」
みんながこの本を褒めているんで、今さら賞賛レビューを一つ加えてもツマンナイから、少し疑問に感じる点について書いてみたい。 マイケル・ムーアもツッコミ入れてたことだけど、町山は本書中で何度も、米国の指導者たちが自分の親族を戦場に送っていない事実に言及する。典型的なのが第2章「デタラメな戦争」の中の「戦争を知らないタカが戦争を起す」(p81〜)で、56年のプリンストンの卒業生750人の内400人が軍に志願したのに、04年度では卒業生1100人中、わずか10人という数字の紹介から始まる。上下院議員中、軍隊経験者は5%、自分の子供を軍隊に入れている議員はわずか7人。ブッシュは徴兵逃れで州兵になったし、チェイニーは結婚などを理由に5回も徴兵回避。こういうチキン・ホーク(臆病なタカ派)どもが戦争を主導している、と。さらに08年の米大統領選をめぐる文章を集めた第6章でも、民主党の候補8名で行った公開ディベートに触れて、「候補者のなかに肉親を戦場に送っている人はいますか?」という質問に誰もまともに答えられなかった、と皮肉る。 著者が権力者たちの偽善性に苛立つ気持ちは分かる。逃げたヤツが権力の座に就き、戦争をおっぱじめ、貧乏人どもを前線に送り込んでいるなんて! でもその苛立ちから、戦争の現実を知るパウエルやマケインに対して好意的に言及し、ノブレス・オブリージュを持ち出し、「国民皆兵制度とは戦争に勝つためだけでなく、身分や肌の色が違う若者たちが寝食はおろか生死をも共にする経験を経るための教育システムなのだ」(p83)と踏み込み、翻って日本は…と含みを持たせるに至っては、単なる苛立ちの表明として笑って見過ごすというのは躊躇われる。それって向こうの思う壺じゃん、と私は思うぞ。 井筒和幸監督『パッチギ!LOVE&PEACE』のキョンジャの演説がもう一度聞きたくなった。
・「とにかく笑って、そして心に響く本!」
ペーパーブックスタイルで軽くて読みやすい本!手に取った瞬間から、ニューヨークのスタバでペーパーブックを読んでいるつもりになってしまっていた(笑)。ページをめくると瞬く間に著者の世界に引き込まれている。強いて言えば、(町山氏には失礼かな?)マイケル・ムーアー監督作品の書籍版のような本。とにかく笑えるのに実は奥深い問題を鋭く突いている。「へぇ〜」なネタが満載でお得と単純に思いつつも、読後は『現実の問題』としてしっかりと受け止めている。さらりと書いてしまう町山氏の文章は心に響き本当に素晴らしい!アメリカ人と接する前に読んでおくと会話に幅が広がり役にたつはず。とにかく読んでみて下さい!
・「医療、教育のあり方を問う衝撃作」
一応、取材内容を真実として受け止めました。読んだ人に(賛否は分れるにしろ)、何かを考えさせる点で、最近のアメリカ関連の新書では出色の出来映えです。
ここで書かれている主な内容は、以下の公的なサービスです。「教育」「医療」「軍隊」「災害対策」
レーガン政権以降、新自由主義による、民営化推進が、破産を増やし、如何にワーキングプアを増大させ、中産階級を消滅させていったかが書かれています。
破産した人、没落した人などに取材を重ねていて、その内容は相当ショッキングです。私は医療についての記述が一番恐ろしかったです。こういう国に住むことは(文字通り)命がけだと感じました。
さて問題はアメリカではなくて、日本にどうこの内容を当てはめるかだと思います。マクロにみれば、市場原理に従うとしても、セーフティーネットなど、国民を救うシステムの充実は必要だと思います。その辺りを考える材料として、多くの人に読んでほしい一冊です。
・「アングロサクソンの価値観ー投資利回り最大化」
欧米と簡単にいう人が多いが、もともと英語圏とヨーロッパ大陸では価値観が異なっていた。英語圏では、企業は投資家(株主)の利益を最大化するために活動すると考えてきた。これを一言で表現すると、「投資利回り最大化」になる。投資利回りを最大化する方法は昔から決まっていて、それは発展途上国の中で一番優秀な国に投資することである。有能な人間を安い賃金で雇えて、効率よく物を生産できる国に投資することである。
ヨーロッパ大陸では、企業は地域社会に貢献するために活動すると考えてきた。雇用を維持し、地域の経済・文化に貢献することが使命であると考えてきた。これが後になって、国家に貢献するために発展していくのだが、ともかく日本の考え方はヨーロッパ大陸のほうに近かったといえよう。
19世紀のイギリス資本は根こそぎアメリカに移ってしまった。当時は、投資利回り最大化を実現できる国がアメリカだったからである。そして今、アメリカ企業は国内の工場を閉鎖して、中国・ブラジル等に移している。これは投資利回り最大化という価値観からは、正しい行動である。
しかしその結果、中流階級が就ける安定した仕事が激減し、安い時給のパートしか見つからなくなってしまった。それでも統計上は失業者には入らない。その一方で、投資に回すまとまった資産を持つ人はますます儲かるようになり、ガードマンに守られ美観が保たれた高級住宅地に住むようになる。こうして貧富の二極分化が加速度をつけて拡大していく。これがアングロサクソンの価値観の行き着く先である。
もうひとつの行き着く先は、地方文化の破壊である。詳しい説明は省くが、チェーン店というのは投資利回りを最大化するために、アメリカで考え出されたシステムである。これが広まれば、地域の個性ある店は廃業に追い込まれていく。そしてどこに行っても同じチェーン店が同じ商品を提供するようになるのである。アメリカはすでにそうなっているが、これが投資利回り最大化を達成した国の姿である。
・「興味深い本ではあるが」
サブプライム破綻、貧困肥満、無保険市民、ローン地獄、民間の戦争などいろんな切り口で現在のアメリカに潜む貧困を数々の数値を示しながら説明している本書は確かに興味深い点も数多いが、これがアメリカの現状を正しく反映していると誤解してはならない。いまだ、アメリカの多数である白人の多くは、イラク戦争を対岸の火事程度と考えており、中流の生活を何不自由なく送っているのも事実である。無保険市民の増大は今に始まったことでもないし、戦争も基本的には大好きな国民であり、国民の肥満、金融業界の利益最優先主義も別段、今になって始まったものではない。ロックフェラー、カーネギー全盛時代の労働環境はおそらく現代よりもはるかに過酷であったに違いないし、社会保障、民間保険も今よりも充実していたとは到底思えない。本書によって、今のアメリカ、しいては世界は、ビジネスと割り切った戦争によって、狂気に満ちた、人間を人間と思わない時代になってしまったとの印象を持つことは、それこそ今の世界情勢を見誤ることになる。そして、私がもっともつよい違和感をもった箇所は、本書が貧困大国アメリカの現状や問題点を論じているにもかかわらず、あとがきの中の次の記載である。生存権を取り戻すことが戦争のない社会を作るというアメリカからの声が日本国憲法9条を守る大きな動きにつながること、さらには、人間が人間として扱われる憲法25条を取り戻すまで声を上げ続けなければならないことが書かれており、いつの間にか、日本の憲法を守り抜こうという社民党のコメントのような結論付けがなされている。著者は憲法擁護論を結局は展開したかったのかと思うほど、テーマからずれた結論である。
・「アマゾンはずるいぞ!」
アマゾンは何故『ルポ貧国大国アメリカ』をサイトからショッピングできないようにしているのか!?本書のタイトルが、貧国となっているから気に入らないのでしょうか?大国なら、もう少し大局的になれないのですかねえ?
・「奴隷化と戦争による巨大利権システム」
「もはや徴兵制など必要ないのです」「政府は格差を拡大する政策を次々に打ち出すだけでいいのです。経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから。ある者は兵士として、またある者は戦争請負会社の派遣社員として、巨大な利益を生み出す戦争ビジネスを支えてくれるのです。大企業は潤い、政府の中枢にいる人間たちをその資金力でバックアップする。これは国境を越えた巨大なゲームなのです」 この言葉ほど、現在の米国、そして今後日本で進められようとしている、奴隷化と戦争による巨大利権システムの極限を端的に表しているものはない。果たして私たちは団結して抵抗するのか?それとも思考をストップさせ全てを受け入れてしまうのか?
・「明確な視点」
数あるアメリカ論の中で群を抜く面白さ。これは著者の視点の良さによる。 第一は、著者の社会的位置である。著者は自身の分類による「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」の中で、おそらく「プロフェッショナル階級」の下層にあって、貧困層への転落の恐怖と格闘してきた人ではないか。その位置からの目を感じる。 第二は、著者は母国の根を切った “移民”である(らしい)。企業・官庁や大学などからの“駐在員”ではなく、母国に帰るべき職場のない腰を据えた“移民”の目を感じる。 格差観は論ずる者の社会的位置によって全く異なる。シリコンバレーの「下層?プロフェッショナル階級」として激烈な競争渦中にある著者には、中流・中産階級のような安住の階層などは見えないし、見たくもない。一方で、アメリカ移民の「未知の中にリスクよりも夢と希望を感じ取るオプティミズム」もしっかり持っている。それがこの否定的な意味でない「超・格差社会」という格差観を生んだのだろう。 今や、この階級の新たな“移民”がより大きな自由と可能性を求めて陸続と日本からアメリカに向かっている。そのアメリカに何があるのか。それを見事に解析して見せた。タイミングの良い好著である。
・「アメリカ社会についての最良の解説書」
アメリカ社会についての書物は数多い。私もこれまで15冊ぐらいは読んでいるが、本書は最高である。 著者は、日本での、いわゆる「アメリカ専門家」ではないが、「日本人の眼」を持ったアメリカ人と言えよう。「アメリカ専門家」は、大学教授、数年滞米したジャーナリストなどであり、名前が売れているから本も出しやすいが、アメリカで付き合う相手は同業者、政治家、ロビースト、財界人などであり、「上澄みの」情報と体験で書いているから、真実の姿が分からない。本書に出てくる著者の友達・知人は、色々な階層にまたがっており、「等身大の」アメリカ人の姿を見せてくれる。 また、著者のアメリカ史に対する造詣は相当なものだ。経済や金融の切り口が入っているので、よく分かる。ただ、本当に読む込むには、読者の方に経済、政治、歴史のある程度の知識が要る。この本は、一行一行の凝縮度が高い。かなりの学識者と見たが、こうした日本人が居ることにうれしい驚きを覚える。これまでの著者のアメリカ生活の卒業論文のような本だから、続編が書けないのではないかという気もするが、この本一冊でも、アメリカの今後を占うには十分ではないかと思う。 あえて言えば、本著の欠点は、図表、特に地図が見にくいことである。カラー印刷にするか、出版社の方で工夫して見やすくしたら良かったのではないかと思うが、これで星半分減らしても5つ星以上であると思う。
・「アメリカは広いだけで深くはない。これを知っておかないと深みにはまる。」
遠くて近い国、アメリカ。でも僕らが知っているのは、金髪、巨乳、青い目くらいだ。
日本はアメリカの仲間入りをしようと努力している。でも、風土が違う。文化が違う。気質が違う。こういったことを無視しては、マネをしたところで失敗をするだけだ。
・単純である・常識がない・未知との遭遇・それでいて前向き
これらの要素を日本人は飲むことができるのか?日本人的価値観からすれば「バカ丸出し」だ。それでも彼の国はそれなりにうまくやっているようだ。このことを本書で、実証データを交えながら知ることができる。
この本を読んで気になったことが、ひとつ。著者は、日本の格差問題は「給料の額の格差」であり、アメリカの格差問題は「資産の偏在という格差」であって、問題の根はアメリカの方が重く、日本の方は努力次第で何とかなるみたいなことを言っているが、日本の場合、中産階級は存在せず、大多数がサラリーマンであり、無産階級だ。アメリカの開拓初期ように、土地をタダ同然で手に入れることも、地面を掘ったら石油が出ることもない。やっとの思いで手に入れた持ち家は資産ではなく、ただの負債であり、地価上昇の恩恵にあずかってセミリタイアなんてことはほとんどない。ほとんどの人間の感覚は「働く者食うべからず」と「会社に認められて1人前」の2本立て労働奉仕型資本主義の感覚しかない。1億総中流の幻想は、会社に余裕がなくなれば吹き飛んでしまう脆い代物だった。
著者は、「クビにならないように努力しないのが悪い」「キャリアパスがすぐもらえないことをガタガタ抜かすな」など厳しいことを言っているが、その自立心あふれる発言を厳しいと思ってしまうほど、日本人はアマちゃんなのだ。それだけに、アメリカ流機会均等自己責任方式が雪崩れ込んでくると、アメリカ以上にひどい結果になるのではないかと拙者は心配なのである。
・「告発物ではなく、優れたれた経済史本である。」
はじめの百ページほどは、現在のアメリカの経済について書かれている。データを挙げて、マクロ面で緻密である。しかし特に評者が教えられたのは、メイフラワー号からのアメリカ経済の歴史、特に南北戦争後のそれの概観である。そのあたりのことを知る日本人は専門家を除けば居ないはずである。そうだったのかと膝を叩くことが多い。
終わりの二章、「心地よい」と「本質とその行方」。特に面白い。“アメリカは能力ある人にとっては魅力的な国だ、コストの高い基礎教育を母国で済ませ、移民として働くことは教育費を払わずに成果だけを手に入れる、、」「おわりに」、の日本で言うサラリーマンはアメリカには居ない。「会社」の持つ意味が日米ではまったく別である。など、ここで紹介しきれないが、胸のすくような発言が多い。
著者は滞米生活が長く、日本語に不安を持っておられるようだが、その心配はない。星を一つ少なくしたのは、帯の宣伝が気に入らないからである。 著書そのものはきわめて優れた近代アメリカ経済の解説書であろう。
・「これは随分な拾い物、でした」
著者紹介によれば著者は75年に東大経卒だから、50年代前半の生まれか。もちろん雇用機会均等法以前の世代で、「高卒5年目」(p280)の処遇で旧・長銀に入社。退職後、82年にスタンフォードでMBA取得し、ウォール街の証券アナリスト(日本人初)。85年、コンサルティング会社立ち上げに参加。この間、国際結婚したが、夫君に先立たれている(p292)。常に闘いの人生を送ってきた筋金入りだ。
「はじめに」に「今この本に書いていることを30年前に理解できていたら、筆者の人生は相当違っていたと思う」とあるが、本音だろう。本書には、著者が「実戦」の中で掴んだ「知恵」が詰まっている。闘い抜いて来た人だけに、日本のニート・フリーター問題についても、「就職戦線に女性も参戦し、大学進学率も上昇しているのだから、総体的には高度成長期と大差ない」(p280)などと厳しい指摘もある。
いかに優秀で筋金入りでも、大学教員の肩書きもなく、一般には無名の、異邦に生きる50代女性が書き下ろしを出版するのは難しい。だから話題の「格差」が前面に出た、やや煽情的な書名が選ばれたのだろうし、表紙の著者名下にまで「在米26年」などと余計な但し書きがついている。装丁も黒地に金文字でどぎつい。しかし内容は自分の経験を米国の歴史的成り立ちから正攻法で理解し、説明しようとするもので、成功していると思う。歴史といっても好事家的なそれではなく、あくまで現在を捉えるための、アクチュアルな歴史だ。
「グーテンベルグによる印刷機の発明によって出版が急増した」(p98)などと雑な記述も紛れ込んでいるようで、論を展開する上で手当たり次第に使えるものを使ったという印象もあるが、その切迫感が魅力ともなっている。
・「心を開いて」
タイトルと可愛い表紙から、たまに見かけるいわゆる「外国生活礼賛本」と思うと、ちょっと違います。
五番街やブロードウェイなどに代表されるキラキラしたニューヨークというよりも、そこに暮らす普通の人々の日々の生活や、飾らない喜び哀しみに寄り添っていきます。アメリカで、長年に渡ってマイノリティの子供たちに日本語を教えている女性ならでは目線でしょうか。
ニューヨーカーの興味尽きない暮らし振りのお話に、ふとした機会に使える身近な英語表現を織り交ぜながら、「地球上どこへ行っても、結局人間同士の理解は心と心の交わりに行き着くんだろうな。」と、当たり前だけど大切な事が心に残ります。
きっとここには書いてないご苦労もたくさんあった事だろう。でもめげずにこんな風に心を開いていたら、周りの空気も変わるのだろう。アメリカに行かなくとも、ちょっとだけ自分の生き方を変えてみたくなる本です。
・「ニューヨークのとけない魔法」
自分がNYに行っても絶対にこんな経験はできない!だからこの本を読んで疑似体験するのだ。
それにしてもこの著者は相当味のある人なんだろう。人が自然と寄ってきて、彼女のために世話してくれるみたいだ。なんて幸せな人なんだろう。
そういう人に触れることで自分も幸せになれる気がする。
この本を読んでいると、気持ちがほんわかし、暖かくなり、ほんのり幸せを感じられる。夜全てを終わらせてゆっくりコーヒーを飲みながら読むのにふさわしい1冊である。
・「あたたかさに触れたい日に読みたい一冊!」
著者の視線があたたかい。 読んでゆくうちに分かって来る。この人は皆から愛される人なのだ。親切な人、変な人、おせっかいな人、困った人。 ニューヨーカー達が著者と関わりを持たずにいられないのは、彼女が好奇心のアンテナをぴんと立てて日々を過ごしているからに違いない。セントラルパークを歩いていてホッドドッグやさんのおじさんに「ちょっと店番しててくれ」といきなり頼まれたり、エレベーターで見知らぬ幼女にしげしげと抱きつかれたり。 ニューヨーカーにもおそらく分かるのだ。「あ、この人なら分かってくれる!」と。 ベッドサイドに置いて寝る前に読みたい。きっと穏やかな夢が見られるだろう。
・「とても魅力的な街、そして同様の筆者に心ときめく想いがする…。」
「ダコタハウスの大晦日」から読み始めた読了日、電車内にいるにも関わらず、いつの間にか溢れてきた涙で一杯になった。私もかつてわずか半年ほどではあるが、秋から冬を越え、春先に至る季節をこのNYで過ごしたことがある。だからこの文章の底にあるミッツィの想いにより共感できたのかと思う。NYには不思議なパワーが集積しており(作者の言う「魔法」の源にいなっている…)、常に活き活きと生きることができる街なのだ。そうした街の魅力が彼女の身の周りを描いたこのエッセイの中にも溢れており、様々なエピソードが幾重にも重なりながら彼女がまるで私に話しかけてくれているような錯覚に陥る。「ニューヨークは”子どもの魅力”を色濃く残した」街であり、「だから私は今また、飛行機に飛び乗り…私の中の子どもを取り戻すために」行くのである。とても魅力的な街、そして同様の筆者に心ときめく想いがする…。
・「面白くもあり、違和感も覚えた」
色々なニューヨークの人の生活を知ることができるという点では面白い試みだと思った一方、一つ一つの文章の仕上げがいまいちな感じがした。あと、アパートの上の階の移民の話しには違和感を覚えた。ある人種の特定の人が問題を起こしていて、それに対してその人種全体を悪く決め付けて笑っている隣人に同意している作者の様子は悪い方向にアメリカナイズされた雰囲気が出ている。また、ホットドック屋台のおじさんの話しの部分で、(本当ではないかもしれない)作者が感じたことを決め付けのように書かれている点にも違和感を覚える。編集の方は読んでいて違和感を感じなかったのだろうか。
・「吉田さんの見た・感じた"CUBA"」
著者の吉田沙由里さんは2003年にスペイン語が全くわからない状態で初めてCUBAの地を踏んだとのこと。 その後約5年間の間におそらく何度もCUBAを訪れたのではないかと想像します。 ジャーナリストという言葉があまりにも安易に使われてしまい、“自称”ジャーナリストが世の中に氾濫している状況ではありますが、この本では吉田さん鋭い観察眼でCUBAの様々な側面を捉えている。 その意味で、十二分に読む価値のある作品であると感じました。
ただし、この本に描かれている“CUBA”はあくまでも著者である吉田さんの見た(=そして想像した)CUBAでしかないこと、これは強調しておきたいと思います。 特に現在のCUBAの政治や社会の状況について<断定的に>描写されている。 つまり、「〜だと思う。」ではなく、「〜である。」と書かれている。 自分の作品に説得力を持たせるために断定的な書き方をある程度していかなければならないのはもちろん理解できるのですが、その結果、書かれてあることのいくつかについては残念ながら「嘘」になっていたり、「不正確」になっていたりします。 ある状況を一般論として語ることは大変難しいことですが、やはり<断言>してしまうのにはかなりの注意が必要だと思います。
FIDEL CASTROという巨大な存在に対する感情、現状に対する不満(経済的側面だけではなく、政治的・社会的な部分についても)、CUBAの“世界に誇る”医療制度の実態(問題点)など、本では非常に広くカバーをされているけれど、著者は現時点ではまだまだその表面を眺めているだけで賞賛している、というように私には感じられました。
CUBAで生きている人々が、この本に書かれているほど希望や満足感を持って生きているとは私はどうしても思えません。
著者の吉田さんはジャーナリストの肩書にふさわしい行動力と観察眼をお持ちの方のようです。 ですので、ぜひとも今後もCUBAとの付き合いを継続し、第二弾、第三弾のCUBA本を書いて頂ければ嬉しいです。 まずは、より深くCUBAを知るために、まずは最低でも<2ヶ月か3ヶ月、できる限り一般のCUBA人と同じような条件でCUBAで生活をしてみることをお勧めします。 (我々はいつでも自由に国外に出て行ける、日本大使館を“頼れる”などの条件があるわけで、絶対にCUBA人と同じようになるわけはないのですが。)
吉田さんの次回作、そして今後の活動にも期待致しております。
集中して読めば1日で読めますので、忙しい方も手に取りやすいと思います。 お薦めします。
CUBAはとても複雑です。 今後もこのような本がたくさん出てくることを願っております。
・「まさかここまで行ったとは」
Cuba については革命家に関する本が多いのに,そこに住んで下から見たルポがなかった.この本のカヴァーの可愛い子供の表情に惹かれて読んで驚いた.確かにここには社会主義社会が実現されているが,経済的困難が余りに圧倒的で,のんびりやるしかない.ところがこれが国民性にマッチして,人民は闇市労働にも精を出して適当にやる.そうこうしている間にマラリアとジフテリアを根絶し,更に安くて高度な医者養成システムを完成させて,アメリカ人でも教えますよ,と言う恐ろしい事態になった.こうなるとただでさえ恐ろしいラテンアメリカがまさに恐怖の的で,アメリカとしては打つ手がないだろう.全く痛快である.ただ,本の記述はリアルな部分とどうしようもなく未消化な部分が混在していて,必ずしも読みやすくない.特に政治経済の大局観が欠けているので,社会の枠組みが見え難いのが欠点である.しかし,市民達の圧倒的存在感の前には,小さい欠点かも知れない.推薦.
・「メディアリテラシー」
縁あってキューバに関する本をたくさん書いておられる吉田太郎さんの講演に参加することができた。その場所でなぜか置かれていたのがこの本。先にこちらを読んでしまったのだが、私自身はキューバの都市農園のしくみにひかれて講演に参加していたので、この本に書かれてある、今のキューバという国の成り立ちがわかりやすく書いてあるものがありがたかった。
教育費無料、医療費無料、そして他国へ多大な支援。なによりも年をとるのが楽しみという老人たちの気持ちと「勉強が楽しい」という子どもたち。
まさに小さな国の大きな奇跡。いろんな問題は含んでいるけど、格差社会でワーキングプアたちの共産党員が増加していってる日本にも見習うことはたくさんあるのではないか。すぐに社会主義がいいというわけでもない。講演をされた吉田太郎さんもおっしゃっていた。
「注目すべきはそのしくみなのです」
モラルが低下し、儲かれば何をやってもOK。法のすき間をぬったビジネスで儲け、指摘されると「何も悪いことはしていません」という大人が多い日本。チェ・ゲバラが目指した「誰もが幸せに暮らせる社会」を実現しようと今も頑張ってる国がキューバなのではないか。
メディアでは報道されていない事実。アメリカ依存はそろそろやめて独立していかねば、私たちに幸せはこないような気がした。
余談だが、キューバは徹底した性教育と医療啓発でHIV感染率が世界一低い。そういうわけもあってか、黒人少年を買いにいく日本女性がいたそうな。つくづくやりきれない気持ちになる。
もう少し視野を広げて世界を見なくてはいけない。今できることをしていかねば、子どもたちに幸せな社会を残してやれない。この本はそう教えてくれた。
・「資本主義、金権主義の次のモデル?」
これまでは、キューバに対しては「反米」の印象だけを強く持っていました。
この本によって、キューバの新しい現実がとてもよくわかります。
そしてそれは、中国→インド→全世界と金権主義が拡大している我々の現状に対して、次の社会のモデルとなる雛形の一つを提示しているのかもしれません。
筆者の実体験を通じて、生活感まで身近に感じとれる、さくさく読み進められる良書です。
・「キューバの魅力満載☆」
遠い国だと思っていたカリブ海のキューバ共和国。この国の実態を知ることで、今日本人である私たちが必要とする生き方を考えさせられました。社会主義に対する誤解やキューバの歴史には驚くべき真実があり、読んでいて目から鱗が落ちる想いでした。とても面白いです。読んだあと、元気と希望を感じられました!
●ドット・コム・ラヴァーズ―ネットで出会うアメリカの女と男 (中公新書)
・「ある意味で画期的な書」
本書は、画期的である。第一に、非婚化・晩婚化が進む現代において、ネットお見合いやネット恋愛はもっと奨励されるべきだと私は思っているが、世間は依然として、「セックス目当ての出会い系」への偏見を持っている。サクラだらけのサイトは問題外だが、ちゃんと恋愛や結婚の相手と出会えるサイトはある。それを、女性学者が実践し、こうして本として世に出した。第二に、日本の女性学者は、フェミニズムやらジェンダー論の優等生的な論文を書いて、セックスについても先鋭的なことを言いつつ、自分自身の恋愛やセックスについて語る人があまりに少ない。この著者は、それを書いた。ハワイ大学教授(40歳)だからこそということもあろうが、日本出身の日本人であることを思えば、画期的である。 文章は依然として優等生的、あるいは英文和訳調のところもあるが、以上二点から、高く評価したい本だ。
・「恋愛に対する著者の姿勢が魅力の本です」
著者が、オンラインデーティングシステム(オンライン上に写真やプロフィールを載せて、好みのデート相手を探すシステム)を利用して出会った男性やその男性とのデートの感想を書いた本です。
副題に「ネットで出会うアメリカの女と男」とありますので、ネットを利用したアメリカの恋愛事情の解説や紹介だと思ってこの本を読むと、期待はずれに終わります。書かれている内容は、著者が関心をもった20人近くの男性の一人一人を例にあげた、恋愛に対する著者の価値観が8割、残りの約2割が男性の背後に見えるアメリカ社会の一面です。アメリカ社会の一面といっても、きわめて個人的な例なので、それがアメリカ社会を考えるのに良い例かどうかは、疑問が残ります。
では、この本はつまらなかったかというと、私には面白かったです。著者の恋愛やセックス体験がメインに書かれていますから、くだらない話といえばくだらない話なのですが、出会いやデートをあれこれ理屈をつけながら楽しむ著者の姿勢に面白さを感じました。本書に記された著者の行動に好感が持てるかどうかが、この本の評価を大きく分けると思われます。
・「ドラマ化希望」
ハワイ大学教授の著者が,サバティカルでニューヨークに行ったときに始めた,オンライン・デーティング体験を綴った本.しかし,著者の主眼は「私がインターネットを通じて出会った男性たちの姿と,私と彼らの関係を通して,私の主観以外のなにものでもない,現代アメリカの断片像を描くことにある」.著者のブログをみても,その点は強調されている.
私もアメリカで暮らしたことがあるが,アメリカ文化の専門家が書いた本だけに,とても勉強になる本だ.一方,著者と男性たちの関係が,とてもリアルに,緻密に,巧みに書けているので,現代アメリカの断片像よりも,話の面白さの方に夢中になってしまうのも事実.小説的な読み方も可能だ.また,興味本位に,エリート女性のニューヨーク・ホノルル恋愛体験,みたいな読み方もできるだろう.
「現代アメリカの断片像」として読むか,「エリート女性の恋愛体験」として読むか,読者の品格を試す挑戦的な本とも言える.
個人的には,著者の文体がとても気に入った.シンプルでタイトで無駄のないリズミカルな文体で,いまどきの人文系学者が書いたとは思えない.アメリカの大学で,なおかつ人文系でテニュアを取っただけに,鍛えられ方が違うということか.
あと,現代のアメリカを描くドキュメンタリー風のドラマにしたら,みんな見ると思う.というか,著者が断らなければ,テレビ化されるような気がする.
・「インテリ女性版成田アキラ」
大学の先生が自分のプライドにかなうようなそれなりの経歴や職業の相手と、出会い系サイトを通じて出会い、食事とか会話とかセックスとかをしたりするエピソード集。「こういうインテリな人たちも出会い系を使っている」ということを紹介したという点では、その世界を知らなかった人(私もそうだ)にとっては興味深い本だった。最初の読後感は「インテリ女性版成田アキラ」。何に価値をおいているかは成田アキラとは異なりますが。
著者はセックスを日常的にしなくなったあとも「いい関係」が続くことに価値を見出しているように見えたが、個人的には「そういうのはどっちでもいいや」と思っているので、その手の自慢っぽい描写が時々出てきたりすると率直に言って「なんだかなあ」と思った(あくまでも私個人の好みの問題ではありますが)。
やや物足りない点もある。セックスをしたという話は出てくるものの、性行為そのものの描写があまりにも淡泊な点だ。「人間的で日常的なアメリカ」を伝えるというのであれば、そこにまで踏み込んでほしかった。
なんか文句ばっかり書いてしまいましたが、買って読んで損はしなかったです。知らない人のプライベートを覗くのは楽しいです。
・「知的女性のプライベート」
女性大学教授がここまで自分のプライベートをさらけ出せるものなのか。米国におけるインターネットデイティング云々よりも、吉原真里とはどんな人なのかという部分に想いがいってしまう。ある種健全な新しい出会いの場が出現したということだろうか。独身者がうらやましい。
・「米国の論点」
米国の諸問題。戦争、格差、移民、グローバリズムなどについて論ずる。包括的なので各問題に対する突っ込みはやや浅いが、アメリカの空気を知るには良い入門書。レビューなので詳細は書かないが、オバマの言ってる“融和”の意味がようやく理解できた。 リベラル派の格差是正策にしても、単純に弱者保護は謳わず、グリーバル化への対応を後押しする支援策中心なのはさすが。米国の特権は、常に過ちを認めて対応できること。変化へのスピード、意欲だ。これがあるかぎり、アメリカが沈むことはないだろう。「政策から米国色をそぎ落としても、問題は解決しない」とは良い指摘。
・「深みのある「グローバル・アメリカ」のルポ」
グローバル化で外に開かれた経済と、対テロ戦争で内向きな政治。どちらもアメリカ国内で激しい摩擦を引き起こしている。底辺というか市井の人々を取材してその摩擦の現状を報告した。
かつては南部や大都市などに偏在していたメキシコからのヒスパニック系不法移民が今は全土に広がっている。元住民の激しい警戒感とヒスパニックの不満、しかし、ヒスパニックなしに産業は成り立たない。メキシコ人の不法入国を防ぐ国境の壁まで不法移民が作っているというジョークのような話も。NAFTAの取り決めでメキシコ人の運転するトラックが米国内に入ることになったが、アメリカのトラック野郎たちは「テロの温床になる」「環境に悪い」「俺たちが失業する」と憤る。また、高度な知識があれば安全と思いきや、いまや法務までインドにアウトソースしてしまうほどグローバル化が進んでしまった。イラク戦争などの記述もあるが、人種と経済の問題がよく描かれていた。
読んでいて、やはりグラスルーツ、底辺の生の声がアメリカを体現していると感じた。上質なルポで、アメリカの現状をよく浮き彫りにしていると思う。
・「内田樹の正体見たり」
まず、まえがきを読んで思う。これ、ほとんど自分が周りの友人たちと普段話していることと同じじゃん。ということは、「われわれ」と著者はほぼ同じような情報に触れ、同じような分析をしているということになる。つまり、たぶんアメリカと全世界についてある程度アンテナを張って、分析するトレーニングを普段からしている人間にとってはほぼ共通の認識であると思われる。これは別に著者を貶めようと思って書いているのではなく、その逆である。かれの分析に妥当性があることをいいたいわけである。 内容、食物のところはかなり異論があるが(どうしてアングロサクソンの食事への冷淡さとジャンクフードの政治性を無視するのだろう?)、他はだいたい妥当な分析だと思われるし、何よりアメリカ論ということもあって他の著者の本とは論点がかなり違っているのはファンとしては嬉しい。 しかし個人的には本書を読んでいて今まで気付かなかった著者の「政治性」に気付いたことが一番の収穫であった。著者が幅広い人気を得ている理由は何だろうか? いろいろあると思うが、アメリカ論というこれだけ政治性のつよいテーマなのにも拘らず、著者自身の政治的スタンスがまったく見えてこないのだ。つまり、この意識的な、自らの「政治性」の消去がポピュラリティの秘密の一つなのだろう。この村上春樹の人気にも通じる政治性のなさ、ちょっとずるいな、と感じた。
・「面白い、が、これでアメリカについて知ろうというのは…」
内田樹という人は、分かり易さ、レトリックの豊富さ、説得力という点において、現代日本で群を抜いている著述家だと思う。それを踏まえて言うのだが、この本は「アメリカ論」としては、どちらかといえば失敗作だろう。今の日本について知るためには、アメリカについて知らねばならない、という着眼点は良いと思う。しかし、本書がその要望にこたえているかどうかはよくわからない。たとえば本書の第3章で、著者はアメコミによく現れる説話原型(世界に平和をもたらしているのに、その巨大な力のせいで決して人には好かれないヒーロー、という図式)が、アメリカの国際社会におけるセルフ・イメージを表していると説くが、仮説としては興味深いし、印象としてなんとなくそんな気がしなくもないものの、実証すべき論点は(かなり)多いだろう。第8章のアメリカ人の身体をめぐる話でも「(均整の取れた)モデル化された体型に大変な克己心を以て自分を『合わせる』のか、それともそのような自制を放棄してでぶでぶ太るか、二極分化してしまっている」と書かれているが、いくらなんでも「二極化」というほど極端ではあるまい。アメリカについての統計とか、生のアメリカ人の声などではなく、書物や映画などに基いている知見が本書のほとんどを占めているので、内田氏の持ち前の鋭いレトリックが空転しているような印象がところどころに見える。あくまで本書で説かれていることの多くは、検証されるべき仮説であり、それを踏まえて読むべきだろう。それを踏まえさえすれば、内田氏の曲芸的な論理を楽しむことができる、お得な本であるといえる。
・「「誰でも言いそうなこと」は書いてない」
内田さんの著作ではいつものことですが、「誰でも言いそうなこと」は書いてありません。なかでも、一部のアメリカ人の異常な肥満ぶりについて、「記号としての肥満」「階級的異議申し立てとしての肥満」「豊かな文化資本を享受できない社会階層の怒り」と解釈している部分などは、大いに納得してしまいました。
・「良質なアメリカ論」
アメリカ論として、読みやすく、射程距離も深いですね。 トクヴィルの議論をきちんと下敷きにして、現代アメリカを平易な文体で解説しています。 また、構造主義的評論の良質なものでしょう。 つまり、ある問題を論じるのに、様々な事例から、同構造を取り出すスタイルです。しかし、80年代に流行ったレトリカルなものではなく、平易で、真摯です。 「スローフードの排他性」「『ガンダム』型物語が、アメリカで流行らない理由」「ハリウッド映画の子どもが、乱暴である理由」「連続殺人鬼こそ、無個性」「低所得層が『ジャンクフードで、つい太ってしまう』という選択肢を敢えて選んでしまう動機(経済学とは異なる水準での説明)」等、読書意欲をそそるテーマが目白押しです。 版元のNTT出版は、ヒット作に恵まれていないようですが、本書は長く読み継がれるであろう良書であり、企画者の功労は評価されるべきでしょう。
・「アメリカに欲望する」
要するに、アメリカというのは史上まれに見るナルシストなのだ。
そもそもアメリカというのは、設立において理想が実現されていた(とされている)国であり、他の国とその点で大きく異なっている。したがって、アメリカの統治システムは、理想を実現するためではなく、実現された理想を維持することに焦点があてられている、と著者は指摘する。確かにその通りなのだと思う。アメリカにとっては、存在そのものが理想であり、最大の愛の対象であり、また、そうでなくてはならないのだ。
ぼくたちは、日常レベルでナルシストに接したときに「変なやつ」と思いつつも不思議な魅力を感じることがある。フロイトも、「自己のナルシシズムを最大限に放棄して、対象愛を求めようとしている男性にとっては、ナルシシズムをそのまま維持している人物が非常に強い魅力を発揮する」と考えている。これ、男性に限ったことではないような気がするし、もう少し大きなレベルで、国単位でもあてはまることかもしれない。
こういう仕組みで、ぼくらは変な国、アメリカの事物に喜んで飛びついたりするのだろう。
−−−こんな感じで、「日本人はどのようにしてアメリカを欲望しているのか?」ということについて考察している一冊である。「欲望のありかた」というのは著者の作品に一貫して伏流して存在するテーマであり、そのために、著者の専門外のテーマながら的を射た考察に溢れているように思う。とても身近ではあるが、実は得体の知れないわれらが盟邦(?)について考え直すよいきっかけになるのではないかと思う。
・「ルート66本のベストです!」
この著者の「オールドハイウェイルート66の旅」に出会い、2005年に女2人でレンタカーを借りてルート66を旅行しました。新刊の「ルート66、66のストーリー」は、旅行ガイド的な章や、短編小説のような章があり、読み物として最高に面白いです!ルート66本のベストです☆著者の人生観もいくつか挿入されており、私は31章に勇気づけられました。ルート66の周辺や、アニメ映画「カーズ」への寄り道も多く書かれており、私的には◎です!!
・「自分だけのルート66を見つけるために」
ルート66を旅することは自分だけの道を見つけることなのだ。
実際、現在では公式には廃止されてしまったルート66には年代ごとにいろいろなルートが存在するし、古い道路の横に新しい道が作られているところもある。あるところでは高速道路になっているので、高速を行くか、側道を走るか、どちらを選択するかでも、実際に通るルートは異なる。
当然、途中で見かける景色や立ち寄る店、出会う人々も、この道を旅する人によって、出会いは様々である。それらの偶然を積み重ねてルート66を旅していると、最後はそれぞれの旅人のその人だけのオリジナルのルート66ができる。
10数年前にルート66を旅してからずっとそんなことを思って来たのだが、うまく言葉にして説明できずにいた。それを大塚さんが言葉にしてくれた。そしてこんな素晴らしい本にまでしてくれた。
この本は、著者がルート66を旅して体験してきた無数のエピソードから66のストーリーを綴ったもの。便宜上66の項目に分けられているが、込められた情熱と情報は膨大なもので、ルート66について書かれた日本語の本の決定版と言っても過言ではないだろう。
ルート66に行ったことのある人も、これから行きたいと思っている人にも、単なるガイドブッックではない、ルート66の魅力を伝え共感を与える、ルート66に感心のある人にとっての必読書です。
著者からのメッセージ「67話以降の旅を実現するのはあなただ」にあるように、それぞれのルート66のストーリーを紡ぐために、まずはこの本を読むことをオススメします。
・「等身大で語る著者の魅力」
著者のHPで新刊が出る事を知り、心待ちにしていました!66話のエピソードが書かれたこの本は、まだ一部しかルート66を走ったことのない私にとって、宝石箱のフタを開けるようにワクワクと楽しく読めました。私がこの著者のルート66シリーズを勧める理由は、どの本でも著者が等身大で語りかけてくれるからです◎「夢は次の人にバトンタッチしていく事に価値がある」と著者は語り「67話以降の旅を実現するのはあなただ」と語りかけてくれます。巻末の「ルート66を旅する」の章は海外旅行者にとって、とても参考になります!
・「おもしろいの一言では片付けられない」
この著者のルート66に関する本はこれで2冊目だが、この新刊は前作とは違って読み物として面白い! 前作はガイド本的要素が強かったが、今作は『ルート66を走ったエッセイ』と言った感じだろうか? ルート66を実際に走って、その旅の途中で出会った人達との《ふれあい》や、著者のルート66に対する《思い》が、沢山詰まった一冊になっていると思う。 ベストセラー間違いナシ(笑)
・「「R66」のバイブルというべき本」
この本はR66を知らなかった人、既に行った事がある人など全ての人に対しても読み応えのあるエッセイ集です。いわゆる「ガイド本」ではなく、作者が感じたそれぞれの土地での風、匂い、音が読者にも感じられ、R66に行きたくなる事間違いないです! ネイティブアメリカンの人との出会い、ふれあいを通じて我々が思い描いていたイメージと違う「もう一つのアメリカ」又は「古き良きアメリカ」が未だに健在である事がハッキリと感じられます。
人生観が変わったと言っても過言ではないアメリカの大自然の雄大さや、そこで暮らす人々を通じて、R66というものがハッキリと見えて来るのではないでしょうか。
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