シンプルアマゾン:

[Simple Amazon Store]

-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-PCソフト-PC&電子機器-家電&雑貨-時計&バッグ-アパレル&シューズ-スポーツ&アウトドア-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-アダルト | モバイル版(ケータイ)

▼ドイツ・オーストリア史:人気ランキング

夜と霧 新版夜と霧 新版 (詳細)
ヴィクトール・E・フランクル(著), 池田 香代子(翻訳)

「真摯な解釈の結果、より原書の雰囲気に近づいた」「旧版との比較」「名著復活」「収容所は今もある。あなたのそばに。」「定評どおりですっ!」


ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書)ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書) (詳細)
芝 健介(著)

「「差別」が「絶滅」へ傾斜する道」「悲劇は直視しなければならない」「基本的概説書としておすすめです」「ホロコーストの全体像」「虐殺へ至る複数の道筋」


ドイツ史10講 (岩波新書)ドイツ史10講 (岩波新書) (詳細)
坂井 栄八郎(著)

「対象となる読者はどんな人たちなのか」「著者のストイックな態度が心地よい読書体験を生む」「コンパクトで要領を得たドイツ民族の歴史」「ドイツ史の流れを知るのに好適」「良い感じ」


ハプスブルク家の女たち (講談社現代新書)ハプスブルク家の女たち (講談社現代新書) (詳細)
江村 洋(著)

「同じ著者の「ハプスブルク家」とあわせて読むとハプスブルク家通になること間違いなし」「文章力がすごい」「ハプスブルクの家系図が巻末にあることにご注意を」「知られない女性たち」「入門しました!」


戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書)戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書) (詳細)
菊池 良生(著)

「読みにくい」「30年戦争を知る唯一の本」「歴史文学的な味わいをもった三十年戦争史」「いま少し新しい観点を」「宗教対立から国家対立の時代へ」


不屈の鉄十字エース―撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生 (学研M文庫)不屈の鉄十字エース―撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生 (学研M文庫) (詳細)
レイモンド・F. トリヴァー(著), トレバー・J. コンスタブル(著), Raymond F. Toliver(原著), Trevor J. Constable(原著), 井上 寿郎(翻訳)

「前人未到の352機撃墜エース」


続・わが闘争―生存圏と領土問題 (角川文庫)続・わが闘争―生存圏と領土問題 (角川文庫) (詳細)
アドルフ ヒトラー(著), Adolf Hitler(原著), 平野 一郎(翻訳)

「補完」「ヒトラーは、極限に置かれたときの人間の行動を鋭く見抜いている!」「ヒトラーを知る参考書として」


捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫) (詳細)
パウル カレル(著), ギュンター ベデカー(著), Paul Carell(原著), G¨unter B¨oddeker(原著), 畔上 司(翻訳)


ティーガー戦車隊〈上〉―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録ティーガー戦車隊〈上〉―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録 (詳細)
オットー カリウス(著), Otto Carius(原著), 菊地 晟(翻訳)

「WWIIの戦車エースが語る人生読本」「序文要注意」「英雄像に当てはまらない戦車戦エースの私的な戦い」「“虎”の強さは、努力・献身・勇気の賜物だった」「読後感」


ドイツ第三帝国 (中公文庫)ドイツ第三帝国 (中公文庫) (詳細)
ヘルマン グラーザー(著), Hermann Glaser(原著), 関 楠生(翻訳)


↓このカテゴリをもっと見る

▼クチコミ情報

夜と霧 新版

・「真摯な解釈の結果、より原書の雰囲気に近づいた
訳者が変わり、文体がシンプルなものになると同時に、旧版についていたアウシュビッツに関する資料がなくなった。これは前の訳者の主観を読者に植え付ける要素が強く、著者の客観的な姿勢に反した余計なものだと思っていた(この点で旧作は本としては星四つ)ので、本としてソリッドに著者の意思が統一された形となった。

この本が生きるヒントを与えてくれる類の本だと受け止められたのは、単純にナチスの非道さが記されているからではない。凄惨な極限状況の中で人と悪魔を分けたのは、ユダヤ人とドイツ人という人種ではなく、勝者と敗者といった立場でもない、普遍的な人間性や良識を維持できたか否かという個人の内面の充実に答えを求めているからだ。つまり、現在平和な状況で生きている我々も、この答えを持たないため、少し状況が変われば獣に落ちてしまいかねない不安定な存在なのである。自分の凄惨すぎる収容所の経験と平和な状況での混迷を真摯に同列として扱って答えを探そうとするところに、本書が人々の心に直に響く要素があるのではないか?そういう原書の持つ哲学書としての真摯さを尊重すれば、これくらい簡潔にライトな和文で記述されるのが、相当であり、妥当な選択であるといえる。

それにしても、作品の本意に従うためとはいえ、戦争ドキュメンタリーとして秀逸な旧作にあえてメスを入れ、大幅なスリム化を施すのには大変な勇気が要ったことだろうと思う。戦争を軽視しているなどといった不本意な批判が起こることへの恐れもあったに違いない。しかしそれでも原書への忠実さと、本書が持つ「普遍的な平和」への飢えの訴求力を信じた出版社と訳者に敬意を表したい。

・「旧版との比較
「夜と霧」には旧版がありますが、それとの相違点について書いてみたいと思います。

まず、旧版は1947年、新版は1977年に刊行された原典をもとにしています。1977年版にはいくつかの改訂が加えられていますが、1947年版の主旨が置き換わるほど大きなものではありません。

次に、旧版は上智大学名誉教授の霜山徳爾氏、新版はドイツ文学翻訳家の池田香代子氏が翻訳しています。霜山氏の訳文は学者らしい切れのある文体、池田氏の訳文はていねいな読みやすい文体です。

最後に、新版には旧版にあった「解説」「写真図版」という資料が削られています。「解説」はドイツ強制収容所の過酷な実態を70ページ近くにわたって緻密に説明したもので、「写真図版」はそれを視覚的な面から補足しています。

私個人としては、良かった点もあれば残念な点もあるので評価は星3つです。良かったのは池田氏の訳文が「夜と霧」を新しい側面から照らしてくれたことです。ただし、新版が登場したからといって、旧版すばらしい訳文の価値が下がることはないように思います。

残念だったのは資料が削られたことです。私の場合、フランクルの言葉にどれほどの重みがあるかが資料を読むことではじめて分かった面もあったからです。「この本を若い人に読んでもらいたい」のが新版刊行の理由だそうですが、それならなおさら資料に意味があったのではないかと思います。

総じて新版は旧版と比較して「軽くなった」という印象です。文章は読みやすくなり、資料は削られました。ただ、このような本を軽くしてよいのかには疑問があります。旧版を手にする機会があれば、一読することをお勧めします。

・「名著復活
どうしても旧版と比べられてしまいますが、改訂された原書の翻訳ですから、単なる改訳だと思ってはいけません。旧版も絶版にはなっていないようですので、ともに存在価値があると思います。さて、この機会に旧版ともども一気に読みました。比べるつもりはないものの、やはり「差」は感じます。それは出版された時代背景についてです。

ホロコーストそのものについての情報が乏しかった旧版の時代と、それらを予備知識として前提できる今日との差は、あきらかにあるようです。それをもって旧版は重く新版が軽いと言っては正鵠をえていないでしょう。この本は、悲惨な状況を冷静にかつ客観的に書いています。決して、悲惨の原因を糾弾することではなく、淡々と書いていることが印象的です。

その雰囡?気を、新版もあますところなく伝えています。旧版に比べて軽いと感じるとすれば、それには読みやすい文体が寄与しています。原著もこんな「感じ」なんだろうと、私には思われます。

・「収容所は今もある。あなたのそばに。
~æ-°ç‰ˆã¨èžã„て買ってみた。以前のものではé€"中に白く分厚いç'™ã«ãªã£ã¦ã„る部分があり、そã"に写真があったようなæ°-がするが、ã"れにはない。その写真が収容所の恐æ€-感ã‚'感じさせて緊張ã-ながら読ã‚"だ記憶がある。残念ながらæ-§ç‰ˆã¨ç›'接æ¯"べたわã'でないので、印象でã-か述べられないがã"ちらのæ-¹ãŒèª­ã¿ã‚„すいと感じた。それと、もう一つ発見があった。~~以前読ã‚"だときには、ナチス収容所の恐æ€-と狂æ°-、絶望感と焦燥感ã‚'強く感じたが、今回はã"の本のæ-‡ç« ã«é›†ä¸­ã-て読むã"とで、収容所ã‚'越え身è¿'なものへの恐æ€-と狂æ°-ã‚'感じてã-まった。æ®'られるã"とがつらいã'ど、あã-ã'りながらわらわれながらæ®'られるã"とが特につらい、というè'-è€...のコメントã‚'読ã‚"で、学校や若è€...同士でのいじめやæš'力ã‚'連想ã-ã!¦ã-まった。恐~~æ€-と狂æ°-による人é-"の尊厳ã‚'おとã-めå'½ã¾ã§å¥ªã†æ§‹é€ ã¯ä»Šã‚‚ã"のæ-¥æœ¬ã®ã"く身è¿'に存在ã-ている。不戦だとか平å'Œã ã¨ã‹ã€ãã‚"なレベルではなくてもっと身è¿'に『現代の収容所』はあり、その中で尊厳ã‚'奪われå'½ã‚'落とã-たものがいるではないか。~~ã"れã‚'感じられたã"とが大きかった。フランクルがç"Ÿãã‚‹æ„å'³ã‚„人の尊厳ã‚'最優å...ˆã-た心強いè'-作や講æ¼"æ'»å‹•ã‚'行ったのは、収容所と同じ構造ã‚'あちã"ちで感じ続ã'たからなのだろうか。もã-かすると、フランクルã‚'知る人にはå½"たり前のã"となのかもã-れないが、ã"の私はã"のã"とにæ°-づいていなかった。読む価値あり。やはりã"の本が彼のæ'»å‹•の原点。~

・「定評どおりですっ!
ナチスの強制収容所でのさまざまなことを精神医学者の立場から描いたノンフィクションです。僕は以前から一度はこの本に触れておきたいと思っていたので大学の休みを利用して一日かけて読んでみました。感動しました。僕はこの本のすごいところの一つは以前から言われてきた人間性に対する鋭い洞察を強制収容所という事実を元に裏付けたことだと思っています。例えば、人間本来が持っている限りない強さ・可能性・良心、また自犊意志です。それは以前から言われていました。しかし信じる人も信じない人もいました。それをフランクル強制収容所という地獄(誰もが骸骨に薄皮一枚を来たような状態で死を待っている状況を想像していただきたい)の最中にあっても通りすがりの人に思いやりのある言葉をかけ、なけなしのパンを譲っていた人々の存在を描写することで裏付けました。それが全世界の人々に人間性に対する希望と信頼を与え、また読者自身の中に本来備わっている最高に尊貴なものに気づかせたのです。また、感銘を受けたことの一つとしては「わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているのが問題なのだ」があります。また、「およそ生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在ははじめて完全なものになるのだ」との一節には収容所を生き抜いた人間の奥深さを感じました。「一番、苦しんだ人こそ、一番、幸福になる権利がある」というある人の言葉を思い出しました。是非是非読んで頂きたい。あなたがこの本を読むことが不戦への一歩にもなります。何より自分と他者の人間性に希望を見いだすことができます。

夜と霧 新版 (詳細)

ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書)

・「「差別」が「絶滅」へ傾斜する道
マクロな視点でナチスのユダヤ人政策の過程を書いた本書は、ナチスが強権性を強めるにつれ、始めは財産収奪など社会からの追放だった差別政策が、やがてゲットーなどの物理的隔離、ついに絶滅へと進んでいく様子を冷静に記述している。個別の悲劇は日本でも紹介されることは多いが、ナチスの政策決定についてはヴァンゼー会議が取り上げられる程度で、歴史を一貫して振り返った本はあまりない。著者の前作「武装SS」も組織図や拡大の経緯が書き込まれてよかったが、本書も丁寧に政策史を追ったほか、収容所での行為も多く記されている。ホロコーストはドイツの行為だったのでドイツ国内での被害者が多いのかと思っていたのが、著者作成の表を見るとポーランド在住者が半分を占めていることに気づいた。

縦書きの本文に対し、人物解説を横組みにしたほか、年表が付記され読みやすい。また、文末に独米で議論された「独ソ戦でホロコーストになってしまったのか、当初からナチスは絶滅を意図していたのか」の論争やホロコーストへのヒトラーの関与の問題など、簡潔なホロコースト研究史の推移が紹介されており、日本国内だけで議論されがちなホロコースト論について、広い視野を与えてくれる。著者は文末で「書き足りないことが多すぎる」としているが、新書の読者にとっては適切な内容、分量になっていると思う。

・「悲劇は直視しなければならない
20世紀最大の惨事と言われながらも、ホロコーストについては記録が少ない。何より当事者であるユダヤ人がほとんど存在していない。さらに、敗戦と同時に資料の多くが処分されたし、ヒトラー自身がユダヤ人政策についての命令は口頭で行い、幹部が具体化するという形態をとっていたためでもある。それゆえ、ユダヤ人問題の「最終解決」が、いつ・どのような契機で決定されたのか、未だに不明であり、ヒトラーの意図に帰する意図派と、当時のナチスと官僚機構との総合的犯罪であるとする機能派との論争・検証(中にはヒトラーはホロコーストに関与していないとする議論まである)が続いている。そのために、多くの人にとってホロコーストは「ナチスがユダヤ人を、強制収容所で絶滅しようとした政策」という認識以上の理解はなされていないし、そこから先には誤解も多い。本書はホロコーストをめぐる私たちの漠然としたイメージから一歩踏み込んで、誰が、どこで、なにをしてきたのか、新書サイズでありながら正確な理解を目指した良書だと思う。ヒルバーグの本格的著作を読む前の入門編として最適。

・「基本的概説書としておすすめです
ドイツ現代史の専門家として有名な芝氏による基本的解説書です。歴史学者としては書き足りないところがたくさんあるようですが、内容もコンパクトにまとめられており、基本的という評価を越える内容の豊富さです。やはりホロコーストが議題なら3巻くらい欲しいところですね……

・「ホロコーストの全体像
ホロコーストは、アウシュビッツがその象徴と化してしまっているため他の収容所が取り上げられず、残虐性ばかりが強調されて全体像が語られない、と言った傾向が強いのではないかと思う。かくいう私も小学生の頃からアウシュビッツを知っていたが、ホロコーストの全体像は本書で初めて掴んだ次第である。

ただし、著者があとがきで触れているように、ホロコーストに関する全てを扱っている訳ではない。加害者側から見た基本的事実の整理を主としている。著者が列挙した本書が取り上げなかったことの中で、「圧倒的多数の人びとがどうして無抵抗に殺害されたのか」などは個人的に興味があるので、他書を当たってみようと思う。

・「虐殺へ至る複数の道筋
 ホロコーストというと,ヒトラー率いる狂ったナチスが計画的にユダヤ人を虐殺していった,という風にイメージしてしまうが,現実にはそう簡単なものではなったようだ。 ユダヤ人を国外に追放しようとする段階,それがポーランドなどの占領によりユダヤ人自体が増加して破綻し,ゲットーに隔離する段階,それが,独ソ戦開始により現地で始まった大量虐殺を経た,ガスによる大量虐殺。 また,アウシュビッツなどの強制収容所自体がユダヤ人虐殺のために作られた施設であると言うイメージがあるが,実際には,これらこれら強制収容所・労働収容所と,ラインハルト作戦などで作られた絶滅収容所とは概念的に異なること。 こうした,ホロコーストの初歩的なところを理解するのに適した本だと思う。

ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌 (中公新書) (詳細)

ドイツ史10講 (岩波新書)

・「対象となる読者はどんな人たちなのか
△ドイツのことには関心がありますが、なにしろきちんと勉強したわけではないので、興味の赴くに任せて手軽な読み物を手にしては読み飛ばすということを日頃から続けています。この本もドイツ史について新しい知識を得るという意味合いよりもむしろ、今までいろいろと読んではきたけれどうろ覚えなこと、または既に忘れてしまっていることをおさらいするという目的で読みました。そうした目的を持つ人には手ごろな書ではないでしょうか。

▼しかし気になることがひとつあります。「若気の至りの新皇帝ヴィルヘルム二世の不見識な行動(デーリー・テレグラフ事件)」というのが何を意味しているのかについて詳しい記述がない一方で、「水晶の夜」のことを「党の指令で集団的に襲撃され破砕されたユダヤ人商店のガラスが散乱した様をいう」と比較的詳しく注釈がされています。この書き方からは、「デーリー・テレグラフ事件」の方が「水晶の夜」より相対的に知られているという前提があるものと著者が考えていると思われます。しかし私は「水晶の夜」が何を指すのかは既に知っていましたが、「デーリー・テレグラフ事件」というのが何を指すのかは今もって分かりません。この二つの歴史的事件に関していえば、私程度の知識が世の中では一般的ではないでしょうか。  

  このような具合に、こちらの知識の多寡と本書の詳解ぶりがかみ合わない箇所が他にも散見されました。ですからどういう知識量を持った読者をターゲットにして編まれた本なのかということが少々気になりました。

・「著者のストイックな態度が心地よい読書体験を生む
本書は複雑なドイツ史の流れをコンパクトに整理して、新書サイズにまとめた本です。歴史の本をそれなりに読んだ人は経験があると思うのですが、通史を描いた概説的な本の場合、表面をなぞった無味乾燥な記述になりがちです。また、それなりに詳しく記述した本の場合は、それぞれの時代の専門家が章ごとに分担して執筆するのがふつうです。そういった本の場合は各章がおもしろくても、前後のつながりがなく、通史がスッキリ頭に入るとは言えません。その点、本書はドイツ近代史の大家が一人で通史を書いているのが特長です。しかも専門外の部分の元ネタも明かしています。こういったストイックは本は貴重です。ドイツ史は複雑です。そもそも「ドイツ」領域がどこまでを指すのかも一定していません。しかし、本書では神聖ローマ帝国のころの領邦国家の分裂状態が近代ドイツの統一後も影響を及ぼし続けたことや、「ドイツ」領域への強いアイデンティティと、一方で分裂状態が解消しがたいこととの天秤状態が、新しい「ヨーロッパ」モデルを提示していることが理解できます。高校時代に暗記したキーワードが点から線へとつながる感覚を味わうことができました。

・「コンパクトで要領を得たドイツ民族の歴史
 本書は、ローマ帝国期以来のドイツ民族の歩みについて、「ヨーロッパの中のドイツ」といった観点を縦糸としつつ、極めてコンパクトな形で分かり易く解説するものです。二千数百年の歴史を10講に分け、その後のドイツの運命に大きな影響を及ぼした場面に注目しつつ、各時代における政治的・社会的な発展状況や欧州国際社会との関わり合いなどを、メリハリを十分に利かせながらテンポ良く説明しています。 一国の通史をこうした形で一冊にまとめるのは大変なことだと思います。そうした作業の過程では、どういった時代や出来事を重視しているか、その国の歴史の流れをどういった視点から捉えているかがストレートに問われます。そうした意味で本書は、そのコンパクトさや平易さにかかわらず、坂井ドイツ史学の集大成であり、また坂井教授によるドイツ認識そのものを語るものと言えます。 「ドイツというものに対する捉え方」という意味で本書が成功しているか否かについては、もとより西洋史ファン諸兄の評価に俟つしかありません。しかしながら、小生としては、この本を読んでみて、現代ドイツの国としての姿の由縁や欧州におけるドイツの存在感の背景といったものが、おぼろげながらもイメージできたように思いました。

・「ドイツ史の流れを知るのに好適
本書は「あとがき」にあるように柴田三千雄氏の『フランス史10講』とセットになった叙述である。「フランス史」の方が先に出るのが望ましいが、出版の事情で本書(「ドイツ史」)の方が先に出たそうである。さいわい、小生は「フランス史」の方を先に読んだので好都合であった。西ローマ帝国滅亡後の混沌としたヨーロッパにどのようにしてフランス、ドイツ、イタリアといった国民国家が生まれてきたか、そして夫々の国民のアイデンティティはどのようなものなのか、といったところに知的好奇心がくすぐられていた。本書はローマ帝国時代のドイツから始まり、二千数百年の歴史を大きな概説書の縮刷版ではなく、著者の捉え方により10講に分けて記述されている。コンパクトながらドイツ史を知るよい入門書であり、また自ずから著者のドイツ史となっている。

・「良い感じ
小著ながら、良い感じ。わずかなページ数のなかに重要な情報が織り込まれて、かつ読み物としてメリハリがあって面白く読める。

文中に著者の師匠として、堀米庸三や林健太郎など懐かしい名前があがっていた。そこから著者自身の視点も、おおよそわかるような気がした。

徳川幕藩体制は300諸侯だったか・・・。

ゲルマンの諸部族(6つほど挙げてある)が、金印勅書の選帝侯は7に、ナポレオンによって、300の大小領邦国家が40ほどに整理される。ビスマルクの頃、25にそして2008年現在、ドイツは16州。ザクセン、バイエルンなどの王国と、ケルン、ブレーメンなどの都市は古くから顔を出す老舗なんだと思った。

ドイツ史10講 (岩波新書) (詳細)

ハプスブルク家の女たち (講談社現代新書)

・「同じ著者の「ハプスブルク家」とあわせて読むとハプスブルク家通になること間違いなし
江村氏には「ハプスブルク家」という名著があるが、それを通史とするならば、ハプスブルク家に生まれた、あるいは嫁いで来た女性に的を絞り、関連する事件にも触れた本書は、列伝を読むような面白さに満ちている。同家に関心のある人は、江村氏の「ハプスブルク家」と本書とを買って、まず「ハプスブルク家」を先に読むとよい。どちらの本も平易な文章で実にわかりやすい。ただ、「ハプスブルク家」は同家全体を総覧できる系図がなかったが、本書の巻末にはそれがある。よって、その系図を参照しながら「ハプスブルク家」を読むと、同家650年の歴史の概要を一層的確に把握できる。その後、本書を読めば、歴史ファンとしては同家について一通りのことは学んだと言えよう。第一章「ブルゴーニュ公家との縁組」は「ハプスブルク家」でもカバーされていたが、第二章のネーデルランド総督として尊敬を集めたマルガレーテからいよいよ本書の本領発揮で、最後の第八章まで読書の醍醐味を堪能できる。本書で教えられたことは多い。ブラジル皇后になった皇女、ともにバイエルンから嫁いで来たゾフィーとエリザベートの嫁姑の確執がエリザベートの放浪の一因となったこと等。特に最後の二章は、「ハプスブルク家」ではあまり触れていなかった第一次世界大戦前後の政局と同家の動静の理解に役立つ。マリア・テレジアまでは女性を「産むための機械」視してきた時代であり、女性は政略結婚の道具であることが当然だったが、19世紀に入ると(近代的自己の確立とでも言うべきか)ハプスブルク家の一員であることを苦痛に感じる男性が増え、身分違いの結婚に走ったり、皇族であることを拒否さえする者も登場し、逆に皇妃になった女性は行動力に富み、王家の絶対性に固執する者が登場するようになるのが興味深い。なお、本書ではマリー・アントワネットには触れていない(彼女の一生は有名すぎるので)。

・「文章力がすごい
江村氏の著書は読みやすいが、それがハプスブルクの「女性」に焦点を絞ったものとなると、さらに読みやすい。一人ひとりのエピソードが実に面白くて、実際は本に載ってるうちの何人かしか知らなくても、まったく知らない他の女性の性格とエピソードがするりと入ってくる。歴史好きにはおすすめの本です。ハプスブルクをそんなに知らなくても、著者の文章力で読めます。

・「ハプスブルクの家系図が巻末にあることにご注意を
△同じ著者の「ハプスブルク家」を大変楽しく読んだので、本書も手にしてみました。ハプスブルク家がヨーロッパから新大陸にかけて一大帝国を築き上げるにあたって用いた戦術が政略結婚でしたので、後継者をなすことを第一義の仕事として求められた「女たち」の存在は大変重要な位置を占めることになります。

 本書に登場するのは、身分違いの結婚をつらぬいた夫婦あり、皇帝を間にはさんだ嫁姑の確執あり、夫に愛人を世話する皇后あり、10人以上の子供をうみながら同時に国家運営の舵取りをこなした女帝ありで、歴史の荒波の中にすっくと立っていたかに見えたハプスブルガーたちも、実に人間臭い家族関係の中で日々の営みを送っていたのだなという思いを強くします。

△姉妹編の「ハプスブルク家」のレビューでも書きましたが、著者の文章は大学の研究者が陥りがちな衒学的おもむきは一切ありません。流麗で品格がありながら平易であることを忘れない、まさにこうした歴史教養書にはうってつけの文章だといえます。

▼本書ではハプスブルク家盛衰史を彩った女性たちを600年近くにわたって描いています。これだけの長きに渡る時間を追いながら、その家系図が巻頭に掲げられていないために、えてして前章に登場した女性と今読み進めている章の主人公たる女性との姻戚関係を見失うことになります。そして本書を読了したところで初めて、「ハプスブルク家略系図」が234ページから235ページにかけて掲載されていることに気づきました。この図を600年にわたる歴史の旅を紐解く前に巻頭に掲げておいたほうが読者にはより親切だったといえるでしょう。 

▼暗殺された皇后の名を日本で表記されがちなエリザベートとせずドイツ語原音どおりエリーザベトとした点には好感を持ちますが、カスティーリャの女王イサベルの名をドイツ語風にイサベラ(通常のドイツ語発音はイザベラ)と表記したところは首肯しかねます。

・「知られない女性たち
ハプスブルク家の有名な女性といえば、やはりマリア・テレジア、マリー・アントワネット、皇妃エリーザベト。おなじみの面々を加えながらも、著者の選んだ女性たちはきら星ぞろい。貴賤結婚で結ばれた女性、姉妹で皇后になった皇女たち。最後に登場する皇后ツィタは、数年前まで健在だった女性である。

長く続く名家だけに、まだまだ発掘される女性がいるのでは、と思う。

「ハプスブルク家」と同じく、わかりやすく丁寧な本で好印象がもてます。

・「入門しました!
ハプスブルク通を目指す入門書としてぴったり。私も入門させていただきました。マリア・テレジアやエリザベート皇后など日本でも有名な女性ばかりでなく、初めての名前も多く、エピソードもとても興味深いので一気に読めました。これを読むと、もっと深いところが知りたいという願望が湧き上がってきます。全体の構成がよくまとまっているし、文章もてらいが無いのにロマンチックなところがあるのが魅力的でした。

ハプスブルク家の女たち (講談社現代新書) (詳細)

戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書)

・「読みにくい
 「傭兵の二千年史」でも感じたが、この著者の本は評者にはあまり読みやすくない。その原因として、大量の固有名詞が殆ど何の説明も無いままに次々と現れること、登場する人物や集団の間の利害関係、権力関係の説明も最低限で、目が字を追う速度ではなかなか腑に落ち無いこと(しばしば読書を中断してじっくりとパズルを解くように検討しなければならない)が挙げられる。

 大学の教室で、自分の世界に入り込んで喋りまくる教員を呆然と見つめる学生の気分である。

 加えて、著者が歴史学ではなく文学畑の人間の為か、歴史の展開してゆくプロセスの因果関係の解釈が非常に大雑把かつ断定的で、歴史学者が自らの専門テーマについて論じる際のような慎重さや丁寧さがみじんも感じられないということも、この著者の論述への信頼感を失わせている。

 結論として言えば、この著者の本は最初に手に取るべきものではなく、まずは本職の歴史学者による通史や概説書を当たった方が良い。回り道に思えても、そちらの方が結局は近道なのではないかという思いを強くした。

・「30年戦争を知る唯一の本
ヨーロッパ近代国家萌芽の大きな要因となった30年戦争、教科書でたどるとボヘミアの反乱、グスタフ・アドルフとヴァレンシュタイン、ウエストファリア条約等で数行の記述で次に進んでしまう。しかし、その30年がどんな時代であったか?そこに興味が湧いた時、簡易に手に入るもので渇を癒してくれる唯一の本であると言えよう。

更に興味がたかまったとき、著者も参考にしたウェジウッド女史の難しい英文にあたるしかない・・これはしんどい。責任を著者に期待したいものである。

・「歴史文学的な味わいをもった三十年戦争史
 17世紀に欧州を広範囲にわたって巻き込んだ三十年戦争を概観する講談社現代新書。日本人には世界史の教科書で出遭う程度にしかなじみのないこの戦争を、C.V.ウェッジウッドの「三十年戦争」をタネ本にして描いた(あとがきより)一冊とのことです。

 権謀術数渦巻く近世戦争の中で、神聖ローマ帝国皇帝フェルディナント2世、その傭兵隊長ヴァレンシュタイン、フランス宰相リシュリューといった主役陣が入れ替わり立ち代り歴史の表舞台へ現れては消えていきます。著者が本書で用いる文体は学術書のそれというよりは歴史文学のそれであり、品位溢れるものです。歴史の壮大な物語が私たち読者に与えてくれるものと同じ昂揚感を本書で味わいました。

 殊に印象的なのはスウェーデンのグスタフ・アドルフ王が戦地に斃れる場面です。戦争の一方の側にとっては偉大な英雄であったグスタフ・アドルフの死を物語風に簡潔な文章で描いた箇所(128頁)は、戦争の虚しさや哀しさが立ち現れてくる描写として際立っています。

 三十年戦争を終結させたウェストファリア体制が、欧州普遍主義からナショナリズムへの転換、ラテン語よりも固有言語の尊重、殲滅的戦争から限定的戦争への合理化などを推進していく歴史的転換点になっていったという最終章のまとめは大変分かりやすく、私のような歴史学の門外漢にも違和感なく受け止めることが出来ました。

・「いま少し新しい観点を
慥かに、三十年戦争の沿革を知ることのできる唯一の本だと思いますので、その点は非常に高く評価できると思います。しかしながら、底本になっているのがウェッジウッドの古典的作品のため(もちろん、この本も素晴らしく価値ある本ではあるのだが)、三十年戦争という事件に対する評価があまりに古臭く、従来のマイナスイメージの観点を脱しきれていない館があります。現在三十年戦争の研究はドイツでも非常に盛んに行われており、それにともなって新しい観点もどんどん提出されているので、より新しい本や論文でウェッジウッドの視点を補って欲しいと思いました。しかし、三十年戦争についてこれだけ詳細に書いてあるという一点では大変に意義ある、そして価値ある作品です。底本になっているウェッジウッドの翻訳が出るという話ですが、それが出るまではこの本は大変価値をもつことでしょう。

・「宗教対立から国家対立の時代へ
三十年戦争は十六世紀のルターの宗教改革で西欧がカトリックとプロテスタントの両陣営に分裂した状態を受けて、十七世紀にハプスブルク家が再びカトリックの盟主としてヨーロッパに覇を唱えることから発した戦争である。初期の宗教地図を巡る戦いから、次第に国家的利害の角逐に性格を変えていくのがこの戦争の特徴である。例えば最後に参戦したフランスはカトリックであるが、敵国内のプロテスタントに援助を与えたり、異教徒オスマン帝国と結んだり、宗教にこだわらない外交を展開している。ウェストファリア体制では「主権国家」という概念と近代の国際法秩序が生まれた。これはやがて欧州のみならず、植民地化していくアジア、アフリカなどの他の地域にも適応され、現代に到るものである。ヴァレンシュタイン、グスタフ・アドルフなどの英雄が活躍する時期であるが、ヨーロッパがこの戦争を契機として近代の道を歩んでいくありさまも見逃せないものがある。

戦うハプスブルク家―近代の序章としての三十年戦争 (講談社現代新書) (詳細)

不屈の鉄十字エース―撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生 (学研M文庫)

・「前人未到の352機撃墜エース
第二次大戦中、ドイツ東部戦線において352機撃墜の記録を打ち立てたエーリッヒ・ハルトマンの伝記。撃墜記録よりも僚機パイロットに死者を出さなかった事を誇りとし、自身も無事に戦争を終えたことからも、彼が偉大なエースパイロットである事が解る。戦後、ソビエトに抑留され辛酸を舐める事になるが、屈することなく己自身を貫く柔軟かつ強靱な精神の持ち主である。この本の原書が刊行されたのは彼が西ドイツに帰国して15年経った1970年。それまでの彼の半生(幼少期から軍入隊、東部戦線での活躍、ソビエト抑留時代の苦闘、帰国後の軍務復帰と除隊)を彼自身と彼を取り巻く人々の証言を交えて語っている。

不屈の鉄十字エース―撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの半生 (学研M文庫) (詳細)

続・わが闘争―生存圏と領土問題 (角川文庫)

・「補完
 この本は「わが闘争」の続編となっているが、前作に比べ迫力、知名度ともはるかに及ばないだろう。目新しいことといったらヒトラーがアメリカをどのように捉えていたか、ぐらいだろう。その他は「わが闘争」で一度述べられたことの繰り返しだった。

 だが、文章が「わが闘争」では抽象的だったのに対してこの作品では具体的になっている。「わが闘争」をより深く理解するという意味においては、この本は有益かもしれない。 ヒトラーがこの時点で何を考えていてこの本にかかれたことがどの程度実行されたかを知れば、ヒトラーに対してまた違った見方ができるかもしれない。 

・「ヒトラーは、極限に置かれたときの人間の行動を鋭く見抜いている!
決してヒトラーを支持しているわけではないが、現代日本のように、政治的経済的に行き詰まった状態で、個人としてどう意識を持ったらよいか、答えの一つを提示していると思う。ヒトラーの行動は結果的に悪いものとして歴史に名を残したが、一方でヒトラーユーゲントの青少年教育など、プラスの遺産も残している。1929年のドイツの大恐慌化にあって、一つの強力な精神的方向性を与えたことは、倦怠感と主体性欠如のため、何も自分から行動できない現代の日本庶民に比べたら、余程まともな生きる力を発揮している。一読の価値あり。特に、教育から崩壊している日本の将来の子どもの方向性を考える上でも、またある面ではヒトラーを反面教師として捉えてもおもしろい。下手な経済評論家のベストセラーを読むより、ずっと価値あり!

・「ヒトラーを知る参考書として
この本はよく『我が闘争』の続編と位置づけられているが、結局は出版されなかった「草稿」である。従って、この文書の真贋や作成時期の推測も含めてかなり議論のあった文書であった。しかし学問的研究からほぼこの草稿は本物で、作成時期も内容からほぼ固まっているらしい。そのあたりは本書の訳者(平野一郎氏)あとがきにかなり詳しく解説されている。

内容は、『我が闘争』に比べて少し突っこんだ議論が見られるだけで、あまりかわり映えはしない。あとがきにあるように米国に対する意見が述べられていることと、言葉の調子が激烈になっていることが目を引く。おそらく前著から数年の間隔があり、しかもその間のドイツを取り巻く環境が激変していたことを思えば、書いてある内容が代わり映えしないことは驚くべきことであり、政治家としてのヒトラーが、いかに固定した観念を持ち続けていたかを明らかにしてくれる史料のひとつでもある。ヒトラーの思想について、概説書ではあきたらず彼の言葉で知りたいという向きには、『我が闘争』よりも短く、端的な言葉が使用されているため彼の考えがよくわかる本書は、良い参考書になるだろう。

続・わが闘争―生存圏と領土問題 (角川文庫) (詳細)

ティーガー戦車隊〈上〉―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録

・「WWIIの戦車エースが語る人生読本
第二次世界大戦のドイツ軍に戦車150両を撃破したエースがいた。オットー・カリウス。彼はこの戦争を生き抜いて後にこの回顧録を残すことになった。本の中の彼は勇猛ではないけれども自分に与えられた任務に対して熱意をもって取り組み強い信念でやり遂げた。ありがちな誇張や自慢話は無く、むしろ事実を積み重ねるような淡々とした表現が戦争という狂気の世界で自分を見失わずに生きることの難しさと大切さを感じさせる。宮崎駿はこの本を読んで感動し、ドイツまで本人を訪ねてインタビューを行なっているがその行動を理解できるほどの魅力を備えている内容である。圧巻は2両のティーガーでソ連戦車17両を破壊したマリナーファの戦闘であろうが(下巻に収録)それはカリウスの才能ゆえというよりは手を抜!!かずに最善を尽くすことを当たり前のように行なってきた者だけがつかむことを許された前髪であろう。これを読むことで戦勝国によって作られたナチスドイツのイメージとは別の姿があることを理解できる。特に戦後のアメリカ・ハリウッド映画が我々に植えつけたイメージがいかに偏ったものかおわかりいただけると思う。

・「序文要注意
旧ドイツ国防軍オットー・カリウス氏の戦記です。本の内容については他の方のレビューにもあるのでここでは多くを語りません。注意すべきは彼が日本の読者に向けたメッセージが綴られた序文です。僅か1頁に過ぎませんが、戦後ドイツの取ってきた復員軍人への仕打ちへの憤りと日本人の戦後の態度を高く評価しています。曰く、私達ドイツ軍人は1945年移行の日本の人たちの態度を賞賛した。また、今でも敬意を抱いている。日本は国の名誉と国民の資産を奪うことを許さなかった。日本の人たちはかつて国旗に誓い、国の為に命を賭けた人たちに対して、当時も今も感謝している。残念ながら、彼の言葉は昨今の反日国家群の干渉により教科書や靖国参拝で迷走を続ける日本には過大評価であり、日本人としては恥じ入るばかりです。戦争の実情を理解できると思われる戦記ですが、戦争の実情を知るには勝利に浮かれる連合国側ではなく、敗北した枢軸側の方を読むことをお勧めします。本書を読むことで、困難な状況でも冷静さを失わず、最後まで諦めなかった稀有な人物の行動を辿ることが出来ます。人生の指南ともなるのではないでしょうか?最後に彼が日本人に向けたメッセージを記します。過去を否定する人たちに輝ける未来はない。私たちは、私たち人類が未来永劫、平和な世界で自由に生き続けられるよう、共に願おうではないか!

・「英雄像に当てはまらない戦車戦エースの私的な戦い
独戦車戦のエースの双璧として並び賞されるミヒャエル・ヴィットマンが英雄然として描かれているのに対し(作られた偶像かもしれないが)、オットー・カリウスはひとりの個人としての戦いを戦い抜いてきたことが本書の文章から滲み出ている。召集検査に落ちた小柄な体、写真からも見て取れる繊細な性格、淡々と続く語り口、それでもまごうことなき歴戦のエースである。著者は負傷復帰後、最強の駆逐戦車ヤークトティーガーを駆ることになるが、ティーガーのエースから見た固定砲塔戦車の印象は、戦車マニアに面白い視点を与える。本書が出版された当時のドイツには、日本の靖国神社、アメリカのベトナム戦争と同様、第二次大戦に関わる全てに対するタブー視があった。本書出版の背景には貶められた戦友たちの名誉回復というもうひとつの彼の個人的な戦いがあったことは特筆すべきである。玄人向けの一冊。英雄譚を求める方にはヴィットマンを薦める。「ティーガーの騎士」、"Tiger Ace"など多くの本が出版されている。

・「“虎”の強さは、努力・献身・勇気の賜物だった
重装甲56tの車体、88mm主砲。いかつく美しいVI号戦車はとても魅力的です。しかし、戦車が強いのではありません。それを操る者が、全身全霊で仕事に打ち込んだ結果、“虎”の強さが歴史に残った。

本書は素敵に感動的な本です。当時21歳の戦車長だった著者が回顧する“虎”の戦い。宮崎駿が激賞するのも納得。著者の戦いぶり=仕事ぶりは、すべての働く人間の共感を呼ぶはずです。重い虎が動ける道はどこか。しぶといイワンどもはどこから攻めてくるか。味方の配置は。補給は。戦車のコンディションは。いろんな要素に注意深く気を配り、緻密かつ大胆に、著者たちは仕事を完遂したのです。

本書には、現代の私たちの心をも打つ言葉が記されています。「誰が『政府』と『祖国』を同一視できるだろうか」「重要なことは、誰もが自分の仕事を可能な限り最良の方法で行うことなのである」「勇敢さに必要な条件は恐怖なのだ」…。ここにあるのは、歴史やイデオロギーを超えた、仕事に打ち込む人間のすぐれた哲学です。その本質は1944年のヨーロッパだろうが21世紀の日本だろうが変わらない。普遍的な価値がある。

本書は戦史の中でも専門書に属するのかと思い、長い間手を出さずにいました。戦車のことあんまり知らないし。でも、それは杞憂だった。叙述は丁寧だし、文体はごつごつしてるけど率直で飾りがなくて読みやすい。宮崎駿『泥まみれの虎』というすぐれた解説書もあります。戦車戦にあまり興味がない人でも、本書は読む価値があります。誰の人生にも関係がある事柄……地道な努力、同僚への信頼、困難への挑戦…について述べた本だから。

仕事に疲れたとき、私はこの本を開きます。カリウス中尉の仕事ぶりに触れると、もうちょっとがんばろう、と思えるから。本当に素敵な本です。

・「読後感
実は、山場となる戦闘シーンは、同じ大日本絵画の出版&宮崎駿で描かれており、そちらの方が宮崎の独自の視点からの注釈も付け加えられて、スピーディーかつ、絵として見れるダイナミック感、情報の豊富さ、等など理解し易い。宮崎の、戦地&カリウス訪問の付記も付いている。こちらは、カリウス本人の事をよく知ろうと思うのなら買いだが、とにかく、高い!内容と価格を考えると躊躇ってしまった。(それでも買ってしまったが)上下巻で5000円以上出す価値があるかどうか、それは貴方がドイツ軍マニアかどうか、によると思う。

ティーガー戦車隊〈上〉―第502重戦車大隊オットー・カリウス回顧録 (詳細)
ページ上部へ▲

キーワード検索:

シンプルアマゾン:-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-PCソフト-PC&電子機器-家電&雑貨-時計&バッグ-アパレル&シューズ-スポーツ&アウトドア-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-アダルト | モバイル版(ケータイ)

QRコードケータイからは、シンプルアマゾン(モバイル版)をご覧下さい。

シンプルアマゾンは、安心・安全のネットショッピングAmazon.co.jpの商品を紹介しています。

簡単アフィリエイト:あなたのAmazonアソシエイトIDをアドレスの最後に付けるだけで簡単キャッシュバック!(例:1sas.net/?yourid-22)一度IDを付ければ、シンプルアマゾン内の全商品が紹介料の対象になります。アソシエイトIDはこちらから登録可。


©2009 1sas.net.