図説 イギリスの歴史 (ふくろうの本) (詳細)
指 昭博(著)
「日本人のイギリス通史?」「意外によかった」「ビジュアルで読みやすい、イギリス史概説書の決定版」
十九世紀イギリスの日常生活 (詳細)
クリスティン ヒューズ(著), Kristine Hughes(原著), 植松 靖夫(翻訳)
「19世紀イギリス小説に出てくる慣習を知りたい人に」「資料として最高」
英国王室史話〈上〉 (中公文庫) (詳細)
森 護(著)
「映画とか小説が面白くなる」「これであなたも英国王室史通!」「英国政治史の概観にはとても便利」「文庫になって」「イギリスに興味のある人は」
英国王室史話〈下〉 (中公文庫) (詳細)
森 護(著)
大英帝国衰亡史 PHP文庫 (PHP文庫) (詳細)
中西 輝政(著)
「たしかに面白いが・・・」「上質の歴史書」「人物史観の『プロジェクトX』バージョン」「秀逸の作品」
大英帝国という経験 (興亡の世界史) (詳細)
井野瀬 久美惠(著)
「「世界史」では理解できない奥深さを垣間見る」「女性、奴隷、弱者の立場から見る帝国。」「大英帝国の世界史への貢献」「興味深い書、丸丸好きじゃないけど」「アイデンティティ・クライシス」
民衆の大英帝国―近世イギリス社会とアメリカ移民 (岩波現代文庫) (詳細)
川北 稔(著)
とびきり愉快なイギリス史 (ちくま文庫) (詳細)
ジョン ファーマン(著), John Farman(原著), 尾崎 寔(翻訳)
「誰にお薦めなのだろう?」「ユーモアあふれる一冊。」「気軽に読めるが.....」「ちゃっちゃか」「歴史が嫌いな人に送る歴史の本」
エリザベス一世―大英帝国の幕あけ (講談社現代新書) (詳細)
青木 道彦(著)
「当時の複雑な国際情勢下で、責務を立派に果たした名君主の生涯」「大英帝国成立の立役者」「治世者としてお手本のようなエリザベス一世の素晴らしさ」
イギリス史 (世界各国史) (詳細)
川北 稔(編集)
「通史の定番」
・「日本人のイギリス通史?」
価格設定・紙幅の制限といったもろもろの制約を考えると、この本の内容は十分に評価できる。およそ、出版においては、この両者の制約から自由になることは、ほとんど不可能であろう。「日本人による通史」といった「したり顔」の論評は不毛である。本国のような、何巻もの分冊が許されるような出版事情あるいは読者からの需要は、日本においてはまずのぞめない。「甘い記述」というような具体的な箇所を指摘しない、それこそまさに「甘い記述」による「非難(≠批判)」は、もはや、「ないものねだり」の域をこえているだろう。「理想」とそれを具体化する際に立ちはだかる「現実」の距離を自覚して論評するべきでしょう。そういう点では、この価格、この薄さを考えると、いつまでも古色蒼然たる歴史認識(=勉強不足)にしがみついている英文学者や社会科学者の類書と比較してみても、十分に納得できる、また信頼できる内容であると、自信をもっていえる。
・「意外によかった」
余り期待しないで手に取ったが、しっかりした記述、豊富な図版、安さ、どれをとってもお勧めの良書。初学者には最適かも。
・「ビジュアルで読みやすい、イギリス史概説書の決定版」
詳し過ぎることもなく、かといって簡略に過ぎることもなく、ちょうど良い分量の内容を盛り込んだこの本は、教養としてイギリスの通史を知るのに最適だと思う。ところどころにあるコラムも面白く、カラー写真や図版が豊富で、紙の質が良い。それでこの値段なのだから、嬉しくなってしまう。
・「19世紀イギリス小説に出てくる慣習を知りたい人に」
19世紀イギリス社会を簡単に紹介してあるが、有名なオースティンの小説などを考慮しており、読者が興味を持っているであろう話題について親切に解説してある。
本書は、三部にわかれ、それがさらに章立てされ、小さなタイトルでさらに細かく分類されている。これはかなり読みやすかった。
他にもこの系統の本を持っているが、
レイアウトの面でもこの本が一番工夫されている感がする。いろいろな本から引用してある参考文献なども参照しやすく、見やすかった。
・「資料として最高」
読みやすく、わかりやすい。資料としてはとっても親切な一冊。「ヴィクトリア朝百貨事典」とあわせて読むと尚わかりやすい。生活や習慣など、細かく説明しており、その時代が手に取るようにしてわかる。読み物としても面白い一冊である。
・「映画とか小説が面白くなる」
「歴史には興味あるけど、世界史はよくわからない人のための入門編」としては好適だと思います。ヘンリーだのエドワードだのって何人もいて、誰が何をしたヒトだかわからないから、なんか小説とか読みづらいの~っていうタイプといえばいいでしょうか♪で、すでに英国史をお勉強されているヒトにはおオススメしません(笑)また、もうちょっと書き込んでほしい箇所と作者が好きな箇所のバランスが悪いところもあるので、星マイナスしちゃいました。
さて、この本ではあまり表舞台に出てこなかった王達もすべて記載されているので、おおまかな流れがつかみ易くなります。王妃の記述も少なからずあり、それがまた大体政略結婚ですから当時の周辺国との関係も幾分かわかります(すべてではないですよ~)。例えば、私はこちらを読んでから「ブレイブハート」を観ました。もちろん映画のイザベル妃の行動は創作されたものに過ぎないのですが、やはり史実を知っていると興味深く楽しめました。また、小説で結構格好良かったリチャード獅子心王も、母であるアキテーヌ女公の話を経由すると...イメージが(笑)更に、フランスとの密着な関係を知るとばら戦争の見方もまた変わるし、シェイクスピア作品もより深く味わえます。
こんなカンジで「フランス王国史話」も誰方が書いてくれないかしらと思いつつ。
・「これであなたも英国王室史通!」
私の高校時代からの愛読書。当時は愛蔵版で重たかったけれど、今文庫で読める貴方は幸運です。英国王室史といえばシェイクスピアとも縁浅からず、これを読めばかの文豪の歴史劇もなお一層の理解が深まることでしょう。それから日本でも放送してますが、本国英国でのミリオネアでは王室史は必須問題!これで英国でミリオネアになろう!?
・「英国政治史の概観にはとても便利」
どこかの国の歴史を知ろうとする場合、人によっていろんなアプローチがあります。政治から入る人もあれば経済に注目する人もいるでしょうし、もっと特殊な分野(例えば軍事史や美術史)に重きを置く人もいるかも知れません。小生の場合、やはり人並みに政治史に親近感を覚えますので、統治体制の変遷や権力闘争の流れが分かると、その国の歴史の一端を理解したような気になります。 この本は、そうしたアプローチをするに際して大変便利な本です。各王朝ごとに、歴代イングランド国王の治績が、興味深いエピソードを交えつつ、要領よく簡単にまとめられています。
もとより、この本は王室の歴史を描いたものであって英国史の書物ではありません。社会・経済面への考察は乏しいし、時代感覚的なものをつかむ上でも十分とはいえないでしょう。
しかしながら、英国史理解ないし英国理解のために、ひとつのバックボーンとなるべき知識を提供するという意味で、まことによく出来た書物であり、また、レファレンス的に活用するのも便利ですよ。
・「文庫になって」
とても読みやすくなりました。長年読み続けられる一冊ですね。
・「イギリスに興味のある人は」
イギリスに興味のある人には読んでもらいたいです。分かりやすく家系ごとに分類してあるし、読みやすく一人一人について書いてあります。私はイギリスが大好きなので、旅行前や後に見た場所を思い出しながら読んでいます。エリザベス1世やヘンリー8世など読めば読むほど、昔の貴族はいろんなことをしていたんだなぁと思います。政略や傲慢さが
渦巻く歴史です。最後に家系図も載っており、本当に分かりやすいです。
・「たしかに面白いが・・・」
ダブル受賞というのは少々甘すぎ。 本書の狙いは、英国の衰亡の原因を、植民地を保持する経済的負担のみに求めるのは間違いであって、英国の政治を支えてきた「貴族階級」の消滅だということを示すところにある。なので、著者も述べているように、人物史を中心に描いているのが本書の特徴だ。 トルストイや内田樹も述べているように歴史は「複雑系」である。ある史実の原因が追及されるのは、端的にその原因がわからないからだ。なので、アナール一派のように経済的な原因を重視したり、リアリスト政治学者のように軍事力の衰退を原因にしたり、みな自分の得意な領域から述べたがるものなのだ。それはよいとして、では貴族階級を保存して、ノーブレス・オブリッジを持った人物を養成すればよかった、というのが著者の結論なのだろうか? 著者の保守的なスタンスからは、それをわが国に当てはめたいという口吻がみえてこなくもない。 しかし、そうではなく、むしろアリストクラティックな政治体制を、アメリカのような貴族制を前提としない政治システムに改組することを怠ったというのが敗因とみるべきだろう。大統領や首相が誰であるかによって大幅に変わってしまうような、第一人者の個性に多くを依存するような政治システムに原因が帰せられるべきなのである。
・「上質の歴史書」
大英帝国の興隆と衰亡を、その支配者たる英国貴族の政治家を中心に据えて述べた歴史書です。大国を担う政治家エリートとはどうあるべきか、今の日本も含めて考えさせられます。歴史事実に対して若干説明不足の部分があり、素人にとっては分かりにくいのは否めませんがある程度の世界史の知識があれば何とかクリアできるでしょう。ポール・ケネディの「大国の興亡」でも読んでいるのであれば問題なし。
・「人物史観の『プロジェクトX』バージョン」
要旨は,イギリスの衰退は,無形の人的精神の為せるワザであり,大英帝国とは「威信のシステム」だったというもの(11頁)。人的精神と僕がいうのは,僕がよく読んでた経済史的なアプローチとは立場が違うということ。という意味では,ギルピン『_War and Change in world Politics_』(同頁)やら,中西は言及していないパレート『エリートの周遊』的なアプローチ。大雑把に人物アプローチといっていい。ウィーナー『英国産業精神の衰退』には批判的だろうけれども(144頁),分類されれば同属。
ただし,イギリス衰亡史を扱った著作は多いが,文明史・精神史的なアプローチからの著作は依然として少ないとかいいながら(7頁),じゃあどこがどう違うのか?という疑問は,読者に押し付けて自分の独創性を言い立てているような読み方をしてしまうのは,僕がバカだからかな? どこがどう違うのかを具体的に事実列挙して欲しかったです。
衰亡史を語るためには衰亡する以前の興隆史を描かねばならず,その意味で,イギリスという国家の興亡史であることは避けられない。事実,本書のつくりもそうなっている。「京都大学」「文明」「衰亡」というキーワードが出てきて,なぜ高坂正堯(たとえば『古典外交の成熟と崩壊』)の名前が出てはこないのか?っちゅう疑問を,東大卒でも京大卒でもない阿呆は感じるわけです。
チャーチルもろくすっぽ知らない素人にとって,ウィリアム・テンプルとかチャールズ・ジョージ・ゴードンとか,絶対に高校の歴史教科書には出てこない人物に光を当てて歴史を描き出しているのは面食らわされるけども,さすが専門家。人物史観の『プロジェクトX』バージョンだ。
文庫本にしたのは大正解。興味あるものは読まれよ
・「秀逸の作品」
まさに名著だといえるだろう。 戦争の経緯なども平易で読みやすく、真実の歴史を知りたい人にはオススメです。 文章も大学教授なら小難しく書くが、同書は平易で中卒の私でも理解できる。
・「「世界史」では理解できない奥深さを垣間見る」
英国は不思議な国である。島国から七つの海に乗り出し世界の至る所で植民地経営を行った。広大なインド支配など見れば数の力ではなく、統治の「システム」に答えがあるのだろう。しかも独立後の今も旧植民地へ陰に陽に影響力を及ぼす「力」の源泉は何か。本書は大英帝国の本質を暴く力量には欠けるが、エピソードを交えながら多面的に大英帝国時代の各方面、各階層の様々な動きを丁寧に記述することで、時代の匂いを見事に伝えている。また与件としてきた世界を取り巻く多くの枠組みも実は大英帝国の賜物と知る。やはり英国の懐は深く、英国民は生まれながらにして立つ視点が異なるのだ。現在EUの一員ながら大陸と距離を置き、今また米国とも一線を画そうとする英国。同じ島国ながら何が同じで何が違うのか、もっと知りたい。
・「女性、奴隷、弱者の立場から見る帝国。」
英国のアイデンティや帝国の奴隷、移民問題を扱っていて面白いが弱者に焦点を当てすぎなような気がします。題名から英国独自の外交や戦史を期待していたので肩透かしでした。この内容であれば新書700円でよかったと思います。
・「大英帝国の世界史への貢献」
イギリスの世界覇権の確立や経済ネットワークの構築に関する著作は数あるが、本書はアメリカ独立以降のイギリスの独特の経験について社会学的にみていく。やや珍しい視点だといえよう。 移民、奴隷、女性といったこれまで歴史の「主役」とは描かれてはこなかった部分に光を当て、イギリスだけが唯一(少なくとも世界で最初に)経験したものとは何か、それがどんな影響を現代の我々に与えているか考えさせられる。
比較的地味なトピックであるが、資料や記述などにおいて歴史家としての度量を問われるものであったといえよう。
・「興味深い書、丸丸好きじゃないけど」
アメリカ独立前の第一次帝国は、プロテスタントの帝国で、航海法と王立海軍に守られていたと著者は言う。それ以後は、自由貿易の帝国であったという。「慈悲深き博愛主義の帝国」であったとも。やや図式的な表現は、あまり好きではないが、以下は興味深い指摘である。アメリカ独立以後、次の三点を変えたという。1.「イギリス人」としての共感を植民地に求めない2.植民地をウエストミンスタの議会に組み込むことは賢明でない3.植民地に勝手な統治を許さない第二次大戦後に大英帝国が崩壊するひとつの原因は、たとえば第一点をチャーチルが無視したことかもしれない。そんなことをいろいろ考えさせられた。
・「アイデンティティ・クライシス」
帝国という名の膨張の歴史と植民地喪失による縮小の過程を通じて、英国人のアイデンティティとは何かを描こうとしているのだが、後半になると話しが多少散逸気味なところがあり、論点が絞りきれなかったように感じた。ただ、実際英国に住んでいても、BBCやCHANNEL4あたりでも英国人の人種的ルーツを扱ったドキュメンタリをよく放送しているし、一方で職務質問でクルマを止められる回数は黒人が圧倒的に多いといった人種差別に関する報道も見かける一方で、街には黒人以外にもインド・パキスタンからの南アジア系、西アジア系ムスリム、日中韓の東アジア系と多彩な民族が溢れている。しかし、多民族国家を謳っているアメリカとは、国家に対する帰属意識が少し違うように感じる。本書でもなんとなくその辺を指摘しているように感じた。
・「誰にお薦めなのだろう?」
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・「ユーモアあふれる一冊。」
イギリスの歴史をブラックユーモアたっぷり、とってもシニカルに書いた一冊です。歴史の嫌いなイギリスの子供向けにかかれている本なので、細かい事には触れず、最初にブリテン島に上陸した人達から近代まで、ざっとユーモラスにさらっています。挿絵も豊富です。
ただ、あとがきにもありますが「ユーモア性を強調しすぎて事実とは多少ずれた場面」も時々あります。また、本の中でフランス人の事を「蛙」と呼んだり、ちょっとブラックユーモアが過ぎるかな?と感じてしまう場面もちらほら…。日本の歴史本でこれと同じような物が出たら問題になりそうです(^^;)ユーモアたっぷりに歴史を学びたい人にはオススメ。
ちゃんとした歴史を学びたい人は別の本を……
・「気軽に読めるが.....」
寝ながら気軽に読めてイギリス史の大雑把な流れを掴むにはいいが、読んだ後に殆ど頭に残らない本です。 平均的な日本人には正直わかりにくい部分がある。 「百年戦争? 何それ」みたいな高校生にとっては中世から近世にかけての章は人名の羅列をしてるだけに思えるかもしれない。 文庫化する際に歴代の王朝の系譜図とかイギリスの当時の地図などを注釈として入れてほしかった。 入門書としてイギリス人向けにはいいかもしれないが日本人の読者向けには正直、微妙な本ではないかな。
・「ちゃっちゃか」
今までにない歴史の本です。著者が歴史苦手生徒だったこともあって、すごく面白く書かれています。語り方、イラストも面白いですよ。ちゃっちゃかちゃっちゃか進んでいきます。歴史の授業で歴史苦手になってしまった人にお薦めです!
・「歴史が嫌いな人に送る歴史の本」
とにかく笑えます。歴史嫌いだった著者が歴史嫌いの子供たちのために書いた本なので、歴史嫌いの人はぜひ。もちろん歴史が好きな人でも充分楽しめる内容だと思います。訳者のつっこみがたまにあります(ネタが多少古いが…)。
・「当時の複雑な国際情勢下で、責務を立派に果たした名君主の生涯」
私は本書を読むまでは、エリザベス一世といえば、イギリスの絶対王政の代表的君主、スペインの無敵艦隊を撃破したこと、そして数年前の映画を通じて陰謀の多い時代に忠臣・愛人に恵まれていたいう印象しか持っていなかったが、本書によって、実に波乱万丈の人生を送ったことを知った。本書はテューダー王朝成立まで遡って、当時の西欧の中で小国であったイングランド(スコットランドとの統合はまだ先のこと)が旧教を捨て英国国教会を設立するにいたった事情、エリザベスが女王になるまでの苦労(母は死刑にされたがエリザベスは父に愛された才媛であったこと、旧教徒の前女王・姉のブラディ・メアリとの緊張関係)、そして女王になってからはネーデルランドの新教徒を助けつつ旧教の大国スペインと全面対決することがないように絶妙な外交手腕を発揮し、ドレイクのような海賊も活用してスペインに打撃を与え、最後にはアマルダ戦争で無敵艦隊を撃破するに至ったこと、恋人はいたが理性を発揮し抑制的な態度に終始したこと、スコットランドから亡命してきたメアリ・スチュアートとの宿命のライバル関係、そして彼女の治世前後のイングランドの経済・社会・文化に至るまで、実に多くのことを教えてくれる。本書の記述は精緻で、当時のイングランド、スコットランド、フランス王家の血縁関係、アマルダ戦争でのスペイン艦隊の陣形、彼女のゆかりの地の紹介など資料も豊富で、特に巻末の索引は多数の登場人物を整理するのに役立つ。また、彼女の演説を2つ紹介しているが実に感動的で人を惹きつける。欲を言えば、最近彼女の治世に対する批判もあるらしいが、本書での彼女の欠点の紹介はあっさりしていて、この点の説明がより深ければ満点の書となったであろう。本書を手引きにまた映画を観てそこで付加されたフィクションを確かめたいと思う。
・「大英帝国成立の立役者」
英国がカトリックから離脱したのは、男子継承者の欲しいヘンリー八世が愛人アン・ブーリン(エリザベスの母)との再婚をバチカンに願った際、教理を理由に拒否されたことである。ヘンリーは再婚を可能にするために英国国教会を創設し、カトリックと断絶した。そして紆余曲折の後、エリザベスがチューダー朝最後の王として即位したが、まだまだ英国は小国でありスペインとの対決をしなければならなかった。本書では大英帝国成立の立役者であるヘンリー八世の行状とエリザベス女王の孤軍奮闘が描かれている。日本との関係をみるとエリザベスの時代、英国人ウィリアム・アダムスが日本に漂着「三浦按針」として帰化し、徳川家康の外交顧問になるのだが、家光の時代に鎖国。その約二百年後、日本が再び国を開いたとき、英国はヴィクトリア女王が君臨する、日の没するところなき大英帝国の最盛期となっていた。英国ばかりでなく日本の鎖国政策についても色々と考えさせられる一冊である。
・「治世者としてお手本のようなエリザベス一世の素晴らしさ」
現代のイギリスを知るためには、その国の隆盛を為し遂げたエリザベス一世の治世にその根本的な理由があるはずだと考え、本書を手に取りました。
幾多の苦難を乗り越えて名君主となり得た一人の女性の生涯はまさしく波乱万丈とも言える目まぐるしさで展開していきました。ロンドン搭に幽閉されたり、宗教改革というルター派のプロテスタントとローマ教会のカトリックの対立という荒波を乗り越え、英国国教会の独自性を保ったこと、自分の死後、処刑したメアリ・ステュアートの子であるスコットランド王ジェイムズ6世を王位継承者に指名したことなど読むに連れ、素晴らしい治世者として改めて評価したいと思います。
エリザベスは沈思熟考型の性格と見えて、非常に冷静で結論を急ぐことはなかったようです。ただ、その考えた後の決断は素早く、アマルダ戦争におけるティルベリーでの演説は君主の鏡のような言葉が続きます。本書の153頁にある防衛軍である全将校への演説を少し引用します。「私はこの戦いのただ中で、あなた方と生死をともにする覚悟であり、また神と私の王国のため……塵の中へ命も投げ捨てる覚悟である。」と。このように前線で鼓舞する女王は、まさしく強いリーダーのあるべき姿として神々しく輝いていたことでしょう。当時のヨーロッパでは小国であったイギリスは、ターニングポイントとも言うべき時代に必要な女王を擁いた幸運があればこそ現在までの発展があったのだと理解しました。
筆者青木道彦氏の記述は分かりやすく、門外漢でもスラスラと読める平易さで記されていますが、学術的にも史料にしっかりと裏付けられたものです。添えられている地図、系図、写真、グラフは本文の助けになるような有用なものでした。新書版でエリザベス一世の時代を知る類書がないだけに本書の価値は高いが故に、版を重ねているわけですから。
・「通史の定番」
このシリーズは各国の歴史を簡潔にまとめたもので、歴史に興味のある人間が手始めに読むのに最適である。とくに前近代のヨーロッパ史では、ドイツ・フランス・イタリアを中心に描かれることが多いので、本書のような地域密着型の叙述はイングランド古代・中世の理解に役立つ。また、アイルランド史も取り上げられており、「イギリス史」の全範囲をカヴァーしているといえよう。ただ、百年戦争の記述はイングランドの視点のみからではわかりづらく、初心者は同シリーズの『フランス史』と併せて読んだほうが効率的かもしれない。
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