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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) (詳細)
福岡 伸一(著)
「「生物と無生物のあいだ」についての深い考察は無い」「タイトルと内容が一致しない」「結局、何も書いていないのと同じ」「皆さん高い評価をされているので…」「評価が分かれているのは何故?」
できそこないの男たち (光文社新書) (詳細)
福岡伸一(著)
「小説としては素晴らしいが。」「才子 才に倒れる」「Yの悲劇」「杞憂であれと祈念中:再」「文章が上手ですね。」
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! (詳細)
小林朋道(著)
「狩猟採集人の珍事件簿」「動物や人間の行動がおもしろく感じるようになる!!」「うらやましい」
先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学 (詳細)
小林 朋道(著)
「楽しそうな様子が伝わってきます」「読みやすいだけじゃない」「くすくす、なるほど」「生物+ヒト÷大学=∞のドラマ」「漫画化希望」
生命(いのち)をつなぐ進化のふしぎ―生物人類学への招待 (ちくま新書) (詳細)
内田 亮子(著)
「人類学というより雑学本」「ヒトと他の生物との違いは」「人類を客観的に観察する。」
動物 (小学館の図鑑NEO (1)) (詳細)
三浦 慎悟
「精密な図です。解説も充実しています。」「このどうぶつは…」「イラスト図鑑」「写真ではなく、絵。」「動物園のあとには必須」
日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス) (詳細)
篠田 謙一(著)
「真摯で魅力的な解説書」「高校日本史教師、大感動!!!」「DNAから日本人の多様な祖先集団を推定する知的な旅」「今まで読んだ中でベスト5に入るほど知的興奮を味わえる」「いろいろな意味で勉強になりました」
もの思う鳥たち―鳥類の知られざる人間性 (いのちと環境ライブラリー) (詳細)
セオドア・ゼノフォン バーバー(著), Theodore Xenophon Barber(原著), 笠原 敏雄(翻訳)
「小鳥を飼っている者として」「恐竜から進化した鳥は、知性を持っている」「ペット好き向きかも」「テーマはよいが・・・」「図版ナシというのはちょっと…。」
ひらめき脳 (新潮新書) (詳細)
茂木 健一郎(著)
「ばかばかしい」「お子さんをお持ちのお母さんにも」「脳科学の先端が解き明かす”ひらめき”の秘密」「不発」「「『脳』整理法」よりは読み易いけど、それは代筆効果?」
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書) (詳細)
本川 達雄(著)
「生物の神秘」「生き物のサイズと時間についてどのくらい考えた事ありますか?」「生物学に興味なくても」「難しい理論を面白く紹介」「生物学のおもしろさ」
● ボストン読書記1
● 脳の神秘に迫る
● 脳科学から瞑想へ
● 感動した本
● 中学生はこれを読め!第3回本屋のオヤジのおせっかい - 15/20
● 生命とは?
● アマゾンベスト50-100からの選りすぐり2008年8月15日
● misc
● 厳選ビジネス書
● 元気の出る本たち
・「「生物と無生物のあいだ」についての深い考察は無い」
著者は分子生物学者です。分子生物学の視点から述べているということを念頭に置いておく必要があります。
一言で言うなら、著者は、「生命とは動的平衡である」と定義しています。それを、「生命とは自己複製を行うシステムである」という著者とは別のひとつの定義に対抗するものとして、提示しています。よって、「ウィルスは自己複製を行うが、生物ではない」と本書の最初の方で言っています。
ここで言う「動的平衡」とは、生物も当然分子レベルでのパーツの構成物ですが、その分子レベルでみれば、絶えず分子は入れ替わっている(食べたものが吸収されて生物の構成物となり、排泄等により生物の対外へ出て行く)という意味で「動的」であり、同時に「動的」でありながら、常にある個体としての生物を形作り、その中でその個体を生かすために協働している秩序のある状態という意味で「平衡(均衡)」ということです。(著者は分子生物学の方ですから、分子的に動的平衡という事ですね)
簡単に言えば、帯に書いてある「生命とはなにか?」という問いに合う部分はこれだけです。また、この主張自体は大昔にされているものです。
本書の他の部分は、3分の1くらいは著者の叙情的な追想といったものです。残りの3分の2は、著者の研究に関連してくる部分での分子生物学の歴史、といったものです。DNAの話など、高校の生物レベルの内容+裏話で本書のかなりの部分が割かれてしまっています。本書を手に取る多くの人が既知の内容だと思うので、寧ろなかなか本題(生命とは何か?)に入らない感じでイライラすることでしょう。周囲の風景描写や著者の知人などについての記述も、本書を手に取る人の目的に合わず、読み飛ばしたくなると思います。
著者自身に興味があるか、または、分子生物学にまつわるエピソードを読みたい方には良いと思います。しかし、生物・無生物についての理系的な深い分析を期待される方には物足りないでしょう。
・「タイトルと内容が一致しない」
「分子生物学者列伝」というようなタイトルだったらかまわない。星四つあげます。しかし生物学の本質を示唆するようなタイトルでこの内容はないでしょう。そりゃ名文かもしれないけれども深い内容を期待して買ったら損です。絶賛してる内田樹氏、茂木健一郎氏は何を考えてんだか。DNA&PCR発見物語も知ってる人には陳腐です。
・「結局、何も書いていないのと同じ」
この本のタイトルについて何らかの示唆が得られると思ったら大間違いである。プロローグにおいて著者は、大学に入り立ての頃の生物学の講義で、生命とは何か皆さんは定義できますか?という教師の問いかけに期待したが、結局は生命がもついくつかの特徴を列挙するうちに講義日程が終わってしまったと述べているが、著者はこの本においてその教師とほとんど同じことを繰り返している。著者はただ単に、生命がもつ特徴を列挙することに加え、それらをいかにして科学者たち(および自分自身)が記述してきたかも述べているに過ぎない。 しかも、出だしからマンハッタンがどうのこうのと余計な記述で始まり、ずっとそのまま終わりまで余計な記述にページを割いているものだから、この小さな文庫本で述べられている内容は非常に中途半端なものである。中途半端な記述の例はたくさん挙げることができるが、ここでは一つだけ、これで本書の内容がいかに中途半端か分かるだろうものを挙げよう。著者はウイルスについての記述にたったの7ページを使い、ウイルス発見の経緯と一般的な性質を述べ、たったのそれだけで「私は、ウイルスを生物であるとは定義しない」と断じてしまっている。この本のタイトルは『生物と無生物のあいだ』であり、それを探るために非常に重要な位置づけとなるはずのウイルスをなぜそこまでぞんざいに扱えるのか、私には理解できない。余計なことは省いてタイトルに沿った肝心なことをきちんと述べるか、もしくはタイトルを内容に沿ったものに変更するか、どちらかにしていただきたかった。 この本で主張されている内容を端的に知りたければ、プロローグを読めばそれで良い。本文を読めば、科学的な研究の裏側について何らかの事を知ることができるかもしれないが、それだけである。生物がもつ特徴についてもDNA研究史についてもこれまでさんざん言われ続けてきたことが述べられているだけで、何ら目新しいことはない。プロローグの全文をここに掲載してしまって、これ以上の内容は何もないですよと言ってしまいたい衝動に駆られるが、それはできないので、ここでプロローグ中の一文を紹介しよう。「分子生物学的な生命観に立つと、生命体とはミクロなパーツからなる精巧なプラモデル、すなわち分子機械に過ぎないと言える」さて、この文が唯物論的だと反感を覚えるのではなく、きちんと論理的にこの文の誤りを指摘できる人は、この本から得られるものは本当に全く何もないと考えて良いだろう。そうでない人は、生物というものを考えるための入門書として読んでみるのもよいかもしれない。害になるほどの誤った解釈や記述は少ない(多くはないという意味)。一応、著者の名誉のために添えておくと、先の文は一つの仮定として記されているものであり、そのすぐ後に著者自身によって否定されている。
・「皆さん高い評価をされているので…」
高い評価が並んでいるので、マイナスポイントを。文体ばかり張り切って、凝って、何やらドラマチックに書かれていますが、内容があまり有りません。研究の話は、現代の生物学の進展からすれば遠い昔話であり、おもしろいエピソードのほかに得るものは少ないとの印象です。連載読み物としては面白いものだったのでしょうが、新書としてこれほど高く評価される作品とは思えません。内容で勝負すべきでした。「生物と無生物のあいだ」については特に本質的な事は何も述べられていません。全体の構成も終わり方も決してよくありません。一般的な新書に見られる生真面目な書き方に対する挑戦としては、価値があるかもしれません。このような作品を大々的に宣伝して数を売らんとする出版社の姿勢にも疑問を感じます。もっと他にすばらしい新書は沢山あります。
・「評価が分かれているのは何故?」
ぱっくり評価が割れてます。僕にはつまらなかった。「二重らせん」「ロザリンド・フランクリン」「遠い落日」などを読んでいたからかも知れません。でも既に文庫本になっているこれらの本を読んでいたらつまらなくなる本に何の価値があるのでしょうか。気のせいでしょうか「賞賛」のコメントの文章に似たものが多いように思います。何か嫌な気持ちです。
・「小説としては素晴らしいが。」
前半は本人の研究者としてのエピソードも交えながら、SRYの特定に至るノンフィクション科学小説といったノリだ。流れるように進むエピソードは魅力的で、小説かに転身した方がいいと思わせるほど素晴らしい。
後半の3割程度は性の生物学的な議論に移る。素晴らしい前半とうってかわってここのデキは良くない。科学的な論述のはずかポエム的な表現とまじって不正確な印象を与える。出典不明なため確認できないが間違った記述もある。たとえばmtDNAの共通祖先とY染色体の共通祖先は倍近く時代が異なるはずで、同時代ではありえない。
オスとメスの存在は配偶子の非対称的な軍拡競争の結果と考えられており、同時に誕生したはずで、メスがオスを作ったという表現は不正確だろう。「オスは少数でも役割を果たせる」といいつつ、なぜ実際には少数ではないかを説明していないが、これはフィッシャーの原理と言って進化生物学では極めて重要な(しかもかなりシンプルな)理論だ。説明を飛ばすべきではなかったと思う。男性が短命な至近因をテストステロン暴露で説明するのはごく普通だが、ではそもそもなぜ男性だけがそういう目に会うのかという進化因には触れていない。
フィッシャーの原理やテストステロン暴露の進化的な意義を説明するとなると(福岡氏が好んでいない)自然選択にどうしても触れざるを得ないからではないだろうか。しかし進化因に触れていないために「たまたまY染色体を持ったから男性が短命なのだ」というような説明になっていない説明でお茶を濁すはめになっている。実際の進化理論はそんなに単純ではない。性の進化の研究に生涯を捧げてきた先人たちの努力を無視しているのはいただけない。
福岡氏は通俗的な説明(ドーキンスの比喩表現や話題の脱線、竹内久美子など)を誤解を招くといって度々批判してきた。後半で彼が行っている性の説明はそれ以上に通俗的かつ不正確で、いくら新書とはいえ残念なレベルだ。
・「才子 才に倒れる」
非常に興味深い題材を扱いながら、読後感は決してよくない。科学に弱い読者へのサービスのつもりなのかもしれないが、たとえ話が回りくどく、反って話の筋を見えにくくしている部分がある。また、最終章は本題と直接関係のないゴシップ記事が延々と続く。絵に描いたような蛇足といえ、この本全体の信頼性を疑わせることになった。もっと自然で客観的な文章を心がければよい本になったと思えるだけに残念である。
・「Yの悲劇」
前半は、男性化を決定づけるSRY遺伝子の発見に至るまでの研究の発展史。初期の精子の研究、X染色体・Y染色体の発見、男性化決定遺伝子と誤認されたZFY遺伝子について等ですが、意識的にミステリー調で書かれており、内容の深さとともに、分子生物学の知的スリルを存分に味わえます。(遺伝情報については、本の文字で例えており煩雑な化学式は出てきません)
後半は、胎内発生における男性と女性の違い、昆虫(アリマキ)世界での男性の地位等々を考察していきます。生物学的には女性が基本仕様であり男性はY染色体という女性のX染色体より5分の一しか情報のない「くじ」を引いたために基本仕様から外れた、とユーモラスに語っていますが、多分、著者の科学精神に裏付けられた本心なのでしょう。
面白い作品です。どなたにでもお薦めできます。
・「杞憂であれと祈念中:再」
生物の性決定に関わる遺伝子の特定についての激しい研究ドラマと、そこからの発見に関連して、生物の基本仕様が「女」であるとかの分子生物学おもしろ話し。
基本的には、興味深く、おもしろく読めると思います。おもしろく読める、とは思うのですが・・・以下、あくまで個人的な見解です。
かなり危ういという印象。もしかしたら、得難たかったサイエンス・ライターの現在進行形の「劣化」を、私たちは目の当たりにしているのかも知れません。
『もう牛を食べても安心か』、『プリオン説はほんとうか?』の頃は、具体的な研究のアウトプットの基礎となる理屈(物的に構造化された相互関係の探求)について、実験の設計や実験そのものの技術的な可能性評価、および実験結果の評価に、どう適用していくのか確実ではない部分が多いようにも思われ、激しく保留ながらも、好印象でした。
大ベストセラーである『生物と無生物のあいだ』で、ずいぶん余計な記述が増加したなと思いました。そして本書。人によって、かえってそれが好ましい場合もあるのかもしれないけれど、ところどころ挿入される「文学的」な接ぎ穂や比喩を削除したら、分量的には 1/3 くらいに収まるのでは?挿入される接ぎ穂や比喩が「文学的」だ、といった具合にメインの記載内容から“浮いている”ように思える点で、すでにかなり厳しいかと。勘所のDNAを百科事典に喩えている部分は、ものすごく冗長だし、さすがにド文系な読者にとっても、こんな比喩はいらないのでは?どうにも、かなり微妙な読後感。
さらに追記すれば、生物学的な事実について判断はできないけれども、そうした事実を、社会的な言説レベルで、どう解釈するかは別問題。“浮いている”ように思える「文学的」な接ぎ穂や比喩は、その意味でも、かなりの危うさを感じます。
私の方がバカなんであって、現在進行形の「劣化」なんつーもんは杞憂に終わることを、マジで祈り中。
・「文章が上手ですね。」
基本的に文章が上手い。それは間違いない。それで難しそうなことを書いているので分かった気になる。知った気になる。この知的好奇心満たされ感。非常に良いです。この本の2/3くらいまではまさに、そんな感じ。その後は少し、推測っぽくてテンション下がります。
読みやすくて面白い科学読み物。
・「狩猟採集人の珍事件簿」
著者は鳥取環境大学の教授。専門は動物行動学と人間比較行動学。生態系の保全や野生動物の保護などの研究をしつつ、学生たちとのフィールドワークをこなす。
タイトルになっている「シマリスがヘビの頭をかじる」とはセンセーショナル。シマリスは被食者だし、ヘビは捕食者だ。食べられる側のシマリスが、食べる側のヘビの頭をかじるとはどういうことか?読み進んでいくとびっくりするような生き残りの知恵というか、自然の不思議さを感じずにはいられない。普段われわれが見過ごしてしまいがちな、小さな生き物にもちゃんと生き残りをかけた知恵が備わっていることに新鮮さを覚える。素敵だなと思ったのが、アカハライモリの雄が、雌に求愛するときに分泌する物質に「ソデフリン」という名前がついていること。これは万葉集の額田王の恋歌「野守は見ずや君が袖振る」からつけられたそうな。とてもロマンチックである。
自らを狩猟採集人と名乗り、好奇心の赴くまま、野や山に分け入って生き物たちを観察する先生は、無邪気な子供のようであるけれども、自然や生き物に対する先生の視点はとても暖かい。モノクロだが写真も多数収められており、楽しく自然を学べる良本。
・「動物や人間の行動がおもしろく感じるようになる!!」
この本を読むとなぜか笑えて暖かい気持ちにさせられる。それは、なぜかは自分ではわからないが著者ならわかるかもしれない!!なぜなら、この本にはそんな力があるように感じさせてくれるのである。また、この本を読むと、動物や人間を見る目が変わると思う。この本を読んで、街を散歩すると、今まで気づかなかったような発見がいっぱいできます。なぜ人間がこのような行動をとるのかということや、このような場所に、なぜこのような建造物を建てるのかと言ったようなことがわかると思います。長くなりましたが、この本を読んで、ぜひ街を散歩したり、生物の観察をしてみてください。きっと面白い発見が出来るはずです!!!!
・「うらやましい」
鳥取環境大学で人間動物行動学の教鞭をとっている小林朋道氏の生活は自然と一体、動物と人とが戯れる毎日であろう。その逸話を集めた本書を読むと、うらやましいと思う。 私が住んでいるところは都会ではないが、それにしても緑に囲まれた生活をしているわけでもない。たくさんの登場動物が活き活きと描かれている。 うらやましい。
●先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学
・「楽しそうな様子が伝わってきます」
人間動物行動学、とタイトルにあるのでどれだけ難しい解説の本やらと思ったのですが、内容はまったく違い、とても楽しい、大学の日々を描いたエッセイになっています。文章も堅苦しくなく、ちょっとした合間に読み進めることも可能なので、いつも鞄に入れて持ち歩いていたりします。
表題になっている巨大コウモリの話も面白かったし、飼っている動物が脱走して騒ぎになったり、森の中である動物親子に遭遇したり、孤独なシカの話があったり…。なんて素晴らしい生活環境なのだろうとうらやましく思います。(でもブラインドを開けたらヘビとご対面、というのは遠慮させていただきたいです)
道路整備やら住宅用地確保やらで動物の住まいが段々と少なくなっていく昨今ですが、やはり、彼らのためには人間が回り道をすべきなのでしょうね。この本を読んでそう思いました。
・「読みやすいだけじゃない」
読みやすい文章。内容も一見、おもしろおかしい珍事件の数々のように思えるが、読み終えると専門的な知識も得られて勉強になる。
身の回りの自然や動植物にもう少し関心を持って生活しよう。そんな気持ちにさせる一冊だ。
・「くすくす、なるほど」
自然に囲まれた大学を舞台に、人と動物の間に起こるハプニングを書いたエッセイ。
表題にあるコウモリはじめ、ヤギからアリまで、様々な生き物が登場する。それらについて、軽妙な筆致で話が進む。そして、ここが一番重要なポイントなのだが、各章の後半は著者の専門である動物行動学などの話になるという流れになっている。このつなぎ方が実に巧妙で、人に物を教えるプロたる著者の真面目と言うべきところだろう。
「おもしろくてためになる」。子供用の学習教材などで使い古された宣伝文句だが、それがしっくりくる出来栄えだ。学術的な話が含まれているのに教育臭くない、環境問題なども扱っているのに説教臭くない、飄々としながらも浮わついていない。読み応えもある。
題名のインパクトで読み始めた本だけれど、期待を大きく上回る内容があって大満足した一冊。
・「生物+ヒト÷大学=∞のドラマ」
大学や近隣フィールドを舞台に、生き物とヒトという演奏者が織り成して展開されるドラマがエッセイ風にまとめられている。凡人なら見過ごしてしまう出来事が、著者の生物に対する鋭い洞察力と、随所に散りばめられた動物行動学のスパイスによって、生物学的なエッセンスを含んだ面白い物語に仕上がっている。そのため、気軽に読めるだけでなく、読後は専門的な知識もある程度得られるだろう。
普段、何気なく接している身近な生き物や、自然に対する眼差しが変わるきっかけを与えてくれる一冊ではないだろうか。
・「漫画化希望」
大変楽しく読ませてもらった。著者の小林氏とその学生達が繰り広げる、動物に対する愛情に溢れたエピソードが満載である。しかし、ただ単に面白いだけでなく、それぞれのエピソードに対して人間動物行動学からの視点があって(しばしば「脳のクセ」という言葉で表現される)、そいういう意味できちんとオチがつけられており、その手腕にも感心させられた。
それにしても、文章は読みやすく、時々でてくる太字がアクセントになってリズムを生み出している。こういう良い科学啓蒙書が出てくるのは大変嬉しい。読みながらこの研究室の日々を漫画化したら面白いだろうな、なんて思った。
一読をおすすめします。
●生命(いのち)をつなぐ進化のふしぎ―生物人類学への招待 (ちくま新書)
・「人類学というより雑学本」
人類学という名を冠しておきながら、大型類人猿の研究や民族学的な研究のレビューが少なく、ハイエナやゾウなどの紹介に結構な分量を当てていたりと雑学本というできあがり。また生態人類学や経済人類学、医療人類学について無知なだけなのに、それを棚に上げて、民族間比較が可能な量的な研究が少ないと書いてしまっていたり、誠実さに疑問が残る。
個人的にもっとも気になったのは、著者が京都大学のボッソウ隊にいるときの女性割礼にまつわるエピソードである。現地の人々に強くコミットする気もないのに、リスクのみを根拠に他の分化を否定する著者は人類学者なのだろうか?
比較的新しい論文を参考にした雑学本として読むのが妥当である。
・「ヒトと他の生物との違いは」
生物の生きるための本質に迫る実験や観察に関する多くの、しかも新しい論文をわかりやすく引用しています。それぞれの論文を読んで評価し整理するだけでも大変な作業だと感心しながら読みました。それについては、あとがきに示された引用文献へのこだわりを読んで納得できました。様々な事例が紹介された後の終章では、人間と他の生物との違いのひとつには、知識の伝承による文化の蓄積があるとしています。その蓄積をもとにしたヒトの未来についての示唆には重たい警鐘が含まれてました。「生物人類学」というジャンルの意義がこの終章には込められていると思いました。
・「人類を客観的に観察する。」
人類を生物人類学の視点から客観的に見る。それが本書の一番のポイントです。人とはどう言う生き物なのか、何が他の生物とは違うのか、そして何が同じなのか。このような比較対比をしながら一つ一つの生活様式(例えば食べる、付き合う、育てる、死ぬ、等)に関して、人とは何なのかを簡潔に纏め上げていきます。
また著者は本当に博学です。様々な事例に対して複数の補足(歴史学的見解、経済学的見解等)を加えて解説をしてくれます。ですので、ページ数が少なく手軽に読みこなせる半面、得られる情報は多岐に渡り膨大です。
自分の属する人類とは何かを知るいい機会になるかと思います。一読する事をお奨めします。
・「精密な図です。解説も充実しています。」
写真より精巧なイラストで動物を集めています。小学生の補助教材にもよい。動物、植物、昆虫は楽しみながら見ることにより知識が深まっていきます。この図鑑は解説もかなり多いため、十分に使いこなすには小学3年以上が適当でしょうか。幼稚園生にはもっと図、写真中心のものを勧めます。
・「このどうぶつは…」
「なに食べるの?」と必ず聞いてくるうちの子供。コアラ、ライオン、とメジャーな動物ならこちらにも知識がありますが、ミーアキャット、むむむ、微妙…、ビーバー、魚…え?何の魚かって??むむむ…
この図鑑は各動物の主な食物と、生息地域がしっかり書いてあります。生息地域も「南アフリカ」とあれば、世界地図にその地域が色分けされて示されていて、とても分かりやすいです。もう一つ気に入ったのが、大きさ比べ表。人間の大人と子供の影を基準にした表があり、動物たちと大きさが比較できます。こんなに小さいんだ!意外に大きいんだ!!が、紙面で実感出来るのは嬉しいです。
・「イラスト図鑑」
最新の動物図鑑でほぼ全種をカラーイラストで仕上げている。2002年発刊で写真では無いのは?だが、むしろ精密イラストの方が写真が豊富でない珍しい種や大型のクジラなど図鑑としては分かりやすい。随所に写真も挿入されている。珍しいキングチータや今年話題になった”タマちゃん”のアゴヒゲアザラシの成体の写真も含まれている。本書によると”タマちゃん”は川を遡上することは普通らしい。巻末には学名も載っている。美しいイラスト図鑑で手元に置きたい1冊となっている。
・「写真ではなく、絵。」
写真ではなく、絵でしょう。図鑑は質感を伝える意味でも、絵がいいとわたしは思います。動物の「ほんと」を伝えられる写真はなかなかなく、また、絵だからこそ伝えられるモノがあるのでは?一部使われている写真は、大変効果的で意図的だと感じました。生き物の暮らす環境、絶滅危惧種の状況。動物ってかわいい。かっこいい。だけでなく、
様々な情報を与えてくれ、大人でも楽しめます。
・「動物園のあとには必須」
載っている動物の種類と見易さに惹かれて購入しました。動物がイラストなのは気になりましたが、写真のものでわかりやすいものがなかったこともあり、良かったのではないかと思っています。
が、4歳の子どもには難しいのか(「総合学習・調べ学習に最適!」と書いてあるし…)、なかなか一緒に見てはくれません。早まったかと思ったのですが、近くの動物園に遊びに行ったあとには、そのあとで図鑑を見て動物の名前を確認しています。
やはり、載っている動物の豊富さは非常に良かったと思います。
●日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス)
・「真摯で魅力的な解説書」
この本の取り柄は,なんと言っても日本の現役の研究者が自らの研究を織り交ぜて書いた所にある.ウェルズの アダムの旅 とは全く対照的に,ミトコンドリアDNAによる結果を基本から丁寧に解説し,世界での遺伝子の分布状況を示した上で,東北アジアでの分布を詳しく,縄文,弥生の遺骨の結果もそろえて世界でも稀に見る複雑な日本人の遺伝子構造とそうなった原因を説明する.ウェルズが扱ったY染色体による結果もきちんと取り上げられ,女系を示すミトコンドリア法と男系だけが分かるY染色体法の結果が対比される.ここまで丁寧によく分かる日本語で書かれれば申し分ない.推薦.
・「高校日本史教師、大感動!!!」
「日本人の母は16人」は本当に勉強になった。分子人類学という学問・研究のものすごさにただただ圧倒されました。「目から鱗が落ちる」とは、まさにこのことを言うのでしょう。
・「少なくとも分子人類学の立場からは、現代に生きる私たちの歴史が非常に短いものであるということは確実」(p.7)・「朝鮮半島の人たちの中にも縄文人と同じDNA配列を持つ人がかなりいる」(p.177)・「歴史的に考えれば、現在は縄文・弥生移行期以来二度目となる、外部からのDNAの流入と国内での均一化が進んでいる時期」(p.210) ・「私たちの持つDNAを研究してみると、そもそも人類の持つDNAの違いはごくわずかであること、そしてその成立の経緯から私たちの持つDNAは、ほとんどが東アジアの人々に共有されて いる」(p.210)
などなど、最新研究の成果満載。早く生徒たちに伝えたい。そんな気持ちにさせられた、お薦めの一冊です。
・「DNAから日本人の多様な祖先集団を推定する知的な旅」
現在主流と思われるミトコンドリアDNA全塩基配列を用いた人類の系統・拡散分析により、日本人の遺伝的起源を推定した非常に興味深い本。一般向けの平易な解説書だが、この分野の一線の研究者の著作だけに、情報量が豊富で奥が深い。最新のDNAデータバンクとハプログループと呼ばれる遺伝子分類型を用いて、日本人及び東アジア集団を構成する多様なグループの起源をたどる。例えば、ハプログループA(日本人の7%)の起源地は3万年前のバイカル湖周辺で、一部は北方からアメリカ大陸に渡り、一部は南下して東アジアに広がったなど。現代日本人のハプログループ頻度は韓国や中国東北部に非常に近く(北東アジア集団)、これは弥生人が朝鮮半島経由で渡来し広がったことを裏付けている。より興味深いのは、著者自身も直接加わった関東縄文人56名のDNA分析結果。全体としては北方系のグループが多いものの、渡来系弥生人と比べると南方系の比率がより高く、多様な源郷を暗示している。今後、日本、朝鮮半島、中国等での縄文時代の人骨DNA分析がより進み、古い時代の日本列島への人の流れが解明されることが強く期待される。
・「今まで読んだ中でベスト5に入るほど知的興奮を味わえる」
DNA研究によりわたしたちの由来や集団の系統関係を推定する分子生物学の成果であるDNA分析で、国家の歴史を超えてあらたな視点を得られる。現生人類はすべて20万年から10万年前にアフリカで生まれ、7万〜6万年前ほど前にアフリカをでて全世界に広まり、人類の歴史は実は短いなど刺激的な説を紹介している。人類集団というと、白人、黒人、黄色人の3種類に分けられるが、DNA分析が描き出した区分けはまったく異なっており、日本国内の分布も面白いが、アフリカ人は黒人ということでひとくくりに考えてしまうが、非常に多様である話など面白い。中国はひとつの国家で大多数は漢民族といわれるが、中国南部の広東人はベトナム人同様背が低いが、北京以北の中国人は非常に背が高いのも不思議なことではないこともうなずける。『人類進化の700万年―書き換えられる「ヒトの起源」』とあわせて読まれたい。
・「いろいろな意味で勉強になりました」
私は理系ではないし、まったくの素人なので学問的な事柄に関するレビューはかけません。そんな私でも、DNAやハプログループ、ミトコンドリアといった言葉に疲れを感じることなく、楽しく読めました。人類の進化と拡散、日本人の由来について、わかりやすく教えてくれる本です。
しかし一番心に残ったのは、第10章のおわりのほうにある「普遍的な価値を持たないナショナリズムにこだわって未来があるとは思えません」という文章です。人類はみな大した違いはないのだということを、日々の研究で実感している著者だからこそ出てくる、深い深い言葉だと思います。
全人類がDNA上では親類関係とさえいえるからといってすぐに争いがなくなるわけではありません。それを認識するには、少し世界が広くなりすぎ、人類が多くなりすぎたのかもしれません。でも、できるところからなにかをはじめたい、と思うようになりました。
●もの思う鳥たち―鳥類の知られざる人間性 (いのちと環境ライブラリー)
・「小鳥を飼っている者として」
もう10年になるが、私は手乗り文鳥を飼っている。10年の間に飼った手乗り文鳥は4羽。それぞれ個性のある可愛い子たちだ。手乗り文鳥を飼って最初に思ったことは「鳥というのは何と利口で、人間的なんだろう」だった。名前を呼ぶと飛んでくる、ある一定の言葉(ごはん、お風呂、おうち などなど)は確実に理解している、自分の要求をそれなりのボディランゲージで伝える。これらの行動は犬にも似ているが、犬よりも人間的な何かがある。
しかしながら、これらのことを友人たちに伝えても理解してもらえない。彼ら(彼女ら)の頭の中には「たかが鳥」という意識が根強くはびこっているらしい。
この本には私が長いこと思っていた「鳥は人間的であり、非常に利口である」ということが実例をもって書かれていて、とても嬉しかった。鳥を飼っている方、鳥を愛している方、どうぞご一読を。鳥好きに楽しい時間を与えてくれる本です。
もの思う鳥たち―鳥類の知られざる人間性 (いのちと環境ライブラリー)
・「恐竜から進化した鳥は、知性を持っている」
著者の主張は、ある種の鳥類は、心と知能をもって、会話がおこなわれており、その一部は人間との意識の交流も可能である、というものである。著者は、心理および催眠療法家の立場。著書は、認知比較行動学の立場から、鳥類の認知機能について文献的に考察したもの。心理学にありがちな、仮定のうえに論理を作り上げるという手法を使っており、生物学の科学的方法論によって、論証されたものでないので、科学的説得力は皆無と思われる。しかし、著者の主張するように鳥類は高度に人間意識との交流が可能である、という点については、同意する。その場合には、人間の意識状態こそが問題なのであって、誰とも何時でもというわけにはいかない。林や森の中で、瞑想者は、感覚的には、鳥と会話をしたと感じているものではないか。著者は、催眠療法家なのだから、なにも無理に自然科学的論証などをせずに、自己の考えを明確に述べるという手法か、自己の鳥との交流体験を素直に、書かれたほうが、説得力があったのではと、思ってしまった。 そもそも、鳥類の 「人間性」を論じる事が、人間の 傲慢不遜 ではないでしょうか。
・「ペット好き向きかも」
鳥をメインにして動物全般の人間臭さを論じた本なわけですがさすがに昆虫のところでは飛躍しすぎかなと思いました。無脊椎動物なら昆虫よりもイカなどを引き合いに出した方がわかりやすそうですよね。以前セキセイインコを雛から育てた経験がありますので鳥に関する記述は非常に共感できるものがありました。生き物を飼っている人、飼っていた人なら共感できる部分も多く楽しく読めるのではないかと思います。
・「テーマはよいが・・・」
タイトルに非常にひかれて読んだが、鳥に関する内容はそれほど深くなく、他の生命体に関する記述がかなり多いため、全体として「鳥について」の本という感触はなかった。また、翻訳に難がありかなり読みづらく感じた。
・「図版ナシというのはちょっと…。」
自分も鳥飼いなので、この本にある話のいくつかは体験しています。従来言われているように、鳥が「飛翔力を得るために脳容積を犠牲にした生き物」ではないことは、常々実感しています。そんなわけで中々良い内容なのですが、図版がゼロというのが気になります。外国の本にはよくあるパターンなのですが、我々日本人が読むものとしてはどうもこういうのは愛想がなく、少しでも写真やイラストを入れて欲しかったというのが正直な感想です。
・「ばかばかしい」
この著者はいったい何者でしょうか。だいたいこの類の本で、著者紹介に学歴も書いていない時点であやしい。
私が頭にきたのは「アハ!センテンス」なるものです。最初のパラシュートの例はよかった。しかし、「鍵が壊れたので女の子はポップコーンをこぼした」という問題の答えはバカ丸出し。それまで答えも見ずに丸一日、食事中などにずっと考えていたのですが、答えを見て「は?」と思いました。「なんてバカバカしい答えなんだ!」それ以後の問題も同様なものでした。こんな問題では何もひらめけません。ひらめきを感じたいなら、数学しかありません。図形問題の、補助線を発見したときの「あ!!」というひらめきのほうが、断然いい。
「アハ!」なんていう命名も、品がない。以前著者をテレビで見ましたが、やはりそのときも私は納得いきませんでした。
ひらめきを感じたいなら、数学をしろ!!
・「お子さんをお持ちのお母さんにも」
著者の他の類書と読みくらべてみましたが、著者の類書の中では、一番やさしく書いてある本だと思います。何か一冊を最初に読みたいのであれば、この本でしょう。よく話が組み立てられており、新書でページ数も少ないながら、読み応えのある内容です。この本を読まれると、著者の他の類書の理解も進むのではないかと思います。
何らかの受験生がこの本を読まれると大変参考になると思いますが、それ以外の方もご自分の職業ジャンルを問わず読まれると、日々の仕事の上での考えるヒントを貰えるのではないかと思います。
「生きるということは、何か起こるかわからない不確実性にいかに向きあうかということが本質なのです。」「感情は、理性にコントロールされているのではなく、むしろ理性を支えている」などのメッセージは大変心に残りました。
お子さんをお持ちのお母さんにもお薦めです。
・「脳科学の先端が解き明かす”ひらめき”の秘密」
著者は『世界一うけたい授業』『プロフェッショナル』等、テレビでもおなじみの脳科学者。気づかないうちに画面が大きく変化しているという「アハ!ピクチャー」の発案者と言った方が通りが良いかもしれない。
“クオリア”という何だか小難しい研究が専門らしいが、この本では(本人が後書きで書いている通り)脳科学の最先端の知見を素人にも分かりやすく説き起こしてくれる。
「暗記がなければ、創造性も生まれない」「記憶が完全でないから、新しい意味に気づくことができる」「スランプがひらめきを生む」「理性と感情は対立するものではなく、感情が理性を支えている。正解のわからない問題に直面したときこそ、感情が必要だ。」
…等など、目からウロコが落ちる話が満載。毎日の生活の中で生かせそうなアイデア、提言も沢山あります。 著者が一番訴えたかったという、「なぜ、私達の脳には“ひらめき”という機能が備わっているのか」という問いへの答えは、なかなか感動的です。 本人自ら「文章が難しい」と書いてますが、他のコムズカシイ著作も読んでみたくなりました。
・「不発」
結局、この本は何も言っていないも同然です。あっと驚くようなひらめきの原理や方法が書かれているわけではありません。多少書かれてはいますが、一般人でも知っているような凡庸なものです。そして、肝心なところになると「まだわからない」。それが事実なんでしょうが、であれば本にすべき段階ではないでしょう。とにかく、すでに世の中にありふれていることしか書いてないのが非常に痛いです。
・「「『脳』整理法」よりは読み易いけど、それは代筆効果?」
茂木さんの文章って何だか読みにくいと、以前「『脳』整理法」を読んだ時に思いました。今回、この本を読むと妙に読みやすく、内容的に前著の復習にもなりました。「あとがき」によれば、新潮社の担当者に講義をして、その内容を担当者が文章にまとめ、それを茂木氏が手直しする、という形で本にしたそうです。(これが良いのだか、悪いのだか..."多作"家の運命?)
参考になる点は幾つかありますが(例:ひらめき=前頭葉(意識)×側頭葉(無意識)=意欲×体験)、既に前著や池谷裕二の著作(「海馬」「だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法」「記憶力を強くする」「進化しすぎた脳」)を読んでいることもあり、(初心者以外には)★5つというインパクトはなく、個人的には★3.5の評価です。初心者の方は、上に挙げた本も面白く読めるかと思います:特に「海馬」は面白いのでは? また、この本だけでは物足りない技術屋さんには「発明家たちの思考回路―奇抜なアイデアを生み出す技術」(エヴァン・I・シュワルツ)「セレンディピティー―思いがけない発見・発明のドラマ」(ロイストン・M. ロバーツ)などが参考になるでしょう。あと、細かいことですが、小柴氏のカミオカンデによる超新星爆発由来のニュートリノ観測の事例を「純粋なセレンディピティ」として説明している処は違和感があります;詳しい経緯は小柴氏が「KAMIOKANDEのこと」(日本物理学会誌51巻5号掲載)に記されています(→オンラインでも読めます)。
・「生物の神秘」
中公新書の名著として誉れだかい本書。その書名が表すところはあまりにも有名になった。「時間」や「秒」人間が生活の便宜上つくり出した人工物であることを改めて知らされる。なにか、立花隆が『宇宙からの帰還』で書いている「地球の時間、月の時間」とスケールこそ違うが、共通してる部分があるようでおもしろい。
各々の動物がもつ時間について書かれている箇所は本書の最初の部分だけに過ぎず、その後は動物の食事量やエネルギーについて、また生物の精巧なつくりについてなど、話題は多岐におよんでいく。それにしても、生物とはなんと無駄なく生きているのだろうか。生物の神秘というものを感じずにはいられない。
・「生き物のサイズと時間についてどのくらい考えた事ありますか?」
初学者の方は、この本を読む事で、生き物に対する様々な疑問が湧くかもしれません。さらに専門的な知識を持つ方にも、本書を読む事は自分の考えとの食い違いを吟味する時間になるかもしれません。そう言った意味では読む価値はあるかもしれませんが、総じて私はお勧めしません。
理由はハッキリしていますが、著者が根拠としている証拠が
非常に弱いのです。
科学的実験に何度も挑戦・検証された理論こそ信頼性は高いものですが、残念ながら本書で引用されているデータは古く、あまり検証されたものではないため、信頼性の高いものとは言えないのです。
本書の内容を注意深く考察しながら読める方以外は、お勧めできません。
・「生物学に興味なくても」
私自身は「生物学」というものに全く興味なく、ラジオでたまたま紹介していたので読んでみた。面白かった。なによりも、おそらく読んだ人は等しく同じ事に感動されると思うが、「動物はそれぞれの時間を生きている」とういう点。一生の間に打つ心臓の鼓動の回数はどの哺乳動物でもほぼ同じで、身体が大きくなればゆったりと、小さくなれば早く打つ。だからそれぞれの動物にしてみれば、同じ時間を生きている、という説明を読んである意味精神的に慰められる。それは小動物(世にペットと呼ばれるが)と一緒に生活していると必ず彼らの死を見つめなければならないから。もうひとつ興味を引いたのは「島の理論」。おすすめです。
・「難しい理論を面白く紹介」
本書は動物の体が自然によってどう設計されているかを次元解析という方法で説明するものです。次元解析は物理学や機械工学では良く知られている方法で、およそ形のあるものすべて例えば土木建築から映画の特撮や料理に至るまで広く適用可能です。生物学への応用も昔から行われていて、古くはガリレオ・ガリレイの新科学対話に動物の骨の太さの話が出てきます。 次元解析は相似性と密接な関係があります。相似な三角形は隣り合う辺の長さの比がどれもおなじです。この二つの長さは同じ単位で測られる量なので、それらの比は単位(次元)を持ちません。これを無次元量といいます。本書の冒頭に出て来るのは、哺乳類の心拍の周期と平均寿命の比でこれも無次元量です。哺乳類ではこの量がみなほぼ同じなので、時間的に相似であると言えます。ゾウとネズミのように体重が何桁も違う動物が相似性を持っているというのは驚くべきことで、これがタイトルの由来です。長さの相似、時間的な相似、重さの相似など色々な相似がありますが、長さの2乗に比例する量、3乗に比例する量など様々で、すべてが同時に相似ということはあり得ないために、たとえば体の長さが決まると、自ずから他の量も決まってしまう場合がほとんどです。これが次元解析の手法です。本書ではエネルギー代謝や流体から受ける力なども取り上げて動物の体がどのように設計されているかを説明しています。うまく話題を選んで読者の興味を離さないように書いた著者の手際は見事で、興味深く読むことができました。 みなさんも書いていらっしゃいますが、問題は数式です。式のある本は読み慣れているのですが、それでも付いて行けずにそこは飛ばして結論だけ読んでしまった箇所がいくつかあります。縦組みが基本の新書版ではうまく書けない内容なのではないかなという感じを受けました。
・「生物学のおもしろさ」
普段生活している中で生き物のことを考えることはあまりない。大きい動物はおおきいとか、小さい動物はちいさい。そのくらいしか思うことはない。しかしこの本を読んでかなりの驚きがあった。動物のサイズによって寿命が違うことは当然に思えるけど、実は一生の間に心臓が打つ総数はサイズにかかわらず同じであることはかなりの驚きだった。普段生物学のことなんて考えない自分にとって、わかりやすい例とわかりやすい説明で生物学のおもしろさにふれることができた。
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