アイデアのちから (詳細)
チップ・ハース(著), ダン・ハース(著), 飯岡 美紀(翻訳)
「火の用心。《使用》の際は、十分にご注意を。」「惹き付け、焼き付けのバイブル!!!」「1カ所も飛ばすことなく最後まで読み込みました」「文句なしに読んで面白い」「すごいアイデアは人を動かし、歴史を動かす!!」
大暴落1929 (日経BPクラシックス) (詳細)
ジョン・K・ガルブレイス(著), 村井 章子(翻訳)
「デ・ジャブ」「歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ」「またも復活した歴史的名著」「ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。」「時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書」
ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 (詳細)
ジェームズ・C. コリンズ(著), 山岡 洋一(翻訳)
「GREATになれないGOODな人たちへの人生指南としてもお奨め」「古い日本人の価値観にも合うのでは?」「真の企業家に向けて必読の「理論」」「前作(ビジョナリー・カンパニー)よりお薦め」「自らを他の土台に据えた愛他の心こそが成功の母だ!」
「理論と実践-一歩一歩着実に」「「地域社会への貢献」を企業目的の本音に」「感動的です。」「本当の顧客思考がここにある」「まさに古典である」
中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ (詳細)
アレクサンドラ・ハーニー(著), 漆嶋 稔(翻訳)
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 (詳細)
ジェームズ・C. コリンズ(著), ジェリー・I. ポラス(著), James C. Collins(原著), Jerry I. Porras(原著), 山岡 洋一(翻訳)
「良い会社とは」「年に1冊ならこの本」「会社の真の強さを知る」「一番必要なことがわかる本」「サイバーエージェント社長の藤田氏推奨の本」
超・格差社会アメリカの真実 (詳細)
小林 由美(著)
「明確な視点」「アメリカ社会についての最良の解説書」「アメリカは広いだけで深くはない。これを知っておかないと深みにはまる。」「告発物ではなく、優れたれた経済史本である。」「これは随分な拾い物、でした」
インド 厄介な経済大国 (詳細)
エドワード・ルース(著), 田口 未和(翻訳)
「現代インドの実態」
資本主義と自由 (日経BPクラシックス) (詳細)
ミルトン・フリードマン(著), 村井 章子(翻訳)
「復刊されました」「乗り越えるべき古典」「本当に読みやすい」「古典の復活」「リベラリストに破門された似非リベラリスト」
最強の記憶術 暗記のパワーが世界を変える (詳細)
アンドリュー・スミス・ルイス(著), エリック・ヤング(著)
・「火の用心。《使用》の際は、十分にご注意を。」
人は、理屈ではなく、感情で動く。だからこそ、感情への働きかけは、行動を生み、行動を変える。
しかし一方、例えばレア・ミディアム・ウェルダンといった火の通し具合があるように、個々人によって、〈好み−加減〉というものがある。
したがって、記憶への「焼きつけ=Stick」においても、程度問題を見落とすことはできないのである。
本書では、六つの原則の頭文字からとった「SUCCESs」というフレームワークを提唱しているが、他者の観点からすれば、全体として「他者の感情への働きかけ方」ということになるであろう。
そこで肝心なのが、このフレームワークを使用する者の「使用意図」についてである。これは、解説で勝間さんが言われるほど、単に"優れたフレームワーク"というだけでは済まされないのだ。
この本では、「意味の拡張」という概念を用いているが、「焼きつけ」のしすぎは、思わぬ効果を生みかねないのだから。
ややもすると、感情への訴求が"他者への配慮"をゆうに越えてしまい、"心理操作"と受け取られる可能性を否定しきれないのである。
本書が、「読者(他者)に"とって"有用なフレームワーク」を提供しているのであれば、多くに受け入れられるであろうが、「読者(他者)に"対して"有用なフレームワーク」との解釈をされたならば、時にしっぺ返しを食うことも・・・
肉も魚もサツマイモも、焼きすぎれば口にするのを拒みたくなるし、何よりどんなに素材が上等でも、"味"(←使用者への評価も含む)は確実に落ちるというもの。
本書は、良くも悪くも"火力十分"につき、どうぞ、「焼きつけ」が「焦げつき」になりませぬよう・・・
・「惹き付け、焼き付けのバイブル!!!」
「誰も聞いてくれない」「途中で飽きられた」「うなずきながら説明を聞いていたのに、まったく行動に結びついていない」「とりあってくれない」「いちいち難癖をつけてくる」「聞き手が冷めている」
そんな経験はありませんか?あるのなら、必読です!!
教えるのがもったいないなあ、と思ってしまうくらい、明快、確実、実行可能な、相手を惹き付け・焼き付ける秘訣満載の1冊である。そこそこページ数はあるが、無駄なページはなく、的確な解説・事例で分かりやすくテクニックを解説してくれます。
“アイデアのちから”という書名ですが、これは、“相手に焼き付けるための秘訣”である。
焼き付けるものは、アイデアでもいいし、記憶でも良いし、行動原理でも良いが、それをいかに語りかけるか、惹き付け、そして焼き付けて忘れさせないようにするか、そのためのテクニックである。
効果的なプレゼンをしたい人論文・報告書を読ませたい人行動を変えたい人ものを売りたい人・・・・とにかく、最初の3ページ(8〜11)を読んでみてください「お!」と思ったら買いです
読んで損、ということは絶対にないでしょう
ポイントは6つ(1)単純明快である(Simple)(2)意外性がある(Unexpected)(3)具体的である(Concrete)(4)信頼性がある(Credible)(5)感情に訴える(Emotional)(6)物語性(Story)略して、SUCCESsとしていますが、読んでみないと分からないでしょう
それより、ジョン・F・ケネディ元大統領の「我が国は、60年代の終わりまでに人類を月に着陸させ、無事地球に帰還させるという目標達成に、全力を尽くすべきである」という演説がなぜ、力があり、一度聞いたら忘れられず、国家プロジェクトを推進させ、成功に導いたかをひもとき、JFKのようにカリスマ性がなくても同じことが実現する方法を、この本は教えてくれます。
これは、バイブルだなあ
・「1カ所も飛ばすことなく最後まで読み込みました」
非常に有益な本でした。350ページ以上ありますが、1カ所も飛ばすことなく隅から隅まで読ませてもらいました。こんな読み方をした本は久しぶり。
・「文句なしに読んで面白い」
日本のアイデア本は大きな文字で書いてあって、結構中身がスカスカということもあります。この本は身がぎっしり詰まったカニのよう。御託を並べ、理想を書くのではなく、実例を豊富に入れて説得力があります。この手のノウハウの要不要は人次第ですが、読んでいても「なるほどねえ」と楽しむことができてお勧め。
・「すごいアイデアは人を動かし、歴史を動かす!!」
全米で150万部を超える「支持」を得た本書は、実はこれも全米ベストセラーの マルコム・グラッドウェル著『急に売れ始めるにはワケがある』に触発されて書かれた。 『急に売れ始めるにはワケがある』では、流行や社会現象を起こすものには、 (1)少数の目利きに浸透する、(2)記憶に粘る、(3)背景が味方する、 の3つの法則があることを明らかにした。 本書は(2)の「記憶に粘る」という点をより深く、より多角的に取り上げ、一度聞いたら決して忘れないメッセージ、人を行動に駆り立てるような言葉について、以下の6つの法則を明らかにしている。 (1)単純明快である(Simple) (2)意外性がある(Unexpected) (3)具体的である(Concrete) (4)信頼性がある(Credible) (5)感情に訴える(Emotional) (6)物語性(Story) 頭文字をつなげてSUCCESs(サクセス)の法則と著者たちは呼ぶ。 ジョン・F・ケネディ米大統領の「人類を月へ」という演説はアメリカ国民を熱狂させ、ソニー創業者の井深大の「ポケットに入るラジオ」というコンセプトは、ソニーを世界企業に飛躍させた。すごいアイデアは人を動かし、歴史を動かす。本書はそうした具体例が豊富に盛り込まれたアイデア創造のヒントになる内容となっている。
・「デ・ジャブ」
本書は、経済学者として著名な故ガルブレイスが、1929年ニューヨーク発の株価大暴落と、その後の世界恐慌の事実関係を辿るものである。初版が1955年であり、以来40年以上、版を重ねるロングセラーの復刻版となる。
大恐慌時期と比較しても、現在の市場構造や、それを取り巻く諸制度は変化した。しかし、私利私欲を追求する多数の人間達は今も変わらず、同じ過ちが繰り返される。時代を経ても、変わらない真実が、本書には詰まっており大変興味深い。
帯には、「バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる名著」と描かれている。タイトル通り、サブプライム問題で揺れるこの時期にこそ、本書に触れ、歴史の教訓に学ぶ必要があるのではないか。
・「歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ」
愚者は経験に学ぶ、賢者は歴史に学ぶと言いますが、まさに本書は、前者になりがちな人たちに「歴史」を教えてくれます。歯車が一度、逆回転すると、なにをやってもうまくいかないこと。ただし、なにもしないことはもっといけないのですが。今回の大暴落でも、本書に書かれているように、ときどき「ああ、もう暴落は終わった。今が底だ」ということ繰り返されています。
・「またも復活した歴史的名著」
この本「大暴落1929」は、バブル期にはほとんど注目されず、本屋にも売っていない。しかし一旦バブルがはじけると再び注目されるのだ。この本が日本で注目されたのは、最近では1990年、2000年であった。そして今年2008年秋…。
数十年もしくは数年後に、また違うバブルが起きそうになった時、読者はまた再びこの本に注目することになるでしょう。
・「ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。」
08年9月より本格的に米国市場が「100年に一度??」の暴落をつけました。まずそもそも、米国人は、出来る事なら、一攫千金で一山当てたいという連中、もとい方々が他国と比較して非常に多いということを頭に入れておくべし。
1920年代、日本の原野商法同然のやり方でフロリダで土地取引が行なわれバブルが弾けたり・・・など興味を引きつける書き方になっています。
また、大恐慌で、街の靴磨きの少年までが株に手を出していてこれで天井と察知した○○氏が、売り抜けたといった逸話がありますがこれはどうもマユツバらしい。理由は、当時の、普通の庶民達は株なんぞに手を出さなかった方が大半。
また、大恐慌で自殺者が多数出たというのも、これまたオーバートーク。
○月○日に○○円をつけた・・・と記述があるので実際に値段を帳面に付けてグラフを付けてみると、実に興味深い。
マスコミ・新聞・有識者・政府の発言も、今の日米のそれとあまり変わっていない点も苦笑してしまう。
この本を読めば、安易に「今こそが底値です!」とは言いにくくなるでしょう。
・「時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書」
名著「不確実性の時代」で知られる経済学者ガルブレイスが、世界大恐慌のさきがけとなった1929年の株の大暴落を、淡々とした事実の積み重ねで表象。
著者本人が当時を目撃している点が、重みを与えている。聞くと見るとじゃ大違い、そんなところだろうか。
今、この本を開く方の多くは、現下の金融危機とその未来に思いをはせていることだろう。歴史は記録かもしれないが、歴史から知ることも多い。本書読み終えて本当にそう思う。
まさに、時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書だと思う。
・「GREATになれないGOODな人たちへの人生指南としてもお奨め」
「またビジネス書か。もうビジネス書はたくさんだ」と思う人も多いことだろう(ぼくがそうだ)が、この本は違う。著者はGREATを「株式運用成績が15年にわたって市場並み以下の状態が続き、"転換点"の後は一変して15年にわたって市場平均の三倍以上になった企業」として定義し、この基準をもとに1965-1995の30年間にフォーチュン誌のアメリカ大企業500社のリストに登場した企業を対象として組織的な調査と選別を行って残った11社を、対照的にGOODのままGREATになれなかった企業11社、いったんGREATになったがそれを15年持続できなかった企業6社と比較して分析している。
厳密なふるいをかけて残った11社のGREATな企業は、著者のコリンズと調査チームが驚いたほど「地味で野暮ったい」企業の一覧となった。だが、それらの企業を調査して導かれた結論は、示唆に富む内容でありながらシンプルで分かりやすい。何より興味深いのは「GOODからいかにしてGREATに脱皮するか」という考察が、企業だけでなく個人の人生にもみごとに適用されそうな点である(このため訳書のタイトルには不満が残る。原題は"GOOD TO GREAT")。
「GOODはGREATの敵である」と喝破する著者、ジム・コリンズは「一億ドルもらってもこの本の出版を差し止める気にはならない」と断言するほどの自信をもってこの論考を世に問うている。ビジネス書としてだけでなく、「学生の頃は優秀でいろいろ夢や野心があったのに社会に出ると月並みな成果しかだせなくなってしまった」ことに悩んでいる、GREATになりたいGOODな人たちに人生指南書としてお奨めしたい一冊だと思う。
・「古い日本人の価値観にも合うのでは?」
前作”ビジョナリーカンパニー”もそうであるが、今作もまずその徹底した調査実績に感服する。 その結果得られた内容がなんとも至極当然であった事に驚くと同時に安心もした。 古い日本人の特質の一つである謙虚であることの本当の意味、謙虚がもたらす成果について考えさせられ昨今のグローバルスタンダードの表層しかなぞっていない、理解していない御仁や、違和感を感じている人には是非読んでもらいたい。 人生をGreatにしたい人も必見です。 良いビジネス書とは人生全てに適用できる内容を持っているはずとの私の考えと完全にマッチしている。
・「真の企業家に向けて必読の「理論」」
前著『ビジョナリー・カンパニー』よりおよそ6年の年月を経て出版された本書。偉大な企業が偉大さを永続する卓越した企業になることを説いた前著に対して、本書はその続編ではなく、「良い組織を偉大な実績を持続できる組織に飛躍させる(Good to Great)」ことを説いたものであり、むしろ前編に当る。前著以上に、本書はすべての企業人、企業家に対して価値ある示唆を与える卓越した一冊だと言える。
まず、こうした内容の類書・文献は多分に散見されるが、これらと本書とを明らかに異なるものにしている点は、本書が理論の域に達していると言い得ることだろう。巻末に示される膨大なデータ調査の経緯や議論・検討の経緯の記述から、仮説でも一般解でもなく理論だと言い得るのだ。即ち、本書が与える示唆は、勿論実現は容易ではないのだが、科学性・再現性を備えたものだと思われる。 次に、ただ単に「成功の方法」を説いたものではなく、その持続性に焦点を当てていることは無視できない。即ち、如何に短期的な成功、大々的なキャンペーンがあろうとも、企業組織が持続的発展を望む以上、この視点から考察された本書の示唆は非常に稀有であり、読む者を崇高な想いに至らしめる。ビジネスの競争にあって、ややもすれば独善性や視野狭窄に陥り易い企業人に対して自身を内省させる視点に溢れている。 第3に、それでいて革新的な提言が盛り込まれている。本書で提示するGood to Greatへの処方箋は、「第5水準のリーダーシップ」「最初に人を選びその後に目標を選ぶ」「厳しい現実を直視する」「針鼠の概念(BHAG)」「規律の文化」「促進剤としての技術」「弾み車と悪循環」の7つの概念から構成されている。「第5水準のリーダーシップ」はコッターなどが提示するリーダーシップモデルを超えて更に「個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さ」を兼ね備えたリーダーの必要性を説いている。また、「最初に人を選び次に目標を選ぶ」というのは人的資源管理の原則的な考え方とは趣きが大いに異なる。加えて、「促進剤としての技術」では技術はあくまで補助に過ぎないことを再認識させ、それに振り回される企業人に警鐘を鳴らす。非常に有益で考えさせられる示唆が豊かなのだ。
本書が示すところは所謂「企業変革」とは明らかに相容れない空気がある。しかし、短期的に華々しい変革ではなくとも超長期の卓越を得たいのであれば、本書の説くポリシーがまずもって優先されるべきだろう。偉大な企業に脱皮し持続的高成長を掌中にするためには、市場環境に対応すること以上に、規律ある組織や内省できる個人など、深く・潔く自らと向き合うことが如何に重要であるかを思い知らされる。 間違いなく秀逸な良書である。
・「前作(ビジョナリー・カンパニー)よりお薦め」
いわゆる並み(Good)の会社が、いかに偉大(Great)な企業となりえたかという点で、成功したアメリカ企業の事例研究ではあるものの今日業績低迷にあえいでいる日本企業にとっても実に示唆に富んだ内容である。前作(ビジョナリー・カンパニー)は偉大な創業者が、不変の基本理念のもと、偉大な企業を築き上げたという、応用を図るには少し遠い存在であったように感じる。また筆者自身、前作では不明瞭であった点が、今回の調査によって明確になったと認めている。
偉大な企業が例外なく、自社が世界一になれるもの、経済的原動力になるもの、情熱をもって取り組めるもの、という条件にあてはまる事業を取捨選択したこと。トップのカリスマ的指導力によってビジョンや戦略構築を図るのではなく、まず最初に適切な人を選び、その後に目標を構築したこと。自社が置かれた厳しい現実を直視し、十分に意見に耳を傾ける社風を作り出したことなど、自らの企業に照らしあわせても、示唆にあふれている内容である。各章にポイントをまとめているのも使い勝手がよくバイブルとしておいておきたい一書である。
・「自らを他の土台に据えた愛他の心こそが成功の母だ!」
ビジョナリーカンパニー2を読み始めた時に、2が前著の前提であるという箇所に疑問を持ちつつ読み始めたが著者の真意がほどなくして理解できた。パッションが先ず有りきでありその礎のがあってビジョンが生まれてくる、すなわち成長過程での情熱こそが全てを決するのだという事が分かった。
読み進める中でふと思ったことは、ビジョナリーカンパニー2に登場するリーダーには仏教でいうところの「大欲・小欲」の概念が自然と身について
いたのではないかという事である。大を組織そして小を個人とすれば分かると思う。人様の土台の上に立つ自分であれば一層人様の土台に徹した自分になりたいということが、「あの会社をここまでにする一端を担わせてもらえて良かった。」と振り返えるシーンから読み取れる。個人の栄達を最優先課題にしている自分を含めた凡夫のいかに多きことであろうか。
成功の秘訣ばかりが目立つビジネス書の多い中で人としての在り方が全てを左右するという意味で、ハイエクやドラッカーの著作にある人のヒトとしての有り様を大事にすべきであるという精神というかプリンシパルは共通ではないかと思いました。道具は心がなければ役には立たないということである。
自分も人生を送る中で他の人々の心の片隅にほんの少しでも残していただけるようなビジネスマン、社会人となれるよう努力精進して行きたい。
・「理論と実践-一歩一歩着実に」
タイトルの「経営学」というのは多くの人にとって、「学問」の名前である。しかし、経営学という学問自身は、それ自身を「実学」と称してる。つまり、現実をフィードバックして、その時代や環境に応じて中身を替えていくものであると。
まあ、それはどうでもいい。文章はぼくとつとしているが、こんなに迫力のある書物は初めてである。岳父が創業した「大和運輸」をダイワウンユと読み違えられるので「ヤマト運輸」に表記を変更。恩人ともいえる三越百貨店との契約解消、個人宅配市場に関心を寄せ、役員全員の反対を押し切って「宅配便」ビジネスに参入。次から次へと沸き起こる問題をいつも論理的に考えてピンチを切り抜ける。
「成功体験を出版したらその会社はおかしくなる」というジンクスを警戒し出版の要請を頑なに断ってきた著者が、相談役にしりぞいて会社経営と距離をおいて「満を持して」書き上げた本書は、著者の生き様同様、奥深い味わい深い質の高い読み物になっていると思います。
・「「地域社会への貢献」を企業目的の本音に」
日本の宅急便史は昭和五十一(一九七六)年に遡る。このサービスと市場を創造・開拓、今日に至るまで成長させ、かつ自社ヤマト運輸の「クロネコヤマトの宅急便」をブランドとして定着させた故・小倉昌男氏。彼の「経営学」に関心を覚えるのは、第一に宅急便という業態とサービスに一消費者として馴染み深いからです。運転手が側道停止時に左扉から乗降する便宜を計った改良型トラック、集荷・配達に訪れる好印象のセールス・ドライバー(SD)、昨日送ったとの連絡を親元から受けるや今日指定時間通りに配達される荷物…。本著「経営学」は、普段消費者の立場から身近に接触し観察するヤマト運輸について、それら個々のサービス改善・向上を司った背後の経営者哲学と、その適用の過程・結果を説明してくれます。第二は、巻末にある「経営リーダー10の条件」にもある「高い倫理観」と「論理的思考」です。氏は“企業の存在意義は…地域社会に有用な財やサービスを提供し、併せて住民を多数雇用して生活の基盤を支えることに尽きる”と言明します。資金繰りに苦悶し利潤追求に時間とエネルギーを奪われるのは、企業経営者として忌避できぬ事実。しかし“利益は手段であり、企業活動の結果。”氏は「高い倫理観」に根ざし“社格”と“社徳”を備え地域社会に貢献する、という理念の体現自体を、企業目的の本音に据え気骨をもって生き抜いていたのです。“サービスが先、利益は後”と繰返し論及していることと相まって、全編を通じてその信条を証していることに、私は本書の一つの大きな意義を見出しました。またその目的と手段・結果の主体と客体関係も、「論理的思考」関係なのです。第三は、氏の経営信条と業績は、日本が世界に紹介して誇りうる一つの好事例と思うからです。素朴でそれでいて入念に著された価値ある一冊です。
・「感動的です。」
この手の経営に関する本を読んで、『面白い』とか『学べた』と思ったことはありましたが、感動したのは初めてです。本書に込められたメッセージは非常に解りやすくて、本質的な正論は難解ではなくシンプルなのだと再認識しました。世の中で間違っているようでまかり通っている事はいくつもあると思いますが、間違いは間違い、正しい事こそ正しいのだと安堵感を覚えます。思わずヤマト運輸に転職したくなりますので、上司と喧嘩した日は読まない方がいいかもしれません。
・「本当の顧客思考がここにある」
流行りの企業を紹介した、よくある会社紹介本ではありません。 経営者自身が書き上げた、「宅急便」というビジネスモデルの構築記です。経営者自身の筆によるため、興味深いエピソード等が随所にちりばめられています。 例えば、宅急便の取り次ぎは酒屋には人気があったが米屋には人気が無かった・・・等。(答えは本書で)
また、徹底した顧客思考は一ビジネスマンにも、本当のサービスとは何か?を教えてくれます。 世の「見かけだけ顧客思考」の経営者に是非呼んで欲しい。真の顧客思考がのこの本の中にあります。 著者は語ります、経営者には「論理的思考」と「高い倫理観」が不可欠だと。
・「まさに古典である」
カエサルのガリア戦記を面白いと思う人は この本を面白いとおもうはずである。日頃文学しか読まない家内に勧めて読ませたら 途中から話し掛けても返事をしないほどの読みふけりようである。会社の先輩に借りて一読し その足で本を返し かつ 自分用に一冊買ったほどである。内容は他のレビュアーの方に任せるとして これは賭けてもよいが 100年後には岩波文庫に入っていてもおかしくない。既に古典の趣である。
・「良い会社とは」
人が人生に「生きがい」を求めるように、企業もその存在に「生きがい」といえる「理念」をもつべきだろう。しかし、もし企業の使命が「儲けること」だけだとしたら余りにも淋しい。
企業の使命は、株主への利益還元であるとする考えが近来主流となっているが、米国の主要企業CE0が選んだ「ビジョナリーカンパニー」すなわち理想とされる企業の多くは、その使命として利益追求を第一には掲げていない。
それらの企業は長続きする「生きがい」、自分たちが存在する意義に対する確信をもっている。例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソンはその使命を顧客、社員、地域社会、に対する貢献と定め、その結果として株主の利益がはかられるべきだとしている。ディズニーは「人々に夢を与えること」をその使命としている。
本書は、このような明確な基本理念をもつばかりではなく、常に「進歩への意欲」を持ちつづけた結果、50年以上の歴史を有し、全米の経営者から尊敬を集めている18社を6年間に渡って調査したレポートである。
その分析の結果明らかなことは、「ビジョナリーカンパニー」とは、近来もてはやされている「エクセレントカンパニー」とはいささか趣きが違う。
「ビジョナリーカンパニー」は「理念を持ち続けること」と「大胆な挑戦」という厳密にいうならば背反する命題を持続し続けている。その為には、その企業内構成員が、一種カルト的に意思統一されていることが不可欠である。従って、「ビジョナリーカンパニー」の中は、企業理念に心酔し意気に燃えている人にとっては極めて心地良いだろうから、その企業は更に「ビジョナリーカンパニー」としての磨きがかかるという好循環がうまれるだろう。
本書は企業も「生きがい」をもつべきという主張から成り立っているから、「ビジョナリーカンパニー」の理念や、カルト的熱狂に埋没できない人たちは、「ビジョナリーカンパニー」から脱落するか、自ら去っていくことを指摘し、その人たちを敗者と位置付けているが、果してそうだろうか。それほど簡単に割り切れるほどには世の中は単純ではないと思うが。だからこそ「ビジョナリーカンパニー」を作ることは難しいといえるのかもしれない。
95年の発刊以来、日本でもすでに19刷を重ねた評判の本であり、企業理念、企業改革に関心が高まる昨今、一読されることをお勧めする。
・「年に1冊ならこの本」
21世紀を迎えた今だからこそ「やはりこの本」と思う1冊です。この本が紹介している『ビジョナリーカンパニー』とは、「ビジョンがある会社」ではなくて(ビジョンを持っているか否かではありません)、「永続する、真に卓越した企業」と著しています。そんな企業に共通していること、「時を告げるのではなく、時計をつくる」「“ORの抑圧をはねのけANDの才能を活かす」「「基本理念を維持し、進歩を促す」「社運を賭けた大胆な目標」「カルトのような文化」「大量のものを試して、うまくいったものを残す」「生え抜きの経営陣」「決して満足しない」・・・。GE、3M、ヒューレット・パッカード、IBM、ノードストローム、P&G、ソニー、ウオルト・ディズニー・・・。実存する会社の具体例と同業他社を比較しながら、「なぜGEはビジョナリーカンパニーで、ウエスチングハウスはそうでないのか」といったように比較対象企業との違いを、さまざまな角度から分析しています。「そんな大きな会社は私には関係ない。規模が違うじゃないか」と思わないでください。普遍的なむしろ未来を創るためには、という教訓を学べ、そして活かせると思います。まだお読みでない方にはお薦めします。20世紀に間に合わなくても、21世紀には間に合うはずです。年に1冊というのなら本書をお薦めします。
・「会社の真の強さを知る」
長期的に、脅威とも思える強さを持つ企業がある。なぜか景気が不況の時にも揺らがないように思える。そんな胆力の内側を見ることができる。この本を読んで、会社としての基本的価値観をしっかりと持つこと、それを証明する仕組みを作ることの重要性を改めて感じた。更には、この原則はカンパニーにおいてだけでなく、小さな組織においても、また個人においても適応できる。ビジョナリーな環境に自分の周りを変えたい人、ビジョナリーな人になりたい人必見。
・「一番必要なことがわかる本」
自分はこの本を読んでかなり会社や組織のイメージが変わった。どんなきれいごとを言っても、結局重要なのは利益をあげることだと思っていたが、本当はそうではないと確信することができた!重要なのは個々が理念をかかげ、それを貫き通し、単なる美辞麗句で終わらずしっかりと行動で示せるかどうかということだとこの本は教えてくれる。
簡単なことだと思う人もいるかもしれないが、おそらくこれを徹底することはかなり難しいことだろう。自分を律し続け、どこまでも理念に基づいて行動することは少しの努力ではできない。しかし、実際にその努力を続けることこそが他を引き離していく力になる。
自分もこれを見習い、自分なりの理念を作り、それを目指して行動していきたいと思った。
・「サイバーエージェント社長の藤田氏推奨の本」
渋谷ではたらく社長の告白著者でサイバーエージェント社長の藤田氏推奨の本であるビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則。
ビジョナリー・カンパニーとはビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業である。
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則ビジョナリー・カンパニーとして3M、アメリカン・エキスプレス、ボーイング、シティーコープ、フォード、GE、ヒューレット・パッカード、IBM、ジョンソン&ジョンソン、マリオット、メルク、モトローラ、ノードストローム、プロクター&ギャンブル、フィリップ・モリス、ソニー、ウォルマートとウォルト・ディズニーの 18社が上げられ、比較対象企業(これら企業も一流)と何が違うのかが調査、分析している。
この本の教訓としては、1. 時を告げる預言者になるな。時計をつくる設計者になれ。2. 「ANDの才能」を重視しよう。3. 基本理念を維持し、進歩を促す。4. 一貫性を追求しよう。である。
基本理念の重要性、それをすべての従業員に浸透させるための組織、教育など、なるほどでした。
また、基本理念が強力で、ちょっとカルト的になる場合もあり、すべての人に対してビジョナリー・カンパニーが働きやすい会社ではないこともあります。
日本で唯一はいっているソニーの基本理念は、・技術を進歩させ、応用し、革新を起こして、国民の生活に活かすことに真の喜びを感じる。・日本の文化と地位を高める。・開拓者である。他の追随をせず、人のやらない仕事に取り組む。・個人の能力と想像力を尊重し奨励する。です。
ソニー然り、日系メーカーの多くは今一度理念を見詰める時期ですね...
・「明確な視点」
数あるアメリカ論の中で群を抜く面白さ。これは著者の視点の良さによる。 第一は、著者の社会的位置である。著者は自身の分類による「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」の中で、おそらく「プロフェッショナル階級」の下層にあって、貧困層への転落の恐怖と格闘してきた人ではないか。その位置からの目を感じる。 第二は、著者は母国の根を切った “移民”である(らしい)。企業・官庁や大学などからの“駐在員”ではなく、母国に帰るべき職場のない腰を据えた“移民”の目を感じる。 格差観は論ずる者の社会的位置によって全く異なる。シリコンバレーの「下層?プロフェッショナル階級」として激烈な競争渦中にある著者には、中流・中産階級のような安住の階層などは見えないし、見たくもない。一方で、アメリカ移民の「未知の中にリスクよりも夢と希望を感じ取るオプティミズム」もしっかり持っている。それがこの否定的な意味でない「超・格差社会」という格差観を生んだのだろう。 今や、この階級の新たな“移民”がより大きな自由と可能性を求めて陸続と日本からアメリカに向かっている。そのアメリカに何があるのか。それを見事に解析して見せた。タイミングの良い好著である。
・「アメリカ社会についての最良の解説書」
アメリカ社会についての書物は数多い。私もこれまで15冊ぐらいは読んでいるが、本書は最高である。 著者は、日本での、いわゆる「アメリカ専門家」ではないが、「日本人の眼」を持ったアメリカ人と言えよう。「アメリカ専門家」は、大学教授、数年滞米したジャーナリストなどであり、名前が売れているから本も出しやすいが、アメリカで付き合う相手は同業者、政治家、ロビースト、財界人などであり、「上澄みの」情報と体験で書いているから、真実の姿が分からない。本書に出てくる著者の友達・知人は、色々な階層にまたがっており、「等身大の」アメリカ人の姿を見せてくれる。 また、著者のアメリカ史に対する造詣は相当なものだ。経済や金融の切り口が入っているので、よく分かる。ただ、本当に読む込むには、読者の方に経済、政治、歴史のある程度の知識が要る。この本は、一行一行の凝縮度が高い。かなりの学識者と見たが、こうした日本人が居ることにうれしい驚きを覚える。これまでの著者のアメリカ生活の卒業論文のような本だから、続編が書けないのではないかという気もするが、この本一冊でも、アメリカの今後を占うには十分ではないかと思う。 あえて言えば、本著の欠点は、図表、特に地図が見にくいことである。カラー印刷にするか、出版社の方で工夫して見やすくしたら良かったのではないかと思うが、これで星半分減らしても5つ星以上であると思う。
・「アメリカは広いだけで深くはない。これを知っておかないと深みにはまる。」
遠くて近い国、アメリカ。でも僕らが知っているのは、金髪、巨乳、青い目くらいだ。
日本はアメリカの仲間入りをしようと努力している。でも、風土が違う。文化が違う。気質が違う。こういったことを無視しては、マネをしたところで失敗をするだけだ。
・単純である・常識がない・未知との遭遇・それでいて前向き
これらの要素を日本人は飲むことができるのか?日本人的価値観からすれば「バカ丸出し」だ。それでも彼の国はそれなりにうまくやっているようだ。このことを本書で、実証データを交えながら知ることができる。
この本を読んで気になったことが、ひとつ。著者は、日本の格差問題は「給料の額の格差」であり、アメリカの格差問題は「資産の偏在という格差」であって、問題の根はアメリカの方が重く、日本の方は努力次第で何とかなるみたいなことを言っているが、日本の場合、中産階級は存在せず、大多数がサラリーマンであり、無産階級だ。アメリカの開拓初期ように、土地をタダ同然で手に入れることも、地面を掘ったら石油が出ることもない。やっとの思いで手に入れた持ち家は資産ではなく、ただの負債であり、地価上昇の恩恵にあずかってセミリタイアなんてことはほとんどない。ほとんどの人間の感覚は「働く者食うべからず」と「会社に認められて1人前」の2本立て労働奉仕型資本主義の感覚しかない。1億総中流の幻想は、会社に余裕がなくなれば吹き飛んでしまう脆い代物だった。
著者は、「クビにならないように努力しないのが悪い」「キャリアパスがすぐもらえないことをガタガタ抜かすな」など厳しいことを言っているが、その自立心あふれる発言を厳しいと思ってしまうほど、日本人はアマちゃんなのだ。それだけに、アメリカ流機会均等自己責任方式が雪崩れ込んでくると、アメリカ以上にひどい結果になるのではないかと拙者は心配なのである。
・「告発物ではなく、優れたれた経済史本である。」
はじめの百ページほどは、現在のアメリカの経済について書かれている。データを挙げて、マクロ面で緻密である。しかし特に評者が教えられたのは、メイフラワー号からのアメリカ経済の歴史、特に南北戦争後のそれの概観である。そのあたりのことを知る日本人は専門家を除けば居ないはずである。そうだったのかと膝を叩くことが多い。
終わりの二章、「心地よい」と「本質とその行方」。特に面白い。“アメリカは能力ある人にとっては魅力的な国だ、コストの高い基礎教育を母国で済ませ、移民として働くことは教育費を払わずに成果だけを手に入れる、、」「おわりに」、の日本で言うサラリーマンはアメリカには居ない。「会社」の持つ意味が日米ではまったく別である。など、ここで紹介しきれないが、胸のすくような発言が多い。
著者は滞米生活が長く、日本語に不安を持っておられるようだが、その心配はない。星を一つ少なくしたのは、帯の宣伝が気に入らないからである。 著書そのものはきわめて優れた近代アメリカ経済の解説書であろう。
・「これは随分な拾い物、でした」
著者紹介によれば著者は75年に東大経卒だから、50年代前半の生まれか。もちろん雇用機会均等法以前の世代で、「高卒5年目」(p280)の処遇で旧・長銀に入社。退職後、82年にスタンフォードでMBA取得し、ウォール街の証券アナリスト(日本人初)。85年、コンサルティング会社立ち上げに参加。この間、国際結婚したが、夫君に先立たれている(p292)。常に闘いの人生を送ってきた筋金入りだ。
「はじめに」に「今この本に書いていることを30年前に理解できていたら、筆者の人生は相当違っていたと思う」とあるが、本音だろう。本書には、著者が「実戦」の中で掴んだ「知恵」が詰まっている。闘い抜いて来た人だけに、日本のニート・フリーター問題についても、「就職戦線に女性も参戦し、大学進学率も上昇しているのだから、総体的には高度成長期と大差ない」(p280)などと厳しい指摘もある。
いかに優秀で筋金入りでも、大学教員の肩書きもなく、一般には無名の、異邦に生きる50代女性が書き下ろしを出版するのは難しい。だから話題の「格差」が前面に出た、やや煽情的な書名が選ばれたのだろうし、表紙の著者名下にまで「在米26年」などと余計な但し書きがついている。装丁も黒地に金文字でどぎつい。しかし内容は自分の経験を米国の歴史的成り立ちから正攻法で理解し、説明しようとするもので、成功していると思う。歴史といっても好事家的なそれではなく、あくまで現在を捉えるための、アクチュアルな歴史だ。
「グーテンベルグによる印刷機の発明によって出版が急増した」(p98)などと雑な記述も紛れ込んでいるようで、論を展開する上で手当たり次第に使えるものを使ったという印象もあるが、その切迫感が魅力ともなっている。
・「現代インドの実態」
FTの支局長としてインドに滞在し、インド人と結婚した英国人でクリントン政権の財務長官だった著者。ムンバイのテロ発生時にも問題の背景は良く理解できた。TVに急遽引っぱり出された、いわゆるインド学者のしどろもどろのコメントより有効。
・「復刊されました」
旧版が日本から撤退したので長らく品切れ状態でしたが、今回は西山訳から別人が翻訳しています。この本も既にそろそろ古典の仲間入りの時期なのかも知れませんが、フリードマンの論点は鮮やかです。本書を読むと日本がシカゴ学派の影響を受けて政策を実行されてきたかがわかります。本書でも書かれている郵政民営は実行されましたが、教育バウチャー制度(頓挫してしまいました)など興味深い内容が沢山あります。本書を読んでみて彼の意見に賛同するか賛同しないかは個人の判断ですが現在の日本の状況を見れば答は自ずとわかるはずですし、マネタリズムは失敗に帰していますから。
・「乗り越えるべき古典」
解説で、サミュエルソンとの対比が書かれているので、それを踏まえて書いておこう。サミュエルソンは、市場の安定性についての研究を多くしていることから、市場メカニズムに対してフリードマンよりずっと懐疑的である。つまり、サミュエルソンは市場も政府も信用しないが、その上で政府の役割を考えざるをえない、というスタンス。他方でフリードマンは政府に対する懐疑に比べて、市場に対して手放しで信用する傾向が強い。この楽観主義は、十分に裏付けられたものとは、私は考えない。また、サミュエルソンは厚生経済学の分野でも重要な貢献を多々しており、経済学における価値判断の問題の持つ難しさを十分踏まえていた。それと比べると、フリードマンの価値判断に対するスタンスは、ロビンズ以降の著作とは思えないほど慎重さを欠いている。彼の政策の明快さは、この無邪気さゆえである点に注意したい。
逆に言えば、その点を批判的に検討していく作業が重要だ、ということ。リバタリアニズムに批判的なスタンスを取る人こそ、本書を手に取るべきだ。星5つは、検討材料としての重要性に対する評価。本書の主張に、私はほとんど同意しない。
・「本当に読みやすい」
ただ今、読み終えてしまいました。本当に。。。2日かかりませんでした。自分でもびっくりです。楽しいです。内容については特に書くまでもないでしょう。徹底した自由主義者の徹底した論述です。そして確かに学術論文ではありませんが、フリードマンの思想が一掴みできる図書だと思います。そこで疑問が一つ、これは本当に読みやすい翻訳です。この読みやすさは今までにないものです。だからというわけではないのですが、原文との照合は本当に大丈夫なのですよね。時間がないので調べることができないので、翻訳者、出版社そして編集を信じるしかありませんが、日本語としての自然な表現の連続で、これがほんとうなら大したものだと思います。確かに、翻訳は「読みづらい」ものだ、という定理があるわけではないので、読みやすい翻訳はあるべきですが、ここまで良い日本語だと本当か?とさえ思われてきます。でも全てを信じて星5つ
・「古典の復活」
論点は新鮮だ。こんな風に感じるのは、それだけ世の中(特に日本?)が遅れているからだろうか。一般向けの内容で、経済学の知識は前提にされていない。翻訳もこなれていて読みやすい。ベストセラーになって欲しい。
・「リベラリストに破門された似非リベラリスト」
現在の日本社会が万民(国民のみならずという意味ですよ。念のため)にとって幸福であり、たとえば後期高齢者医療制度が不可欠の制度であり、これを定着させることが未来の人民にとっても意義深いものであると心底信じている人というのがいるということが、本書のレビューをみるとわかる。フリードマンは師であるナイトに破門され、ハイエクにも軽蔑されていた男である。これは何をか言わんや?フリードマンの描く経済イデオロギー(理論?)は、現下の情勢にとってハッキリと悪の権化であると評者は理解する。フリードマンに係る「自由」の概念について、どうやらナイーブにも高い評価をし、ラジカルな自由主義者だとの見解を持つ人が少なくないようだが、少なくとも「自由」概念について書いた書物、たとえ新書でもよいから1冊読まれたほうがよかろう。誰のものでもよい。「自由」とは複雑錯綜した概念であって、そもそもいい加減なレビューの作文では扱えないものであるという程度の認識は必要だ。リベラル、そしてネオリベラル。評者はどちらにも何の幻想も抱いていないし、同根の問題を孕むものではあるが、決して同じものではない。単純化すれば、それがナイトによるフリードマンの破門につながったとも言える。
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