クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫) (詳細)
貴志 祐介(著)
「無駄のない面白さ」「すばらしいです!!」「映像化してはいけない」「ほんとにあるかも」「ゲームブックです」
黒い家 (角川ホラー文庫) (詳細)
貴志 祐介(著)
「最恐」「保険業って大変だなぁ」「ぶったまげた」「心のない人間の引き起こす狂気」「禁断症状が出る作品」
天使の囀り (角川ホラー文庫) (詳細)
貴志 祐介(著)
「よく調べてる」「目をそらしたくなる恐怖、そして現実。」「何が一番怖いですか?」「傑作以外に例えようがない」「文字だけで感情を鷲づかみされる」
十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫) (詳細)
貴志 祐介(著)
「漢字の意味。。」「巧いとしか言いようがない」「いわゆる多重人格モノなんだけど、、、」「惜しいな」「恐怖!の裏に・・・」
「待ったぜ! 貴志作品!!」「現代版密室殺人」「4年半かかった労作」「躍動感も臨場感もない密室殺人」「期待は大きかったが。。。」
「よく調べてる」「目をそらしたくなる恐怖、そして現実。」「何が一番怖いですか?」「傑作以外に例えようがない」「文字だけで感情を鷲づかみされる」
「面白い本だとは思うが、ミステリーとしてはどうだろうか?」「本書自体は評価する」「マジで切ない」「見事な青春小説」「今まで読んだ中で最も感動した小説。」
「最恐」「保険業って大変だなぁ」「ぶったまげた」「心のない人間の引き起こす狂気」「禁断症状が出る作品」
ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ) (詳細)
貴志 祐介(著)
「最後まで気を抜けない」「もちろん怖い。」
映画版 黒い家 (角川ホラー文庫) (詳細)
貴志 祐介(著)
「ぜひ原作を読んでから」
・「無駄のない面白さ」
「バトルロワイアル」、ホラー映画「CUBE」、「ソウ」上記3作品を足したような小説。これらが好きな方はきっと楽しめると思います。
面白い小説は多いけれど、これほど先が気になって気になってしょうがない!早くこの話の謎(結末)が知りたい!という気持ちになったのは久し振りでした。
・「すばらしいです!!」
あまり本を読まない私でしたが、吸い込まれるように読みきってしまいました!展開もさながら伏線も幾重にも張ってあり、1度読み終わった後にもう一度読むと新しく気づくこともあると思います。
主人公を含め周りのキャラクターとのやりとりが実にリアルで、もしこんな状況に自分がいたら…と想像すると、とてつもない恐怖感がありました。
情景が浮かび上がってくる描写にも自分がその場にいることを感じさせてくれる力があり、まるで映画を見ているような気持ちになります。
練りこまれたストーリーや美しくも恐ろしい世界観に飽きることなく最初から最後まで楽しめます!普段本を読まない方にも自信を持ってオススメできる一冊です!
・「映像化してはいけない」
最初、会社の同僚から通勤用読書として借りたが。最初はよく有るアドベンチャー系ノベルだと思ったが読むにつれ食い入るように自分が読んでいる事に気付きました。「黒い家」もよく映画に出来たなと思いましたがこれは駄目です。この小説は読んでいくほど自分もゲームの標的にされているという危機感が生まれます。本気で手に汗握ってました。
・「ほんとにあるかも」
「火星」と姿の分からない主催者が呼ぶ場所に集められた数名の男女が出口を目指して競い合う人間が人食い鬼に変わっていく様がリアルでしたなぜこんな大掛かりな仕掛けがされていたのかという理由も明らかになり実際に起こってもおかしくない、と思えるのは作者の技量によるところでしょう続きが気になって一気に読んでしまいました
・「ゲームブックです」
かなり前評判の高い作品であった事から期待大で読みました。
確かに表面的な面白さはあるのですが・・それ以上でも以下でも無いというのが正直なところ。キャラの掘り下げが甘いのか感情移入もあまりできず、物語全体が希薄な感じがしてしまう。それにあれだけ読者にゲームの主催者への敵対心を煽っておいてこのラストもないだろうと・・。まだTVゲームに熱中していた時代に読めば楽しかったのかもしれないが。
・「最恐」
幽霊・超常現象一切なし 現実世界一本勝負
「迫る殺人鬼」という単純でリアルな恐怖を徹底的に練り上げる作者の技量に脱帽。数々のホラーを読みましたがこれを超える作品はありません。多分これからも。まさにキングオブホラー小説と呼ぶにふさわしい名作です。読後眠ったら生まれて初めて悪夢を見ました。
・「保険業って大変だなぁ」
大竹しのぶが怪演を見せた映画の原作ですが、こちらの方が、はるかに不気味でおぞましいです。保険金が絡んだ事件というのは、実際にいろいろ存在していますが、保険会社の調査員って、もしかしたらこんな事件に直面したりしてるのかも。とか考えると、『すぐそばにある狂気』みたいな凄みがあって、怖さが増します。
どうやらボクは、オバケとか宇宙人とかが出てくるような『超常的な恐怖』よりも、生きている人間の中に潜む『いつ直面してもおかしくない恐怖』の方が、好みみたいです。
第4回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作の肩書きは、ダテじゃありません。
・「ぶったまげた」
貴志祐介の代表作であるこの「黒い家」内容に関してはかなりレビューされているので今更ここで僕が語るまででもないようですねこの作品は1997年に第4回日本ホラー小説大賞受賞作ですが、この年はこの賞の歴史上最もレベルの高いものだったと個人的には思っています近代ホラーの名手中井拓志の「レフトハンド」、高橋克彦氏が絶賛した沙藤一樹の「D-ブリッジ・テープ」と秀作揃いでしたしかしこの作品はそれらの傑作群の中でも一際輝いています是非読んでみてください
・「心のない人間の引き起こす狂気」
大竹しのぶが映画に出演したことでも有名なこの作品は、彼女の演技以上に狂気に満ちている。
「この人間には心がない!」そう診断された女の引き起こす狂気が主人公に襲いかかる。ただ自分の欲望のためだけに、人を拷問にかけ、手足を奪い、殺してしまう。
何より恐ろしいのは、小説ならではのその心理描写である。クライマックス、その狂気が主人公の身に迫りくる瞬間の恐怖は活字を通して私たちの身にも迫り来る。私はこの作品を読み終えた時、全身にうっすら汗をかき、小刻みに震えていたことを今でもはっきりと覚えている。
・「禁断症状が出る作品」
傑作!!クライマックスは息を呑む展開です。夜中にベッドの中で読んでいたら、恐すぎて思わず本をパタンと閉じて深呼吸してしまいました。お金のために、自分の欲望のためにまさに化け物と化した犯人。恐ろしいの一言です。
思わず目を背きたくなるような光景が、緻密な情景描写によって目の前に浮かんできます。
こんなに続きが気になってドキドキする作品は稀少です。寝不足になってしまうでしょうから、休日前夜恐いの覚悟で夜中に読むことをお勧めします。
・「よく調べてる」
著者の作品を読んだのは、本作品を含めまだ2冊だが、貴志祐介という人はよく調べていると感じる。
決して知っていることをゴタゴタと並べているのではなく、作品を仕上げるために必然的に調べ上げた、そういう緻密さと説得力を感じさせる。
したがって、本作品でも話がいろんなところに推移していくのだが、説明に違和感がないため素直に話にのめり込むことができるのである。
そして描写が巧みな点もあげたい。この作品はホラー物にカテゴライズされるようだが、死体を描くところでは書きすぎない(あえて説明しない)ところが、かえって想像を駆り立てられるため、不気味さが倍増する。この「天使の囀り」は一気に読める、おもしろかった一作だった。
・「目をそらしたくなる恐怖、そして現実。」
不治の病、拒食症、人間不信…誰もが抱えているストレス、悩み、コンプレックス。そんな苦しみから我々の心を救う奴らは天使なのか、それとも悪魔なのか。 ホスピス医の早苗は、謎の死を遂げた恋人を調べていくうちに、背筋も凍る恐怖に直面していく。
最初、非現実的なホラー話かなと思い読み始めたが、読んでいくうちにこの話は決して、SFでもなく、もちろんお化け話でもない、現代社会への超リアルな警告なのだと気づかされていった。 「青の炎」以来、貴志祐介のファンになった私。はっきり言って、これはメチャメチャおすすめ!!
・「何が一番怖いですか?」
貴志氏ほど素材を活かす事が上手い作家をちょっと知らない。
少しでも、例えば藤田紘一郎氏や竹内久美子氏の著作を数冊という程度でも、この方面の知識を持っている人間は唸らずにはいられない筈である。仮定ではあるが実際に論じられている学説を、ガラス越しの恐怖として演出するのではなく「ほら、貴方の足元に、肩にも」とでもいうように身近で直接肌に触れてくるような演出で展開してくるから恐怖も一入。怖がり甲斐がある。パラサイトに対する生理的嫌悪感は(目黒の某館館長を除いて)誰でも持っていると思うが、本書はここを責めてくる。侵食から自分を守るための恐怖と侵食されたものの至福とが交錯する。北島早苗の最後の選択は物理的は寄生されなかったが、精神的には汚染されたことを示す!ようで怖い。
人が何を恐れるのかは進化の過程で培った種としての資産であるのだけれど、それを克服する手段があるとしたら貴方ならどうしますか?それを望みますか?「恐怖」を克服した先に何か残ると思いますか?本書はこの問いに対する貴志氏流の答えであるのかもしれない。
・「傑作以外に例えようがない」
構成力・文章力・キャラの立ち方などどれを取っても最高点を与えたい。とても社会や経済、病院などの施設などもよく研究した上で書き上げた作品なのだろう。描写が的確で読んでいてストレスがなく作品世界にとけ込むことができる。それだけ卓越した文章の表現力を持った作家さんなのだろうと感心するばかり。文庫版の惜しむらくは「パラサイト・イブ」の瀬名 秀明が偉そうに「自分がバイオホラーの草分け」みたいな自画自賛を交えて、解説をしているのだが、冗談じゃない。あんな竜頭蛇尾の作文と一緒にして欲しくない。
・「文字だけで感情を鷲づかみされる」
やはり、貴志祐介は面白い。圧倒的な知識と情報量。緻密な構成、無駄のなさ。 生理的な嫌悪、感情が一瞬のうちに置き換わり、愛する者がその人らしさを失うことの悲しみ、虚しさ、無力感。文字だけで、様々な感覚や感情が総動員される。 挿入されている民話や手記が秀逸で、リアリティに輪をかける。ホラー小説に分類されるが、テーマは深い。最後には、医療倫理の問題の布石を投げかけているが、この部分がこの小説の唯一の救いの部分でもある。
●十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
・「漢字の意味。。」
これは、多重人格者の話なんだけれど、私が印象的だったのは、それぞれの人格につけられた名前の「漢字の意味」にその性格が深いかかわりがあると言う事です。思わず漢和辞典でいろいろな漢字(身近な人の名前に使われている)を 調べてしまったくらいです。あなたの、本当の(裏の)性格は???なぁんて。
もちろん、破たんのないち密なストーリーは ピカイチ!です。
・「巧いとしか言いようがない」
貴志祐介のデビュー作となった作品であるが、緻密さといい構成といい、読者をひき付ける「巧さ」には脱帽。
この物語はホラーというよりミステリーに近いものを感じる。13番目の人格「ISOLA」の正体を暴く過程に恋愛を絡ませるのも非常に巧い。ミステリー色の強い作品だけにネタバレは厳禁。興味のある人は実際に読みましょう。
ひとつだけ言わせて貰えば、最も恐ろしいのは物語の一番最後です…
・「いわゆる多重人格モノなんだけど、、、」
「黒い家」で貴志作品にはまり、過去を遡るように読んだせいか、楽しめるものの他の作品に比べると衝撃が少ないように思いました。多重人格モノに慣れてしまっている私としては「多重人格ブーム」以前に読みたかった!というのが本音です。
ただ、人の心が読める女性、多重人格の少女、その中の恐るべき人格、とこれだけの設定を前に「新鮮味はあまりないなぁ」と思ってしまう人間でも、最後まで読まずにはいられない筆力には脱帽。買ったら必ず最後まで読むことは間違いなしです。
・「惜しいな」
貴志祐介の中では、一番つまらないです。 趣味も問題かもしれない。ジョンシーリリーの話とかは面白かったけど、肝心の展開がな。 超能力バトルになっちゃうから。やっぱ佳作どまりですかね。 クーンツとか、キングとか、アメリカモダンホラーの影響だと思うんだけど、黒い家とかのほうがやっぱり上ですね。
・「恐怖!の裏に・・・」
貴志祐介先生の書く物語はいつも後半に近付くにつれ、読者を恐怖に陥れます。「黒い家」「クリムゾンの迷宮」しかり・・。
この物語も貴志先生お得意の手法で描かれており、恐怖のあまり、家へ帰る道のりが怖くて仕方なかったくらいです。
ただ、「ISOLA」は恐怖の裏に男と女の悲しい物語もあり、
読んでいて奥深さも感じました。読んでいて飽きない本です。
・「待ったぜ! 貴志作品!!」
4年以上も彼の作品を待ち続けました。長かったですねぇ……今回は、密室殺人モノです。著者初挑戦ということで、やや不安に思いながらも読み始めたのではありますが…もう、休むヒマ・眠るヒマも与えてくれませんでした。美貌の弁護士をサポートする防犯コンサルタント。二人のチームワークで、攻略不可能かと思える密室殺人に挑んでいくのです。
謎解きもさることながら、多くの登場人物が織りなす人間模様の「綾」こそがこの作品の見どころではないのでしょうか。貴志祐介ファンの皆さま、早いところ読んでください。私のように、一気に読むのもいいでしょうがせっかくならば、楽しみながら読むのもいいのではないでしょうか?
・「現代版密室殺人」
密室殺人は、推理小説界の大きなテーマだ。私がかつて読んだ事のあるものを思い返すと、ドライアイスまたは氷の凶器を使って、証拠を残さないものや、犬などの動物に学習させるというものなどがあった。本書の密室殺人では、ハイテク機器が多用される。防犯対策もそれを破る方法も、いかにも現代的だ。少々強引な方法だが、この方法に辿り着くまでの経過が面白い。また、大いに活躍する防犯コンサルタントは、実は曲者だというあたりも傑作だ。
著者のこれまでの作品は、すべて綿密な下準備の上で書かれるので、状況描写が妙に細かい。本書では、例えば、競馬のレース解説、ビリヤード、車などだ。少し描写が過剰かなと感じてしまう時もあるが、反面、リアルで、フィクションである事を忘れてしまう。
本書は余韻が爽やかだ。著者のホラー性の無い推理も非常に秀逸だ。
・「4年半かかった労作」
とにかく労作です。著者初の本格、密室物です。数ある密室ミステリーを現代風(貴志風)にさらっと書き綴る所はさすがでしょう。 とにかく本作のプロットから判断すると、新作まで4年半もかかってしまったことが何となく分かります。意外な犯人にえっとおもうかもしれませんが、練りに練ったプロット、若手女性弁護士と防犯コンサルタントが苦労の末に、犯人を導き出す部分は手に汗握る展開の連続です。 とにかく、待ちに待った新作はミステリーファンの期待に十分こたえた充実作でしょう。。自作は2年後ぐらいまでにはぜひ出してほしいものです。
・「躍動感も臨場感もない密室殺人」
貴志祐介は好きだったんですけど「黒い家」「天使の囀り」「クリムゾンの迷宮」にあった危険な文体が消えてしまい寂しい気持ちです
この小説の完全犯罪に対して、伏線が隠れていないところや二部構成でありながら、犯罪コンサルタントの榎本と犯人の人物描写が差別化できていない犯人が犯行に至るまでの回想にも臨場感が薄い
など、二転三転するミステリーの醍醐味が無く構成に手を奪われた感が否めない
4年半の間、時間をかけていたというにはお粗末で寂しい新刊でした
・「期待は大きかったが。。。」
4年半ぶりの貴志さんの新作で、かつ初めての本格ミステリという事で、むちゃくちゃ期待して読んだんですが、やや期待はずれの感は否めません。
ミッションインポシブルばりの、セキュリティ破りの話で、おそらくは、かなり専門的な事を調査されて書かれている労作ではあるんですが、犯人の人間造形が薄いし、探偵役がやや魅力不足であるために、傑作とは残念ながらよべない。
もちろん、読めば十分面白いと思います。貴志さんが4年半ぶりという事で期待しすぎたのかも知れません。
・「よく調べてる」
著者の作品を読んだのは、本作品を含めまだ2冊だが、貴志祐介という人はよく調べていると感じる。
決して知っていることをゴタゴタと並べているのではなく、作品を仕上げるために必然的に調べ上げた、そういう緻密さと説得力を感じさせる。
したがって、本作品でも話がいろんなところに推移していくのだが、説明に違和感がないため素直に話にのめり込むことができるのである。
そして描写が巧みな点もあげたい。この作品はホラー物にカテゴライズされるようだが、死体を描くところでは書きすぎない(あえて説明しない)ところが、かえって想像を駆り立てられるため、不気味さが倍増する。この「天使の囀り」は一気に読める、おもしろかった一作だった。
・「目をそらしたくなる恐怖、そして現実。」
不治の病、拒食症、人間不信…誰もが抱えているストレス、悩み、コンプレックス。そんな苦しみから我々の心を救う奴らは天使なのか、それとも悪魔なのか。 ホスピス医の早苗は、謎の死を遂げた恋人を調べていくうちに、背筋も凍る恐怖に直面していく。
最初、非現実的なホラー話かなと思い読み始めたが、読んでいくうちにこの話は決して、SFでもなく、もちろんお化け話でもない、現代社会への超リアルな警告なのだと気づかされていった。 「青の炎」以来、貴志祐介のファンになった私。はっきり言って、これはメチャメチャおすすめ!!
・「何が一番怖いですか?」
貴志氏ほど素材を活かす事が上手い作家をちょっと知らない。
少しでも、例えば藤田紘一郎氏や竹内久美子氏の著作を数冊という程度でも、この方面の知識を持っている人間は唸らずにはいられない筈である。仮定ではあるが実際に論じられている学説を、ガラス越しの恐怖として演出するのではなく「ほら、貴方の足元に、肩にも」とでもいうように身近で直接肌に触れてくるような演出で展開してくるから恐怖も一入。怖がり甲斐がある。パラサイトに対する生理的嫌悪感は(目黒の某館館長を除いて)誰でも持っていると思うが、本書はここを責めてくる。侵食から自分を守るための恐怖と侵食されたものの至福とが交錯する。北島早苗の最後の選択は物理的は寄生されなかったが、精神的には汚染されたことを示す!ようで怖い。
人が何を恐れるのかは進化の過程で培った種としての資産であるのだけれど、それを克服する手段があるとしたら貴方ならどうしますか?それを望みますか?「恐怖」を克服した先に何か残ると思いますか?本書はこの問いに対する貴志氏流の答えであるのかもしれない。
・「傑作以外に例えようがない」
構成力・文章力・キャラの立ち方などどれを取っても最高点を与えたい。とても社会や経済、病院などの施設などもよく研究した上で書き上げた作品なのだろう。描写が的確で読んでいてストレスがなく作品世界にとけ込むことができる。それだけ卓越した文章の表現力を持った作家さんなのだろうと感心するばかり。文庫版の惜しむらくは「パラサイト・イブ」の瀬名 秀明が偉そうに「自分がバイオホラーの草分け」みたいな自画自賛を交えて、解説をしているのだが、冗談じゃない。あんな竜頭蛇尾の作文と一緒にして欲しくない。
・「文字だけで感情を鷲づかみされる」
やはり、貴志祐介は面白い。圧倒的な知識と情報量。緻密な構成、無駄のなさ。 生理的な嫌悪、感情が一瞬のうちに置き換わり、愛する者がその人らしさを失うことの悲しみ、虚しさ、無力感。文字だけで、様々な感覚や感情が総動員される。 挿入されている民話や手記が秀逸で、リアリティに輪をかける。ホラー小説に分類されるが、テーマは深い。最後には、医療倫理の問題の布石を投げかけているが、この部分がこの小説の唯一の救いの部分でもある。
●青の炎
・「面白い本だとは思うが、ミステリーとしてはどうだろうか?」
面白い本だとは思う。しかし、ミステリーとしてはどうだろうか?自分が高校生の時に読んだら感動したかもしれないが・・・・
「黒い家」「天使の囀り」に衝撃をうけた一読者としては、不満が残った。
この手の、犯罪者の側から犯罪を描くという手法は、「太陽がいっぱい」を始め、古今東西、数多く用いられている。本作品が、これらと比較して成功した理由は、主人公を高校生とし、家族を守るために殺人を犯すという大義名分を与えたことにより、より読者が感情移入しやすいためと考えられる。かくゆう私も、「なんとか秀一を助けたい」とページをめくってしまった一人である。
しかしながら、なぜ秀一はそんなに自由に大金をつかえるのだろう?本当に母親は息子の犯罪に気づかないものなのか?道路!を疾走するロードレーサーの目撃者が一人もいないのか?など、作品中に一応の説明はあるものの、作者の都合により流されていってしまう事柄があまりにも多すぎて、ミステリーとしてはいかがなものか?と感じずにはいられなかった。なぜ曾根は秀一宅に居着こうと思ったのか?そしてきちんとした理由があるながら、なぜ粗暴な態度をとり続けたのか?母親はなぜ曾根の排除を考えなかったのか?など、コンピューターに関する記載を削ってでも焦点をあててほしい箇所は何カ所もあった。「上っ面だけなぞってきれいに書いた青春小説」厳しい言い方になるかもしれないが、そんな印象を持った。
最後に一言。警察はそこまで甘くはない。
・「本書自体は評価する」
本書初版が書店に並んだ数週間後、ある凶悪殺人事件が起きた。偶々その現場に蒼いペンキだかタオルだかが落ちていた、犯人の家から本書が押収された、といった、ただそれだけの報道で、内容などそっちのけでTVで取り上げられ、論じられ、その後一斉に店頭から姿を消したことを、あの時のヒステリーの凄まじさを私は覚えている。
今回の文庫版の帯びのコメントもそうだが、試写会を見た高校生の反応に、あの時の反応と本質的に同じものを感じる。本質よりも見た目の感性だけでモノを云う恐ろしさを感じるのだ。
本書は断じて家族思いの少年の心の軌跡を美しく歌い上げたジュブナイルと解してはならない。
詳細に完全犯罪を計画するサイコパス的な要素を持つ少年が、殺人という醜悪な解決方法を選択したが故に、全てを崩壊させるに至る喪失の物語である。それがどのような理由からで有ったにしろ、殺人という選択肢を選んだことの結実の醜悪さを読むべきなのだ。
確かに本書はスリリングでスピード感があり、エンターテイメントとして一級であることを私は認める。同時期にデビューした瀬名氏よりも貴志氏の作品の方が読んでいて面白い。産毛をこするような身近な恐怖を描かせたら彼は一級だと思う。それでも今現在のメディアのように、本書を評価してはならない。
・「マジで切ない」
高校生による完全犯罪。店頭でパラパラめくってみて、なんか難しそうな理数系の公式が目に入り、読むのやめようかな…と思いながらも手にした一冊。途中からはグングン櫛森秀一(主人公)の世界に引きずり込まれ、一気に読んでしまいました。
母を、妹を守りたいという「青の炎」。高校生らしい無軌道さがなにか懐かしい郷愁を誘い、最後には切なさで胸がいっぱいになりました。
マジでお薦めです。
・「見事な青春小説」
秀一は中学生のときに、突っ張っている紀子にさりげなく『本当は心優しい子だよ』といいつづける。彼はこのことを洗脳実験のような『ドルネシア効果』だと自分に言い聞かせている。事実彼女は次第におとなしくなっていき、やがて高校のときに再会したときにはまるきり別人になっていた。
秀一は殺人者である。しかしこの物語には秀一を客観的に描いた文章はひとつも無い。秀一の独白ですべてが進んでいる。その中では秀一の本当の心も隠されているような気がしてならない。たとえば、秀一は本当に単に洗脳実験のつもりで紀子に声をかけつづけたのだろうか。そうではないだろう、ということを最後のほうまで読むと読者は次第とわかってくる。秀一は優しすぎるのであるとか…。読者は倒叙推理小説だからといって主人公の『動機』がすべてわかったと思ってはいけない。
中島敦の『山月記』と漱石の『こころ』が受験生の秀一の心の中でひっかかる。いったんトラになってしまうと引き返せなくなる人の心、自分の中でしか清算できない罪の心。この小説は単なる犯罪小説ではない、『条件さえ整えれば人を殺してもいいのでは』と青春時一度は思う疑問に、ひとつの答えを出している。高校生には必読の青春小説だろうと思う。と、高校の先生には声を大にして言いたい。
・「今まで読んだ中で最も感動した小説。」
いかなる理由があろうとも、殺人は厳罰をもって裁かれるべき罪であることは疑いがありません。しかし家族を救うためにそれを犯した秀一がその報いを受けることが哀れでならず、なんとか都合良くハッピーエンドにならないものかと思いつつ頁を繰りました。秀一が重要参考人として警察に尋問されるシーンは、息詰まる緊張感があります。
大人の私の目から見れば、未熟な青年ならではの秀一の身勝手さも目に付きます。ある重要なアイテムを託された紀子は今後良心の呵責に苛まれはしないでしょうか。大型トラックのドライバーは人生に重い十字架を背負うことになるでしょう。そして秀一を信用した山本警部補は、職責を問われることになるのは間違いないでしょう。しかし青春時代とはきっとこんなふうに身勝手で、やたらめったら周りに迷惑をかけるものなのでしょう。
この小説の最終章は、最後の一行までほんとうに美しいです。
●黒い家
・「最恐」
幽霊・超常現象一切なし 現実世界一本勝負
「迫る殺人鬼」という単純でリアルな恐怖を徹底的に練り上げる作者の技量に脱帽。数々のホラーを読みましたがこれを超える作品はありません。多分これからも。まさにキングオブホラー小説と呼ぶにふさわしい名作です。読後眠ったら生まれて初めて悪夢を見ました。
・「保険業って大変だなぁ」
大竹しのぶが怪演を見せた映画の原作ですが、こちらの方が、はるかに不気味でおぞましいです。保険金が絡んだ事件というのは、実際にいろいろ存在していますが、保険会社の調査員って、もしかしたらこんな事件に直面したりしてるのかも。とか考えると、『すぐそばにある狂気』みたいな凄みがあって、怖さが増します。
どうやらボクは、オバケとか宇宙人とかが出てくるような『超常的な恐怖』よりも、生きている人間の中に潜む『いつ直面してもおかしくない恐怖』の方が、好みみたいです。
第4回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作の肩書きは、ダテじゃありません。
・「ぶったまげた」
貴志祐介の代表作であるこの「黒い家」内容に関してはかなりレビューされているので今更ここで僕が語るまででもないようですねこの作品は1997年に第4回日本ホラー小説大賞受賞作ですが、この年はこの賞の歴史上最もレベルの高いものだったと個人的には思っています近代ホラーの名手中井拓志の「レフトハンド」、高橋克彦氏が絶賛した沙藤一樹の「D-ブリッジ・テープ」と秀作揃いでしたしかしこの作品はそれらの傑作群の中でも一際輝いています是非読んでみてください
・「心のない人間の引き起こす狂気」
大竹しのぶが映画に出演したことでも有名なこの作品は、彼女の演技以上に狂気に満ちている。
「この人間には心がない!」そう診断された女の引き起こす狂気が主人公に襲いかかる。ただ自分の欲望のためだけに、人を拷問にかけ、手足を奪い、殺してしまう。
何より恐ろしいのは、小説ならではのその心理描写である。クライマックス、その狂気が主人公の身に迫りくる瞬間の恐怖は活字を通して私たちの身にも迫り来る。私はこの作品を読み終えた時、全身にうっすら汗をかき、小刻みに震えていたことを今でもはっきりと覚えている。
・「禁断症状が出る作品」
傑作!!クライマックスは息を呑む展開です。夜中にベッドの中で読んでいたら、恐すぎて思わず本をパタンと閉じて深呼吸してしまいました。お金のために、自分の欲望のためにまさに化け物と化した犯人。恐ろしいの一言です。
思わず目を背きたくなるような光景が、緻密な情景描写によって目の前に浮かんできます。
こんなに続きが気になってドキドキする作品は稀少です。寝不足になってしまうでしょうから、休日前夜恐いの覚悟で夜中に読むことをお勧めします。
・「最後まで気を抜けない」
前半は、よくある多重人格モノなのかと思って、ちょっとがっかりしていました。いやはや、貴志作品がそんなんで終わるはずないですよね。ISOLAが出現した理由を突き詰めていくに従って、期待通り怖い作品になっています。
人格達の名前の文字にこだわっている点が興味深かったです。#漢字フェチなので(^^;;;;;;
また、千尋の父親の形見である「雨月物語」が効果的に使われていて、恐怖を増幅させています。
ラストでは、ほっとできるのかと思いきや、よりいっそうゾッとさせられました。計算され尽くした、よく出来た作品だと思います。
・「もちろん怖い。」
『黒い家』と遜色ない怖さ。『吉備津の釜』をスパイスとして上手に使っています。
イヤな奴を書くのが、本当にうまいですね、作者は…。
・「ぜひ原作を読んでから」
この本は原作を読んでからか、映画を見てからでないと恐らく何も意味が分からないまま終わってしまう。原作から削られている部分も多く、主人公の心理描写も分かりづらい。
シナリオだけに、やはり読み物として読んで楽しめるかというと難しい。セリフとト書きだけでできている「シナリオ」は役者が演じて初めて意味を持つ。シナリオの勉強をしているか役者として演じる目的以外にはあまりお勧めできない。しかも場面転換が多いので映画かドラマとしてしか成り立たない。(舞台でそのまま使えないだろう)
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